携帯工具は数あれど、昨今のチューブレスタイヤに対応したツールが一気に揃うものは選択肢が少ない。
グラベルロードのブームでオフロードを走ったりチューブレス運用をする方は増えていると思うけど、それ用の携帯工具も一から揃えると結構高かったり……。
今回は、非常に多機能で万能、かつチューブレスタイヤの補修パーツも付いた携帯工具『Crank Brothers:Multi-20(クランクブラザーズ:マルチ20)』をレビューしていきたい。
<目次> (0.この製品の提供について) 1.Multi-20のスペック 2.各部詳細 3.実際の使用感 4.軽量化と万能性
(0.この製品の提供について)
本題に入る前に1つだけお断りを。それは、この製品はライトウェイ様よりご提供を受けているという点。
僕のブログは『いちユーザー目線で、良いこと悪いことを正直に書く』というのをモットーにしているので、この記事でも正直なレビューをしていく。ご提供を受けた品ではあるけど、記事を書くにあたってライトウェイ様にもその点を了承して頂いていることを、はじめにお断りしておきたい。
1.Multi-20のスペック
では、早速本題に入ろう。まずはMulti-20のスペックのご紹介から。
・重量:公称203g(実測204g) ・付属工具: ータイヤプラグツール, タイヤプラグ5本 ーバルブコア抜き ーローター修正ツール ーチェーンツール(8~12速対応) ーオープンレンチ8mm ーヘックスレンチ#2, 2.5, 3, 4, 5, 6, 8 ースクリュードライバー +#1&#2, -#2 ースポークレンチ#0、1、2 ートルクスT-10, T-25 ーストレージケース ・カラー:ニッケル、ブラック、レッド、ゴールド ・価格:4,200円+税 ・公式サイトはこちら、携帯工具は
Crank Brothers(クランクブラザーズ)はオフロード系で有名なブランドで、ペダルやステム、ホイール等を手掛けている。そんなオフロード系ブランドらしく、チューブレスタイヤに対応したマルチツールがこのMulti-20という訳だ。
携帯工具の中でも機能が満載な方で、これがあれば大抵のトラブルは対応できそう。
重量は実測で205g。携帯工具のなかでは重めだけど、これだけ詰め込まれていることを考えると妥当だろう。
2.各部詳細
続いては、各部の詳細を見ていこう。
収納時はこんな感じ。これだけの工具が詰まっている割にはコンパクトで、ちょうど手に収まるサイズ感。
ツール部分をずらり。これだけの工具があれば、大抵のバイク・トラブルには対応できる。
工具自体の精度も悪くないと思う。
『Crankbrothers』のロゴ刻印が良い感じ。
流石だと思うのは、付属するチェーンツールが12速対応ということ。MTBコンポは既に12速が当たり前だし、恐らく次のDura-Aceからロードコンポも12速化する。それを見据えても、この対応は分かってる。
黒いケースの中には、チューブレスタイヤを補修するためのツールが入っている。また、ミッシングリンク(別売)を収納できるスペースも備えていると、至れり尽くせりだ。
チューブレスタイヤの補修ツールは、それなりに太いタイヤ径で大きな穴が開いてしまった場合が想定されているみたい。ロードバイクで小さな穴が開いた場合は、もう少し細いものを差し込む。(予備のみの販売は無いらしいので、市販のものを入れ替えて使う)
見た目も結構カッコいいし、随所にあしらわれたクランクブラザーズのロゴもいい感じ。割と所有欲も満たしてくれる携帯工具だと思う。
3.実際の使用感
ここからは、「じゃあ実際に使てみてどうなの?」という話を。
端的に言って、使用感はイメージ通りだった。この手の携帯工具として特に不満点は無いし、必要にして十分だと思う。
自転車に使われているほとんどのボルトに対応できるので、無敵感はすごい。(笑)
忘れてはならないポイントは、こういう形状の携帯工具は込み入った場所の作業が苦手ということ。例えばこういうボトルケージ付近(↑)など、使いづらいと感じるシーンはあるかも知れない。
まあ、これはこの形状のマルチツール全般に言えることなのでMulti-20が特別悪いわけではないけれど、大型なぶん作業しにくい場面は多いだろう。
個人的にいいなと思ったのが、ツールの並び順。使用頻度の高いサイズの六角レンチは大きさ順に一列に並んでいて選びやすいし、プラスドライバーやトルクレンチは大きさの感覚で大小を選択できる。
前に使っていたマルチツールはこの並びがイマイチしっくりこなくて、「え~っと……」と欲しいツールを選ぶ時間が地味にストレスだった。このMulti-20の並び順は僕にあっているらしく、使い勝手がいい。
沢山のツールがあるお陰で、スルーアクスルの6㎜やペダルの8㎜、他社パーツやディスクローターのT25等まで、ほぼすべてのボルトにこれ1つで対応できる。
ロードバイクで使っている工具は必要なものだけを厳選しているので、実はこれらには対応できない組み合わせにしていた。新しいバイクを導入し必要なものを把握しきれていない今は、この汎用性が凄く助かっている。
先日のフォロワーさんとの雪中グラベルキャンプツーリングでも助けられた場面が。汎用性の高さは、誰かと走る(自分以外のバイクのトラブルもあり得る)時にも有効だなと感じた。
4.軽量化と万能性
サイクリストたるもの、『携帯工具はなるべく軽量にしたい。けど万能であってほしい』という、我儘な要望を持つものだろう。
実際のところ、徹底的に軽量化し使い勝手を重視するならば、必要なものを厳選して持っていくのがいい。僕もロードバイク用の携帯工具は本当に必要なものだけを厳選していて、このMulti-20(204g)には含まれないタイヤレバーやパンク修理キットなど全て追加しても、合計113gにまで軽量化することが出来た。
詳しくはこちら(↓)
とはいえ、これはオンロードで想定されるトラブルがわかって、かつ自分の使うボルトを全て把握しているから出来ること。どんなトラブルに遭うか分からない初心者や、より万能性・対処能力が求められるオフロードには、多少重くとも安心感の高い携帯工具が適していると思う。
その点、このMulti-20は多機能で、最初の携帯工具として優秀だと思う。僕もグラベルロードデビューをして間もないし、まだトラブルが読み切れていないのでこのMulti-20が適していると思い使っている。
作業性を求めるなら先ほどご紹介したPB Swiss Toolsのビット式が正解だと思うけど、価格から考えてもこちらのMulti-20の方が初心者的にはお得だろう。突き詰めていくとウィークポイントもあるけれど、「ひとまず安心できる携帯工具が欲しい」「なるべく安くて全部揃うものが欲しい」という方には、良い選択肢だと思う。
おわり