装備レビュー

登山・トレラン・林道ライドに!明るく軽量なヘッドライト『Olight:Perun』レビュー

登山やトレイルランニング、林道サイクリングなど、暗い森の中を移動するアクティビティでは、それなりに明るいヘッドライトが必要になる。たとえ日中のみの行動計画だったとしても、緊急事態に備えて携帯する必要もある重要装備だ。

今回は、ライトブランド『Olight(オーライト)』から発売されている『Perun』という、小型ながらに最大2,000lm(ルーメン)の大光量ライトのレビューをしていきたい。

<目次>
1.商品スペック
2.各部詳細
2-1.機能と形状
2-2.操作方法
3.いいところ
3-1.明るさとランタイム
3-2.広がる配光
3-3.安全装置が良い
3-4.暗闇でも充電が楽
4.残念なところ
4-1.ヘッドライトとしては重い
4-2.専用ケーブルが必要
4-3.モードがややこしい
4-4.フードとの併用が難しい
5.まとめ

1.商品スペック

まずはPerunのスペックからご紹介。

 

スペック

・サイズ:112*φ23㎜(ヘッド部分φ26㎜)
・重量:120g(ヘッドバンド抜き)
・明るさとランタイム:
―Turboモード:2000→ 800lm(2.5+160m)
―Highモード:500lm(4h)
―Mediumモード:120lm(15h)
―Lowモード:30lm(47.5h)
―Moonlightモード:5lm(10d)
―SOSモード(5h)
・機能:接近センサー、IPX8防水、1.5m耐衝撃、底部マグネット
・定価:11,095円
・公式サイトはこちらAmazonはこちら

 

パッケージの中身はこんな感じ。(↓)

付属品は以下の通りで、なかなかに豪華な感じがする。

・Perun本体×1
・ステンレス製ポケットクリップ×1
・MCC3マグネット式充電ケーブル×1
・ヘッドストラップ×1
・ストラップ×1
・取扱説明書×1

ライト本体はサイズは手のひらサイズで、直径も23㎜と細いのでかなりコンパクト。ポケットにもすんなり入るサイズ感だ。

実測の重量は、クリップやバンド等を全て外した状態で109g。ヘッドライトとして使用する場合はヘッドバンドが加わり総重量187g、ライト単体としてクリップとストラップを追加すると119gだった。公称120gなので精度は十分。

 

2.各部詳細

続いては、Perunの詳細を見ていこう。

 

2-1.機能と形状

本体はアルミ製で、しっかりとした作り。表面に凸凹がついているので滑りにくく手になじむ。

シンプルなデザインでカッコいい。太すぎず細すぎない、ちょうどいいサイズ感。

上部にスイッチがある。大きいのでグローブをしていても押しやすく、クリック感もあるので操作しやすい。また、手に持った状態で押しやすい様にスイッチ面はやや後ろに傾いている。

底面には充電口。よくあるmicroUSB等ではなく、付属する専用のケーブルを使用して充電する。(追加で購入する場合は1,695円

この底面にマグネットがついているので、磁石が付く素材になら壁や天井にもくっつけて使用する事が可能。また、充電ケーブルも磁石でピタッとくっつくので、ケーブルを差し込むのに手間取ることは無い。

充電中はケーブルのライト本体付近が光る。充電中は赤、完了で緑。残念ながら、充電中のライト使用はできない。

満充電までは約3.5時間だ。

ヘッドライトとして使用するときは、付属のヘッドバンドをセット。ヘッドバンドは幅25㎜のゴム紐で、3辺共に長さ調節ができる。調節はしやすく、側面の縦縞模様は反射素材。

ライト本体の固定はゴムバンドで。ヘッドバンドのライトが付く部分にはマグネットが入っているので、ゴムバンドを止める際にも作業がしやすい。

レンズの上部(画像では左端)にある黒い部分は、接近センサーらしい。

大光量のライトは至近距離で照射するとものを溶かしたり燃やしたりしてしまう危険があるので、それを防ぐため自動で光量を落とし、1分間それが続くと消灯てくれる。いわば安全装置だ。

 

 

