グラベルバイク用のバーテープ選びは、厚みやグリップ感など、どんなものが良いか悩むものだ。最近はグラベル向けの製品も少しずつ増えてはいるが、まだまだ選択肢が少ないのも現状だ。
コストパフォーマンスが高い自転車用品で知られるBBBから、グラベル用バーテープ「グラベルリボン」が発売された。使用する機会をいただけたので、レビューをしていきたい。
<目次> 1.スペック 2.各部詳細 3.使用感 3-1.程よい厚み 3-2.十分なグリップ 3-3.ロングライドに良いかも? 3-4.耐久試験はこれから 4.まとめ
1.スペック
では、スペックから見ていこう。
・厚み:3.5mm
・カラー:ブラック/グレー/サンドイエロー ・重量:94.4g(両側未カット合計・実測) ・価格:3,300円(税込み)
BBBのグラベルリボンは、その名の通りグラベルでの使用を念頭に置いて設計されたバーテープ。一般的なバーテープよりも分厚く、グリップ感を高めたモデルとなっている。
公称での厚みは3.5mm、実測での厚みは3.6mmだった。裏側にはゲルが内蔵され、振動吸収性を高めているらしい。
実測重量は、付属品を全て含めて108.5g。バーテープのみ左右合計が94.4g。もちろんカットして使うので、これよりは軽くなるだろう。
バーテープにしてはやや重たい部類だが、厚みやクッション性を考えると妥当だと思う。
カラーは3色展開で、ブラック・グレー・サンドイエロー。
定番のブラックは様々なバイクに合わせられるが、サンドイエローもクラシカルな見た目のバイクにマッチしそう。ちょっと見た目をカスタムしたい…という方にも良いかも知れない。
2.各部詳細
では、各部を詳しく見ていこう。僕が使用しているのはブラック。
付属品はこんな感じ。
エンドキャップやSTI部分の化粧テープ、末端の化粧テープ。一般的なものがフルセットで付いてくる。
裏面はシリコンの滑り止めのタイプ。
巻き直しができるし、ハンドルに跡が残らないので僕は絶対にシリコン派だ。ちなみに裏面に滑り止めや両面テープがついていない製品もあるけれど、それはちょっとズレが頻繁に起こって駄目だった。
STI部分に使用するテープは、本体とは異なり裏面に粘着テープが貼られている。こういう配慮は好感が持てるし嬉しい。
表面はグリップ感の高いダイヤモンドカットパターン。
カラーは全体がマットな質感で統一されている。
横から見ても、一般的なバーテープに比べて分厚いのが分かる。BBBの標準は2.5mm、このグラベルリボンは3.5mmだそうだ。
「ゲルが内蔵」と書いていたのは、滑り止めを兼ねている滑り止めのことなんだろうか。
バーテープの長さは、グラベル用の幅広でフレアしたハンドルに対応するよう、長めに設定されているらしい。
実際に、僕が使用しているハンドル(ブラケット部C-C420・フレア角25°)に巻いてみても、かなり余分ができる長さだった。サーリーのモロコバーみたいな、変わった形状のハンドルをお使いの方にもいいかもしれない。
適度に伸びる素材なので、巻きやすいバーテープだった。初心者の方が初めて挑戦するのにも、使いやすいだろう。
◎厚み3.5mmってどのくらい?
