装備レビュー

【レビュー②】話題の『OOLIGHT(オーライト)RN1500』は実際どうか?Volt800と比較や良し悪し

この秋ロングライド界隈で1つのブームとなったのが、このOLIGHT(オーライト)社が発売した自転車用フロントライト『RN1500』だ。

明るさやランタイムといったスペックで、今までの定番品を凌駕する性能をもち、価格も安いときた。話題になるやAmazonでは即売り切れになるほど……。

今回は、嬉しいことにOLIGHT様からこのRN1500ご提供頂いた。スペック等は前編のレビューに記載しているので、この記事では実際の使用感について詳しく書いていきたい。

<目次>
(0.今回の提供について)
1.RN1500のスペック(レビュー①)
2.各部詳細(レビュー①)
3.良いところ
3-1.明るさとランタイム
3-2.配光が良い
3-3.操作性が高い
3-4.充電が早い
(3-5.信頼性)
4.残念なところ
4-1.ブラケットが使いにくい
4-2.吊り下げで使えない?
4-3.遠くを照らせない配光
4-4.ダンシングで眩しい
5.まとめ

【OLIGHT様より、当ブログの読者様へ全品10%OFFクーポンを頂きました。】

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(0.今回の提供について)

はじめに、ちょっと本題とは関係ないけど、今回ライトをご提供いただいた際の条件などについて簡単に。というのも、「どうせ案件のステマだろ?」と思われたくないので、その点に触れておきたいのだ。(笑)

今回はレビュー記事を書くことを条件に、OLIGHT様からライトの提供を受けている。ただ、僕のブログに忖度した内容やステマなんて1言たりとも書きたくないので、その点については事前に確認をとっている。

OLIGHT様『ライトのレビューを書きませんか?』

『ご依頼ありがとうございます!記事を書くにあたってこちらから条件がありまして、たとえ否定的な意見でも自由に書きますし、御社の修正を受けた内容は一切公開しません。それでもよろしいでしょうか?』

OLIGHT様『構いません。なぜなら、製品に自信があるからです。』

といった具合だ。「それなら……」なんて断られることもあったけど、逆に「自信があるからどうぞご自由に」とまで言われると、こっちもやる気が出てしまう。(笑)

そんなこんなで、ご提供を頂いた製品ではあるけど、自費購入した際と何も変わらずレビューを書いていこうと思う。

 

*この記事でご紹介している製品はこちら

 

3.良いところ

さて、では「実際に使ってみてどうか?」というのをあれこれと。まずはいいところから。

3-1.明るさとランタイム

まずは何といっても『大光量で長持ち』という点。バッテリーが5000mAとこのサイズのライトながらに大容量(Volt800は3400mA)なので、1500lm(1h40m) / 750lm(4h) / 300lm(12h30m) とルーメンに対して駆動時間が長い。

特に300lmで12時間半持つというのは画期的で、オーバーナイトのロングライドでも充電なしで駆動し続けることが出来る。真っ暗な道でない限り300lm程度あれば十分走れるので、これ1本あれば大抵のサイクリストの要求にこたえられるだろう。

ミドルの750mlあれば街灯のない峠道でもOK。これでも4時間持つ。Volt800のハイ(800lmで2時間)と同じくらいの光の量で、倍の時間使えるのだ。Volt800とほぼ同じサイズ感でありながら、この差は非常に大きい。

Volt800の様にカートリッジでバッテリーを交換することはできないが、モバイルバッテリーに接続して使うことが出来るので、雨でない限りは問題ない。

僕も愛用しているR250の防水トップチューブバックならケーブルを出す穴も開いているので、そこにモバイルバッテリーを入れておけばどこまでも走れるという訳だ。

更に、「ランタイムの間きっちり明るさを保つ」というもの非常に良いポイント。どういうことかというと、ライトにはバッテリー残量が減ると明るさが落ちる『ダラ落ち』と呼ばれるものあって、残念ながらVoltシリーズはこのダラ落ちのライトなのだ*。バッテリーが残り少なくなると明らかに暗くなっていくので、バッテリー残量のインジケーターを見なくても残量がわかるほど。(笑)

RN1500はバッテリー残量いっぱいまで既定の明るさをキープしてくれるので助かるし、インジケーターが仕事している。(笑)

「ダラ落ちでない」という点について、僕は照度計などは持っていないのでライド中の体感でしかないが、こちらの「東京大阪キャノンボール研究」さんのレビュー中にも、その点についての記載がある。

*「東京大阪キャノンボール研究」さんより指摘をいただきました。正確には、Volt300/400:全モードダラ落ち、Volt700/800:ローモード以外ダラ落ち、です。

 

 

