高性能かつ低価格を両立し、自転車界隈のライト事情に大きな衝撃を与えたOlight(オーライト)。
そのオーライトが、新作の自転車用ライト『RN1200』を発表した。見た目は同社のヒット商品「RN1500」と似ているが、果たしてその性能はいかほどだろうか。ありがたいことに、オーライトさんからレビュー用にライトの提供を受けることが出来たので、RN1500と比較をしつつレビューしていきたい。
【重要なお知らせ】
追加的にLowおよびMiddleモードで連続点灯試験を行ったところ、公称のランタイムよりも大幅に長いことが判明しました。公称のランタイムが「Lowモード:6.5時間」「Middleモード:3時間」「Highモード:1.5時間」だったところ、「Lowモード:16時間」「Middleモード:5.5時間」「Hightモード:1.7時間」です。
この記事での結論は公称のスペックにおける内容なので、実際の製品と異なる可能性が高いため、その点を留意したうえでご覧ください。
<目次> 0.はじめに 1.スペック 2.各部詳細 3.RN1500との比較 4.RN1200は『買い』か? 5.まとめ
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0.はじめに
冒頭にも書いた通り、僕はこのRN1200をオーライトさんからご提供いただいてこのレビューを書いている。
それでも、製品に否定的な内容も自由に書き、内容の編集を受け付けない事をオーライトさんに了承して頂いているので、ステマ的な内容ではないことを、初めにお断りしておきたい(最後まで読んで頂ければわかると思うけど……)。
1.スペック
さて、まずはRN1200のスペックからご紹介していこう。
・サイズ:107×31×31㎜ ・重量:公称161g、実測164g ・モードと明るさ: ー点灯:①300lm(6.5h)②600lm(3h)③1200lm(1.5h) ー点滅:④0-600lm(7h)⑤0-900lm(5h) ・その他:IP7防水、1m耐衝撃、ロック機能付き ・価格:定価7,795円(公式サイトはこちら)
オーライトは、まだ自転車専用ライトに参入して日の浅いブランドながら、現在ではすっかり自転車用界隈にもなじんでいると思う。長年フラッシュライトを作り培ってきた技術をもとに、前作のRN1500を作成。これが火付け役となり、ライトとしての性能や低価格を評価され一気に広まった。
このRN1200も最大1200lmというかなり明るいライトながら、この価格で販売されているのは相変わらず凄い。
RN1200の重量は実測で164g、ハンドルバーマウント込みだと180g。
公称値は161gなので、この乖離は誤差の範囲だろうか。
2.各部詳細
では、各部を詳しく見ていこう。
(とはいえRN1500とほぼ同じなので、既にお手元にRN1500をお持ちの方はすっ飛ばしていただいても構わない。)
パッケージ。しっかりとした化粧箱に入っていて、なんだかスマホみたい。
内部には随所にメッセージがあって、ちょっと嬉しいなあとか。(笑)
パッケージの中身は
・本体 ・説明書(日本語記載もあり) ・マウント2種類 ・長さの違うマウント用の交換バンド ・3㎜六角レンチ ・USB-typeCケーブル
取り付けから使用に至るまで、こちら側で用意するものはなくパッケージの中身のみで完結できる。
また、日本市場も意識しているようで取り扱い説明書に日本語の記載もあった。(ただし、ちょっと日本語が変なところがあったので英語も読めた方が正確かも)。
本体はアルミ合金製、マットブラックの仕上げ。
四角柱の形状で、上部にスイッチ、下部にマウント、後方に充電コネクタ。
マウントはガーミンマウントを採用。ガーミンのサイコンと同じく、90°回転させて着脱を行う。着脱は簡単だが、サイコンや他のライトと干渉する恐れがあるので、ライトのポジショニングにやや気を遣う。
ライトのマウント部分、ハンドルバーブラケットは樹脂製。
ハンドルバーに取り付けるブラケットは、六角3㎜で取り付けする。ハンドルバーの太さに応じて、付属のベルトを交換して対応できる。
あんまり強い力で締めるとブラケットが破損するので、樹脂製であることを理解したうえで取り付けが必要。
コネクタはUSBのtypeC。最近のスマホで使われている、上下の区別がないタイプ。
このポートはライトの充電に用いるほか、「ライト→スマホ」といった様に、ライトをモバイルバッテリーとして使用することも可能だ。また、ライトをモバイルバッテリーに繋ぎながら点灯させることもできるので、もし充電が切れても外部電源で駆動させることが出来る。
バッテリー容量は4000mAと大容量。それでいて、約2時間で充電が完了する急速充電に対応。
レンズは対向車等への眩しさを軽減する工夫がされていて、上部のスリットで上への配光をカットする仕組み。
「カット」といっても完全に光がさえぎられる訳ではないので、自分のアピールや上方の看板を照らすことは十分に出来る。
また、ライトに上下があるので、ハンドルバーの下側に取り付ける所謂「逆付け」は純正のパーツでは出来ない。「ふるふわーくす」さん発売のキャットアイブラケット変換アダプターを使用し、ライトの上下を保ったまま対応するのをお勧めする。
