ツーリング記

2021冬の北海道ライドまとめ!各記事へのリンク集

2021年1月、僕は再び北の大地へと赴いた。

気温は氷点下20℃を下回り、全てが凍り付く世界。降雪によって路面状況が刻一刻と変化し、地吹雪が起これば視界がなくなる世界……。そんな環境だからこそ味わえる、美しさや面白さがあると僕は思う。

ライド中は「これを最後にしよう」とか思いながら、結局は戻ってきてしまう。そんな北の大地を堪能した5日間のツーリングを、この記事ではまとめていきたい。

<目次>
1.今回のライドについて
2.装備まとめ
3.ツーリング記
4.安全走行のために
5.最後に

1.今回のライドについて

僕は過去に2度、合計約2,000㎞の冬季北海道ライドを行っている。1度目は年越し宗谷岬など道央~道北を、2度目は冬山の登山も絡めて北海道を横断するような形で走った。

その2,000㎞の道程は厳しくも楽しいひとときだったが、同時に「もっとこういうバイクの方が楽しく走れるんじゃないか?」「こんな装備構成の方が快適なんじゃないか?」といった、改善の余地があるものだった。

今回のライドは、言わばそんな「もっと○○な方がいいはず」「○○を試してみたい」といった、僕の思惑を形にするライドでもある。

(↑)昨年の冬季北海道ライド。凍結した野付半島の汽水域。凍った海の上を走るのは最高の気分だった。

このライドが実現したのは、昨年の暮れからBombtrackのアンバサダーに就任しバイクを提供して頂けたこと、またAlternative Bicycles様やOlight様からも無償で装備の提供をしていただけたことで、自分の思いを形にするだけの装備が揃ったのが主な理由だ。

装備総額的にも、僕の今までのツーリングと比べて非常に豪華な構成になっている。

(↑)初めての冬季北海道ライド。年越し宗谷岬でライトアップされた日本最北端のモニュメント前にて。

そんな今回の目標は「快適で楽しい走りをすること」。自分の夢見た装備構成で、また走行距離や行程にはこだわらずに、自分のやりたい走りを思う存分に堪能しようと思った。

*2021年冬は新型コロナウイルスの蔓延する真っただ中である。僕の住む宮城県やライドの舞台となる北海道は緊急事態宣言の対象外ではあるものの、油断は禁物。もともと人と関わることが皆無な僕のスタイルは感染リスクが低いとは思うけれど、出来る限りの対策を行ったうえでライドに挑んだ。

 

2.装備まとめ

では、その装備についてから簡単に。詳細は別の記事でまとめるので、ここでは要点を絞って書いていきたい。

◎装備の詳細記事はこちらから(現在執筆中です)

 

バイク系

・バイク:Bombtrack-Audax2021
・ホイール:3T-Discuss C35
・タイヤ:Schwalbe-Marathon Winter 700*40c
・コンポ:ShimanoR7000系&RX800系Mix(油圧 紐 2*11s)
・ミニTTバー:Ridefarr-Carbon Aero Bolt on
・ハンドルカバー:R250-ウィンターハンドルカバー

 

バイク関連は、昨年までの装備から全て一新している。バイクはBombtrackのクロモリ・オールロードである「Audax(オダックス)」で、ホイールはカーボンのミドルハイト。

雪上や氷上走行の肝となるタイヤも、今までのシュワルベの「アイススパイカープロ27.5*2.25”」から「マラソンウィンター700*40c」に変更している。

(↑)前回の構成

この一新こそ今回の装備変更のポイントの1つで、バイクの大幅な軽量化を実現できた。

過去のドロハンMTBはバイクだけでも15~16㎏になっていたけど、今回は12㎏ほど。もちろんそれでも自転車の重量としては決して軽くはないけど、ドロハンMTBと比較すると圧倒的に軽い。前後で2㎏のスパイクタイヤを履いていることを勘案すると、12㎏でもかなり頑張った方でもある。

また、タイヤもあえて雪上の走破性が劣るマラソンウィンターを選択した。その理由は、道東の主要道は意外と積雪が少ないからで、アイスバーンどころか雪の全くないドライな道も多いのだ。

