フレームサイズの小さな方や、バイクパッキングでフレーム内のスペースに余裕がないときなど、横からも抜けるいわゆる『横抜き』タイプのボトルケージは重宝する。
しかし、その殆どが左右どちらかからしかボトルを抜くことが出来ず、運用の幅が少し狭められるものだった。
今回ご紹介するボトルケージは、『左右どちらからでも抜ける』という便利な機能を持ったボトルケージ、BBBのデュアルケージだ。
<目次> 0.この製品の提供について 1.製品スペック 2.各部詳細 3.実際の使用感 4.まとめ
(0.この製品の提供について)
本題に入る前に1つだけお断りを。それは、この製品はライトウェイ様よりご提供を受けているという点。
僕のブログは『いちユーザー目線で、良いこと悪いことを正直に書く』というのをモットーにしているので、この記事でも正直なレビューをしていく。ご提供を受けた品ではあるけど、記事を書くにあたってライトウェイ様にもその点を了承して頂いていることを、はじめにお断りしておきたい。
1.製品スペック
では、製品スペックからご紹介していこう。
実測の重量は33g(付属のボルト2本を込みで39g)。軽量なカーボンケージには10g代に突入するものもあるが、樹脂製のボトルケージとしては一般的か軽量な部類だろう。
パッケージにはフレームに固定するためのねじ(六角4㎜)も2本付属していた。ちょっとありがたい仕様だ。
2.各部詳細
続いては、各部を詳しく。
樹脂製の本体は艶消しの加工。サラサラとした手触りだ。
この独特な切込みのある形状が、左右両側から抜ける機能を実現している。
ロゴは上と左右にひっそりと。主張は控えめで、特にブラック×グレーだと目立たない。
(↑)BBBの日本版ホームページより引用
カラーは8色展開と、バイクのカラーリングに合わせて選びやすいのも嬉しい。僕が使っているのは新作の「ダークグレー×ブラック」で、最もシンプルで合わせやすいカラー。
3.実際の使用感
では、実際に使ってみてどうかを書いていきたい。
3-1.本当に「両抜き」か?
肝心の「両側から抜ける」という横抜き性能だけど、確かに両方から抜ける。上の画像の様に、かなり横向きの角度でもOK。「よくあるボトルケージよりも左右の切り抜きが大きいので、側面へ抜きやすくなっている」という理解で良いと思う。
ただし一般的な横抜きケージと比較すると、ボトルが固定されている位置から真横へは抜けず、少し上に引き上げてから横に抜くイメージになる。
上の画像の青まるで囲った部分が引っかかるので、最初に少し真上に抜いてからでないと、ボトルを横にずらすことが出来ない。抜くときの角度は横抜きケージと同じくらい真横に出来るけど、ボトルが固定されている位置から3~4㎝真上に引き抜いてからボトルを傾ける必要がある。
赤まるの方はいわゆる横抜きケージ。ここがくり抜かれているから、ボトルを固定位置からダイレクトに真横に抜けるわけだ。
だから、こんな風にフレームバックとボトルがすごく近い場合は、横抜き専用の方が抜きやすい。デュアルケージでも物理的には抜けるんだけど、バックに干渉しやすいし比較的力を要するためだ。
*少し話はそれるけど、この位ギリギリの場合は、ボトルケージ云々よりもダボ穴の位置をずらす方が僕的にはおススメ。WolftoothのB-RADは優秀で、使い勝手は格段に良くなるはずだ(レビューはこちら)。
3-2.実走での使用感は?
ちょっと否定的な書き方をしたけど、実際に使っている分には抜き差しに何の問題も無し。僕は長らく横抜きケージを使っていたせいか斜めに抜くのが身体にしみこんでいるんだけど、違和感なく使うことが出来た。
むしろ、ボトルを戻す際には横抜きよりも適当に戻しても良いので、使い勝手は良いかもしれない。左右両方から抜けるようにした結果、戻すときのボトルの角度やポジションが適当でよくなったのだろう。
また、ダブルボトルにする際に、いちいち右抜きや左抜きを気にしなくてよいのも地味にありがたい。どういう事かというと、ダウンチューブもシートチューブも右手で抜けるようにするには、ダウンチューブは「右抜き」を取り付け、前後が反転するシートチューブでは「左抜き」を取り付けなくてはならないのだ。その点デュアルケージなら、左右を気にせずどこに取り付けてもOK。
はじめ不安だったのがボトルの固定力で、左右から抜ける機構のせいでボトルの保持力が低くなっているのでは?とも思っていた。
実際どうかというと、ボトルの保持力は十分で、むしろ以前使っていたスペシャライズドの横抜きケージよりもしっかりと固定できる。グラベルを飛ばしても、今のところボトルのずれや脱落はない。
ダウンチューブ下に使う場合の補足として、ダボ穴に対してのボトル位置がある。ボトルケージは同じ穴に取り付けても、製品によってボトルが付く位置が上なものから下なものまで、いろいろあるのだ。
このデュアルケージは一般的かやや上に付くらしく、ダウンチューブ下に使用する際にはちょっと注意。ダボ穴の位置によってはタイヤに干渉する可能性はあるので、お気を付けを(先ほどと同じく、WolftoothのB-RAD等で位置をずらす方法もある)。
細かいところだけど、これは皆様のバイクとの相性がものをいうので、ダウンチューブ下にも検討されている方は一度ご確認いただきたい。
4.まとめ
以上、簡単ではあるけれど、BBBの両抜きボトルケージ『デュアルケージ』のレビューをしてみた。ボトルケージはつい買い替えやアップグレードを忘れてしまうパーツだけど、ライド中に何度も訪れるボトルの抜き差しの度に影響するので結構大事。
デュアルケージは謳い文句どおり左右から抜けるし、ボトルの固定力も必要十分なので使い勝手が良いと思う。先に書いた通り、純粋な横抜きとは似て非なるものなので置き換えられるものではないが、通常のタイプよりは汎用性が高く使いやすいのではないだろうか。
しかも、1個1,500円+税と割とお手頃な価格。この機能と価格はコスパが良いと思う。
初めてのバイクでボトルケージ選びを悩んでいる方、ちょっと変わり種のケージをお探しの方、ご検討してみてはいかがだろうか?
おわり