装備レビュー

【レビュー】アピデュラ(Apidura)のドライ フレームバッグMが凄く良かった話

いわずと知れたバイクパッキング用品ブランド「Apidura(アピデュラ)」。

その人気製品の1つである防水フレームバッグ「DryフレームバッグM」が、フレームバッグとして非常に使いやすかったので、リリースから年月のたつアイテムではあるけれど、レビュー記事を書いていきたい。

<目次>
1.スペック
2.各部詳細
3.いいところ
3-1.防水・軽量
3-2.内部の視認性が良い
3-3.必要十分な機能
3-4.後継の「レーシング」と比較して
4.残念なところ
4ー1.雨よけのフラップが邪魔
4-2.ファスナーが壊れやすい?
5.まとめ

1.スペック

まずは商品の概要から。

*かなり使い込んだものを譲ってもらっていて、僕もかなりハードに使ってるので汚いけど悪しからず……。

スペック

・容量:4.5L(Mサイズ)
・公称重量:170g(Mサイズ)
・実測重量:173g(Mサイズ)
*サイズ展開はS,M,L
・カラー:グレー
・その他機能:防水、反射素材
・価格:13,040円(税込み)
・商品ページはこちら

バイクパッキングギアで有名なApiduraが、2世代目として発表したシリーズ『Dry(ドライ)』。防水のX-PACを蒸着処理により成形し、縫い目をなくして防水仕様にしたラインナップである(2022-11-05追記:現在はDRYではなく「エクスペディション」と名前が変わっている)。

今(2021年)主流なのはドライシリーズの後継にあたる、全体が黒で軽量な『Racing(レーシング)』やグレーと黒のオフロード向け『backcountry(バックカントリー)』だろうか。

Apiduraのシリーズ展開については、こちらの記事にまとめているのでどうぞ

(↑)AlternativeBicyclesさんHPより引用。Mサイズの寸法。

フレームバッグは使用するバイクのフレーム寸法によってサイズを選択する。僕の場合はフレームサイズが54で、バッグはMサイズを使用しピッタリだ。

ご自身のバイクに使えるか確かめたいときは、バックの寸法通りに厚紙や段ボールを切って、フレームにあてがってみると良い。アピデュラのラインナップとしてはもっと大きいLサイズもあるけど、日本人でそれを使える方は殆どいらっしゃらないと思う(たぶんサイズ58くらい?)。

2.各部詳細

さて、続いてはドライ・フレームバックの詳細を見ていこう。

素材は防水性の高いX-PAC。

もちろん蒸着で縫い目がない構造なので、非常に高い防水性を確保している。

内部は鮮やかな黄色で、荷物が見やすい。

右側にメインの荷室があって、その内側にもファスナー付きの小さいポケットがある。

左側はマチのないポケットで、財布やら小物を入れるのに適している。

ダウンチューブに接する部分には、ケーブルやハイドレーションホースを出せる穴がある。ベルクロで固定できるし、ここから浸水することは考えにくい。

ファスナーは止水ジッパーで、更にそれを覆う雨よけフラップが付いている。

ジッパータブはApiduraオリジナルで、大型のループ状。指を引っ掛けて使いやすい仕様。

フレームへの固定はベルクロとナイロンテープ+バックル。

フレームサイズや材質によって長さが変わりやすく、泥跳ねでベルクロの固定力が落ちやすいヘッド、ダウンチューブ、シートチューブはナイロンベルトで固定するようになっている。

トップチューブへの固定をするベルクロの真ん中は、バッグ本体と外せるようになっている。トップチューブバックと共締めするのに便利だ。

この固定方法のチョイスは個人的に合理的で最高だと思う。

バイクに取り付けるとこんな感じ。

フレームバッグを使用すると「ボトルケージと干渉する問題」が発生するが、それはウルフトゥースのB-RADを使ってボトルケージ位置を下にずらすことで対応している。

こちらも素晴らしい製品なので、よろしければあわせてレビューをご覧いただきたい。

<2022-11-05:追記>

使い込んで劣化してきたので、新しいものに更新した。同じ製品だけど、若干のマイナーチェンジが見られたので追記を。

新旧を比較するとこんな感じ(上が旧品、下が新品)。

変わったのは、トップチューブに固定する3本のベルクロのうち、真ん中のと後ろの2本。旧品ではスリットに通す形だったのに対し、新品は本体と一体型になり、バッグが垂れ下がらないようになった。

3.いいところ

では、実際に使ってみて感じた良いところを4つほど。

3-1.防水・軽量

いまさら繰り返すことではないかも知れないけど、この重量で高い防水性を実現しているのは嬉しい。ロングライドやバイクパッキング・ツーリングでは雨に打たれることもしばしばあるし、そのときに重要な装備をぬらさずに済むのは嬉しい。

特に、僕はフレームバッグにモバイルバッテリーなどの電子機器や防寒用の上着をしまうことが多く、これらを特別な処理なく雨から守れるのがGood。以前使っていたブラックバーンのフレームバッグは非防水だったので、防水仕様のありがたみを身をもって体感している。

