ロードバイクに乗っていると出くわすのが、星形のネジ穴の「トルクス」という規格。回すには専用のレンチが必要だが、これがどうも使い辛く、日頃の悩みの種だった。
そこで、六角レンチのブランドとして評判の良い『EIGHT(エイト)』の「ボールポイント トルクスレンチ」を導入してみた。これが非常に使いやすく気に入ったので、簡単にレビューしていきたい。
<目次> 1.スペック・導入動機 2.各部詳細 3.使用感 3-1.ボールポイントが使いやすい 3-2.ロングタイプで扱いやすい 3-3.真ん中に滑り止めがあると最高 4.まとめ
1.スペック・導入動機
「トルクス」という星形のネジ頭は、自転車乗りならしばしば目にする規格だ。ハンドルやステム周り、6ボルトのディスクローターの固定なんかに用いられている。
最も出番が多いのが「T25」というサイズで、だいたい4mmくらいのやつだろう。
僕は、ホーザンのT25レンチを購入し使っていた。1本1,000円程度で買えるやつで、ホーザンというブランドから選んだ。
しかし、これがどうにも使いにくい。必要トルクに対して短すぎるし、ネジ山から外れてしまうこともしばしば…。
地味なストレスを日々抱えていたところ、普通の六角レンチを更新するタイミングで「EIGHT(エイト)」という六角レンチ専門ブランドを知った。
長さもちょうど良さそうだし、何よりボールポイントになっているのが魅力的。早速こちらを注文したわけだ。
・型番:TXBH-25 ・サイズ:25×110m、Φ4.4mm ・価格:1,232円(税込み) ・Amazonはこちら
エイトのトルクスレンチは、ばら売りとセット売りの両方がある。
前述のとおり自転車ではT25があれば十分なので、T25を単体で注文した。価格的にもお手頃なのが嬉しいところ。
ちなみに、「TORX(トルクス)」という言葉は商標登録がされており、ライセンス認証したブランドしか表記出来ないらしい。
認証を受けていないブランドは「ヘックスローブ」という言葉を用いて、この星形のネジを表している。エイトはそのライセンス認証を受けており、TORX(トルクス)という表記を用いている。
2.各部詳細
では、各部を詳しく見ていこう。
パッケージが変わったのか、ネットの商品ページとは異なるものが届いた。型番は同じく「TXBH-25」なので、製品としては同じだろう。
L字の短辺が25mm、長辺が110mm。
写真向かって左下側がボールポイントで、右上側は通常のヘッドになっている。
通常のヘッド。綺麗な加工がされていると思う。
真ん中にはくり抜きがされていて、「いじり止め」と言われる特殊な形状のネジ頭にも対応している。もちろん、このくり抜きがあっても普通のトルクスで使用できる。
ボールポイント側。丸く加工してあるため、ネジ頭に対して斜めに差し込んでもネジを回すことが出来る。こちら側も「いじり止め」機能に対応。
ボールポイントは六角レンチでは普及しているように思うけど、トルクスだと選択肢が少ない印象だ。たぶん、他にはWEARくらいしかないんじゃないだろうか?
両端には滑り止めに「ローレット加工」が施されている。
適度なザラザラ感で、手へのダメージもなく滑り止めが効く。
3.使用感
では、実際に使っての感想をいろいろと。
3-1.ボールポイントが使いやすい
まず感動したのは、やはりボールポイントのヘッドは使いやすいという事。直角に差し込まずともネジを回せるので、作業が圧倒的にしやすい。
傾けられる角度はこのくらい。公式では「最大25°」ということだったけど、そこまでは無理なような気もする。
それでも機能としては十分で、エアロバーの裏側など込み合った場所の作業が本当に楽になった。
予想外だったのは、今まで使っていたホーザンのトルクスレンチよりも、エイトのボールポイントの方がネジ頭から外れにくいということ。
作業しにくい場所だと、無意識にレンチが斜めになってしまう場面もあったのだろう。角度がついても、常にネジ頭を捉え続けてくれるボールポイントの方が、結果的に良い作業が出来るらしい。レンチの長さやボルトの特徴など、複合的な要因によるものかも知れないけど…ボールポイントながらに食いつき感も向上したのは嬉しい誤算だった。
通常のヘッドも、使用感は十分に良いと思う。携帯工具に使用している、PB Swiss Toolsのビットに似た感触である。
3-2.ロングタイプで扱いが楽
これは最初に買ったホーザンのレンチが短かかっただけ…だけど、個人的には重要だと再認識したポイントだ。僕が手が大きい方というのもあってか、最低でもレンチはこのサイズが無いと扱いにくいことが分かった。
もちろん、手の小さな方にもメリットは大きいだろう。例えばハンドル周りのごちゃついた場所で作業するには、なるべく長い方がケーブルや他のパーツを躱せるので適している。ディスクローター用のネジ等、緩み止めが強く効いている場合も長い方が楽にトルクをかけられて良いだろう。
工具を選ぶ際には、ぜひ長さも意識していただきたい。
3-3.滑り止めが真ん中にもあると最高
ローレット加工は確かに良いんだけど、個人的には真ん中にもあると最高だったと思う。ここはホーザンのレンチに分があると思う部分。
(画像:上がエイト、下がホーザン)
「両端のローレットは確かに有用なのでそのままに、真ん中にももう一か所あればよかったのに…」というのが、個人的に唯一マイナスに感じるポイントだ。
逆に言えば、そのくらいしか不満点はない。
4.まとめ
以上、簡単ではあるけれど「エイト:ボールポイント トルクスレンチ T25」のレビューをしてみた。
個人的にはボールポイントが非常に使い勝手良く、どうして最初からこちらを買っておかなかったのか…と後悔している。ホーザンよりこちらにするべきだった。価格もお手頃で、他社製品と比べても安い部類に入るほどなので、ぜひおすすめしたい製品だ。
おわり