2-2.操作方法

続いては操作方法を。スペックでも書いたけど、もう一度明るさとランタイムを載せておきたい。

明るさとランタイム

・Turboモード:2000→ 800lm(2.5+160m)
・Highモード:500lm(4h)
・Mediumモード:120lm(15h)
・Lowモード:30lm(47.5h)
・Moonlightモード:5lm(10d)
・SOSモード(5h)

 

そして、ライトの操作方法について。多機能な分操作が多いので、最初は特に分からなくなると思う。

操作方法

・ON/OFF:1クリック。

*基本的に消灯時の明るさで点灯。(TurboモードはHighモードで点灯、SOSモードはメモリされない)

・モードの切り替え:スイッチ長押し。

*Moon(或いはTurbo/SOS)→Low→Medium→High→Low→……の順に変更

・Moonモード:消灯時にスイッチを1秒長押し。

・Turboモード:ダブルクリック。

*再度ダブルクリックで元のモードに戻る。

・SOSモード:トリプルクリック。

*「トントントン、ツーツーツー」というSOSのモールス信号

・キーロック:消灯でMoonモードが終わるまでスイッチを長押し。1回点滅が出るまで長押しで解除。

・スマートオフ:点灯でダブルクリック長押しで切り替え。

*1回点滅は短時間(3分間)タイマー、2回点滅は長時間(9時間)タイマー。

 

 

3.いいところ

では、実際に使ってみて感じた良いところを。使用環境は、グラベルロードやMTBでの林道キャンプツーリング、登山、トレイルランニングなど。

 

3-1.明るさとランタイム

僕がこのPerunを選んだ大きな理由の1つが、明るさとランタイム。テントの中だけで使用するならつゆ知らず、真っ暗な森の中をヘッドライトの明かりを頼りに行動しようと思うと、それなりの明るさが確保できなければ心もとない。

PerunはHighモードで500lm(4h)、Mediumモードで120lm(15h)、Lowモードで30lm(47.5h)持つ。僕が夜の行動で気に入っているのが500lm。

深夜~日の出まで、または日没~行動終了まで使用することを考えると、ヘッドライトが必要になるのは3時間前後のことが多い。その間を余裕を持って500lmで照らせるのは凄く頼りになる。

今まで森に入るときはライトに不安があったのでとにかく「明るいうちに出る」ことを最優先させていたけど、Perunのお陰で時間が遅くなっても心に余裕を持って行動できるようになった。

大光量で目線を照らし続けられると、こんなにも夜の森が快適かつ安全になるのかと驚いている。

 

3-2.広がる配光

配光は自転車用ライト(同社のRN1500)との比較になるけど、かなり周りに拡散する印象。上下左右にかかわらず使用できるし、山道でも全体が明るいので安心感がある。

ルートファインディングが必要な場面ではスポット的に遠くも照らしたいことがあるので、そういった使い方にはもう一声欲しいけど、そこは2,000lmのTurboモードで乗り切るか、スポット配光のフラッシュライトも持っておくのが良いかなと思う。

ヘッドライトとしてはこの配光の方が使いやすいし、ナイトライド中に峠のコーナーの先を照らすのにも、この位で良いと思う。

 

3-3.安全装置が良い

テントの中での使用では、意図せず布地と接近させてしまったり、点灯させてしまったりすることがある。そんな時、ライトに火災防止の安全装置が付いているのはとても安心感がある。

安全装置が作動しているのは使いながらでもわかるくらいで、手を前にかざしているときやテントの壁が近づいたときなんかは明るさが少し落ちる。

細かい作業であえて明るく照らしたいときには逆効果ではあるものの、バックの中やテントの中で火災になる心配がないのは凄く有難いことだ。

また、自動でOffになる機能(3分と90分で選択可能)も良くて、「ザックの中で勝手にボタンが押されて点灯し、いざ使うときには充電切れ……」なんて悲劇を避けられる。 (これが結構起こるので、今まではバッテリーを抜いて持ち歩いていたほど)

 

3-4.暗闇でも充電が楽

専用のマグネットケーブルは、使ってみると使い勝手がよかった。

考えてもみれば、ヘッドライトを充電する=ヘッドライトの明かりがない、ということ。例えば夜寝る前にライトの充電をしようとすると、なかなかケーブルが刺さらなくて苦労するのは容易に想像できる。実際そうで、あの上下の区別があるmicro-USBのtypeBはまあ差し込めない。連日のキャンプなど、寝ながら充電しておきたいときには地味に大事。

