スポーツバイクにはスタンドを付けないのが一般的だが、それ故バイクを保管するときバイクの立て方が問題になる。壁に立てかける方法では不意に倒して傷つけてしまうこともあるし、壁に掛けるのも大がかりで大変……。
そんな方にピッタリなのが、今回ご紹介するサイクルラック『Crank Brothers:ディスプレイスタンド』だ。安定感がありコンパクト、しかもエンドがクイックリリース(QR)、スルーアクスル(TA)等何でもOKなので、バイクを複数台所有する僕にも非常に使い勝手がよく気に入った。この記事では、そのバイクススタンドを簡単にご紹介していきたい。
<目次>
0.製品の提供について
1.スペック
2.組み立て
3.使用感
3-1.安定感がある
3-2.使いやすい
3-3.エンド・ブレーキ規格は何でもOK
3-4.スペースについて
4.まとめ
(0.この製品の提供について)
本題に入る前に1つだけお断りを。それは、この製品はライトウェイ様よりご提供を受けているという点。
僕のブログは『いちユーザー目線で、良いこと悪いことを正直に書く』というのをモットーにしているので、この記事でも正直なレビューをしていく。ご提供を受けた品ではあるけど、記事を書くにあたってライトウェイ様にもその点を了承して頂いていることを、はじめにお断りしておきたい。
1.スペック
では、このスタンドのスペックからご紹介していこう。
・サイズ:W430*D430*H780㎜(展開時)、W430*D780*H60㎜(収納時) *実測サイズは、W405*D420*H780㎜とやや小さめだった。 ・重量: ・対応バイク ーロードバイク:タイヤ幅~60㎜ ーMTB:タイヤ幅~86㎜ ーファットバイク:タイヤ幅~112㎜ ・価格:2,500円+税
このラックはリアタイヤを溝にはめてバイクを固定するもの。タイヤ幅が溝にフィットしないとバイクが斜めになってしまったり、逆にタイヤがはまらなくなってしまうので、バイクの種類ごとに3つのサイズ展開がある。
今回僕の手元にあるのは、60㎜(約2.3”)まで対応のロードバイク用と、86㎜(約3.3”)までのMTB用の2つ。いずれのサイズも、土台やフレームの床面積や高さは同じだ。
土台の脚にはゴムの滑り止めキャップが付いているので、フローリング等の屋内保管でもOKだし、もちろん屋外でも使いやすい。
「Cycledesign」のロゴは、ロード用のものにのみ1か所入っていた。MTB用にはなし。
2.組み立て
続いては組み立てを。といっても構造は単純で、ねじを2本絞めればOKだ。
こんな風に分解された状態で届いた。左がロード用、右がMTB用。
パッケージを分解するとこんな感じ。左の土台部分に、右のU字のパーツをはめ込んでねじ止めする。
ねじ穴が切ってある方を合わせて、付属のねじで固定。ねじはプラスねじだ。パーツの精度的には問題なく穴がずれる、とかは僕の手元にあるものでは見られなかった。
しかし、このねじがまぁ硬い。(笑)
普通のドライバー(左上)だと、握力50~60㎏くらいある僕でもギリギリ締められるかどうかだった。グリップが太くてこの原理をより使えるやつ(右下)なら、まぁ硬いけどさほど苦労しないかな?という感じ。
これはちょっと、女性などパワーのない方には厳しいかも知れない。
それに「組み立て後に再分解可能」という謳い文句もあるけど、このねじをまた緩めるのも締めるのも億劫だから、物理的には可能でも微妙かなと思う。
で、このねじを2か所締めれば完成!
