装備レビュー

【レビュー】トピークのフロントローダーをロードバイクとMTBで使ってみた

バイクパッキングにとても便利なフロントバック。各社から様々な商品が出ているが、僕はトピークのフロントローダーをここ半年愛用してきた。

ロードバイク・MTBともに使ってみたので、特徴や使い勝手をレビューしていきたい。

<目次>
1.商品スペック
ー各部紹介
2.取り付けについて
ーロードバイク
ーMTB
3.良いところ
4.悪いところ
5.まとめ

1.商品スペック

商品のスペックから。以下商品ページと実測値。

スペック

・サイズ:

L150 x W500 x H150mm(ドライバック)

・容量:8L+α

・重量:273g

耐荷重:10㎏まで

 

続いてフロントローダーの各部の特徴を。

Amazonで購入

バイクパッキング用品としては珍しく?専用の化粧箱に入っていた。そこまでしなくてもいい気がするけど、商品に傷がつかないのは安心だ。

中身を並べてみた。箱の中身は説明書、スペーサー8枚、本体、固定ストラップ(グレー)、増槽用ストラップ(黒)

説明書は図をメインにしていてわかりやすかった。

このフロントローダーはドライバックをハンドルバーに固定する方式のもので、走行中に荷物が取り出せる仕組みは備わっていない。だから、入れるとしたらテントやシュラフ、調理器具など、ライド中には使わないものに限定されるだろう。

本体上側に増槽のためのDリングやモールがあるので、ドライバックに加えてさらに別に小型のポーチを取り付け、そこに補給食などのライド中に必要な荷物も入れる、というのは可能だと思う。ただモールは1本なので、ちょっとグラつかないか心配…。

そのDリングに取り付けるための増槽用ストラップも付属している。

円筒形のものであれば、これで縛って積載量を増やすことができる。幅が限られるロードバイクでの運用では特に役立つ機能だ。

増槽するとこんな感じ

付属のドライバックは容量8L防水素材だが割と薄めで、重量は軽い方だろう。むしろ、落車などで何かに擦ってしまうと穴が開かないか少し心配。

この穴。回すと空気が抜ける

特徴は空気抜き機能が付いていることで、これが結構使える。

バックのバランスやクリアランスを保つ為に、ドライバック収納では中の空気をしっかり抜くことが重要だ。これがあると簡単かつ更に確実に空気を抜くことが出来るので便利。

2020/02/02追記:空気抜き弁のお陰で、大型のシュラフなど嵩張るダウン製品の圧縮収納に効果的なのが分かった。普通のドライバックではなかなか小さく収納できないので、冬季北海道ライドでは重宝した。

 

 

2.取り付けについて

ロードバイクとMTBにそれぞれ取り付けをしてみた。サイズ感やクリアランスについてなど。

取り付け手順は、①ハンドルバーに本体を固定②ドライバックを取り付け③グレーのベルトを補強だ。

⑴ベルクロでとめる
⑵バックルでとめる

①ハンドルバーへの固定方法は、まずは⑴ベルクロでとめ、その上から⑵バックル式のストラップで補強するという感じ。ハンドルバーへの固定については取り付けがやや面倒だが、出先でいじる場所ではないのでさほどストレスでもないだろう。固定力も問題なし。

②ドライバックを固定
③グレーのベルトで固定

そして②ドライバックを本体に固定、さらに③グレーのベルトを垂れ下がり防止のためにバック~ステムへ巻き付ける。これで完成。

 

ロードバイク

まずはロードバイクから。僕のロードバイクはスペシャライズドのルーべSL4、サイズは54。いわゆるエンデュランスモデルのジオメトリ=ヘッドが長いので、ハンドルバーとタイヤまでの距離は遠い方だと思う。

取り付けるとこんな感じ。付属のドライバックが細身なおかげで、タイヤとのクリアランスは十分ある。僕の場合実測で5cm弱くらい。

グレーのストラップで下への垂れ下がりを防ぐのがポイント。

因みにロードバイクだとステム周りのワイヤー類が干渉することが多いが、それを付属のスペーサーで解消できる。ただしスペーサーの分バックの位置が下がるので、タイヤとのクリアランスがタイトな場合は入れすぎに注意。

スペーサーは3枚入れている。

問題となりそうなのは幅で、荷物をたくさん入れるのは難しい。

幅420mmでフレアなしのハンドルだと、シュラフ(2.2L)、U.L.ドームシェルター1型(0.8L)ウルトラライトマット(0.4L)を入れるのが限界だった。これ以上幅を広げてしまうと、STIが当たってシフト操作に問題が出てしまう。

容量表記はあくまで目安だけど、普通のドロップハンドルだと良くて4Lってところフレア有の(下ハンが幅広の)ハンドルなら5~6Lくらい入るはず。年越し宗谷岬雪上ロードバイクで使ったDIXNAのバンディーハンドルだと5Lほどだった。

⇩のように付属のバンドで拡張すれば、さらに4Lほどの積載も可能。拡張も込みで考えれば、ドロップハンドルでもMAXで8~9Lの積載ができる。

拡張するとこうなる

これはフロンドバック全般の課題だが、ハンドル周りのサイコンやライトとの干渉に少し気を使う。

アタッチメント式でないお陰で、このフロントローダーはまだマシな方。僕はそのまま使えているが少々窮屈ではある。また、上の写真のように拡張するとライトの光軸が被ってしまったので対策が必要そうだ。

因みにDHバーとの併用も可能ロングライドにDHバーは非常に有用なので、僕にとっては欠かせないアイテム。個人的に気に入っているポイントだ。

 

