最近ますます高まるインドアサイクリングの需要。新型ウイルスを機にローラー台を導入した方も多いのではないだろうか?
ローラー購入時にはあまり気にしないかも知れないが、タイヤドライブ式のローラーを使用するなら、絶対にローラー専用のタイヤを使った方がいい。騒音やタイヤ屑を減らす効果があるし、高価な屋外用のタイヤを消耗せずに済むからだ。
「じゃあどのローラ用タイヤが良いの?」という事で、今回は僕が使ったことのあるローラー用タイヤ2つ『Vittoria:Zaffiro Pro Home Trainer』と『Continental:Home Trainer』を比較レビューしていきたい。
<目次> 1.製品スペック比較 2.使用感 ーVittoria Zaffiro Pro Home Trainer ーcontinental Home Trainer 3.おすすめはどっち? 4.補足:他に気になるタイヤ
1.製品スペック比較
まずは2つのローラー用タイヤのスペック比較から。
なお、製品名が長いので、ここから先は「Vittoria:Zaffiro Pro Home Trainer」→「Vittoria」と、「Continental:Home Trainer」→「Continental」と社名で表記していく。
Vittoriaは真っ赤なカラーが印象的。ローラー台専用のタイヤなので屋外走行は不可だが、この特徴的なカラーのお陰でぱっと見で見分けがつく。
実売価格ベースでは大手ブランドの中で恐らく最安で、恐らくカタログスペック上の最大の特徴も、この「安い」という部分だろう。重量も比較的軽く、大手メーカーのローラー用タイヤの中では最軽量となっている。ローラーでタイヤ重量がどれだけの影響力を持つのか不明だけど。。

Continentalから発売されているのは真っ黒なローラー用タイヤ。こちらもローラー専用なので屋外走行は不可。Vittoriaほどではないが、ローラー用タイヤとしては軽量な部類だ。
ローラー専用タイヤは屋外走行させないようにするためか、派手なカラーリングなものが多い。恐らく、ローラー専用タイヤで真っ黒なのはこのContinentalのホームトレーナーくらいだろう。
価格は時期によって変動するけど、ここ数年僕の見てきた限りVittoriaに比べて高価。大手メーカーのかなでは標準的な価格設定だけど、Vittoriaを見てからだと高いと感じてしまう。
【使用環境】
この後使用レビューに続くけど、その前に僕の使用環境を簡単に。使っているローラーはミノウラのLR760と言うタイヤドライブ式の固定ローラー。
主にZwiftで使っていて、使用頻度は平均して週に2回程度。タイヤの空気圧は毎回常に7.0Barに統一していて、固定ローラーの押し付け具合も記録し毎回一定にしている。メンテナンスは使用後に汗が付いていれば拭き掃除をする程度。
2.両製品の使用感
さて、ここから本題のレビューを。まず前半はVittoriaの方から、後半にContinentalを。
Vittoriaの使用感
僕は今まで2度このVittoriaのタイヤを購入していて、1度目はローラー台を導入した当初(今から約3年前)、2度目は1本目がダメになったとき(今から約1年半前)。
商品ページの通り鮮やかな赤色で、普通の屋外用タイヤと見間違えることはないだろう。トレッドは縦しま模様。
タイヤの質感はしっかりしたゴム、と言う感じ。それなりに厚みと硬さがあって、あまり擦り減らなそう。商品説明にも書いてある通り耐久性を考えて作られているらしく、そんな感じが質感からみて取れる。
ホイールにはめるのも問題なし。タイヤ自体が少々固いものの、着脱に苦労する固さではない。同じVittoria製品だとコルサよりは嵌めづらくて、ルビノと同じくらいだろうか。
肝心の使用感は、結構良い。
ローラー使用時の騒音は屋外用タイヤに比べて明らかに静かになったし、タイヤ屑もほぼ出ない(タイヤ屑については最初の1~2回は赤いカスが出たけど、それ以来殆どでなくなった)。すり減りに関する耐久性も十分で、1年以上(Zwiftで2~3000㎞)使ってもトレッドはかなり残っているしまだまだ使えそうだ。単純に価格と静穏性・耐久性でいえばこれで十分、と言える製品だと思う。
しかし、Vittoriaには1年経たないくらいから「タイヤにひび割れが出る」という致命的な欠陥が…。
直ちに使用が出来なくなる程じゃないんだけど、だんだんひび割れは酷くなってきて、最終的にひび割れからバーストしてしまうのだ。
詳しくはこの記事(↓)に記載しているけど、使用者としてはちょっと残念と言わざるを得ない。
この記事に書いてある通り、たまたま悪かったのかなぁとも思いもう一本追加で買ってみたが、1年ほどで同様の深いひび割れが発生してしまった。価格は大手ブランドの中では安価だし、静穏性や耐摩耗性との性能面でも十分満足していた。しかし、1年そこそこで使用不能になってしまうのを考えると「うーん…」という感じ。