「そんなに重要度は高くない」とか言ったって、やっぱり防水である方がいいに決まってる。

3-2.内部の視認性がいい

先ほども少し紹介したけど、内部の視認性が高いのも良い。「あれ?しまったはずなんだけど……」とバッグをごそごそしてしまうのはストレスだし時間の無駄だ。

もちろん最初からそうならないパッキングを目指すべきではあるけど、やっぱり小物は中が暗いと見えないし探せなくなる。

中身が黄色いと暗くなったときでも見やすく、物をなくさずにすむのがとても嬉しい。

3-3.必要十分な機能

右側のメイン荷室に左側のマチなしポケット、内部の小物いれと、必要にして十分な機能をちゃんと備えている。

最近の防水フレームバッグだと、片側からしか開かず荷室が1つしかないものも結構見かける。もちろんそれらもより大容量に、シンプルに使用できるというメリットはあるんだけど、でもやっぱり僕は小物入れがほしい。鍵とか、電池とか、ミニ三脚とか、サングラスを拭くティッシュとか…さっと取り出したい小物は割りとある。

僕にとってこの組み合わせは手放せないポケット配置だ。

3-4.後継の「レーシング」と比較して

先ほども少し書いたけど、アピデュラのバッグにはこのドライシリーズの後継で「レーシング」やオフロード重視の「バックカントリー」がある。

(↑)AlternativeBicyclesさんHPより引用

バックカントリーについては現物を見たことがないので比較が出来ないけど、レーシングシリーズと比較すると、実はドライシリーズのほうが良いポイントもある。

たとえば本体の幅で、レーシングフレームバッグは幅が広いので、人によってはひざが当たってしまうという問題があるようだ。

また、僕が最近実感しているのが「汚れの落としやすさ」。レーシングに用いられている独自素材ヘキサロンは、表面がざらざらしていて泥汚れが落とせない。

このドライなら、つるつるな表面だから泥汚れも比較的落しやすい。グラベルライドや汚れる雨天ライド後のメンテナンスが圧倒的に楽なので、僕はドライシリーズも気に入っている。

4.残念なところ

正直なところ、使っていて「ここが致命的にダメだ」と思うポイントはない。製品として相当完成度の高いバックなんじゃないだろうか。

ただ100点という訳ではないので、ちょっとあら捜し的な内容だけれどポイントを2つ挙げたい。

4ー1.雨よけのフラップが邪魔

ファスナーからの染みこみや雨天時の開け閉めでの浸水を防いでくれるフラップだけど、これが左右に出っ張ってしまうのがイマイチ。普通に邪魔だし、先ほど書いたレーシングシリーズの比較でのメリットもない。

バッグの前側はあんまり気にならないけど、後ろ側はペダリングの仕方によっては脚に当たるので邪魔である。流石にペダリングの度に足に当たるのは困るので、僕ははさみで短くカットしてしまった。

カット後使用しているうちに徐々に断面がささくれ立ってきているけど、大きな問題を生じる程ではないと思う。もう少しほつれてきたら、接着剤で補強しようかな……?また、フラップを切ると必然的にジッパーを完全に密閉しなくてはならないので、運用に注意が求められる。

実は最近のバックカントリー系には軒並みフラップが廃止されているし、果たしてこいつにどれだけの効果があるのか気になるところではある(レインウェアでも、自転車用は止水ジッパーの対水圧に懸念があるらしくフラップ付きのモデルもある。その一方、ハイブランドでも軽量性やコンパクト性を求めてかオミットされていることも多い)

このフラップは使っているうちにだんだん反りだしてくるので、最初は気にならないかも知れないけど、恐らく邪魔になってくるので切ってしまっても良いと思う(ハサミで簡単にカットできる)

4-2.ファスナーが壊れやすい?

同じドライシリーズの別商品で起こった事例だけど、ファスナーの開け閉めの際に中の荷物がかんでしまい、それでファスナーが壊れてしまったことがある。一応工夫することで使えるから致命的ではないものの、他の方でも同様の事例を聞いたので、ひょっとするとファスナーが弱いのかな?と思わないでもない。

壊れてはいないけど、このバックでも同じように内容物が噛み込んでしまって冷や冷やした場面もある。ファスナー付近に噛み込む可能性のあるものを配置しない様にパッキングした方がいいだろう。

特別気にする必要はないと思うけど、一応記載をしておきたいと思うポイントだ。

5.まとめ

以上、アピデュラの名作フレームバッグ「Dryフレームバッグ」をレビューしてみた。

発売からかなり時間も経っていて、もはや情報としての価値はそんなにないかも知れないけど、とても気に入ったアイテムなのでご紹介したかった。

バイクとの相性や他のバックとの兼ね合いもあると思うけど、アピデュラがこれだけ人気ブランドに成長しただけのことはある製品だなと、いまさらながらに使用して感心した。

目新しさはなくとも、自信を持ってお勧めできる製品だ。

おわり

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