MTB

MTBはロードバイクよりもクリアランスが広く制約が少ないので、あまり深く考えずとも問題なく使えた。

MTBに装着

前述した幅も問題ないので、フロントローダー本来の積載量を発揮できる。拡張もすれば12L以上の積載も十分可能だ。

MTBならではの注意点としては、サスペンションの可動域に注意すること。沈み込んだ状態でもタイヤに擦らないようにしなくてはならないので、その辺も考えて取り付ける。

アクセサリもつけやすい

MTBはハンドルが長いので、ライトやサイコンも取り付けやすかったMTBなら取り付けに関して困ることはなさそう。

 

3.いいところ

最後に使用感を。

僕がこのトピークのフロントローダー使ったのは年越し宗谷岬北奥羽ライドなど約2,000㎞。使用環境は天候が晴・雨・雪、気温はマイナス15℃~25℃、路面は舗装路・ロンググラベル・雪。結構いろいろなシチュエーションで試したんじゃないかなと思う。

 

①防水性

付属のドライバックの防水性はちゃんとしていて、雨天ライドでも浸水することはなかった。

使う前は空気抜き用の穴から浸水しないか少し心配だったのだが、とりあえずは大丈夫そう。一応ドライバックの向きを調整して、水がかからない位置にバルブを持ってきたのも効果的だったのかも知れない。

まだ台風や24時間以上の雨天テストはしていないので確固たる自信をもって「絶対濡れない」とは言えないが、一般的な感覚での防水性には全く問題ないはず。

 

②空気抜き穴が便利

先ほどから何度も触れているこの空気抜き用の穴だが、やっぱり便利なやつだと思う。他社製品にはおそらく取り入れられていない機構なので、トピークのフロントローダーを選ぶ理由にもなりうる。

特にロードバイクでクリアランスがシビアな運用をするなら、少しでもドライバックを小さくできるのは非常に嬉しいと感じた。

 

③グラベルでも緩まない

全長42㎞になるロンググラベル「白神ライン」など林道やグラベルライドにも何度か使ってみたがバックが緩むことはなく1日の使用に耐えてくれた。

バックが緩むのはストレスなうえ危険なので、これはギアとしての最低条件。そういう意味で十分評価できる商品だと思う。

 

④拡張性が高い

最後に拡張性について。付属の拡張用ベルトで荷物を追加できるし、ベルトを使わなくともドライバックとー緒にほかの荷物も縛ることができるいわゆるボックス型のフロントバックでは難しいことなので、このフロントローダーのメリットとも言えるだろう。

ライドごとの荷物の量によって、適切なサイズで運用できるのがスマートで好きだ。

 

悪いところ

 

①荷物へのアクセス性が悪い

これは構造上仕方のないことだが、バイクに装着した状態での荷物へのアクセス性は非常に悪い。フロントローダーに入れる荷物は、ライド中に取り出さないものに限られる。

これは取り出せない

一応サイドからドライバックを開けられなくはないが、ドロップハンドルだと絶望的に取り出しにくい。さらに、開けるとバランスが崩れるし縛りなおさないといけないから、MTBでも微妙。

レインウエア等のライド中に必要になるものは別の場所に入れるか、前述した拡張ベルトを使うなどして固定するといいと思う。

 

②グレーのベルト着脱が面倒

バックのずり落ち防止のためにグレーのベルトでフロントローダーを縛るのだが、その際にベルトの着脱が凄く面倒くさい。

ドライバックを取り出す度にこのベルトを緩めなくてはならないので、ストレスが溜まる。

ステムを回すように縛るのも面倒だし、バックルの形状が縛る為にテンションをかけた状態では扱いにくい。

また、年越し宗谷岬では分厚いグローブでの操作も難しかったので、極寒ライドをしたい方は注意されたし。

DHバーのグリップ部分に巻かれている黒いベルト

DHバーと併用するときには、このグレーのベルトを使わずにDHバーにフロントローダーの上側を固定して使った。これだとドライバックの着脱がスムーズだし、バックがずり落ちる事もない。ストレスフリーで使い勝手がかなりよかったので、アシストバーやDHバーと併用するといいだろう。

そうでない方は、ベルトを交換するのをお勧めする。

 

③STIへの干渉ストレス

これはロードバイク限定だが、ドライバックの固定方向を誤ると端のバックルの部分が邪魔になりやすかった。もちろん容量を抑えれば解決する問題なのだが、最低限これは積みたいというラインでも取り付けが悪いと干渉することに。

ドライバックのバックル部分が最も外側にせり出すので、そこをSTIの可動部分に干渉しない位置に持ってくると良い。

同じ容量でも、この向き⇩だと大丈夫。

工夫の余地はあるし、干渉しても直ぐに変則不能になるほどではないものの、フレアのない普通のドロップハンドルだと慣れるまでは多少のストレスがあると思う。

まぁ、電動変速の方は関係ないが…。

 

2020/02/02追記:フレアハンドルだとSTIも外向きになり積載や着脱が楽になる。ネットで購入可能なフレアハンドルをまとめた記事を書いたので、興味のある方はどうぞ↓

 

 

5.まとめ

以上、トピークのフロントローダーをレビューしてみた。総合的に評価するなら、価格も他のブランドに比べ良心的で品質も良く、使用シチュエーションに幅を持たせられるいい商品だと思う。

ブルべやファストライドには向かない一方、バイクパッキングでキャンプツーリングや旅をしたいという方にはお勧めできる。「これが決定版だ!」というほどドンピシャではないが、耐久性にも問題はなさそうだし価格的にも魅力的。「そんなにお金をかけられない…」という方は、買って損はしないと思う。

おわり

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