使用環境次第なのかも知れないが、Amazonのレビューにも同様の症状が数%見られるので、製品の性質上起こりやすい問題なのかも知れない。
Continentalの使用感
続いてContinentalのホームトレーナーを。前述の通り、Vittoriaの方が立て続けにひび割れバーストしてしまったので、諦めてこちらを購入してみた。購入は今から約4か月前。
Vittoriaと比較しての表現だが、Continentalの方がゴムの質感が柔らかくてしなやかだ。こちらも屋外走行は出来ないタイヤだけど、もし実走をしたらこっちの方が乗り心地が良いだろうなぁという感じ。感触としてはすり減るのも早そう。トレッドはVittoriaと同じ縦しま模様。
タイヤへの装着は特に問題なし。Vittoriaに比べて少し硬いけど、着脱に苦労するレベルではない。記憶が古いので少し違うかも知れないけど、同社製のGP4000SⅡやウルトラスポーツⅡと同じような感じだ。
Continentalの使用感だが、端的に言ってVittoriaよりも良い。
まずローラー時の騒音は、Vittoriaよりも静かになっている。体感で20%ほど静かになった感じだろうか。そして、走行感も滑らかだ。Vittoriaの方はどちらかと言うとゴリゴリ回していく感じがあったけど、Continentalの方はより自然にペダリングをすることが出来ている。単純に負荷が軽いのとは少し違って、よりスムーズに回転している感じ。
タイヤのカスについてはVittoriaと同じく、最初は少し出たものの基本的には全くでないと言ってよいだろう。
3.おすすめはどっち?
以上の使用感を踏まえて、僕がおススメするのは「ContinentalのHomeTrainer」。
その一番の理由は、騒音・走行感ともにContinentalの方が良いからだ。もちろんVittoriaが悪いという訳ではなく、十分静かになるしちゃんと使える商品ではある。しかしプラス1,000円でこの差が得られるなら、僕はContinentalの方がいいと思う。
買い替えの契機になったひび割れ問題については、申し訳ないがContinentalはまだ使用期間が短いのでVittoriaと同様のひび割れが起こるか現状不明。いちおう約4カ月使った現時点では、特に劣化は見られず状態は良好だ。
ひび割れ問題を度外視しても、Continentalの方が良いと僕は思う。もしVittoriaが格安で売られていて、1円でも安くしたいorお試しで使ってみたい(すぐ壊れてもいい)という方はVittoriaを買っても良いとは思うが、そうでないならContinentalがおススメだ。
4.補足:他に気になるタイヤ
最後に、補足として他のメーカーから発売されているローラー用タイヤを3つご紹介。どれも僕は使ったことがないが、恐らく購入時の候補に入るのは上記2種の他に、次の3つのはず。参考までにまとめておくので、何か手助けになれば幸いだ。
①ミノウラ デュアリスト
ローラー台でも有名なミノウラが発売しているタイヤ「デュアリスト」。その名の通り屋外走行とローラー走行の両方に対応しているというのが売りの製品だ。価格は他社製品に比べて高価でハイエンドタイヤ並み。
僕個人の意見としては、屋外走行において(走行感・安全性・メンテナンス性等)タイヤの性能は非常に重要なので、屋外用とローラー用はタイヤを分けるべきだと思う。6,000円位でシマノのちゃんとしたリアホイールが買えるし、僕ならそれぞれ別タイヤ&ホイールのセットを用意するかなあ…。
②Schwalbe Insider
シュワルベからは「インサイダー」というローラー専用タイヤが出ている。青いカラーリングが特徴だろうか。こちらはローラー専用タイヤ。
VittoriaやContinentalに比べてやや高価だったので購入に至っていないが、Schwalbeの屋外用タイヤは好印象なので今のContinentalがダメになったら次はこれを買ってみたいなぁなんて思っている。
③Gorix ホームトレーナー
最後にGorixのタイヤをご紹介。これもローラー専用タイヤ。Gorixというブランドについては未知数だが、近年Amazonを中心に自転車用品を格安で販売しているのを見かける。極端に悪いレビューも見当たらないし、ローラー専用タイヤに関しても比較的安価で悪くはなさそう。
ローラーなら大事故につながる可能性も低く、性能云々に関してもそこまでシビアでもないから、とにかく安く抑えたいという方には良いかも知れない…?
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以上、ローラー専用タイヤについてご紹介してみた。ローラー専用ホイールにもピッタリなシマノのWH-RS100についてはこちらの記事(↓)でご紹介しているので、よろしければ合わせてどうぞ。この記事が皆さんのタイヤ選びの参考になれば幸いだ。
おわり