真夏のサイクリングは暑い。いや、もはや夏以外も暑いけれど、やっぱり真夏は暑すぎてどうしようもない。
そんな日にも「ロードバイクに乗りたい!」「サイクリングを楽しみたい!」という方へ、最終兵器ともいえる方法をご紹介したい。氷水をいっぱいに詰めたハイドレーションパックを背負う方法だ。
<目次>
1.夏のサイクリングが暑すぎる
2.熱中症と脱水症状は違う
3.ハイドレーションパック+氷水
3-1.やり方
3-2.ワンポイント
4.実際にやってみて
4-1.冷たくて気持ちよい
4-2.冷たい水が飲める・掛けられる
5.最後に
1.夏のサイクリングが暑すぎる
日本の夏を走りぬいてきた方ならもう言わずもがな……かも知れないけど、その危険度合をまだ知らない方へ少しだけ。
「熱中症は死に至る危険もある」というのは皆様ご存じのはずだが、日常生活では(特にサイクリングを楽しむような若いor健康的な方は)さして危険を感じることは無いだろう。
しかしながら、真夏に本気で走ろうとすると、熱中症のリスクがすぐ足元にまで忍び寄る。
実際のところ、35℃を越えるような日にロードバイクで走りに出るなんて正気の沙汰ではない。
市街地はアスファルトや車からの反射熱でさらに熱く、ヒルクライムは走行風が少なくなるので体温がこもりやすくなる。もう熱中症待ったなしだ。
2.熱中症と脱水症状は違う
ちょっと蛇足かも知れないけど、「熱中症」と「脱水症状」を混同している意見を沢山みるので、一応書いておきたい。
「熱中症」は身体のオーバーヒートによる症候の総称で、「脱水症状」は文字通り水分不足による症候。
脱水症状に陥っていると熱中症のリスクは高まる(そもそも熱中症は脱水症状含むという意見もある?みたいだけど)し、熱中症予防として体内の水分量を適切にコントロールするのは基本だ。だから「熱中症予防にはミネラルを含んだ水分を摂ろう」とよく言われる。
ただ、勘違いしていけないのは、どんなに水を飲んでいても身体がオーバーヒートしたら熱中症にはなるということ。そして、直接的な熱中症対策は「身体を冷やす」ことだ。
経口補給水のようにミネラルも含んだ水分を補給するのは大前提として、炎天下の運動をするなら身体を冷やすという直接的な対策だって欠かせない。だからこそ、この記事でご紹介するハイドレーションパックによるアイシングが効いてくるわけだ。
3.ハイドレーションパック+氷水
ちょっと前置きが長くなったけど、いよいよ本題。
用意するのは、ハイドレーションパックと、それを背負うためのバックパック。
サイクリング用だけでなく、ランニング用やトレイルランニング用で沢山のラインナップがされている。僕が使用しているのは、トレランで有名なブランド「Salomon(サロモン)」の、「Sense Pro 5 set」というバックパック。
僕はロードバイクだけでなく、グラベルバイクで山に入ったりトレランをしたり……と他の使い方もするのでこのザックを選択。
ポケットが豊富かつ非常に軽量(144g)なので気に入っているんだけど、ちょっと値は張る(17,500円くらい?Yahoo!ショッピングはこちら)ので、ロードバイクのみでお試しに使いたい方はもっと安いもので良いと思う。
そして、ハイドレーションパックは「Source:ワイドパック1.5L」。こちらも気に入っていて、詳しくはレビューをご覧頂きたい。
(↑)sense proはAmazomに見つけられなかったけど、かなり似たものがADV Skin。
バッグパックによってはハイドレーションパックが付属しているものもあるし、適合するサイズ(1.5L、2.0L、3.0L)があるのでご注意を。
例えば有名ブランド「キャメルバック」はハイドレーションパックが付属するし、お試しなら超格安で売っているものもあったりする。(↓)
3-1.やり方
さて、装備が揃ったら実践のみ。こちらは非常に簡単だ。
