チューブレスタイヤのビード上げは、サイクリストの悩みの種だろう。クリンチャーの様に簡単にタイヤ交換ができず、もやもやしている方は多いのではないだろうか。
僕もその1人だったが、その面倒なビード上げが簡単に出来るようになった。導入した製品は「シュワルベ:タイヤブースター」。今回は、このタイヤブースター(インフレーター)を使用してのビード上げをご紹介したい。
<目次> 1.スペック 2.各部詳細 3.使ってみた 4.まとめ
1.スペック
では、スペックを見ていこう。
・ポンプ別式(in/outとも仏式対応) ・重量:650g ・価格:7,500円(購入時) ・Amazonはこちら
シュワルベのタイヤブースターは、普通のフロアポンプで本体に空気をため、ためた空気を一気にタイヤ側へ放出するもの。
通常のフロアポンプだけでは、一度にタイヤに送り込める空気の量が少ないため、タイヤ内圧が上がる前に空気が漏れてビードが上がらない。それを解消するため、いったんタイヤブースター内に空気をためておき、一気に開放して内圧を上げようという製品だ。
この手の製品は「インフレーター」と呼ばれるもので、ポンプと一体型のものと別々のものとで、2種類に分かれる。このタイヤブースターはポンプとは別々のモデルで、その分コンパクトかつ安価なのが魅力。
僕はもともとスポーツバイク用のフロアポンプを持っているから、このインフレーター機能だけを補えるタイヤブースターを選んだ訳だ。
購入時にいろいろな製品を調べたけど、恐らくこのシュワルベのタイヤブースターが、最も安価かつ高評価だと思った。決して安い価格ではないけれど、この辺りが入り口の価格ではなかろうか。
2.各部詳細
では、製品を詳しく見ていこう。
こんな感じの箱で到着。何気にこの箱も気に入っている。
タイヤブースターは常に使う物ではないので、普段は収納しておきたい。その収納時、ちょうどよいサイズでしっかりした箱があると、結構重宝するものだ。
内容物はこんな感じ。本体のほか、タイヤブースターをフロアポンプにまとめる為のベルト、説明書が付属した。
説明書には日本語の記載もあったので、使いやすくてありがたい。
タイヤブースターに空気を入れるバルブ。キャップを外すと普通に仏式なので、ロードバイクやMTBで一般的に使用しているポンプをそのまま接続できる。
ホースの根元には、空気を送り込む際に使用する青いバルブがある。
画像の様に上に向けるとClose、水平にするとOpenだ。
こちらが、ホイール側に接続するバルブ。もちろん仏式に対応。
付属のベルトで、フロアポンプに巻き付けて使用・保管することも出来る。ベルトの内側にはちゃんと滑り止めも付いていて、割としっかりした作り込み感。
僕は邪魔なので、別々に保管してしまっているけれど…。
3.使ってみた
タイヤブースターが届いて、早速チューブレスタイヤのビード上げに使ってみた。
今回使用したタイヤは、TERAVAILのタイヤ。試しに新品未使用を、そのまま装着してみた。
石鹸水を塗ったり、折りたたまれた状態を開いて放置したり…とチューブレスタイヤを装着するコツはあるけれど、それらは全くせず、クリンチャーと同じ様に作業している。
「バルブコアを外しておくと良いよ」と説明書に書いてあったので、その指示通りに外しておいた。
バルブコアを外すと一気に空気が入り込むので、チューブレスタイヤのビードを上げるのに役立つようだ。このタイヤブースターに限らず、チューブレスタイヤを扱うときは有効な方法である。
シーラントは後から入れる方法もあるけれど、面倒なので先に入れておいた。失敗するとタイヤとリムの間からシーラントが噴き出してしまう可能性はあるので、汚したくない場合は後入れの方が確実かもしれない。
使っているのは、STANSのRace Sealant。結構強力らしく?、ライド中もシーラントが噴き出したりしつつも耐えてくれている。
他の物を使ったことがないので比較は出来ないけれど、一応ご紹介。
タイヤを装着したら、バルブにタイヤブースターをセットする。
黒い部分を回してねじ込むけど、ねじ込みが甘いと空気が漏れてしまうので注意。
続いて、フロアポンプをタイヤブースターに装着。こちらは普通の仏式バルブが付いているので、普段通りセットすればOKだ。
このとき、タイヤブースターの青いバルブを「Close」の向きにしておくのをお忘れなく。
両方のセットが完了したら、フロアポンプでタイヤブースターに空気を入れていく。
最大空気圧は、11bar(160PSI)。暴発の危険があるので、これ以上は入れないようにご注意を。今回は10barで試してみた。
あとは、青いバルブをひねって空気をタイヤに送り出すだけ。
緊張の一瞬…。バルブを開放すると、「シューーーバン!!」という大きな音と共に、ビードが完璧に上がった。
今まであんなに苦労していたのに、それが嘘みたいに一瞬で完了。あとはタイヤブースターを外して、普通に空気を入れれば走れるようになる。
何も難しいことはなかったし、石鹸水やら何やらと、面倒な下準備もいらなかった。
TERAVAILのタイヤのほかに、WTBのタイヤも試してみたけれど、同様に1発で完了。感動というか、あっけなく感じてしまうほど簡単にビード上げが終わった。
4.まとめ
以上、シュワルベのタイヤブースターを使用したビード上げをまとめてみた。個人的には大満足な結果で、もっと早く買っておけば良かったと思う製品だった。
作業自体が簡単になったのはもちろん、「いつビードが上がるか分からない」というストレスから解放されたのが大きい。
タイヤはいろいろ使ってみたいし、コースとの相性によって交換しながら運用するのが理想だ。しかし、今まではビード上げが億劫すぎて、タイヤを交換しなかったり、ショップに頼り切りだったりした。
それが、このタイヤブースターのお陰で、気軽にタイヤ交換ができるようになった。
もちろん他にもチューブレスタイヤのビード上げをする方法はあるけれど、この製品1つで様々な面倒ごとから解放されるなら、高くはない投資だったなと感じている。
この記事が、チューブレスタイヤのビード上げに悩む方の参考になれば幸いだ。
おわり