Apiduraのハンドルバーバッグに装着し、使い勝手を良くできるアイテム『アクセサリーポケット』。
横出し型のハンドルバーバッグの「荷物にアクセスしにくい」という欠点を補うバッグで、上開きのフロントバッグの様に使用できる。今回は、そのアクセサリーポケットをレビューしていきたい。
<目次>
1.スペック
2.各部詳細
3.使用感
3-1.想像以上の大容量
3-2.アクセスが非常に良い
3-3.防水性も十分
3-4.ライトの光軸に被るかも?
3-5.単体で使用出来ない
4.まとめ
1.スペック
まずは大まかなスペックから。
・容量:4L ・重量:155g(実測161g) ・価格:9,130円(税込み) ・商品ページはこちら
Apiduraのバッグは使用目的に応じてシリーズ分けされており、このハンドルバーバッグは「バックカントリー」シリーズ。オフロードでの使用を念頭に設計されており、堅牢性や泥への対策を考えて作られたバッグだ。
他のシリーズやバッグの展開については、こちらの記事にまとめているのでどうぞ。
Apiduraのハンドルバーバッグをはじめ、一般的な横出し型のバッグは、ロールアップで開閉するためライド中に気軽に荷物を出し入れすることは難しい。ドロップハンドルで使用すると、下ハンが邪魔するから尚更だ。
Apiduraのアクセサリーポケットは、この荷物の出し入れのしにくさを補ってくれる製品。この「バックカントリー」の他、「エクスペディション」シリーズにもラインナップされている。
これがエクスペディションシリーズ。こちらはバックカントリーに比べてより軽量(115g)だけれど、バックカントリーよりも縦が短く横長な寸法(画像はApiduraより引用)。
また、取り出し口がベルクロではなくジッパーになっている。
バックカントリー・アクセサリーポケットの、細かな寸法はこんな感じ(Apiduraより引用)
横長ではあるけれど、かなり正方形に近い形状をしている。
実測重量は161g。公称が155gだから、上振れはしているけど誤差の範囲内だろうか。
2.各部詳細
では、各部の詳細を。
バックカントリーシリーズ共通の、X-PACとヘキサロンを接着したシームレスな構造。これにより高い防水性を実現する。
生地の厚みは420Dと840Dと、軽量さが求められるバイクパッキング製品としてはかなり部厚く重い素材を使用している。それでも、適材適所な素材構成を用いて、全体の重量を抑えているのがApiduraの素晴らしい点だ。
正面のApiduraのロゴと、黄色のアクセントは反射素素材。
また、黄色いラインの上にあるスリットにはライト等をマウント出来る。
裏側には、ハンドルバーバッグに取り付けるためのベルトが3本ある。
底部はオフロードを念頭に置いたバックカントリーシリーズらしく840Dの補強材が貼り付けられている。
フロントタイヤからの泥跳ねからバッグを守ってくれる設計だ。
開閉はベルクロでワンタッチ。
内部は黄色がメインとなっているので視認性が高く、小物を収納しても探しやすい工夫がなされている。
手前側にはメッシュポケットを備えているので、鍵や財布などの貴重品や紛れさせたくない荷物を入れるのにピッタリ。
バッグの装着は、Apiduraのハンドルバーバッグに付いている、アクセサリーポケット用のバックルに繋ぐだけ。
着脱に10秒も要しないので、非常に簡単だ。
3.使用感
では、実際の使用感をいろいろと。
3-1.想像以上に大容量
このアクセサリーポケットが手元に届いてまず感じたのは、想像以上の容量。
マチが8㎝としっかり確保されているので、例えばミラーレス一眼レフもすっぽりと入ってしまう。幅もあるから、ズームレンズにレンズフードもそのままOK。まだ余裕があるので、空いたスペースに小物も追加できる。
4Lという容量は、同社のフレームバッグのMサイズ(国内販売では大きい方のやつ)とも同じ。既にフレームバッグをお持ちの方ならイメージが付くかも知れないけど、結構入る。
・レインジャケット ・モバイルバッテリー&ケーブル一式 ・グローブ等防寒小物 ・補給食 ...etc.