Perunは付属の専用ケーブルが磁石でパチッとくっつくので、真っ暗でよく見えない場所でも素早く正確に充電できる。

 

 

4.残念なところ

お次は、使って感じた残念なところを。

 

4-1.ヘッドライトとしては重い

まず気になるのは、やはり重たいこと(ヘッドバンドも合わせて187g)。もちろんこの明るさとランタイムを考えるとかなり軽量で素晴らしいんだけど、頭に取り付けるとなると重さは多少なりとも気になってしまうだろう。

ずっと付け続けると、慣れていない方は頭が痛くなってしまうかも知れない。

頭の動きが小さいサイクリングではまだ良かったけど、上下の振動が大きいランニングだとやはり重量感を大きく感じる。また、重心が前方に偏っているので違和感も大きい。逆に、この重量感でもライトはなかなかずれない(帽子の上から着用)ので、それは凄いなとも思う。

まあ、そこはOlight製でもより軽量な「Perun Mini」などがあるので、欲しいスペックと比較しながら使い分けをするのが良いだろうか。

 

4-2.専用ケーブルが必要

先ほどは「暗闇で使いやすい」と評価したケーブルだけど、やはり汎用品では代替できないのが痛い。

ケーブルを忘れてしまったり、出先で断線してしまったりすると一発でアウト。普通のmicroUSBやtypeCならコンビニにも売っているから何とかなるけど、基本通販でしか手に入らないので問題が起きてから使用できるまで数日はかかってしまうのだ。

予備のケーブルも購入して持ち歩くという手はあるけど、荷物になるし面倒だ。

最近の登山やツーリングでは、ただでさえiPhoneにmicroUSBにtypeCに……とケーブルがたくさん必要なのに、更に専用品が1本増えるのもいただけない。

 

4-3.モードがややこしい

沢山の明るさや消灯タイマー、ロックなど機能が盛沢山なのは良いが、その反面操作がいろいろありすぎてややこしい。

「消灯状態でダブルクリックは~」とか「点灯状態でダブルクリックは~」「このとき1回点滅は~という意味で~」なんて、フィールドで瞬時に判断できるものではないと思う。

慣れの問題だとは思うものの、もう少し操作を簡素化するか分かりやすくしてほしいなと思う次第だ。

 

4-4.フードとの併用が難しい

先ほどは「いいところ」で上げた安全装置(センサーで物が近くにあると明るさダウン&1分後消灯)だけど、実は状況によっては使い勝手が悪くもなる。

例えば頭にライトを取り付けた状態で上からフードをかぶってしまうと、フードに安全装置が反応して不用意に明るさが切り替わってうっとうしかったり、ライトが消えてしまったりするのだ。

特に夜間のテント設営などで最も暗いムーンライトモード(安全装置が働いて明るさが落ちた時と同じ)で使用しているときは、安全装置が作動しているのか分からないため、ある時急にライトが消えて暗闇になってしまったりする。両手がふさがっていることも多いし、これは凄く困った話だ。

ムーンライトモードなら物を燃やす危険は低いだろうしランタイムも長いんだから、自動消灯はOFFに出来る様にしてくれたら良かったなぁと思う。

 

 

5.まとめ

以上、Olightのヘッドライト「Perun」のレビューをしてみた。明るくてランタイムが長い、本格仕様のヘッドライトだ。

真っ暗な山道を歩く登山での使用や、スピードの出る林道ライド、長期間のキャンプ旅などでは、活躍してくれる頼もしいライトだと思う。

同社製では新型の「Perun2」もあるが、そちらよりも明るさは劣るもののこの「Perun」の方が軽量。更に小型軽量な「Perun Mini」と合わせて、使い方によって選んでもよいと思う。

本格的なヘッドライトを始めて導入したが、使用感も全体的によく安心感がある。ここまで書いた通り注文点もあるけど、今後とも僕の登山やサイクリングを支えてくれるだろう。

おわり

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