装備レビュー

ロングライドに跳ね上げ式DHバー「PROFILEDESIGN AIR STRIKE/プロファイルデザイン エアストライク」を導入してみた

タイムトライアルやトライアスロンのイメージが強いDHバー。実はロングライドとの相性もいいのでは?と思った僕は、ロングライドに跳ね上げ式DHバー「PROFILEDESIGN AIR STRIKE/プロファイルデザイン エアストライク」を導入してみた。

GWに400kmのロングを走り、その有用性が非常に感じられたので今回紹介したい。

<目次>
1.構想の発端は手の痛み
2.跳ね上げ式DHバーに興味を持った
3.早速購入
4.メリット
5.デメリット
6.まとめ
*2019.07.05に追記

発端は手の痛み

ロングライドでの悩みは数あれど、深刻で重要度の高い悩みが手の痛みだ。

肩の凝りやお尻の痛みはダンシングやストレッチなどで緩和しながら走ることが出来るが、ハンドルを握らない訳にはいけないからとても辛い。度重なる路面からの衝撃や長時間の圧迫で掌が痛くなってしまうと、もはやブラケット・下ハン・フラット部分とどこを握っても痛くなり、最悪の場合腱鞘炎にまでなってしまう。

僕はロードバイクに慣れてきたころから手の痛みが出るようになってきて、ひどいときには100㎞でもう手が痛くなってしまっていた。ポジションの変更や荷重の仕方によってかなり改善することが出来たものの、今でも400~500㎞を超えてくるとどうしても手の痛みを感じてしまう。

そこで目を付けたのが、トライアスロンやタイムトライアルでよく用いられるDHバー。DHバーなら体重が手ではなく腕にかかるから、掌を完全にフリーな状態にして走ることが出来る。

 

DHバーに興味を持った

早速調べてみて見つけたのが、今回紹介するDHバー「PROFILEDESIGN AIR STRIKE/プロファイルデザイン エアストライク」だ。

この商品は通常のDHバーとは根本的に異なる点があり、それが『ニーレスト(肘おき)が自動で跳ね上がる』点だ。

通常のDHバーではニーレストがハンドルバーのフラット部分に固定されるため、フラット部分を持つことが出来なくなってしまうという欠点がある。

フラット部分を全く使わないのであれば関係ないが、私は状況に応じて様々な握りをするのでフラット部分を失くしたくない。特にこういう握り(⇩画像参照)がリラックスポジションとして大好きなので、できればこの握りが出来る状態にしておきたかった。

この握りが大好き

ニーレストが跳ね上がるこの商品なら、もともとのドロップハンドルのポジションを犠牲にすることなく、新たにTTポジションを生み出すことが出来るという訳だ。他の商品に比べて多少重量は増加してしまうが、どうせいつも荷物を積載して走るし、山岳区間ばかりの時は使わないだろうから気にしない。使わない手はなさそうだ。

 

早速購入

み付け

効果の程は使ってみないと分からないので、早速購入して使ってみることに。

自宅に届いだDHバー見て思ったことは、案外硬くてかっちりしている。うん、これなら安心して使えそうだし、DHバーに荷物もつけられるんじゃないか?って思える。全部アルミで余計な機構がついているとはいえ、予想よりも持った感じは軽かった。(もちろんカーボンのDHバーに比べたら十分重い(笑)

適切なポジションもよく分からないので、とりあえず組み付けてみた。少し問題となったのはライトとサイコンの設置場所で、今までの設置場所はDHバーに完全に奪われてしまったので、他の場所に取り付けないといけなくなった。(⇒この問題は、解決できたのでこの記事で紹介している)

なんだかハンドル周りがごつくなったけど、うん、これもなかなか悪くない。これまた好みが分かれそうな外見だけど、僕はこういうメカメカしい感じが好きなのでむしろいい感じだ。なんだか戦闘力が上がった感じがして、カッコよくない?(笑)

 

・ポジション出しが難しい

室内で組み付けて握ってみた感じだと、適当につけてもいい感じだった。しかし、家の周りを走ってみると物凄く違和感が。バーの突き出し量からニーレストの前後左右位置、角度を調節できるんだけど、どういうセッティングにすれば楽なポジションになるのか良く分からなかった。