3-2.左右に広く上部カットの配光

次に触れたいのは『配光』について。こちらもVolt800との比較になるけど、Volt800が普通の懐中電灯の様に前方を全体的に照らすイメージなのに対し、RN1500は手前と左右が明るく、上部は明るさを軽減させている。

真っ暗な峠道を走るときには、Volt800が1本だけだと少し曲がった道になると先が照らせず、左右の森も完全な闇になって動物が怖いので、2本を左右に向けて使用する必要があった。その点RN1500は左右が明るいので、1本でもそれなりに左右をカバーできる。

そして正面からの眩しさ。Volt800はまぶしさを軽減するためにやや下向きに取り付ける必要があったが、RN1500は正面を向けた状態で使用しても大丈夫だった。

実は僕は『上部の配光カット』は手放しに賛同できない部分があって、それは「道路の上にある標識を照らせない」と「ある程度は眩しくないと、こちらの速度を認識してもらえない」という問題があるから。標識を照らせないのは切実に困るし、人間は明るいものほど速いと認識する特性があるので、車に近い速度で走っているのに車より暗いライトを使っていては速度を見誤られて突っ込まれる。

だから僕はRN1500の配光カットはウィークポイントだと思っていたけど、実際は『道路標識も照らせるし、前から見てもそこそこ眩しい』くらいの適度なものだった。

むしろVolt800よりも上側への広がり自体は幅広く、取り付け角度にシビアにならなくとも道路標識を照らせるうえ、眩しさに気を使う必要もなくなった。その部分については大満足である。

 

 

3-3.操作性が高い

これはVoltシリーズ(ハイ⇒ミドル⇒ロー⇒ハイパーコンスタント(点滅系)⇒点滅。ダブルクリックでハイ)との比較になるけど、点灯と点滅をモードとして別にすることで点灯の明るさ変更が早くてやりやすく、いちいち点滅が混ざることもない。

正直なところVoltの明るさ変更は使いづらくて仕方なかったので、この点では圧倒的にRN1500が優れていると思う。

また、ボタン自体のクリック感や構造も良い。これもVoltシリーズとの比較になるが、カチッと押し込んだ感覚が強いし、ボタン自体が出っ張っているので、冬用の分厚いグローブをした状態でも確実かつ快適に操作ができる。Voltシリーズよりもボタンのサイズが少し大きいことも一躍買っているだろう。

Voltはボタンが本体と面一になっていて、ロンググローブでは使いにくかった。真冬用の分厚いグローブだと、ほぼ確実に操作に手間取るほど。常に薄手か指切りのグローブのみの方は無関係かも知れないけど、真冬でも走る方には結構大きなメリットだと思う。

注意
*Twitterの情報によると、ボタンが出っ張っていることにより、収納の際に誤動作でONになってしまい、周囲のものを溶かすor燃やしてしまう危険性があるらしい。僕の使用環境においては起こりそうにない状況だが、1500lmにもなれば普通に火をつけられるレベルなので、十分に注意していただきたい。批判したVoltシリーズの面一ボタンだけど、この誤動作防止の目的もあるのかも知れない。

 

 

3-4.充電が速い

そして充電が恐ろしく速い。今まで自転車用のライトといえばmicroUSB(typeB)だったのを、USBのtypeCを採用していることで超急速な充電を実現している。

(↑)Volt800は5時間の充電でMAX8時間点灯(200lm)、RN1500は2時間半の充電でMAX12時間半(300lm)。

残量がゼロの状態からでも約2時間半で満充電が完了するのは、今までの感覚からすると驚くほど早い。僕も実際に家で試してみたけど、確かにちゃんと2時間半で満充電された。

しかも、バッテリーに接続しながらの使用もできるし、ライトをモバイルバッテリー代わりにしてスマホやサイコンの充電もできるのだ。これならロングライドの小休憩でもすぐに充電できるし、バッテリーの心配をする必要がほぼなくなる。

(↑)予定よりライドが長引いたときも、このおかげで何とかなった。

 

(3-5.信頼性)

自転車用ライト……特にコスパのいい系のレビューではあまり語られない観点だけど、ふと冷静に考えると『ライトが壊れず、常にちゃんと動作する』というのは超重要なポイントだ。

真っ暗な山道でライトが壊れでもしたら最悪だし、ちょっとの雨で水没されても困る。通勤用途だって、ライトが壊れたら帰れない。自転車が夜間走行するために、ライトは無くてはならない存在なのだ。

(↑)先日の雪山登山ライドでもきちんと動作してくれた。

正直なところ、僕自身はRN1500を使ってまだ期間が浅いので、信頼性については評価できないただ、話題になってそれなりの方が使用しているはずだけど、大きな問題は聞かないし誤動作などの報告も見ない。