ライド中に取り出したくなるアイテムは、おおよそ全て入るんじゃなかろうか。
ペットボトル飲料も突っ込んでおけるので、自販機で買ったジュースを飲みながら走れるのも嬉しかったり。
3-2.アクセスが非常に良い
ハンドル付近にあり、しかも上からガバっと大きく開くので、荷物の取り出しが凄くしやすい。
走行中にすぐ出したいものを入れるのにいいし、脱いだジャケット等を適当に突っ込んでおくのにも便利。先ほど一眼レフを入れていたのも、その便利さから。
この役割は基本的にフレームバッグに任せている僕だけど、やっぱり目の前から取り出せた方が楽だし、ベルクロで開け閉めするからジッパーよりも素早くストレスフリー。薄手のウェアは特に、ジッパーだと噛み込みに注意するから地味に気を遣うのだ。
軽量なエクスペディションではなく、あえてこのバックカントリーのアクセサリーポケットを選んだのも、開口部がベルクロだったから。
ただし、ベルクロのデメリットとして、ウールの様に起毛しているウェアがギザギザの面に触れると、ウェアが傷ついてしまう点がある。収納時に触れる心配はないけれど、着用ウェアによっては、荷物の出し入れの際には手でカバーするなどの配慮が必要だ。
手前側にある、小物用のメッシュポケットもいい働きをしている。
カギや電池、カメラのバッテリー等、小さくて他の荷物に紛れそうなものは、ここに収納しておけるから無くさずに済む。手を突っ込みやすいのに加えて、欲しいものをすぐ出せる便利さが素晴らしい。
3-3.防水性も十分
防水性も十分に高く、1日雨の中を走っても浸水は無かった。
バッテリー系も安心して入れられているのも、防水性に信頼があるから。
とはいえ、雨の中頻繁に開け閉めしていたら、開口部から水が入ってくる(そりゃ当たり前のことだけど)。この点はトップチューブバッグや他のフロントバッグと同様で、フレームバッグやサドルバッグには敵わない点だろう。
3-4.ライトの光軸に被るかも?
取り付けに関して難点を挙げるなら、フロントライトの光軸に被ってしまうかも知れない、という事。
ライトの位置にもよるんだけど、普通にハンドルバーの上側にマウントしている場合、アクセサリーポケットを上目に取り付けてしまうと、恐らく下半分くらいが隠れてしまう。
少し下げて取り付ければ実用上問題はないけど、手前1~2mくらいが隠れてしまうから、気になる方はいらっしゃるかも知れない。もっとも、そんな足元を見ながらの走行はまずしないはず(ナイトグラベルの時くらい?)だけど……。
また、開け閉めの際にはフラップが上に大きく開くから、開閉時にはハンドル上部のライトはほぼ確実に隠れてしまう。
もしナイトライドも積極的にして、かつ走行中にも開け閉めしたいなら、フロントハブ横やフォーク横などにライトをマウントしてやる必要がありそうだ。
3-5.単体で使用できない
使勝手として凄く気に入っているこのバッグだけど、残念ながら単体では使用できない。バッグの固定がApiduraのフロントバッグへの装着のみなので、フロントバッグと併用しないとバイクに取り付けられないのだ。
装備量によっては、アクセサリーポケットだけ使いたいときもある。ベルトとバックルを別で用意するとか、何かしらの加工をすれば使えそうではあるけど……なにかそういうオプションがあったら嬉しいのにと思っている。
バイクパッキングブランド大手の「オルトリーブ(Oltrieb)」からは、同様の機能ながら、単体でも使用可能なモデルが発売されている。
新型(リンク左)は208gと、Apiduraの155gよりはやや重いものの、単体使用も考えたら妥当だろうか。
4.まとめ
以上、Apiduraのバックカントリー・ハンドルバーバッグをレビューしてみた。
横出し型のハンドルバーバッグの「アクセスが悪い」という欠点を補い……というか、補って余りあるメリットを提供してくれるバッグだ。これがあるだけで、ライド中のQOLがかなり上がると思う。
ライトとの干渉に注意なのと、何より単体使用が出来ないのが惜しい。今後のApiduraの開発にも期待したいところだ。
おわり