お洒落なアイウェア・ブランドとして、近年ファンを増やしている「ALBA OPTICS(アルバオプティクス)」。レトロさをモチーフとしたデザインが魅力の、イタリア発のハイブランドだ。
今回手に入れたのは、「DELTA」と調光レンズの「F-LENZ FLM」。その特徴的なルックスに目がいくが、実際に使用してみると、高性能で使いやすいサングラスだった。実力はいかほどか、僕なりにレビューしていきたい。
<目次> 1.スペック・導入経緯 2.各部詳細 3.使用感 3-1.グラベルでもOK!絶妙なフィット感 3-2.調光&ミラーで見やすいレンズ 3-3.夜間走行にはやや暗い 3-4.フレームレスなら最高だった? 3-5.超カッコいい 4.まとめ
1.スペック・導入経緯
このALBA OPTICSというブランド、以前からSNSで見たことはあったけど、正直に言えば自分とは縁のないブランドだと思っていた。というのも、画像をご覧いただければわかる通り、めちゃくちゃお洒落なサングラスだから。
もちろん身に着けるものはカッコいい方がいいんだけど、僕はどちらかといえば性能優先でものを選ぶし、ファッションにも疎いので似合わないよねと思っていたのだ。
そんな折、イベントに出店していたTokyo WheelsさんのブースにてALBA OPTICSのサングラスを紹介された。「是非かけてみてください!」という案内でかけてみると、どうも滅茶苦茶フィット感が良い。
「良かったら使ってみてください!」と嬉しいお言葉をいただき、なんと提供していただく運びとなった。今回は、そんなこんなでALBA OPTICSのDELTAをレビューしていきたい。「良し悪しを自由に発信していただいて結構です!」と言っていただけているので、いつも通り素直にあれこれ書いていく。
・フレーム:Delta Asian Fit
・レンズ:F-LENS FLM
・可視光透過率:77~17%
・カテゴリー:1~3
・重量:31.3g(実測) ・価格:37,400円(税込み) ・フレームの商品ページはこちら
・レンズの商品ページはこちら
Tokyo Wheelsさん曰く、『ALBA OPTICS(アルバオプティクス)は、80年代~90年代にかけてレースで活躍した選手が使っていたレトロなサングラスをモチーフに、現代的な解釈でデザインする、新鋭のアイウェアブランドです。』とのこと。
ALBA OPTICSのサングラスのラインナップは、スポーツ系のだと大きく分けて以下の3種類だ。
・DELTA:テンプルがくねっとして、レーシーな印象のモデル ・STRATOS:フレームレスでまるみのあるレンズ ・MANTA:超軽量で、フレームが折りたためないモデル
他にも、カジュアル系で「ANVMA」「ANVMA Ⅱ」などがある。
僕が使用しているのは、テンプル(つる)の部分が曲がっているのが特徴的な、「DELTA(デルタ)」と言うモデル。
実測重量は31.3g。自転車用のサングラスとしては標準~軽量な部類だろうか。
詳細なサイズは、ALBA OPTICSの本国サイトに掲載されていた。
2.各部詳細
では、各部を詳しく見ていこう。僕が選んだのは、カモフラ柄のフレームと、ブルー系調光ミラーのレンズ。
・フレーム:グロッシーグレーカモ(SEQWG) ・レンズ:調光ブルーミラー(F-LENS FLM)
僕はフレームとレンズを別々に選んでいて、それぞれカラーラインナップが超豊富なのも特徴の1つだろう。公式サイトを見た感じだと、ざっと各10種類くらいはありそう。
メーカー側からすると、色違いを揃えるのはかなり大変なはず。カラーコーディネートを含め、ALBA OPTICSのデザインやルックスへの拘りが伺える。
フレーム・レンズの付属品はこんな感じ。
目を引くのは、フレームの付属品で「ストラップ」があること。ALBA OPTICSのサングラスはストラップを使うのが人気?みたいで、フレームにもストラップ用の穴が開いている。テンプルの形状が特殊なので、ヘルメットの穴にうまく入らないこともあるらしく、そんな時にも便利そう。