ねじさえキツくなければ、3分かからずに組み上がると思う。本当に、ねじさえ硬くなければ……。(笑) 左がMTB用、右がロード用。タイヤが収まる部分の幅が若干異なるのがわかる。
3.使用感
実際に使ってみてどうか?というのを、このスタンドの特徴と共に4つ書いていきたい。
3-1.安定感がある
何といっても、バイクラックは安定していなくちゃいけない。不意に倒れてしまったら危険だし、最悪フレームにクラックが入って廃車になりかねないのだ。
このディスプレイスタンドはロードでもMTBでも安定感があって、使っていて安心感がある。バイクパッキングでロングライドをするとき等、バイクが重くなっても大丈夫。
(↑)以前使っていたスタンド。これだとパッキングしたバイクは特に不安定だった。
僕が今まで使っていたタイプはメンテナンスにも使えるというメリットはあるものの、ラックとしての安定感はいまひとつだった。バイクパッキングで荷物の取り付けをしているときなんか、何度下敷きになったことか……(笑)
僕の住む宮城県は地震も多いので、2段式はちょっと怖い。だから床置きで安定感があるものを探していたんだけど、この形状が最適解な気がする。
(↑)ロード用のスタンドに700*32cタイヤを使用したときと、MTB用に27.5*2.25”のタイヤを使用したとき。2本のパイプの間に立てかけるので、バイクは若干斜めになる。
この斜めになるのを懸念していたけど、さほど気にならない程度だった。
3-2.使いやすい
いざ乗ろうとバイクを取り出すとき、帰宅後疲れてバイクを置くとき……どちらもサッと出来ないと毎回のストレスになってしまう。
リアエンドを挟むタイプ(↓のリンク左)はこれが面倒くさいし、縦置きなどラックに引っ掛けるもの(↓のリンク右)も、バイクパッキングが多い僕には厳しい。
「ただバイクを置けばいい」という単純さと、それでいて安定感のある構造がGood。面倒くさがりな僕にピッタリな構造だ。
3-3.エンド・ブレーキ規格は何でもOK
昨今のバイクはエンド規格がいろいろあって、リアエンドを挟んで固定するタイプは汎用性に欠ける面がある。
同社製にもこの形状で「スルーアクスル対応」というスタンドもあるけど、6㎜の穴が開いていないといけないとか、逆にクイックリリースには非対応など、イマイチ使いにくい。DT SwissのRWS等の便利なスキュワー(↓)が使えないし、バイクの買い替えや複数台所有にも対応できない。
このディスプレイスタンドはタイヤ幅さえ合わせればエンド規格に左右されずに使えるので、「リムブレーキとディスクブレーキ」とか、「ロードとグラベルロード」みたいな2台持ちの運用でもOK。
我が家にはリムブレーキロード2台(130㎜QR)、ディスクロード1台(135㎜QR)、グラベルロード1台(142㎜TA)があるけど、それら全てロード用ラックで対応できるのが有難い。
更に、リアタイヤでもフロントタイヤでも使えるのも地味にメリット。部屋の間取りやキャリアを装着したときなど、リアタイヤを立てかけるのが難しい場面も多々ある。そんなときも、フロントタイヤをかけて使用できるのが嬉しい。(ただし不安定になるので注意。ステアリングが切れるとバイクが倒れる。)
3-4.必要スペースについて
バイクスタンドの購入にあたって、やはりスペースも気になる。いくら安定感があって使いやすくても、大型なものは日本の住宅事情には厳しい。
我が家の自転車保管スペースもさほど広い訳ではない(というか台数が多い笑)ので、スタンドの脚の部分を含めて、占有スペースが小さい方が嬉しい。
このディスプレイスタンドは、安定感とサイズのバランスが良いと思う。以前の引っ掛けタイプよりは大型なものの、幅の40.5㎝(実測)という幅はロードバイクのハンドル幅とほぼ同じ。邪魔ということはない。
しかも、複数台で使うときは脚の場所をずらして、省スペースにすることが出来る。僕の様な保管の仕方をしている方には嬉しい仕様じゃないだろうか。
4.まとめ
以上、Cycledesign(サイクルデザイン)のディスプレイスタンドをご紹介してみた。バイクの保管に屋内・屋外問わず適していて、使い勝手もいい感じ。
バイクの扱いに慣れていない初心者の方が導入するにもいいだろうし、複数台所有する僕のような方にもお勧めできる。
組み立てで書いた通り、固定用のねじがきついのが唯一にして最大の残念ポイント。握力のない方が普通のドライバーを使うと困難だろうし、再分解・組み立て出来るというメリットを潰している。
総じていえば、満足度の高いバイクラックだった。2,500円という手軽な価格も魅力の一つだろう。この記事が皆様の参考になれば幸いだ。
おわり