装備レビュー

【レビュー】暖かい冬用SPDシューズ『Northwave:Raptor Arctic GTX』を-20℃まで試してみた

冬のライドで寒さが辛い部分……その筆頭が『足先』。強いく冷たい風が当たり続ける足元は冷えやすく、またビンディングシューズは風通しが良いものが多いせいでとにかく寒い。シューズカバーという手もあるけど、面倒だし厳冬期にはそれでも寒かったり。

そこで発見したのが、防水で防寒仕様のSPDシューズ。それがNorthwave(ノースウェーブ)の『Raptor Arctic GTX(ラプター アークティックGTX)』だ。

真冬の東北と北海道で、その実力を試してみたのでレビューを書いていきたい。

<目次>
1.製品スペック
2.各部詳細
3.フィッティングについて
4.使用感
4-1.暖かい!
4-2.防水性能も優秀
4-3.ペダリング性能について
4-4.歩きやすさはまあまあ
4-5.脱ぎ履きしにくい?
5.まとめ

1.製品スペック

まずはNorthwave:Raptor Arctic GTXのスペックからご紹介。

スペック

・重量:453g(サイズ43。片足の実測)

・カラー:ブラック

・対応温度:+5~-10℃

・その他機能:Gore-Tex、リールクロージャ―、反射素材

・価格:25,000円ほど(商品ページを探せませんでした)

 

サイクリングアパレルを手掛けるブランドNorthwave(ノースウェーブ)。シューズも多様なラインナップで幅広いニーズに対応している。

一般的な3穴ロードシューズや2穴MTBシューズ、フラットペダル用シューズ等多岐に渡るが、その中でも他社では珍しいジャンルがこのRaptor Arctic GTXも含む「ウィンターブーツ」だ。

0℃前後に対応するものから、中には氷点下二桁にまで対応するシューズまで、またロード用の3穴(製品名に「R」が付くもの)やMTB用の2穴(最近のものは製品名に「XC」が付いている)など、ウィンターブーツにもいくつも選択肢があるのがまた嬉しい。

今回僕が購入したのが、-10℃まで対応するという2穴SPDシューズ『Raptor Arctic GTX』。実はこれは旧モデルで、新モデルは脱ぎ履きがしやすい様な工夫が追加されているらしい。

 

2.各部詳細

では、各部を詳しく見ていこう。

艶消しブラックで全体的にはシンプルな感じ。NWのロゴはシルバー。

かかと部分には大きなシルバーペイントが。反射材かな?と思ったけど、光を当てても反射している感じがあまりしないのでただのペイントなんだろうか……?ここのデザインはもう少しカッコよくしてほしかった。

ちなみに新モデルの方はここもカッコよくなっているのでちょっと悔しい笑。

BOAに似たリールクロージャ―だが、これはNorthwaveのオリジナルのダイヤル。BOAと同じく絞めこむことでフィット感を細かく調整できるし、1クリックずつ緩めることや全開放して一気に緩めることも出来る。

余談だけど、BOAダイヤルには「1クリックずつ緩める」機能がある「IP1」と、その機能がない「Lシリーズ(L4,5,6など)」の2種類がある。基本ハイエンドシューズ以外はLシリーズなので、機能的にはNorthwaveのダイヤルはいいなぁと思う。

冬用らしくハイカットになっていて、足首部分はネオプレン製。ネオプレンとはウェットスーツなんかに用いられる合成ゴムで、防水性や防風性が高いので暖かさに貢献している。

かかと側にあるループは、シューズを履く際に指をっ引っ掛けて持つところ。新モデルでは、これがつま先側にも追加されてより履きやすいらしい。また、ネオプレンカフと本体の結合部も形状が変わり、足を出し入れしやすいんだとか。

本体部分にはGore-Texフィルムが入っているので、防水ながらに透湿性も確保。

高価なシューズだけど、それだけあってしっかり作られているなあと思う。

ソールはそこそこ硬く、一般的な樹脂ソールのMTBシューズだろうか。Northwaveのソール剛性指数によると8/15で、歩きやすさよりかはペダリングを重視した設計だ。

つま先側にはスパイクを取り付けられるねじもある。

中は起毛になっていてふわふわ。インソールまで起毛したものになっている。

インソールは多層構造で厚みがあるもので、中には熱反射するフィルムが入っているのも見える。足の保温にはインソールの暖かさも結構大事なので、この仕様は分かってるなあとか。

 

3.フィッティングについて

シューズの購入の際にはフィッティングがとても重要だが、Northwaveの取扱店が近くに無い方も多いだろうし、そもそもこんなウィンターブーツはまず店に置いていないので、僕なりに履いた感じを書いておきたい。

