ロングライドにおいて、トップチューブバッグは非常に有用なアイテムだ。補給食やバッテリーなど、ライド中に必要な小物を、取り出しやすい位置に収納できる。
そのうえで、僕がたどり着いた1つの答えが「ロングトップチューブバッグ」という、長いトップチューブバッグ。通常品に比べて、ロングライドにおいて大きなアドバンテージとなり、友人界隈でもとても好評なので、今回はその話をつらつらと。
<目次> 1.ロングライドにトップチューブバッグが便利 2.『ロング』トップチューブバッグって? 2-1.トップチューブ全体を覆う長さ 2-2.主な製品は? 3.何がそんなに良いの? 3-1.容量が倍増!走れる距離が50km伸びる 3-2.デッドスペースを活用できる 3-3.空力に悪影響がない 4.問題は股下のスペース 5.まとめ
1.ロングライドにトップチューブバッグが便利
まず前提として、ロングライドにトップチューブバッグが便利だよ!という話を少し。
「補給食や小さい荷物は、ジャージのバックポケットに入れる」という方は多いと思う。実際に僕も、ロードバイクで100kmくらいをサクッと走るときは、バックポケットだけで完結させることも多い。
しかし、こと200km、300km、400km…と距離が伸びていくロングライドとなると、話は別だ。バックポケットいっぱいの荷物は意外と重いし、出すときに何を手に取っているか分からず、モバイルバッテリーなどの濡らしたくないものは汗でびしょびしょに…。
こういう小さなストレスの積み重ねが、ロングライドでは大きな負担となる。
そんな時、トップチューブバッグがあると、面倒が一気に減る。
中身が見えて、ジャージのポケットはフリーになり、荷物は汗で濡れない。荷物が一時的に増えたときは、空いたバックポケットを使えばよいから、荷物がごちゃごちゃになることもない。ライトやサイコンの充電だって、ケーブルをちょっと出せばOK。
150g程度の重量で、これだけのメリットが得られるトップチューブバッグは、本当にロングライド向きだと思う。
2.『ロング』トップチューブバッグって?
では、この記事の本題の「ロングトップチューブバッグ」とは何か?ついてご説明していこう。
2-1.トップチューブ全体を覆う長さ
”ロング”トップチューブバッグとは、その名の通り長いトップチューブバッグのこと。
通常のトップチューブバッグが十数cmなのに対し、ロングトップチューブバッグは20cmを超え、トップチューブ全体を覆うほどの長さだ。容量は大体1.5~2.0Lほどと、通常のトップチューブバッグ(0.5~1.0L)と比べて、かなり多くなっている。
トップチューブバッグ自体がロングライドに便利なのは前述の通りだけど、これがロングトップチューブバッグとなると、更に利便性が向上する。ロングライドをするなら必ず使う…というくらい、便利なアイテムだと僕は思う。
2-2.主な製品は?
ロングトップチューブバッグ自体、マイナーな商品なので選択肢はさほど多くない。記事作成時点で、日本で買える製品だと次の4種類くらいだろうか。
・Apidura:Racing Long Toptube Pack(2.0L) ・Apidura:Backcountry Long Toptube Pack(1.8L) ・Restrap:Race Top Tube Bag(1.5L) ・Zefal:Console Pack T3(1.8L)
Apidura(アピデュラ)とRestrap(リストラップ)は幅が狭く、ペダリングで邪魔になりにくいタイプ。前後どちらからでも開閉できるジッパーで、海外でのレビューもいい感じ。僕はApiduraの2製品を使っていて、かなり気に入っている。
Zefalはスマホが入る機能があるが、その反面幅が広く邪魔になりやすい。それが問題ないという方であれば、価格は魅力的だと思う。個人的には、ここにスマホを入れるメリットを感じないので、その用途を考えている方は気を付けて頂きたい(位置的に見づらいし、操作もしにくく、夏場は熱暴走を起こし、休憩時にはスマホの着脱が面倒くさい)。
<Apiduraの製品リンク> ・Racing Long Toptube Pack(2.0L) ・Backcountry Long Toptube Pack(1.8L)
3.何がそんなに良いの?
では、もっと具体的に「ロングトップチューブバッグの何がいいのか?」について語っていきたい。
2-1.容量が倍増!走れる距離が50km伸びる
まずは、何といっても容量の増加。通常のトップチューブバッグに比べ、2~2.5倍の容量を持ち運べる。容量にして0.5~1.0Lだけど、この「ちょい足し」が、ロングライドにはめちゃくちゃ有用だ。
バッグの後ろ側だけでも、約500~600kcalを積載できる。それだけの補給食があれば、約2時間、グロス25km/hなら50km先まで行ける。コンビニ停車の間隔をより長く出来るので、ライド計画の幅がかなり広がるのだ。
もちろん、そんなストイックなことを言わず、財布や携帯、鍵などを入れたり、ウィンドブレーカーなどを収納しておいても良い。便利なストレージは、多いに越したことがない。
3-2.デッドスペースの活用
自転車に荷物を積む場所はたくさんあるけれど、「走りながらでも出し入れが楽」「走行感に悪影響がない」「他の装備と干渉しない」という条件を満たす場所は、実はほとんどない。
その中で、『トップチューブのシートポスト側』というのは、実は忘れられがちな有効スペースなのだ。
バイクの重心に近い位置なので、重量物を積んでも走行感が悪くならない。それでいて、走りながらでも手が伸ばしやすく、目視も出来るから出し入れが楽。出し入れに関しては、フレームバッグよりも上だと僕は思っている。
小さめのハンドルバーバッグも人気だけど、ロングライドではライトやサイコン等の装備が多くなるから、それらと干渉しないのも結構大事なポイントだ。
3-3.空力に悪影響がない
ロングライドに用いるバッグは、使いやすさの他に空力も無視できない。
小さめのフロントバッグも便利ではあるけれど、ハンドル前面に壁を作るようなものなので、実はかなり空力は悪くなる。前方投影面積の重要性は、昨今のロードバイクのハンドル周りを見れば明らかだろう。
走るコースがよっぽど山岳でない限り(100kmあたり獲得標高1,500m越えなど)、空力を良くする効果はかなり大きい。
「楽に速く走りたい」と思う方ほど、積載を増やすならロングトップチューブバッグをおすすめしたい。
4.問題は股下のスペース
ロングトップチューブバッグの唯一にして最大の欠点は、股下とトップチューブの間に空間がないと使いにくいこと。地面に足を付いてバイクを跨いだ際、バッグの後ろ側が股下と干渉する可能性があるためだ。
こればかりは、ライダーとフレームの相性次第なので、何ともしがたいところ…。
少しバッグが当たるかも?程度であれば、停車時にバイクを大きめに傾けることで、股下にスペースを作る方法もある。
僕も超余裕という訳ではなく、特にグラベルロードの時はギリギリになる。ロードバイクの時に比べて、より大きくバイクを傾ける癖が付いてしまった。笑
5.まとめ
以上、僕なりにロングトップチューブバッグの良さを語ってみた。バイクのセッティング的に使えない…という方もいらっしゃるとは思うけど、かなり有用な道具なのは間違いないだろう。
補給地点が少ないコースを走る方や、キャノンボールの様なファストロングライドに興味がある方には、ぜひおすすめしたいバッグだ。
おわり
<Apiduraの製品リンク> ・Racing Long Toptube Pack(2.0L) ・Backcountry Long Toptube Pack(1.8L)