ヘックスレンチ片手に調整しては乗り、また調整して…を繰り返し、やっとそれらしい形になった。空気抵抗はもちろん減らしたいんだけど、あくまでもロングライドを楽にするために導入しているから、姿勢が窮屈になってしまって逆に疲れるようじゃ意味がない。そのちょうどいい位置を見つけるのが大変だった。

ポイントとしてはバーを突き出しすぎないことで、腕が体に多少近い方が姿勢が少し上がって楽になる様だこれこそ個人によって最適なポジションは変わってくるだろうけど、ロングライドではポジションは生命線なので手は抜けない。結局外での調整に1時間以上かけてしまった。

ポジション以外にも最初戸惑ったのが、TTポジションに移行するときの腕の動かし方だ。

普通のDHバーならただひじを置くだけでいいのだろうが、これは跳ね上げ式。そのせいで、腕をいったんステムの上あたりにもってきて、内側から外側へ肘を移動させないとうまくニーレストを下げられない。その腕の動きに慣れるまで少々時間を要した。

 

メリット

100km前後のライドで何度か試した後、400kmの横浜⇒仙台ライドに導入してみた。400kmというと、いつもだと手が痛くなる距離だ。(約半分の200kmほどDHバーを使用し走行)それらの体験を元に、メリットをまとめていきたい。

メリット

1.手の痛み軽減

2.向かい風が凄く楽

3.ポジションが増え体が凝らない

4.平地巡行か+2km/h程度になる

 

手の痛み軽減

もともと期待していた手の痛み軽減では、期待通りがそれ以上の効果を発揮してくれた。手を完全にフリーにして走ることが出来るというのは予想上に楽で、時々DHバーを使うことで400kmのライドでもまったく手が痛くなることはなかった。

また、もし仮に手が痛くなってしまったとしても、DHバーを持って走れば手の痛みを気にすることなく走ることが出来そうだ。

 

向かい風が凄く楽

受けられるメリットの中で最も効果が大きかったと感じるのはこの向かい風への効果だ。言うまでもなくDHバーは走行時の空気抵抗を軽減するための機材で、向かい風のときは走行抵抗に占める空気抵抗の割合が大きいため、その効果が顕著に発揮されるのだろう。

どのくらい楽になったかというと、下ハンを持つのに比べて2割ほど走るのが楽になった印象下ハンでは腕が空気抵抗をモロに受けていたのが、風をうまく切り裂いてくれるようになったのが身をもってわかるほどだ。

短距離のライドでももちろん向かい風は辛いが、ロングライドだと「後半にいかに体力を残せるか」がとても重要になってくるし、目的地への到着予定時刻も遅れるため余計に辛い。天気とは異なり事前の対策が難しい向かい風に対し、DHバーはかなり有効だ。その辛さが軽減されたことで、今まで「大嫌い」だった向かい風が、「嫌い」くらいになった。笑

 

ポジションが増え体が凝らない

TTポジションは普通にドロップハンドルを握った場合のポジションとはまったく違う姿勢になる。そのため、適度にTTポジションを取り入れることにより体が凝るのを遅らせることが出来る。最も効果を感じられたのは腰の凝りで、TTポジションだと体が深く前傾になり、肘に体重の大部分を乗せてしまえば腰周りの筋肉をあまり使わなくてすむ。その結果、長距離ライドも腰が凝らなくなったと感じる。

また、この「PROFILEDESIGN AIR STRIKE」なら、ハンドルのフラット部分も今まで通り使えるため、走行時の腰の角度がかなりの幅で変えられることになる。おそらく通常のDHバーよりも、体の凝り防止には効果を発揮するだろう。

ただし、世間一般的にはTTポジションはキツイ体制だといわれているため、必ずしもこの効果が得られるかはなんとも言えない。僕のポジションはかなりアップライドだと思うから、そのおかげなのかも知れない。

エンデュランスモデルといわれているロードバイクはヘッドが長く、デフォルトのポジションがかなり高いので、そのおかげもありそうだ。普段から前傾が緩く下ハンを持って巡行しても苦ではないなら、DHバーを使っても体制的にさほど辛くはならないと思う。

 

