装備レビュー

トレラン用ハイドレーションベストがグラベルライドに最高な話『Salomon :Sence Pro 5』

補給の難しいグラベルライドでは、飲料水や補給食、エマージェンシーギアなど、持ち運ぶ必要のある装備が増える。

そんな時、トレイルランニング用の多機能ハイドレーションベスト「Salomon:Sence Pro 5(サロモン:センスプロ5)」が、最高に便利で使い勝手の良いギアだった。今回は、そんなグラベルライドにおすすめなトレランベストと、その活用をご紹介したい。

<目次>
0.グラベルライドは荷物が増える
1.軽量なトレランベスト
2.機能が豊富
3.フィット感が抜群
4.「未知」への躊躇を無くしてくれる
5.真夏の冷却、自転車×トレランにも

0.グラベルライドは荷物が増える

冒頭でも書いた通りだけど、グラベルライドは何かと荷物が増えがちだ。

グラベルのある山間部は補給ポイントが限られるうえ、水分やエネルギーの消耗は舗装路の比ではない。何かトラブルが発生した際のリカバリーにも、通常の道路では到底求められないレベルでの労力が必要とされる。

そういった事情により、僕は『グラベルは舗装路の3倍は補給やリカバリーの装備が必要になる』と考えている。一例として、過去に装備をまとめた記事はこちら(↓)

 

 

で、問題となるのは、それら装備の収納場所。

もちろんバイクパッキングの様にバッグを付けていくのもいいけれど、あまり重装備にするとバイクコントロールがしにくくなるし、荷物へのアクセス性にも限りが出てしまう。バックの清掃も面倒だ。かといって、普通のバックパックは走りにくいし、荷物がすぐ出せないからNG。。。

なるべく快適にグラベルライドを楽しむために、僕は『アクセス性に特化した小型バックパック』が欲しくなっていた。

 

1.軽量なトレラン用ベスト

続いては、このトレイルランニング用ベスト『Salomon:Sence Pro 5』について、簡単にご紹介しよう。

要するにこのベストが前述の問題を一挙に解決してくれた訳だけど、まずはそのスペックから見ていきたい。

 

スペック

・容量:5L
・サイズ:2XS~XL
・カラー:ブラック、グレー、レッド、ブルー
・重量:Mサイズ公称144g(Sサイズ実測125g)
・付属品:ソフトフラスク2つ、ポール固定用ゴムループ×5
・価格:17,600円(税込み)
商品ページはこちら

 

これはトレイルランニング(山道を長距離走る、オフロード版マラソンともいえる競技。略してトレラン)用のハイドレーションベストで、中でも軽量性に特化した競技志向の強い製品だ。

トレラン用のバックパックは、基本的に装着位置が高く、走ってもブレない様にフィット感が高いのが特徴。

装着位置が高いと、荷物の重心が高くなり腰に負担がかかりにくい。普通のバックパックを背負っては50㎞と走れない僕だけど、トレラン系は大丈夫。

このセンスプロ5は、「バックパック」というより「ベスト」であり、更に言えば「ポケットの多いジャージ」という感覚だろうか。ご覧いただける通り、サイクルジャージのバックポケットにも干渉しない。これもまた、サイクリングでの使い勝手の良さを際立たせている。

「トレラン用のベスト」といっても多様な製品があるけれど、このセンスプロ5は特に軽量で、なんと実測125g(Sサイズ)しかない。

全体で5Lもの容量を持ち合わせつつも、これだけの軽量性を実現している製品はなかなか無い。

本体は速乾性が高く、伸縮性にも富んだ素材が使われている。Salomon独自のフィットシステムも相まって、軽量ながらに荷物を入れて走っても全くブレない保持力も両立。なかなか尖った製品だと思う。

 

2.機能が豊富

「アクセス性の良いバックパックを探していた」と冒頭で書いたけど、その点においてSence Pro 5は機能が豊富で優秀だ。

前側は伸縮性のあるポケットが2~3層になっていて、500mlのソフトボトルを左右1本ずつ、その上に補給食関連、財布といった小物を収納できる。いつでも手を伸ばせば出し入れできる位置に、これだけの収納があるのは補給の乏しいライドの強い味方となる。

また、荷物はベストの生地自体の伸縮性により固定されるので、ポケットの中で暴れることは無い。

背中側には、上から出し入れするメインの大きい荷室と、左右に貫通する下側のポケットが1つ。

メインの荷室には1L+αくらいのハイドレーションパックの他、着替えなどを入れたドライサックを入れるのも良い。

左右に貫通するポケットには、防寒着なんかを突っ込むことも可。

下側のポケットは、こんな感じにアクセスする。ここから上着なんかを引っ張り出して、サッとベストごと羽織るのも良い。

ただし、実のところこのポケットは手は届きにくく、肩甲骨周りの柔軟性の無い方は手が入らないと思う。ちょっとした目安としては、背中に下から手を回して、その手の側の肩甲骨を掴めれば、多分普通に使える(触れなければ、一度ベストを脱がないと難しい)。