「厚みが3.5mmのバーテープ」と言われても、いまいちピンと来ない方も多いだろう。
バーテープの厚みの相場は、大体2~3mm。有名どころだと、リザードスキンは1.8/2.5/3.2mmというラインナップ、スパカズは2.3mmらしい。
我が家の手持ちのバーテープをいろいろ測っても、だいたい2.5mm前後かなという印象(測り方で誤差が大きいから、あくまで参考)だ。そこで3.5mmという厚みは、一般的なロードバイク用からすると結構分厚い。
グラベル用のバーテープの相場でいうと、完成車で付属したものが実測3.7mm、試乗車などで使ってみても、概ねそのくらいの印象を受けた。極端な例でいうと、Wolftoothが5.0mm厚の「Supple Bar Tape」を発売している。
そういったラインナップを踏まえると、3.5mmはロングライドで手の痛みに悩む方が選んだり、グラベルロードの完成車に付属していたりするくらいの厚みだ。
3.使用感
では、実際に使用してみての感想をいろいろと。
3-1.程よい振動吸収性
「グラベル用で振動吸収性が高い」点をウリにしているこのバーテープ。確かにその文句通り、数あるバーテープの中で高い振動吸収性を持っていると思う。
バーテープは分厚く・柔らかければよいという物ではなく、その分操作のタイト感が失われていったり、重量が増してしまったりとデメリットもある。振動吸収性と扱いやすさの両面を考えなくてはならない。
タイトルに「程よい」と付けたのは、3.5mmという厚みは、そのバランスが良いと感じたから。前述の通りグラベル用として人気のある・一般的になっている厚みなのも頷ける。
逆に、「完成車のバーテープだと手が痛い」「グラベル用に、とにかく振動吸収性に特化したモデルが欲しい」という方なら、もう少し振り切った厚みのバーテープを使用しても良いかとも思う。
事実、僕は下りで持つ部分にクッション材を仕込んで使っている。
バーテープ全体を分厚くすると操作系にも支障をきたすので、必要な部分だけ保護を強める考えだ。長時間の下りやハードなコースも想定して使うなら、こういう工夫もいいと思う。
3-2.グリップは十分
振動の激しいグラベルで使用するなら、もちろんグリップ力も欠かせない。走行中に手が滑ってしまっては、大事故に繋がりかねないからだ。
このグラベルリボンは、表面のダイヤモンドカットがいい仕事をしていて、必要なグリップを確保してくれていると思う。吸い付くようなムニムニ感というよりは、ザラザラとした質感で摩擦が大きいイメージだろうか。
濡れた際のグリップは、乾燥状態には劣るものの、表面のザラザラ感でそれなりに確保している感じ。素手よりグローブの方が相性が良さそうで、濡れていてもグローブと併用すればしっかり走れそうな印象を受けている。
3-3.ロングライド用に良いかも
ここまでの特徴を踏まえると、グラベル用途はもちろんのこと、ロングライドで手の痛みに悩んでいるという方にも良いかも知れない。
手にやさしいと定評のあるリザードスキンの集めタイプは3.2mmだし、僕が昔ロングライドで手が痛いときに使っていたバーテープも3mmほどの厚みだった。
グラベルという名前に固執することなく、厚みがあり手を保護するバーテープとして、いろいろな用途に使ってみると面白そうだ。
3-4.耐久性はこれからテスト
耐久性に関しては、まだまだ検証が必要なので何とも言えないところ。グラベル用なので擦れ等に強いと助かるだろう。
触った感触や、現状使っている雰囲気では、十分にグラベル用途に耐えそうな雰囲気はある。例えばEVA系のバーテープだと、切れ目やができるとそこからどんどん崩壊してしまうことも多かった。だから、EVA系は安価で分厚いモデルが多いけど、グラベル用にはおすすめできなかったり。
その点グラベルリボンは、そういう残念な崩壊の仕方はしなさそう。裏面も粘着テープではなくシリコンタイプなので、ズレた際やハンドルを交換した際にも、繰り返し使用できるのが嬉しいところ。
4.まとめ
以上、BBBのグラベル用バーテープ「グラベルリボン(BHT-16)」をレビューしてみた。一般的なバーテープに比べて分厚く、振動吸収に優れている。普通のバーテープを使っていて、もっと手を楽にしたい…と感じている方には良い選択肢の1つだろう。
ただし、世の中にはもっと分厚いバーテープ(5mm厚など)もあり、もちろんそちらの方が手には優しい。コントロール性と快適性のバランスをどう取るかは、ユーザーの好み次第だろう。
グラベルリボンは「分厚いバーテープ」の1つの基準的な厚みだと思うし、価格も抑えめなのでお試しで使用してみるのもいいかも知れない。もしこれで足りないと感じるなら、もっと分厚いモデルを選ぶかクッション材を入れるとよいし、逆に厚すぎるならロード用のバーテープで十分ということ。
グラベルのみならず、ロングライド用途など幅広い方にマッチしそうな製品だ。この記事が、皆様のバーテープ選びの役に立てば幸いだ。
おわり