装備レビュー

【インプレ】グラベルロード『Bombtrack:Hook EXT 2021』を1か月乗り回してみた

Bombtrackのアンバサダーに就任しサポートして頂けた、念願のグラベルロード『Hook EXT 2021』。

海外では人気のバイクであるものの、日本国内ではまだ流通が始まったばかりで情報が少ない。今回は、そんなBombtrackのHook EXTのインプレを、僕なりに書いていきたい。

クロモリフレームにMTBタイヤを履かせたルックスが印象的な一台だが、その走りは軽快さと懐の広さを兼ね備えた素晴らしいものだった。(スペック等各部のご紹介はこちらの記事へ

<目次>
1.”よく走るバイク”
2.グラベルに出てみた
3.タイヤを変更
4.バイクパッキングに最高

1.”よく走るバイク”

ライトウェイさんから送られてきたバイクを開封しポジションを合わせたら、早速いつもの河川敷を走ってみた。パーツ類は全てノーマルの状態、一眼レフを背負って写真撮影ポタリングだ。

が、走り出してすぐ驚いた。

『ん!? 何これ凄く進む……??』

正直、バイクを開封するときずっしりとした重量感があったし、その感覚から走りの軽さを勝手におおよそ想像していた。僕の乗っているMサイズの重量は11.2㎏、クロモリのグラベルバイクだから仕方ないけど、この価格帯(完成車で30万円台)のバイクと考えると決して軽くはない。

しかし、バイクに跨りペダルに体重を乗せると、手に取ったときに感じた重さはどこかへ消え、スッーと不思議と前へ進むのだ。

完成車付属のホイールは特別軽量なものではないし、タイヤもブロックタイヤ(WTBのRanger2インチ)と、走りを軽くしてくれる様なものではない(むしろ抵抗は結構ある)

それなのに、踏んだ時の進む感じはやけに強かった。何なら、僕の街乗り用アルミロード(Brand-X RD-01:8.8㎏)よりも感触が良い。

もちろん、純粋な速度で比べると街乗りロードの方が速い。「Hook EXTが舗装路の河川敷TTが速いか?」と言われたら、それははっきり言ってNoだ。けれど踏み込んだ時の感覚や『進む感触』は、BombtrackのHook EXTが勝るのである。

フレームはクロモリながらに結構硬くカッチリしていて、ペダルへの入力に対してフレーム全体が綺麗にしなる。力が逃げたりもたついたりせずに、まっすぐ前に伝わる感じ。

こういうバイクを、俗に『よく走るバイク』と呼ぶのだろうか。

 

2.グラベルに出てみた

舗装路での第一印象は上々だが、未舗装路での走行性能もそれと同じかもっと重要だ。僕は荒れたグラベルもガシガシ走っていけるようなバイクが欲しくて、このHook EXTのルックスに惹かれた部分が大きい。

ちなみに、オフロードに赴くにあたってハンドルとサドルを交換した。

ハンドルは下ハンがより幅広になっている「Ritchey:Venturemax(420㎜)」に。純正のハンドルはフレア角が10°で下ハンが狭かったので、より操作性の高い24°フレアの幅広バーに変更したかった。サドルは自分の好みでSpecializedのPhenomを選択。

そして、いよいよグラベルへ。ひとまずいつものコースに赴いてみる。ここは比較的荒れの少ない路面だが、アップダウンとコーナーが多い「日本的なグラベル」と言えよう。

まず印象的だったのは、安心感の高い足回りと、扱いやすい操舵性。

2インチ幅のMTBタイヤを履いているお陰で、荒れた路面でも難なく走れる。一般的な700cのグラベルバイクと比べてエアボリュームは圧倒的だし、ノブがしっかりと出たブロックタイヤなので、不安定なオフロードでも走りやすさがぐっと上がる。特に『急ブレーキをかけてしまっても、タイヤが下手にスリップしない』というのが、安心感が大きかった。

操舵感も、主にロードバイクを乗ってきた僕にも自然に扱えて乗りやすい。

もちろんロードバイクに比べればかなり鈍いハンドリングだけど、MTB系と比較すると鋭いのは間違いない。お世話になっているショップの店員さん曰く、「昨今のグラベルバイクのジオメトリはMTBを追従する様にヘッドが寝てきたけど、Hook EXTはそれらに対してロード寄り」らしい。前者が「バイクを倒して曲がる」と言われるのに対し、後者は「ハンドルを切って曲がる」とも言われる。

僕が扱いやすいと感じたのもきっとそのお陰だろう。オン/オフロードをミックスした(というか寧ろオンロードの方が長い)日本のコースでは、全体として快適に走れると思う。

裏を返せば、大きな凸凹のある路面ではハンドルをとられてしまったり、超急な下りで前のめりになりすぎてしまったりする。タイヤのルックスから「MTBトレイルも攻められる設計なのでは?」という風な印象を持つかもしれないけど、それには相応の技術が要されるようだ。

ともあれ、今までロードバイクで林道に突撃してきた僕からいえば、圧倒的に安定感があるHook EXTは十分にオフロードで乗りやすいと感じるし、機敏さと安定感のちょうどいいラインをとっているとも思う。

Hook EXTの前に貸していただいたBombtrackのAudax(オールロードバイク:紹介記事はこちらは、共通点の多いルックス・ジオメトリのバイクながら、もっとロードバイク寄りのハンドリングだった。それゆえ舗装路は快適でも、荒れた未舗装路はもう一声欲しくなる場面もあったり。逆にMTB寄りのバイクとしては、FujiのJari1.3に乗らせていただいたとき、ヘッドが寝て非常にまったりとした操作感に驚いた記憶がある。