これだけの機能が詰まっていると、手を伸ばすだけで1日走り続けるだけの補給にありつける。

トップチューブバッグやフレームバックでは足りなかった容量を補って、更により使い勝手の良い環境が手に入るのだ。ボトルを取るまでもなく水を飲み、ジッパーの開閉すらなく補給食を食べられる。

だいたい、いつも入れている装備はこんな感じ。

足を止めて休憩するのもいいけれど、前に進み続けたいライドだってあるはずだ。このベストは、後者のタイプで真価を発揮する。

 

3.抜群のフィット感

どんなに機能が良くたって、フィット感が悪ければロングライドやグラベルライドで使っていられない。

Sence Pro 5は、本体のすべてが良く伸びる柔らかい生地で出来ているから、着用時の窮屈感やゴワつき、荷物のブレが全くない。

フィット感の秘訣として、「胸部のアジャスターがゴム紐」という点があると思う。

普通ここはゴム製のベルトが2~3本あるか、安価なものだとナイロンベルトだったりする。でもそれだと、ベルト自体の伸縮性に限界があり、呼吸や姿勢変化の際に若干妨げとなるのだ。

Sence Pro 5はゴム紐を網目の様に張り巡らすSalomon独自のフォットシステムで、これがまた良い。着脱もゴム紐を2か所フックに掛けるだけだし、調節もドローコードの様にゴム紐を引っ張るだけなので超簡単だ。

夏場の4日間のバイクパッキング・ツーリングでは寝るとき以外着用しっぱなしだったけど、それでもフィットの良さは健在だった。

ザックというより、ウェアの延長として使用できるのがこのベストの素晴らしい点だろう。自転車の乗車姿勢でも、特に問題は起こらなかった。

上の画像くらいの、通常のロードバイクの前傾姿勢くらいまでは、何の違和感も無く使用できる。

ただし、1つ補足するなら、DHバーを使用して上半身が水平になるくらいのポジションをとると、膝に胸の収納がぶつかってしまう。荷物の収まりも、重力が本来の設計とは90度違う方向からかかってしまうためか、最高とは言えない。(あくまで「通常使用と比較して劣る」という程度だけど)

 

 

4.「未知」への躊躇を無くしてくれる

このベストを持っておく1番のメリットは、「今まで行けなかった『未知』のライドへ行ける」ということ。

真夏のグラベルでも水分不足への恐怖が減るし、補給食も余分に持てる。峠が1つ2つ追加されても、何かトラブルが起きて帰宅が大きく遅れても、それを乗り越えるだけの余裕を持って臨める。

だからこそ、未知の領域やライド計画を立てたときでも、躊躇なくライドへ挑み楽しむことが出来るのだ。

自分が荷物を持つことで、バイクの取り回しが良くなるのも、このベストを使うメリットの1つ。

走行が困難な道があったとしても、バイクが軽ければコントロールしやすいし、担ぐときも楽になる。オンロードのみなら全ての荷物をバイクに預けた方が楽だけど、オフロードもあるなら、自分とバイクで荷物を分担してやると良い。

バイクパッキングのシステムの1つにベストを加えてやると、可能性が広がり、行ける場所が増える。これは本当に楽しいことだ。

 

5.真夏の冷却、自転車×トレラン

ちょっと補足的だけど、このベストの便利な使い方をいろいろと。

まずは、真夏のに氷水を詰めてラジエーターとして使用する方法。

ハイドレーションパックにコンビニのロックアイスを詰めるだけだけど、これがあるだけで猛暑の走行も何とか耐えられる。

詳しくは以下の記事にまとめている。

 

 

他に、『自転車×トレラン』という遊び方も。

登山口まで林道を走って、そこからは徒歩に切り替えてトレイルを走る……なんて遊びも出来る。

ザックや補給、エマージェンシーギアはそのままでいいから、靴を履き替えてヘルメットを脱げば、あとは走りだすだけだ(フラットペダルで行けば、靴もそのままに出来るけど)。

気軽にモードチェンジをしながら、いろんな遊びを組み合わせられる。その足掛けとしても、このベストがあると楽しい。

かなりニッチな趣味かも知れないけど、グラベルライド系やバイクパッキング、超ロングライドを楽しむ方には、おすすめできる装備だ。

ご興味のある方は、ぜひ一度お試しあれ。

おわり

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