ロングライドで必要となる補給食は、終わりのない問題だ。必要なカロリーが摂取できることはもちろん、味や携帯性、ゴミ問題など、様々な要素が関係してくる。
今回ご紹介するのは、和歌山発の美味しい補給食「FURUGEL(フルジェル) あまい」。みかんの甘さを生かした、ジェルタイプの補給食だ。
<目次> 1.スペック 2.味濃縮された「和歌山みかん」 3.使用感 3-1.固形物が無理なときに活躍 3-2.サイズは大きいが、細長いのが◎ 3-3.ゴミがべたつかない 3-4.走りながらの飲みやすさは? 3-5.日常使いもアリ 4.まとめ
1.スペック
ではまずは、製品の概要からご紹介しよう。
・サイズ:約165×80mm ・重量:192g(内容物170g) ・カロリー:235Kcal ・栄養:炭水化物58g、脂質0.2g、タンパク質0.7g ・価格:356円/1個(税込み) ・商品ページはこちら
FRUGEL(フルジェル)は、サイクリストのご夫婦が生み出した補給食。和歌山県産のみかんを100%使用し、ぎゅっと詰まった自然の甘さが持ち味だ。
ご夫婦の経営する「tender&juicy BIKE」は、和歌山のサイクリングコースを共有するフリーペーパー「Re;Cycle」を発刊するなど、精力的に活動されている。ご縁あってご夫婦と知り合い、よかったら試してみてほしいとご提供をいただいた。
FRUGELには、ほかにも梅を使用した「すっぱい」があり、こちらはもう少しカロリーを抑え、クエン酸を追加したものとなっている(詳しくはこちら)
裏面の栄養表示と内容物はこんな感じ。
栄養は糖質がメインで、ライド中に素早くエネルギーを補給するのに適している。いわゆるエナジージェルに近い栄養構成だろうか。
2.濃縮された「和歌山みかん」
補給食は当然食べ物だから、味が気になるものである。必要な栄養を科学的に混合させたサプリは数あるが、どうしても自然なおいしさには程遠い。
その点このFRUGELは、みかんの甘みがギュッと詰まった味わいだ。小さな果肉も入っており、人工甘味料や香料などにはよらない「みかん」を感じられる仕上がりになっている。
和歌山県産の有田みかんを100%使用しているというのも、土地や地域を愛するサイクリストならではのこだわりを感じる。僕はロングライドで様々な地域を走ってきたけれど、こういう「ご当地補給食」というのも、ライドを面白くする要素の1つだと思う。
味に関してもう少し詳しく書くと、「あまい」という言葉が名前に使われているように、甘さに特化している。甘みと酸味のバランス…というよりは、甘さを濃縮した感じだろうか。個人的には、そのままゴクゴクというよりは、少し水も飲みつつ食べる感じ。
好みによる部分なので難しいけれど、甘いのが苦手という方にはネックとなるかも知れない。逆に、一般的なエナジージェル等が普通にいけるなら問題ないだろう。
3.使用感
では、実際にライドで使用してみての感想をいろいろと。良し悪しを正直に書いていきたい。
3-1.固形物が無理なときに活躍
形状はいわゆるジェルタイプなので、固形物がしんどくなるロングライド後半や、暑い夏場でも喉を通りやすい。特に僕は暑さに弱いけれど、何も食べたくないような時でも、これなら流し込みやすいと感じた。
夏場は凍らせて持ち運ぶこともできるから、補給食と暑さ対策を兼ねて使用することもできる(もちろん、すぐ溶けてしまうので長時間凍ったままにはできないが)。
ロングライドでは補給食の味に飽きたり、美味しくないと感じてしまったりで苦しいこともあるが、ほかのスポーツ用補給食には少ない味わいなのでその点もよさそうだ。何というか、おやつ感覚に近い気がする。
容量は170gと補給食としては多めで、ウイダーと同じくらいと思っていただくとよいだう。状況によっては一気に飲み切るのが厳しいこともあるが、キャップ付きの容器なので少しずつ飲むこともできるのが嬉しいところ。食欲がなく、食べきれるか怪しい状況でも使いやすい補給食だ。
3-2.サイズは大きいが、細長いのが◎
補給食では、携行性も非常に重要。ライド中に荷物になるようでは、気軽に持っていく事ができないからだ。
その点でいうと、フルジェルは少々嵩張る。1つ当たりのパッケージが大きいため、どうしても大量に傾向するのが難しい。