まず全体的なサイズ感としては、「EUサイズ」を基本に選ぶのが良いと思う。なぜかNorthwaveの「㎝換算サイズ」は大きめに書いていて、明らかにおかしい。EUサイズが分からない方はEUと㎝の対応をググって頂き、くれぐれもNorthwaveの㎝換算サイズは当てにしないことをお勧めする。

(↑)左からNorthwave:Raptor Arctic GTX、Shimano:RX8、FiveTen:Freerider。すべてEU43サイズ。

そして足型について。ネットの情報を見ると「Northwaveは幅広めなサイズ感」と書いてあることが多いけど、その点についても少し鵜呑みにするのは危険かなと。

確かに足の真ん中あたり(土踏まずのあたり)の幅や高さについては、割と広めで甲高幅広とよく言われる日本人的な足型にも対応しやすいのかなと思う。

ただ、つま先側の幅はむしろ狭めで、小指側がシュッとしたシルエットになっている。「幅広な足」と一口に言っても、どの部分がどう広いのかは人それぞれだと思うので、注意して頂きたい。

僕が今まで履いてきた自転車用シューズは、Sidiの5-FitのEU43と、ShimanoのRX8のEU43、FiveTenのFreeriderのEU43。フィット感的にはShimanoのEU43が一番良くて、次点でSidi、FiveTenは高さが割とピッタリでもう一つ大きいいサイズでも良かったかなと思う感じ。

で、このNorthwaveのEU43はというと、僕の足にはピッタリなのでもう1サイズ大きくても良かったかな……と思っている。長さはも足の甲も適度に余裕があるので理想的だけど、指側の幅(特に小指のあたり)がちょっと狭い。

もちろんこれは履く靴下の厚みによっても異なってくる部分で、夏用の薄手靴下を履くなら問題なし、冬登山で使う極厚だと幅の窮屈感が強くなる。

防寒の観点から考えると、もちろん分厚い靴下をはいた方が暖かいし、余裕があり血流が圧迫されない方が良い。特に血流を圧迫しないのは重要で、しもやけや凍傷などへの対策でも血流を確保するのが肝要。そういう意味でも、緩くとも1サイズ大きいのを買っても良かったし、僕はEU44にするべきだったかも知れない。

 

 

4.使用感

長々と書いてきたけど、そのうえで使用感をあれこれ書いていきたい。

タイトルの通り冬の東北や北海道で使用していて、+10℃~ー20℃くらいまで使用してみた。

 

4-1.暖かい!

暖かさについて語る前にお断りしておきたいのは、感覚は人それぞれなので僕と同じ感想になるとは限らないということ。特に足先などの末端は、冷え性な方と血行の良い方とでは天と地ほどの差がある。僕は普通かやや強い方だと思うので、そのあたりを踏まえてうえで読み進めていただければと思う。

「-10℃まで対応」と宣うだけあって、確かに通常のサイクリングシューズに比べて暖かい。

シューズカバーなしでも十分な防寒性で、0℃前後でも寒さを感じない。逆に+10℃くらいになってしまうと暑くて汗をかいてしまう。

僕的に最も快適だと感じたのは+5~-5℃の範囲で、ハイペースで走ったりダウンヒルをしたりしても、暑すぎず寒すぎない良い感じだった。(薄手~中厚手の靴下を使用)。

対応温度の下限であるー10℃くらいになると、正直寒さは感じる(厚手の靴下を使用)。冬の北海道では常にシューズカバーも併用していたけど、-10℃で暖かいという感想にはならなかったし、Raptor Arctic GTX単体でー10℃のダウンヒルは普通に寒いと思う。ただ、寒さは感じても多分凍傷になるほどじゃないので、まあ対応といって言えなくもないはず。

ー15℃になると、シューズカバー併用でもギリギリという感じ(厚手の靴下を使用)。登りはいいけど下りだと明らかに足先が冷えていってしまう。それでもまだ凍傷は防げるので許容範囲かな……くらい。

ー20℃以下(ー22~23℃)が経験した最低温度だけど、これは流石に無理だった。何をどうしても足先が冷たくて走行がままならないほど。凍傷防止のため、頻繁に停車し足踏みや腿上げをして身体を温めしのいだ。

 

4-2.防水性能も優秀

実はこのシューズを購入する決心をしたのは、0℃前後でのみぞれ降るグラベルライドをしたときだった。シューズカバーをしても濡れてしまったシューズは寒すぎて、指先の感覚がなくなりとにかく辛かったのだ。