そういった路面での使用も想定し、ツーリング全体での走行快適性をとってこのチョイスにしてある。

ハンドル周りもかなり快適な仕様にしてみた。ブラケットと下ハン部分にはR250のハンドルカバーを装着。これが物凄く暖かく、手の快適性は格段に上がる。

そして、Alternative Bicyclesさん提供のRidefarr:カーボンエアロボルトオン(ハンドルの真ん中についているやつ)。98gと軽量で、エアロなポジションを手軽に追加できる。平坦の多い北海道では空気抵抗も無視できない要素で、積雪のない道東の主要道を走るときに役立つ。

 


バック類

・フロント:Apidura-Racing Handlebar bag 5L
・フレーム:Apidura-EXPEDITION Full Frame Pack M
・トップチューブ:Apidura-Racing Long Toptube pack
・フォーク横:Blackburn-Cargo cage
・リアキャリア:Bontrager-Lightweight rack

 

バック類はApiduraを基本にバイクパッキング。

以前より気になっていたフルフレームバックやロングトップチューブバックをAlternative Bicyclesさんに提供して頂けたのが大きく、全体として非常に収まりの良い構成になった。

また、リアの積載はあえてキャリアを選択。僕は長らく「大型サドルバックより軽量キャリアの方が優れているのでは?」と思ってきて、今回のライドではそれを実験したかったのがある。このキャリアは465gしかないので、防水でバック取り外し式のサドルバックとそん色ない重量だ。

キャリアを選択したのにはもう一つ目的があって、それは「クローズドセルマットと2つのシュラフの積載をする」ため。テント泊スタイルで長期間ライドをするうえで、就寝中の快適性は欠かせない。以前までのテント泊装備はかなり攻めていたので、より快適な眠りを手に入れるため30L近い積載量がリアに必要になったのだ。

 

テント泊装備
・シェルター:モンベル-U.L.ドームシェルター1型
・グランドシート:モンベル-グランドシート1型
・マット①:Sea to summit-U.L.マットレギュラー
・マット②:Mozambique-キャンプマット
・シュラフ①:モンベル-アルパインダウンハガーEX800#1
・シュラフ②:モンベル-アルパインダウンハガーEX800#5
・テントシューズ:マジックマウンテン-テントシューズ

 

テント泊の基本装備は、僕のブログではもうおなじみのU.L.ギアたち。そこに、先ほど書いたとおりクローズドセルマット(モザンビークのマット。上半身部分だけにカットしたもの)と、薄手の3シーズンシュラフ(モンベルの#5)を追加している。

この2つが無くてもー20℃くらいまでなら耐えられるけど、睡眠の質が下がってしまうのでより快適性を重視した。おかげさまで、-20℃を下回る夜も快眠だった。

 

 

 

3.ツーリング記&動画

僕の走った行程はこちらから。詳しくは各日ごとにまとめているので、リンク先へ飛んでいただきたい。

また、今回は新たな試みとしてツーリングの様子を1本の動画にまとめてみた。よろしければどうぞ。(↓)

 

 

コース概要

今回のライド全体としては、約600㎞/獲得標高6,700mほど。走った軌跡はだいたい(↓)の通り。

コースは釧路をスタートし、赤線を反時計回りにぐるっと走っている感じだ。過去二回の遠征でほぼ全域を走ったけど、道東が最も天候が安定し走りやすく、景色も良かった。今回はその道東に舞台を絞ったコースにしている。

フェリーや輪行による移動が長い都合で「○○日間」という表現が難しいけど、ライド部分は正味5日くらい。

 

 

<0日目>

・釧路スタート

・40㎞/500mUP

初日は昼頃にフェリーで苫小牧港に到着し、輪行で釧路駅まで。今回は道東をメインに走る訳だが、いかんせん道東はアクセスが悪いのがネックだ。

釧路からは、太平洋シーサイドラインを少しだけ。バイクや身体の状態をチェックしつつ、美しい星空を眺めながらのナイトライドとなった。

◎記事はこちらから(↓)

 

