ライドに欠かせないものは沢山あるが、サングラスもその一つ。僕は今までスポーツ用品店で買った安いサングラスを使っていたが、ついに北海道一周ライド(ロードバイク北海道一周まとめ|2,460㎞/194時間の記録)でフレームがポキっと逝ってしまった。
そこで、今度はちょっといいやつを買ってみようかなと思い、購入したのがこの調光サングラス「OGK kabuto BinatoX Photochromic」だ。
<目次> 1.調光サングラスを試してみたかった 2.消耗品なのでコスパ重視 ー透過率の幅を要チェック 3.購入 4.使用レビュー
1.調光サングラスを試してみたかった
サングラスと一口に言っても、使うシチュエーションは多岐にわたる。特に僕はナイトライドを含むロングライドが多いから、昼~夜さらには晴~雨とすべての環境でサングラスが必要だ。
本来ならその状況に合わせたレンズに交換して使うのがベストだが、ズボラな僕にはそんなの面倒くさい。疲れているのにレンズ交換しようとして、落として傷ついて…というのが目に見えるよう(笑)
そこで興味を持ったのが「調光サングラス」。
特殊加工を施すことで、紫外線に反応して自動的にレンズの色(光の透過率)が変わるらしいのだ。これなら理論上は1本ですべて賄えるし、なんかそれ、カッコよくない??笑
丁度前使っていたサングラスが北海道一周で壊れたので、調光サングラスを買ってみることにした。
2.消耗品なのでコスパ重視
で、この調光レンズだが、いろいろ調べてみるとどうやら寿命があるらしい。一般的には2年といわれていて、それを過ぎると色の変化が悪くなってしまうみたい。
だったら、お試しの意味も込めて手に入る一番安い奴を試してみよう!と思って選んだのがOGK kabutoのビナートX Photochromic。実売8000円台で、かなり高性能な調光レンズが手にはいる。
⇧何故かフレームカラーによって値段が違う
透過率の幅を要チェック
値段だけを見ると、Amazonの激安サングラスの中にも調光モデルが最安だ。
⇩こんなやつ
しかし、調光レンズには光の透過率の幅があるはず(例えば〇〇%~〇〇%という表記。透過率が0%なら何も見えず、100%は透明と同じ。)なのに、それが記載されていない。極端な話、透過率が1%でも変化していれば(たとえそれが分からない程度でも)それは「調光レンズ」だ。
実際にレビューを見てみると、OGK等の有名メーカーのものに比べると変化率は少なそうだ。そんな中途半端なものはいらない。僕が欲しいのは「24時間かけていられるサングラス」だ。
*手に入るサイクリング用の調光サングラスはこの辺⇩
・OGK kabuto ビナートX Photochromic ⇒ 79%~17%:Amazonで8500円くらい
・OGK kabuto 101 Photochromic ⇒ 81%~17%:Amazonで13000円くらい
・Oakley(公式サイトに載ってないので怪しいけど)⇒ 85%~10%?:海外通販で20000円~
予算的にOakley製は除外されるけど、いちおう記載。有名なJawbreakerとかRadarとかにも調光モデルのラインナップがあった。
この透過率レンジがどのくらいかというと、OGKのオールラウンド用・日中用で透過率15%前後、クリアレンズで80%前後。カタログ通りに変化してくれれば、必要十分な変化率だろう。
3.購入
販売店でも売っているみたいだったけど、一番安かったAmazonで購入。色もモノトーンならこだわりがなかったけど、安かった白フレームを選択した。(なぜか黒フレームは数千円高かった)
因みにビナートXはPhotochromic以外もワンサイズなので特にサイズ指定はなし。
付属品はソフトケースと説明書。
ソフトケースはフレームカラーによって白か黒が付いてくるのかな?以前知人に貰ったOGKのサングラスケースはこの黒バージョンだった。裏にベルトループやフックが付いているので、バイクパッキング等でバックに括り付けることも可能。特にビナートX専用とかではなさそう。
開封後のぱっと見は普通のクリアレンズ。透過率が79%だから2割くらいは暗くなってるはずだけど、その違いは良く分からないレベル。これなら夜間でも問題なく使用できそうだ。