それぞれに良さがあるので優劣をつけるものではないけれど、オールラウンドに楽しく走るならHook EXTがちょうど良いのかも知れない。

扱いやすくグラベルでも安定する操舵性と、登り返しで気持ちよい反応性……。

それらが上手く組み合わさり、アップダウンが多く舗装/未舗装路が繰り返される日本のグラベル環境を、トータルで楽しく走れるバイクではないかと思う。MTBの様にかっ飛ばすバイクではなく、ツーリングの延長としてあらゆる地形を楽しめる。

 

3.タイヤを変更

Hook EXTを乗り込んでいくにあたって、どうしても変えたくなったのがタイヤ。

完成車の状態では、WTBのRanger 27.5*2.0”というMTB用のタイヤが付属する。タイヤの全体にノブが配置されたスタンダードなMTBタイヤだが、オンロードを走るうえでは走行抵抗が大きいし、コーナリングの感触が好きでなかった。

雨の後のドロドロ道や雪を走るなら便利なんだけど……トータルで考えると僕の使い方にはマッチしていなかったらしい。

そこで、タイヤを同じくWTBの、フロント:Venture 650*47、リア:Byway 650*47に変更。同時にチューブレス化もした(完成車付属のリム・タイヤともにチューブレスレディ対応)

見た目もサイドスキンにして気分を変えてみたり。

(↑)これまた似合っててカッコいい

タイヤを交換して、またチューブレス化したことによって、走りが更に良くなった。踏んだ時の反応の良さはそのままに、スピードに乗せたときのスムーズさもGood。これなら平坦を30㎞/hで回せるし、舗装路の走行が見違えてよくなった。

もし近所に林道があって「オフロード専用機」みたいにするなら完成車のままでよいとも思うけど、僕の様に「ロングライド&グラベル」みたいな使い方をするなら、タイヤ交換はマストとさえ思う。

タイヤ径を小さくするとハンドリングがややロード寄りになるので、その辺りはお好みだろうか。タイヤクリアランスは大きいので、乗り手の好みに合わせて変更しても面白いだろう。

 

 

4.バイクパッキングに最高

最後に『バイクパッキングとの相性』について。

これは僕がグラベルロードを選ぶにあたって重視していたポイントの1つでもあって、純粋な「グラベルレーサー」ではなく、キャンプツーリングもこなせる「アドベンチャーバイク」のカテゴリが良かった。そのうえで、数百㎞のロングライドもこなせる走行性能も併せ持ってほしい……という、なんとも欲張りな希望を掲げていたのである。

結論から言って、Hook EXTはバイクパッキングとの相性が非常に良い。

クロモリフレームと随所に用意されたダボ穴は積載の可能性を最大限に生かせるし、積載アリの状態でも走行感が悪くならない。

例えば上の画像で、トップチューブバック、ダウンチューブ下、左右フォーク横は全てダボ穴で固定している。ダボ穴がなくともバンド等でここに荷物を括り付けることは出来るけど、ねじ止めの方が固定がしっかりしてズレないので良い。

そして前三角の広いフレームのお陰で、フレーム内に積載できる量が多いし、フレームバック+ボトルケージなどの組み合わせもしやすい(ダボ穴も3穴仕様なので、バックと干渉するときアダプターなしでボトルケージ位置をずらせる)。もちろん、フルフレームバックで一気に容量を稼ぐのもよい。

ここに積めるほどバイクが安定して走りが良くなるので、実は重要なポイントでもある。

重量が増えてバイクに負担がかかりやすいバイクパッキングでも、クロモリフレームの堅牢性は安心。

フレームが硬めだからか、積載をしてもフレームが変にたわんだり乗りにくさを感じたりしなかった。実はここに関しては、BombtrackのAudaxよりも優れていると感じた(Audaxは重積載時に、左右への入力でしなりが大きかった)積載アリでも思い切りグラベルに突っ込んでいける……そんな頼りがいのある感触だ。

パッキングを前提に設計されているだけあって、流石その辺りも抜かりがないなと思う。

(↑)Hook EXTにバイクパッキングで、グラベルキャンプへ。走りもキャンプも両方楽しめる。

この走行性能と拡張性は、正に『バイクパッキング・ツーリング用バイク』と言えよう。キャリアにドカッと積む旅ではなく、短距離を飛ばすレースでもない……最低限の積載をしつつ、身軽に走りもキャンプも遊び尽くすライドにピッタリだ。

それは僕のスタイルでもあって、僕のようなライダーには凄く合っているバイクだと感じている。

未舗装路もイケて、積載しやすく、よく走る冒険バイク……そんな懐の広い相棒が、Hook EXTだと思う。

乗り手次第で様々な楽しみ方ができ、遊び方の夢が広がる。「どんなライドをしようか?」と、ワクワクさせてくれるバイクだ。

スペック等各部のご紹介はこちらの記事へ

 

おわり

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About the author

S.K.

ロングライド&グラベル系自転車乗り。その他キャンプ、登山など。
・身長177㎝/体重68㎏
・北海道一周2,400㎞/8日2時間
・国道4号(536㎞)/21時間37分
・グラベルエベレスティング達成
・冬季北海道1,000㎞……...etc.

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