目安としては、ジャージのポケット1箇所につき2つでパンパン…という感じだろうか。レーパンのサイドポケットでも試してみたけど、同じく2つがジャストだった。
例えばポケット2か所に詰め込むと、携帯できるのは4つ。カロリー的には約920kcal。おおよそ3時間で消費する量だ。これを十分と思うか、もっとカロリーを効率よく運びたいと思うか、ライドの仕方や補給の組み立て方次第といったところだろう。
僕個人的には、総走行距離が300kmくらいまでのライドなら、程よいバランスだと思う。
一方で、400kmや500kmを超えるライドをするなら、必要量を持ち運ぶのが大変なので小さくしたい。ライド後半に使用するとなると、持ち運ぶ距離も長くなる。
キャノンボール系ほどファストロングでない、1dayブルべくらいまでのライドで使いやすいんじゃないだろうか。
携帯性について付け加えると、本体の形状が長細くなっているのが好印象だった。
容積的にはウイダーなどとほぼ同じだが、FRUGELはスリムな形なので、バッグやポケットに収納しやすい。取り出すときも引っ掛かりにくく使いやすいので、工夫されているなと感じた。
3-3.ゴミがべたつかない
エナジージェル系はごみがべたつくのがネックだけど、FRUGELはキャップ付きなのでごみの扱いが楽。ゴミ専用ポケットを作らなくても、気軽に管理できるのがうれしい。
もちろん、「半分飲んで取っておく」ということもできるので、それも一般的なエナジージェルに勝る点だろう。
ゴミのサイズも十分小さくなる。べたつく問題がなく、プラの包装みたいに風で飛ぶこともないので、適当なバッグやポケットに放り込めるのがよい。
ただし、ちょっと飲み口が大きくバッグのサイドポケットに挟めないので、それが出来れば完ぺきだったな…というのが個人的な感想。流石にこれはシビアすぎる要望なので、あくまで「こうなればもっと良いのにな」という程度のものである。
3-4.走りながらの飲みやすさは?
補給食といえば、走りながら食べるとい方も多いだろう。だから、補給食は「片手で開封できるか」「持ちやすいか」「食べるのに時間がかからないか」なども重要なポイントとなる。
その点でFRUGELは、個人的には使いやすいなと感じた。
FRUGELはキャップ式なので、開封に両手が必要にはなる。そのあたりは普通だ。
僕的なポイントは、果肉が入っているため飲みやすさを考慮してか、キャップの飲み口が大きく作られているところ。キャップが大きいから開け閉めがしやすいし、落としてなくす心配が少なく、すぐ飲みたいときは一気に口に流し込むことができる。もちろん、先ほども書いた細長い形状ゆえ、もちやすいのも好印象だ。
ただし、口の小さい方は、ひょっとすると逆に飲みづらいと感じてしまうかもしれない。相性にもよると思うので、ご注意いただきたいところである。
3-5.日常使いもアリ?
ちょっと話が逸れるけど、このFRUGEL、日常使いにも良かったりする。
時間がない時の朝ごはん替わりとしてもよいし、パッケージ的にも机でさっと食べやすいのだ。よくあるエナジージェルはライド中以外に口にしたいと思わないけど、FRUGELはそういう普段使いにもいい気がした。
一番良かったのは、ヨーグルトと混ぜて食べる方法と、少し凍らせておやつにする方法。これは「家にあったらつい食べちゃうやつ」だなと確信した。笑
ライドだけでなく、日常生活での補給にも役立ってくれるかもしれない。
4.まとめ
以上、和歌山県発の補給食「FRUGEL(フルジェル) あまい」をレビューしてみた。
地元の素材を生かしたサイクリスト目線での設計で、補給食としておいしいのが魅力だ。その名の通り甘いので味の好みが分かれるかもしれないが、僕的には日常使いもしたくなる製品だった。甘味が苦手という方は、同じFRUGELシリーズの梅を使った「すっぱい」をチェックしていただくと良いかも知れない。
ロングライドやバイクパッキングで、おやつ感覚で食べられる味わいの補給食。尖った使い方にはサイズ感がネックになるかも知れないけれど、楽しみとしてバッグに1つ忍ばせたくなる製品だった。
この記事が、皆様の参考になれば幸いだ。
おわり