点灯モードと明るさ、ランタイムは、
ー点灯:①300lm(6.5h)②600lm(3h)③1200lm(1.5h)
ー点滅:④0-600lm(7h)⑤0-900lm(5h)
という5種類。
スイッチのON/OFFはボタンを長押し。点灯、点滅それぞれのモード変更はボタンを1クリックで行い、点灯⇔点滅の切り替えはダブルクリックで行う。
追加された面白い機能は、ライトの『ロック機能』。
最初と最後がロック状態で、インジケーターが素早く赤く点滅する。5秒長押しで、ロック⇔アンロック。
バックの中とかで不意に点灯して火事になるのを防いでくれる。 pic.twitter.com/gzkGl7Z5fJ
— S.K. (@r0adbike_sk) June 11, 2021
新しくRN1200に追加された機能で、誤作動による点灯を防ぐ「ロック機能」がある。ボタンを5秒長押しでロック機能のON/OFFを行い、ロック機能が効いているうちはライトを点灯出来ない。
RN1200の様な高輝度ライトは点灯時の発熱も大きく、また発する光も物を溶かしたり燃やしたりするほど強力だ。そのため、鞄の中などで誤作動してしまうと、最悪の場合火災に発展する危険もある。
ライトを安全に管理・保管するために、ロック機能は嬉しいアップデートだ。
3.RN1500との比較
さて、この記事の本題というか、恐らく皆様が最も気になるであろうポイント「RN1500との比較」を。
RN1500について詳しくは、過去に記載したレビュー(↓)をご覧いただきたいが、簡単に言うと「RN1200の前のモデルで、オーライト人気の火付け役となったモデル」だ。僕もRN1500は提供品以外にも買い足して使用しているほど気に入っているライトである。
ともすれば、やはり気になるのはその旧機RN1500と、新機RN1200違いであろう。
しかし、RN1200とRN1500は非常に似ており、形状、重量、配光、機能、付属品に至るまで、RN1500と同じ。
重量に関しては、公式サイトのスペック表ではRN1500は172g、RN1200が161gとなっているけど、僕の手元のライトを実測するとRN1500は163g、RN1200が164gなので、大差はないと思われる。
RN1200とRN1500の主な違いは、以下の3点。
⑴明るさとランタイムの低下 ⑵ロック機能の追加 ⑶価格の低下
⑴明るさとランタイム
明るさとランタイムは、その見た目とは裏腹に大きく変わっている。
◎RN1200 ・300lm:6.5h ・600lm:3h ・1200lm:1.5h
◎RN1500 ・300lm:12.5h ・750lm:4h ・1500lm:1.6h
ここで最も気になるのは、300lmでのランタイムが12.5hから6.5hにほぼ半減していること。RN1500に人気がでた理由の1つは、『300lmでまる一晩照らし続けられる』ことだったはずだが、その良さが消滅している。
それぞれの明るさはこんな感じ。全て同条件で撮影している。
こうして比較すると、300lmのときRN1500の方が配光が拡散しているように見える(特に左側の草が明るくなっている)けど、肉眼ではこれといって差を感じるレベルではなかった。
⑵ロック機能の追加
RN1200には、過去のRNシリーズ(RN400,800,1500,3500)にはない「ロック機能」が追加されている。
このロック機能は同社製のフラッシュライトには以前から用いられてきた機能だし、RN1500で誤動作により他の物を溶かしてしまったという報告も聞いたので、大光量ライトとしては大きな進歩だと思う。
とはいえ、個人的には若干の疑問というか、根本的な解決にはなっていないのでは?という疑問もあったり。
RNシリーズはボタンが本体から飛び出した形状をしているため、不意にボタンが押されやすいのだ。ボタンを本体に引っ込めた配置にする等、そもそもボタンが押されにくい工夫をしないと、長押しの時間を長くしてもバックへの仕舞い方に気を付けないと意味がない気がする(あくまで個人の感想だけど)。
⑶価格の低下
定価でRN1500が8,895円なのに対し、RN1200は7,79円と1,100円の値下げ。もともとコスパの良いライトだったけれど、それ以上に安い値段で1000lm越えのライトが購入できるのは凄いことだと思う。
⑷その他
ちょっと余談だけど、肉眼ではライトの色の違いと、本体の仕上がりが気になった。
RN1500が白い明かりなのに対し、RN1200は若干黄色みががった白になっている。カタログ上のLEDは同じだけど、もっと細かく区分すると実は違うLED素子が使われている可能性が高い(バッテリー容量的に、駆動時間の差はLEDの効率の差が影響しているはず)ので、その影響かもしれない。ライトの色に関しては好みの域を出ないと思うので、どちらでも実用上問題はないだろう。
そして、本体表面の仕上がりもちょっと違って見える。どちらもアルミ合金製だけど、RN1500は「アルマイト処理」と明記されているのに対し、RN1200はその記載がない。RN1500はグレーっぽい黒で、RN1200は比較的べたっとした黒色だ。素人なので分からないけど、ひょっとするとその辺りも変更されたのかも知れない。
4.RN1200は『買い』か?