平地巡行が+2km/h程度になる

なんといっても嬉しいのは巡航速度が上がること。サイコンを見る限り、巡行速度が2km/h程度上がっていた。必要なパワーを上げずにこれだけ巡行速度が上がるのはまさしく飛び道具。

平坦基調のコースなら、下手に装備を軽くするよりも空力を良くした方がよっぽど早くなりそうだ。

 

デメリット

どんな製品も性能はトレードオフ。いいこともあれば悪いこともあるのが世の常だ。今度はその負の部分をまとめる。

デメリット

1.使える場面が限定的

2.ハンドルバーバックを付けられない

3.重量増加

4.輪行時に時間と手間がかかる

 

使える場面が限定的

DHバーの最も残念な部分は間違いなくこれだ。TTポジションではブレーキ・シフト操作が全くできないため、市街地や何かの飛び出し、ブレーキの可能性がある場所ではDHバーは使用できない。また、電動コンポにしない限りシフト操作もろくにできないので、こまめにギア操作をしたいコースでも使用機会かなり少なくなる。

また、1~3%くらいの緩い坂であれば全く問題はなかったが、それ以上の坂になるとTTポジションで走行するのは登りも下りも厳しいと感じた。斜度のある登りはダンシングで切り抜けてしまった方が楽だし、下りはスピードが出すぎるうえブレーキが出来ず不安定になるので危険で使えなかった。

折角のDHバーも、使う場面がないのではただのお荷物でしかない。事前にどんなコースなのかを把握したうえで装備するか否かを選択する必要がある。

<追記>北海道一周でDHバーを使ったが、ああいうノンストップのド平たんコースではもはや必須というレベルで有効だった。

こういう道が理想的

 

ハンドルバーバックを付けられない

DHバーを付けた状態だとバックの取り付けスペースがなくなってしまい、取り付けが出来なくなってしまった。ロングライドではハンドルバーバックはかなり便利なアイテムなので、これが使えなくなるのはかなり痛い。

また、バイクパッキングスタイルでのツーリングでは、ハンドル周りは貴重な積載スペースだ。そのスペースを占有してしまうのは明らかなデメリットである。

<追記>DHバーの横にステムポーチを取り付けることで、フロントの積載量の確保を図ることができた。

<追記2>このエアストライクは無理だが、バーの飛び出し位置が高いタイプならフロントバックと併用可能だった。

⇧こんな感じ

 

重量増加

新たな装備を追加すると、避けて通れないのが重量増加僕の場合、いつも何かしら荷物を積んで走っているから正直殆ど気にしていないが、獲得標高4000m以上のコースになると流石に少しでも軽くしたいと思っていしまう。

平坦を楽に走るためにもっていくか、登りを考えて外していくか。出発前に悩むこと必至だ。

 

輪行時に手間と時間がかかる

輪行袋とバイクの組み合わせによるとは思うが、僕のSpecialized Roubaix SL4の54サイズとオーストリッチ320だと、何もつけない状態でかなりキツキツなのでDHバーを付けた状態で輪行が出来ない。(JRの輪行規定では専用の袋にバイクのすべての部分を収納しなければならない)

着脱に必ず数分の時間を要することになるので、疲れているときや急いでいるときには面倒な作業だ。普通のDHバーならもっと楽なのかも知れないが、「PROFILEDESIGN AIR STRIKE」ではニーレストが跳ね上がる機構のせいで固定ボルトを外すのが少々やり辛くなっている。

外したDHバーはフレームに縛って輪行袋に入れることが出来るが、その時にもフレームを傷つけないように注意が必要で面倒くさい。結局手にもって輪行してたりする。

<追記>輪行袋をオーストリッチのL100(上の商品リンクで右)なら、バーを縮めれば可能だった

持てなくはないが邪魔

 

まとめ

以上、「PROFILEDESIGN AIR STRIKE」をロングライドに導入してみた結果をまとめてみた。使用できるコースが限定的ではあるものの、ニーレストが跳ね上がる機構があるDHバーはロングライドに有用であると思う。

ロングライドでの体の凝りに悩んでいる人、向かい風が嫌いな人、平坦を楽に走りたい人にはオススメできるので、興味があればぜひ試してみてほしい。

 

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