<1日目>

・(釧路)~弟子屈

・170㎞/1,400mUP

本格的なライドはここから。天候もよく、太平洋シーサイドラインの絶景を眺める道東らしいライドを楽しんだ。

そののちは、翌日に摩周湖付近を走るために北上。ここで前日異常に気温が高かったことによる凸凹凍結路に苦しめられるが、何とか目的の弟子屈まで走り切った。

◎記事はこちらから

 

<2日目>

・弟子屈~小清水~北見

・125㎞/1,900mUP

今回の遠征のメインディッシュ、摩周湖と藻琴峠(小清水)を走行。昨年の冬季北海道ライドでは膝痛のため泣く泣く断念した峠を回収し、また小清水のスノーハイクも楽しんだ。

天気予報が最も良い日に合わせた甲斐があって、摩周湖や屈斜路湖の眺望も素晴らしい。大満足の1日だった。翌日は荒れ模様となったため、北見のネットカフェに避難し荒天に備える。

◎記事はこちらから

 

<3日目>

・北見~陸別

・100㎞/800mUP

天気予報通り深夜から降雪があり、早朝からの走行は断念。ネットカフェで装備を整えつつ、天候を伺いながら待機する時間が続いた。

運よく午後からは天候が回復してくれたため、陸別の辺りまで進むことに。路面がちょうど除雪車で圧接された綺麗な雪面となり、予想外にもとても走りやすく楽しい雪上ライドが出来た。

キャンプ地とした陸別の辺りは「日本で一番寒い町」であり、今までの冬季北海道ライドでも最も寒い夜を過ごす。翌朝の天気予報でー20℃は確実に下回りそうなのを見て、ドキドキワクワク眠りについた。

◎記事はこちらから

 

<4日目>

・陸別~三国峠~糠平湖

・110㎞/1,300mUP

朝方は予報通りの冷え込みで、-23℃ほどまで下がったらしい。それでも装備を充実させた甲斐あって、快眠することが出来たのは大きな収穫だった。一方で、走行時の服装(というかシューズ)は心もとなく、初めて「寒すぎて走れない」という状況に陥った。

極寒の朝を過ごしたのち、北海道で最も高い峠である「三国峠」へ。夕暮れ時の到着となったが、夕日に照らされた雪山が美しく、またキャンプ地にした糠平湖から眺める星空も綺麗だった。北海道最後の夜にふさわしい夜だった。

◎記事はこちらから

 

<5日目>

・糠平湖~帯広

・70㎞/200mUP

最終日、フェリーの時間に間に合うようにサクッと帯広まで走行し、輪行で苫小牧港へ。名残惜しさを抱えつつも、上手くいった満足感を胸にゴール地点へと向かった。

◎記事はこちらから

 

 

4.安全走行のために

冬の北海道ライドでは、低温や降雪といった自然環境のほか、交通事故への懸念も大きい。というかむしろ、個人が備える限界があるのは交通事故の方で、環境的な厳しさよりもリスクが高い。

もちろん通常の自転車ツーリングでも同様の事が言えるけど、冬の北海道ともなると事故への備えもまた特殊なものが求められる。詳しくはこちらの記事にまとめているので、ご覧いただきたい。

今回のライドでもこの記事に書いた工夫を凝らしていて、今までで最も安全なライドが出来たと思っている。ヒヤリハットも無く、とても快適な600㎞を過ごした。

また、低温下での長距離走行のノウハウもいろいろと。凍傷予防や装備の扱い方、体調管理の仕方など、工夫もいろいろある。

僕なりの知見を詰め込んだ記事なので、よろしければどうぞ。

 

 

5.最後に

以上、2021年の冬季北海道ライドをまとめてみた。装備の事や詳しいツーリング記録は、リンク先の記事でご覧いただきたい。

冒頭にも書いた通り、今回のライドは僕の「もっとこうしたい」を叶えた冬の遊びだった。より冒険的だった過去2回の冬北ライドに比べ、狙い通り快適で楽しい走りが出来たと思う。

以前にも書いたことだけど、冬の北海道ライドはそこにしかない美しさや魅力が詰まっていると思う。舐めてかかると危険なので気軽におススメは出来ないけど、楽しさがあることもまた事実。

こんな僕のブログだけど、この記事が誰かの冒険に繋がったら嬉しく思う。

おわり

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