装備レビュー

使いやすくスマートなMTB用携帯ポンプ!『クランクブラザーズ:クリックHV』レビュー

スポーツバイク用の携帯ポンプは数あれど、空気の入れやすさや軽量性、収納性など、自分好みのポンプを見つけるのは難しい。

今回ご紹介するのは、ユニークな収納で空気の入れやすさとコンパクト性を両立させた携帯ポンプ、クランクブラザーズのクリックHVだ。

<目次>
0.はじめに
1.スペック
2.各部詳細
3.使用感
3-1.全体が使いやすい
3-2.カタカタ音が気になるかも
3-3.空気の量は多いけど……
4.まとめ

0.はじめに

本題に入る前に1つだけお断りを。それは、この製品はライトウェイさんから提供を受けているという点。

僕のブログは『いちユーザー目線で、良いこと悪いことを正直に書く』というのをモットーにしているので、この記事でも正直なレビューをしていく。ご提供を受けた品ではあるけど、記事を書くにあたってライトウェイさんにもその点を了承して頂いていることを、はじめにお断りしておきたい。

 

1.スペック

まずはスペックからご紹介。

 

スペック

・サイズ:29×220㎜(実測)
・重量:公称124g(本体のみ実測110g)
・カラー:シルバー、ミッドナイト
・価格:4,598円(税込み)
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クランクブラザーズの携帯ポンプ「クリック」シリーズには、ロードバイク等の高圧タイヤに対応した「HP」と、MTB等の高ボリュームタイヤに対応した「HV」の2タイプがある。

僕は650×47cのグラベルロードで使用する前提で導入したので、ハイボリュームの「HV」を選択。カラーはバックや森の中で見つけやすい様にシルバーにした。

実測重量は110g。携帯ポンプの中では軽量な方だろうか。

 

2.各部詳細

続いては各部を細かく見ていこう。

付属品はボトルケージのダボ穴に固定する樹脂マウントと固定ベルト。

このクリックHVの珍しい点は、ポンピングを楽にしてくれる機能が充実していること。

まず、ハンドルはT字型に変形することが出来る。まっすぐのものに比べ持ちやすく、力も込めやすい。

そして、ポンプの内部にはいわゆる「お助けチューブ」のようなホースが内蔵できる。このホースが無いタイプの携帯ポンプが主流だけど、バルブに本体を直接挿すとポンピングがしにくくなるし、バルブを痛めてしまう危険性もある。

そのためホースが付属していたり別売のホースを使ったりと工夫をする方もいらっしゃるが、どうしてもホースの分荷物が増えてしまうのが難点だ。

クリックHVはポンプ内部にホースを収納できるため、非常にスマートで場所をとらず、なくしてしまう心配も無い。

そして、ホースの着脱もすごく簡単。

マグネットでくっつく仕組みなので、ねじ込んだり力を加えて固定する必要が無いのだ。

しかも、ホースの取り付け口はごみが入らないように、外側を回転させて使用時以外はカバーしておける。何とも至れり尽くせりな構造。

ポンプの口金部分は、バルブにねじ込んでロックするタイプ。

口金を入れ替えることで、仏式と米式のバルブに対応する。

 

 

3.使用感

では、実際に使ってみてのあれこれを書いていきたい。

3-1.全体的に使いやすい

先ほどもクリックの構造を書いてきたけど、やはりチューブが付属し、しかもその着脱が非常に簡単なので使いやすい。ハンドルがT字型になるのも結構ポイントが高かったり。やっぱりT字ハンドルは握りやすい。

低圧で運用する太いタイヤとはいえ、やはりそれなりの回数ポンピングしないといけないので、こういう使いやすさはとても大事だ。

また、ねじ込んで固定する口金も結構いい感じ。

僕は今までレバーでロックするタイプのポンプしか使ったことがなかったんだけど、クリックの様にねじ込む方がバルブに負担が少ないし、失敗して空気が少し漏れてしまうことも無い。

ねじ込むときは、ホースを本体から離した状態で行う。ホースだけだから作業しやすいし、素早く脱着が可能。この仕組みは結構気に入った。

更に、ホースと本体が磁石でくっつくので、ワンタッチで非常に簡単。ポンピングで空気が漏れることもないし、本当に使いやすい。

ホースが付いていることで、ポンピングの時にホースを壁や地面に押し付けて使用することが出来る。

高圧になった際にも体重をかけてポンプを押し込めるので、ホース無しのモデルとは使いやすさで一線を画すだろう。

 

3-2.カタカタ音が気になるかも

ちょっと懸念されるのが、内部に収納したホースが揺れるとカタカタ音がするということ。手で振ってみるとこの音は明らかで、固定方法によっては気になる方もいらっしゃるかもしれない。

綺麗な路面のオンロードを走っているときは音はならないし、グラベルに入ってしまえば走行音やチェーン等の暴れる音でかき消されるので気が付かないけど……あんまりガッタガタと中でホースをぶつけるのもよくない気もする。

内部に薄いゴムシートでも貼れればいいものの、ちょっと自分で加工するのが難しいので最初から緩衝材を入れておいてくれればよかったのにと思う。

 

3-3.空気の量は多いけど……

最後に、ポンピングで入る空気の量について。「1回のポンピングで沢山の空気を送り込めるハイボリュームタイプ」を謳っているので、果たしてその実力は?という実験をしてみた。

僕の使用している650b×47のタイヤで、空気圧が2Barから100回ポンピングして、何気圧まで上がるか試してみた。

結果、3回試して平均が2Bar→2.8Bar。100回のポンピングで0.8Bar上がったことになる。

比較として、ロードバイクで使っている人気ポンプRoadie TT」も同じ条件でやってみたところ、意外にも同じく2.8Barという結果だったRoadie TTは特殊な機構によりハイボリュームで、高圧でも非常に楽にポンピングできる高性能な携帯ポンプである。

ただ、2.5Barを超えたあたりからポンピングに必要な力にかなりの差があった。クリックは明らかに重くなっていったのに対し、Roadie TTは変化なし。クリックHVも「最大気圧7.6Bar」を謳っているけど、そんな空気圧は現実的でないだろう。「MTB用」という製品の区分の通り、MTBタイヤの最大3.0Bar位での使用が現実的だと思う。

形状や口金の使いやすさはクリックHVが勝り、ポンプ単体で考えるとRoadie TTの方が勝っている。

 

4.まとめ

以上、クランクブラザーズのMTB用携帯ポンプ「クリックHV」をレビューしてみた。

ホースを内蔵できるスマートな構造や、T字に変形するハンドル、使いやすいねじ込み口金など、携帯ポンプとしての使いやすさは非常に気に入った。3気圧未満で使用するMTBタイヤでの使用なら、とても使いやすく良いポンプだと思う。

その一方で、特殊機構を内蔵しているポンプ(Roadie TT例のポンプワンタッチポンプ)には、圧力が高くなったときに必要な力やシリンダーサイズに対するエアボリュームで差をつけられている。もっと高圧で使用する場面もあるなら、そういった特殊機構付きのポンプをおススメしたい。

この記事が、皆様の携帯ポンプ選びの参考になれば幸いだ。

おわり

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