レンズをはめ込むとこんな感じ。レンズの着脱は簡単で、クリーニングの際も手軽で良さそう。
調光レンズなので、画像は最も明るくなっている状態だ。クリアレンズよりもやや暗く、表面には若干のミラー感がある。可視光透過率は最大77%。
路面コントラストを高め、状況を把握しやすくする「VZUM」レンズだそうだ。
ノースパッドは固定式のもので、手で曲げて調整などは出来ない。フレームの「Asian Fit」とは、このノーズパッドの違いらしく、アジア人の顔にフィットするように調整されているらしい。
着脱は簡単で、ノーズパッド単体では990円(税込み)で販売されている。
DELTA最大の特徴は、なんと言ってもこのテンプル(つる)の形状。
サングラスというより眼鏡のような曲線を描く末端と、直線的に落ち込んだこめかみ付近。この「一段下がってから、耳に沿うように大きく湾曲する」形が絶妙なフィット感を実現していて、僕が第一印象で気に入ったポイントだ。
見た目的にも、僕はちょっと変わったシルエットがグッと来るたちなので、好きになったというのもある(愛車のRoubaix SL4はうねりのあるフレームに一目惚れだった)。笑
フレームの素材は、軽量性と弾性を兼ね備えた「TR-90」という、サングラスや眼鏡でよく用いられる樹脂。
あくまで手持ちのサングラス(BBBやOGK)と比較しての話だけど、フレーム全体の剛性は高めな印象がある。他の製品は、例えばテンプルの後ろ側がゴムになっていてよく曲がったり、もっと薄くてしなりやすかったり。その点DELTAは、全体的に結構カッチリしている。
悪く言えば「硬い」のかも知れないけど、僕にとってはこれが「ホールド力」に繋がっていそうで、好きなポイントの1つだ。
蛇足だけど、ALBA OPTICSのサングラスは、度入りレンズ用のクリップがオプションで販売されている(税込み11,000円)ので、普段眼鏡を使用している方にも対応している。
3.使用感
では、実際に使ってみての感想をいろいろと書いていきたい。
3-1.グラベルでもOK!絶妙なフィット感
何といっても、僕がDELTAに感動しているのはフィット感。こめかみ~耳の後ろまでを包み込むように押さえてくれて、激しいライドをしても全くズレない。
もちろん今まで使ってきたサングラスがダメだった訳ではなく、十分にかけ心地もフィット感も良かったし今も気に入っている。それでも、やっぱりDELTAほどの装着感ではない。
装着感が良いことは、純粋に使っていて気持ちが良いというのに加えて、オフロードでも思い切り楽しめるという良さがある。グラベルをガンガン走ったりすれば、少しずつサングラスはズレてしまうものだと思っていた。しかしDELTAは、ロングコースを走った後でも全くズレないのだ。
DELTAを使ってから、無意識のうちにサングラスのズレを直していた自分に気が付いたし、いい意味でサングラスの存在を忘れられる製品だと思う。
フィット感に関して補足しておきたいのは、相性には個人差があるということ。友人にもかけてもらったところ、僕ほどフィット感が良いとは感じていなかったし、好みの問題もあるのだと思う。
僕は男性の中では頭が小さい方で、大抵の帽子やヘルメットが緩いのが悩み。そんな背景もあって、よりこの感覚に感動しているのかも知れない。
3-2.調光&ミラーで見やすいレンズ
フレームについて長らく語ってしまったので、今度はレンズについて。僕が使っている「F-LENZ FLM」はブルー系の調光ミラーという、珍しいタイプのレンズだ。
「調光」というのは、紫外線量に応じて、自動的にレンズの明るさが変わる仕組みのこと。だから夜はクリアに近く、曇りはやや暗く、晴れでは暗くなる。
1日中走るロングライドはもちろん、天候や明るさの変わりやすい山間やグラベルを走るときには、常に見やすい視界を確保してくれる調光サングラスが欠かせない。僕はかれこれ調光サングラス5つ目だけど、それだけ調光レンズは便利で心地よいのだ。