レンズは結構湾曲していて、顔のラインにぴったり合うようになってるみたい。
ノーズパッドは調整不可なタイプだから、ここはちょっとマイナスかも知れない。これが、もうワンランク上?新製品?の「101 Photochromic」だと調整可能のノーズパッドになる。廉価版ビナートXの残念なところ。
曇り気味の日だったが、せっかくなのでベランダに出してみた。するとさっきまでクリアだったレンズがだんだんとスモークがかっていく…!!晴れの日はどこまで暗くなるのか、使うのが楽しみだ。
4.使用レビュー
まずはかけ心地から。次にテストライドを感想を。
かけ心地
全体的にかなり湾曲したデザインになっているためか、掛けた感じは目の周りを覆われる感覚が強かった。眼鏡というより、アイマスク的な感じ。今まで使っていたサングラス(スポーツ店の安物)と比べて、全体的なフィット感は上がった。
パット見のレンズサイズは大きくはないが、かけると比較的目に近い位置にレンズが来る設計?のためか視野は意外に広い。キツい前傾をとって上目遣いになっても、そこそこ視界を確保できた。しかし、やはりJawbreakerや100%みたいな巨大なレンズのものに比べると劣る。TTみたいな姿勢で多用するにはちょっと無理があるかも。逆にコンフォート系~普通のロードのポジションが多いなら必要十分だ。
僕の頭周りは56cm弱と男性の中では小さめだが、ワンサイズのビナートXでも問題なかった。その辺はちゃんと考えて作られているのだろう。
難点はやはり調整不可のノーズパッド。フィット感が悪い訳では全くないが「あとほんのちょっと、こっちに動かしたい…」という気持ちがわいてくる。(笑) まあ、かけているうちに忘れてしまうレベルなので妥協はできるんだけど。
実走テスト
いよいよ実走で使用してみた。昼夜・晴雨をまたいでのライドとなったので、かなり良いテスト環境だったと思う。走ったのは10月の某日で、天候は夜(雨)⇒昼(晴)⇒夜(晴)だった。
出発時は雨の夜。雨脚はさほど強くないが、暗さとしてはMAX暗い状況だ。室内で色が付いていない状態だと「クリアレンズみたい」と思った通り、そんな中でも十分視界を確保できた。これならバリバリ夜に使っていける。
次第に雨はやんで晴れに。気づけば色が変わっていたので、走っているときに「あ、スモークに変わってる!」という感じは全くなかったが、そういえばと確認してみるとかなり黒くなっていた。
この状態だと、日差しを和らげるというサングラスとしての機能も十分果たしてくれた。かけてる感じは、もう普通のサングラスそのもの。
性能的には、これ1本で昼も夜も十分イケると思う。覗いてみるとこんな感じ⇩
んで、皆さんが気になるであろう外からの見た目。多分MAX暗くなった状態でこんな感じ⇩
ぱっと見は真っ黒に近いレンズだが、よく見ると奥が透けて見える。ライド中にちょっと見られる程度や遠目に見る分には普通のサングラスだが、完全に顔を隠したい用途で用いるのには不十分、といったところか(そもそも顔を隠す必要があるのか知らないけど笑)。そもそもミラーレンズではないので、やはりあのギラギラした見た目を求めるならミラーレンズを買うしかない。
アイウエアは機能性のほかにファッション性を求める人も多いと思うので、選択をファッション性にに振るならやはりミラーレンズの方がそれっぽくてかっこいいかなと思う。ほぼ昼間しか乗らないという人も、調光機能に2年という寿命がある製品を選ぶのも多分ナンセンス。ミラーレンズの方がいろんなメーカーから自分の好みで選べる。
逆に、僕みたいにロングライドメインでナイトライドもするとか、1日を通して同じサングラスを使いたいという面倒くさがりな方にはオススメできる。実際に使ってみて、昼夜問わず1日中かけっぱなしに出来たし、クリアレンズとしてもスモークサングラスとしても性能的に全く問題なかった。
荷物を減らしたいキャンプツーリングやブルべ的なロングライドにはもってこい。使ってみて、このスマートさはかなり気に入った。晴⇁曇や昼→夜のように明るさが絶えず変化するロングライドで、自動で適度な明るさに調節してくれるなんて最高のサングラスだと思う。
面倒くさがりのロングライダーさんは、試してみる価値ありかもです。
おわり