コンビ二でカチ割氷と2L の水を買い、ハイドレーションパックにセットするだけだ。
1.5Lのパックだと、この大きさのロックアイスはちょっと余るくらい。それでも、どうせ溶けていくので詰められるだけ詰めた方がいいと思う。
水に関しても同様に余るけど、この余った氷と水はサイクルボトル等にいれて利用できるので無駄にはならないはず。
氷だけを入れた方が溶けるまでの時間は長くなりそうだけど、背中への当たりが痛くなるので水を入れた方がおススメ。
あとは、ザックにセットして背負う。思わず声を上げてしまうくらい冷たくて気持ちがいい。(笑)
ザックの背中部分の厚みや個人の感覚によって、ちょっとすると冷たすぎるか、あるいは効果が弱すぎるかも知れない。その辺りは着用するジャージを変更したり、タオルを挟んだり……と調整をしながら使用するのが良いだろう。
3-2.ワンポイント
バックパックによっては、胸側にも500ml程度のボトルを収納できるものがある。最近のトレランザックのトレンドは、どちらかというとこのタイプが多いくらいかも知れない。
ここに、先ほど余った氷水をフラスク(飲み口を噛むと水が出るソフトボトル)に入れておけば、胸も冷たい上に氷水を身体に掛けることが出来る。
あるいは、このスペースを利用して凍ったドリンクを入れておくことも可能。
ゆっくり溶けるので走りながらでも結構持つし、時折首や脇に当てて身体を更に冷やすこともできる。予算にもよるけど、こういう胸ポケットが付いたタイプの方が、いろいろ融通が利いて使いやすいと思う。
4.実際にやってみて
続いては、実際にやってみての感想をいろいろ。
4-1.冷たくて気持ちよい
何と言っても、この方法は冷たくて気持ちがいい。むしろ、背中が冷たすぎるくらいだ。(笑)
ただ、35℃とかでヒルクライムをするなら、この位の冷たさがむしろ丁度よくて。
どんどん身体にこもっていく熱を直接冷やせるので、オーバーヒートを防げている感覚が良くわかる。先日のバイクパッキングツーリングでも、重たいバイクでのヒルクライムが暑すぎてバテバテだったけど、この氷水パックのお陰で何とか乗り切ることが出来た。
4-2.冷たい水が飲める・掛けられる
氷水を背負うことにより、いつでも冷たい水が飲める&身体にかけられるのは素晴らしいと思った。
炎天下での氷の持つ時間は約2時間ほど。氷の割合を増やせばもう少し持つかも知れない。
その間は氷水が使い放題なので、飲んでもよし身体に掛けてもよしだ。常に背中が冷たくて気持ちよいのに加えて、解けてきた氷水をいろいろな用途に使える。
ハイドレーションパックの水を飲むときは、少し頭を下に傾ければOK。
画像では停車状態だけど、ホースを引っ張てくれば走りながらでも安全に飲むことができる。むしろ、顔は完全に前を向き両手がふさがらないので、普通のサイクルボトルで飲むより安全だと思う。
4-3.もっと首と脇を冷やしたい
かなり効果が高い氷水のハイドレーションパックだけど、欲を言うなら太い静脈が通っている首や脇の下を冷やしたいと思う。
どうしても常に冷やし続けられるのは背中のみなので、最も効果的な「太い血管」部分を冷やしにくいのがネックだ。何とかして首や脇を簡単に冷やせればよいのだけど……。
先ほど書いたように、胸ポケットがあるバックパックなら凍ったボトル等を入れておけるので、それで冷やすことは可能。とはいえ常に冷たい訳ではないし、やっぱりちょっともどかしい。
5.最後に
近年は温暖化の影響もあり、夏がとにかく熱い。僕も40℃を越えるなか走ったこともあるけれど、もう暑すぎて運動なんかしてられなかった。
とはいえ、今でも夏も走り続けているし、そういう風に真夏も楽しみたいという方はいらっしゃるだろう。
そんな自転車バカの皆様、夏の熱中症対策として、あるいはライド中のQOL向上の策の1つとして、お試ししてみてはいかがだろうか。
おわり