ここまで具体的な使用感をあまり書いてこなかったけど、このOlightのRNシリーズは非常に使いやすく、またおススメできるライトたちだ。
対抗馬として挙げられるCATEYEのVolt800等と比較しても、圧倒的な充電速度やランタイム、モバイルバッテリーとしての機能、半額近い価格など、多くの面で上回っている。点灯と点滅が分けられていたり、ワンクリックでバッテリー残量を確認できたりと、使用感もこちらがうえ。
はじめは信頼性に疑問があったけれど、-20℃を下回る冬の北海道ツーリングやグラベルエベレスティング、毎日の通勤・通学ライドで使用してきても、全く問題がないどころか安定した動作で僕を支えてくれた。
マウントや配光など改善して欲しい点はいろいろあるけれど、現在の市場の中でいえば、僕が一番おススメできるライトはRNシリーズだ。
そのうえで、「じゃあRNシリーズで何を選べばいいの?」というと、僕の意見は『RN1200を買うならRN1500にした方がいい』。
RN1200にはロック機能が追加され、価格も1,100円安くはなっているけれど……少なくとも僕の価値観ではそれらは300lmでのランタイム6時間には相当しない。
ランタイムはライトを使用するうえで非常に重要な要素で、オーバーナイトを含むロングライドならもちろん、週末のサイクリングから通勤通学まで、誰しもがその影響を受ける。
充電なしで1晩持ちこたえるかは雲泥の差だし、うっかり充電を忘れて帰宅困難に……なんてリスクや、1週間で何回充電が必要か?といった日ごろの負担にも関わる。バッテリーを気にしながら走るのがいかに面倒かRN1500を使って気が付いたし、RN1500の「300lmで12.5h駆動」が強すぎて、もうランタイムの短いライトには戻れないのだ。
もしRN1200が軽量化や小型化を果たしていたなら、手軽な使い方をする方にはおススメ出来たかも知れない。しかし、重量もサイズも同じだし、あえてRN1200を選ぶメリットはロック機能と1,100円の価格差だけ。
学生さんなど、懐事情的に少しでも安くしたいという方もいらっしゃると思う(僕もその気持ちは凄くわかる)けど、それなら200lmで8時間持つ「RN800(6,695円)」や、軽量コンパクトで街乗りに最適な「RN400(3,395円)」がいいんじゃないだろうか。(参考:RN1200は7,795円、RN1500は8,895円)
今はRN1200が25%OFFになっているけど、他のライトもクーポンコード「olbicycle20」を入力すれば、20%OFFで買えてしまうし。。
5.まとめ
以上、オーライトの新作ライトRN1200のレビューを書いてみた。
前作のRN1500からの目立ったアップデートは「ロック機能」のみで、ウリだった長時間のランタイムが落ちてしまっている。特に、300lmで12.5hだったランタイムが6.5hになってしまったのが痛い。サイズや重量等も同じで優位性はないので、「RN1500にロック機能を追加して1,000円安くなったけど、ランタイムが半分近くまで落ちた」のがRN1200といえる。
もちろん何を選ぶかは皆様次第だけど、僕的にはどうせ買うならRN1500をお勧めする。あれこれと批判的なことを沢山書いてしまったけれど、RN1500はレビュー記事にも書いている通り非常に気に入っているので、そちらは十分におススメできるライトだ。
最後に、提供品にも関わらずこんなに正直なレビューを書かせてくださったOlight様に感謝を述べるとともに、今後の更なる製品改良に期待して、この記事を締めくくりたい。
【Olightさんから、読者の皆様へ20%OFFクーポンを頂きました】 ・コード:olbicycle20 ・割引:オーライト公式ストアで自転車用ライト全品20%OFF ・使用期限、回数:制限なし ・公式ストアはこちら
おわり