そして、一般的な調光レンズは「クリア⇔グレー」で変化するけど、このF-LENZ FLMは「クリア⇔ブルーミラー」に変化する。色が付いたときミラーになる調光レンズはかなりレアで、僕の一番気に入っているタイプのレンズだ。特に僕は眩しいのが苦手なので、日中はミラーレンズの方が好み。
その「調光」と「ミラー」の両方を1つで叶えてくれるF-LENZ FLMは凄く良い。
色の変わり方やミラー感で言うと、併用しているBBBの調光サングラス「フルビュー PH(一般的なクリア~グレー系)」に比べて、明け方や夕方でも眩しい光をカットしてくれるのがメリット。
上の画像1枚目がF-LENZ FLM、2枚目がフルビューPH。写り方の違いもあるとは思うけど、ミラーのない調光サングラスは太陽が低いとほぼクリアなのに対し、ミラーありならある程度は眩しさをカットしてくれる。
夜も走れるクリアさと、朝日の眩しさカットのいいとこ取りをしているな、という印象だ。
3-3.夜間走行にはやや暗い
先ほど「夜も走れる」と書いたけど、正直に書くと「走れるものの最適ではない」と言うのが、F-LENZ FLMの惜しいところ。
可視光透過率は最大で77%あるけれど、やはり夜用のクリアレンズ(だいたい85~90%くらい)には及ばない。レンズのカテゴリーも「1~3:曇り~晴天」と、そもそも「0:夜間」には対応していないのだから、当たり前ではある。
上の画像1枚目がF-LENZ FLM(77%)、2枚目がフルビューPH(85%)。先ほどは日の出・日の入りでF-LENZ FLMの方が使いやすいと書いたけど、その分夜間はフルビューPHに軍配が上がる。画像からも、クリア度合いが違うのがお分かりいただけるはずだ。
とはいえ、街灯がしっかりある国道や市街地を走るなら、大きな問題はないだろうと思っている。
目安としては、フロントライトをしっかり照らさないと怖い道(夜の峠や河川敷など)は、F-LENZ FLMだと怖いかも…という感じ。ライドの計画次第で、あるいは個人の夜目の感覚次第で、ナイトライドでも運用できるか分かれる製品だろう。
3-4.フレームレスなら最高だった?
個人的な好みで注文を付けるなら、フレームレスだったらもっと活用シーンが増えて最高だったのに…と思うことがある。
というのも、僕はエアロバーを用いたロングライドをすることが多く、その時はなるべく上側の視界を広く確保したいから。
DELTAが全くダメという訳ではないんだけど…やっぱりフレームが無い方が見やすい。特にロングライドでは、フレームの有無で首をどのくらい上に曲げるが変わるから、数mmでも上部が開けている方が良い。
もちろん、このフレームはDELTAのお洒落なルックスに必要なものだし、すべてのシチュエーションにおいて万能な製品なんてない。そんな事は分かっていても、DELTAはもっと使いたくて注文を付けたくなるサングラスなのだ。
3-5.超カッコいい
最後になるけれど、やっぱりこのサングラス、めっちゃカッコいい。笑
この頃は被写体となることもあり、自分の姿を客観的に見る機会が増えたけれど、我ながらこのサングラスはカッコいいなと思ってしまう。
DELTAはカラーラインナップが本当に豊富だし、このカモフラ柄の様に、他社製品にはなかなか無いデザインも取り揃えている。サイクリングウェアもお洒落に決めたい方にとって、きっと大きなメリットとなるだろう。
何気ないシーンでも、雰囲気の出るサングラス。自分がこのお洒落さに負けてる感じがするけど、見た目は大事だなと当たり前のことを実感したりした。笑
4.まとめ
以上、僕なりに「ALBA OPTICS:DELTA」と「F-LENZ FLM」をレビューしてみた。
ALBA OPTICSはお洒落さに目が行くブランドだけど、圧倒的なかけ心地とズレないフィット感、使いやすい調光ミラーレンズと、性能的に使い続けたいと思うサングラスだった。
もちろんルックスも非常に魅力的で、レンズやフレームを買い足して、コーデを楽しみたくなる。価格は高いブランドだけれど、ファンが付くのも納得のサングラスだ。この記事が、皆様の役に立てば幸いだ。
おわり