実際、先ほど書いたような氷点下二桁で使用する方はほぼいないと思うので、このシューズが輝くのはもう少し気温が高いうえ冷えてしまうとき=雨やみぞれの降るシチュエーションだと思う。

防水シューズカバーをしたところで靴裏からの浸水が多く、通常のシューズで冷たい冬の雨を乗り切るのは辛い。

Raptor Arctic GTXは完全に防水仕様なので、水溜りに立っていようが雨に打たれようが、靴からしみこむことがないのが素晴らしい。冬場のロングライドや湿気の多いグラベルライドでは、その性能は非常に役立つはずだ。

もちろん、ウェアと靴下を伝ってシューズ内部が濡れてしまうことはある。そこはレインウェアその他の工夫(サイズ感や裾の絞り方等)をうまくやるしかないので、シューズ側にはどうしようもない部分。

 

4-3.ペダリング性能について

防寒性や防水性ばかりが目立って、同様に重要なペダリング性能を忘れがちかも知れない。僕はレース勢とは違い、ファストロングライドやツーリングがメインなので評価の仕方が難しいけど、僕なりに感じた事をいろいろと。

ソールはそれなりに剛性があるので、トルクをかけてダンシングしても僕は問題を感じていないし普通にガシガシ走れると思う。少なくともロングライドでは適度でストレスフリーだ。

ただ、いつも履いているのはShimanoのグラベルレース用シューズのRX8(カーボンソールの高剛性モデル)と比べると柔らかい。ソール自体の硬さもあるだろうし、中敷きの厚みといった影響もあるだろう。

足へのフィット感……特にかかとや土踏まずをホールドしてくれる感触は、僕的にはもう一歩欲しい部分ではある。

もちろんこれは足との相性にもよるところだろうが、ShimanoのRX8のホールド感が素晴らしくて気持ちよくペダリング出来るのに比べると、どうも野暮ったさが目立つ。

この野暮ったさは、シューズ内のふわふわ感も影響しているのかなと思う。防寒性を高めるためにふわふわで空気の層を作るのは重要だけど、その分ダイレクト感は薄れる。重量的にはSPDシューズ+シューズカバーに引けを取らずとも、ペダリングの感覚は異なるらしい。

 

4-4.歩きやすさはまあまあ

Raptor Arctic GTXは2穴SPDシューズなので、クリートは出っ張らずロード用シューズに比べると歩きやすい部類に入る。

ただ、先ほど書いた通りソールはほぼしならないので、スニーカーの様なゴムソールのシューズに比べると当然歩きにくい。長時間の歩行には適していないし、滑りやすいオフロードでの歩行もイマイチ。

一般的なクロスカントリー用の2穴シューズと思っていただければよいと思う。

ともあれ僕は結構満足していて、輪行や食事等で歩く場面もそれなりに多いけど、その程度ならさして問題はない。ロングライドがメインな方には悪くはないんじゃないだろうか。

 

4-5.脱ぎ履きしにくい?

このRaptor Arctic GTXを含め、Northwaveのウィンターブーツの海外レビューは軒並み「脱ぎ履きがしにくい」と書いている。

実際どうだろうかと試し履きしてみると、意外と履くのはすんなりといった。

しかし、脱ぐのがビックリするほど大変。最初は「あれ?これ一生脱げないんじゃ?w」と思ったほど。(笑)

もちろんそんなことは無くて、脱ぐのにコツがいるようだった。

まず脱ぐときはダイヤルを開放して紐を沢山出しておき、やりすぎなくらい緩めておく(BOAと違って、解放状態をキープできないので、あらかじめ紐を出して緩める必要がある)。

そして、かかとを靴の斜め内側(上の写真で「Northwave」の文字の真上あたり)にずらすように、靴をねじりながら脱ぐ。このねじるのもポイントで、まっすぐ足を引き抜こうと思ってもまず無理だろう。うまく脱げる角度があるので、そこを見つけて脱ぐと容易いのでお試しあれ。

 

 

5.まとめ

以上、厳冬期にも対応するSPDシューズ『Northwave:Raptor Arctic GTX』をレビューしてみた。

謳い文句通り十分に暖かく、一般的なサイクリストの環境(0~氷点下1桁まで)であれば、快適に真冬を乗り切れるシューズだ。防水性が高いのも評価できるポイントで、冷たい雨や泥の跳ね上げから足を守ってくれる。

決して安いシューズではないけど、手間をかけてシューズカバーをしても中途半端な性能しか手に入らないのを考えると、寒い時期にも乗るライダーにはおススメできる商品だと思う。天気が良くとも濡れやすい冬の林道やオフロードでも良いだろう。

この記事が皆様の冬のシューズ選びに役立てば幸いだ。

おわり

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