同系列商品のRN400には「動作温度:-20~40℃」の記載があり、Twitterで冷凍庫で実験した方のデータによれば十分実用可能な範囲らしい。低温下ではブラケットの耐久性に疑問が残るけど、ライト自体はかなり大丈夫なようだ。

『OLIGHT(オーライト)』というブランドも加味して考えると、現状ではそれなりに信頼性はあると考えていいと僕は思っている。もちろんこれから使用して何か問題があれば、追記する予定だ。

 

 

4.残念なところ

ここまでRN1500を褒めてきたけど、やはりいい点ばかりではない。次は使ってみての残念な部分を。

4-1.ブラケットが使いにくい

何といっても、惜しいと思うのがブラケットブラケット自体を素手で着脱できないのが面倒臭いし、左右の角度調整も効かず、ライトの着脱に本体をひねる必要がある。これは特にロングライダーやバイクパッキング系の方にとって致命的だと思う。

(↑)CATEYEならこれが出来る

僕はバイクの構成(DHバーやフロントバック、ステムポーチの有無など)によってライトの取り付け位置を変えている。もちろんこの時ブラケットを着脱するわけだけど、いちいち六角レンチを取り出すのはあまりに面倒。しかも微調整しにくいからストレスがたまる。

そして、サイコンやらナビやらバックやら、ハンドル周りはたくさんの機器がひしめき合う。それなのにライトの着脱で本体をひねらなくてはならず「サイコンを付けた状態ではライトが着脱できない」みたいな事態になるのだ。

 

ライトの左右角度も調整できないので、例えば「夜の峠でライト2本を使い左右を広く照らしたい」という運用ができない。先に書いた通りRN1500の配光は左右にも明るいので1つでもそれなりに対応できるが、やはり2本使って幅を広げたい場面もある。

先ほどは「Volt800よりも左右への配光が広いので1本でもそれなりにカバーできる」とは書いたものの、逆にVoltを2本左右に向けたのに比べると狭い。

(↑)の画像は峠のコーナーへ侵入するときの視界で、上がRN1500を1本、下が右向きにしたVolt800を追加したとき。右側のコーナー先の視界が大きく異なることがわかると思う。RN1500は何本付けようが、左右の角度は同じなので右奥は永遠に照らせない。

ブラケットの使い勝手に関しては、CATEYEののVoltシリーズの圧勝だろう。

 

 

4-2.吊り下げで使えない?

工夫された配光は、ライトとしての性能が高い反面、取り付けの自由度が下がるRN1500は上部の配光カットがあるので、ハンドルから吊り下げる様に取り付けると配光が微妙になってしまうし、対向車にやや迷惑なライトにもなり、何より自分が眩しい。

パッケージにはGoProマウントも同梱されているから、レックマウント等でおなじみの「上にサイコン、下にライト」という組み合わせは物理的に使用可能。だが、性能的にはどうかと思う。

角度を調整すればいけなくもない……んだけど、逆さ吊りだと光が空の方に拡散しているのか路面の明るさが落ちる。前方からの眩しさは、前から僕が見た限りだと、同じ角度で取り付けるとVolt800より眩しい。まあ直ちにダメという訳じゃないけど、あまりおススメはできない。

僕的に一番深刻だったのは自分が眩しいこと。ライトの真下にあたる部分もなぜか切り抜きがあるので、真下(吊り下げで使用すると真上)にも光が漏れてくる。普通に取り付けた際にも真下を照らす必要なんてないし、この切り抜きは無い方が良かったと思う。レックマウント等でサイコンの真下に取り付ける場合は、ライトがサイコンの陰に入るから自分は眩しくないかも知れないけど……。

欲をいえば、上側にもライトマウント用のねじ穴が切ってあり、マウントを付け替えることで吊り下げでもライトの向きは正しいままに出来たらなぁと思う。

 

4-3.遠くが照らせない配光

先ほど「良いところ」で幅広で上部カットの配光を挙げたけど、遠くを照らせないという点においては、RN1500の配光はイマイチだ。

僕の体感では、Volt800のミドル(400lm)の視界とRN1500のミドル(750lm)の視界では、ぱっと見の道路の明るさは間違いなくRN1500が明るいものの、走行中の視点では350mlもの差があるとは感じなかった。よく見比べると、RN1500は左右や手前10mくらいの明るさがかなり強化されていて、それが原因だろうと考えている。

(↑)上:Volt800ハイ800lm、下:RN1500ミドル750lm。RN1500は標識の手前側まではかなり明るいけど、その奥は逆に暗く見える。Volt800の方標識の後ろもなだらかに明るく、肉眼では写真よりも奥まで明るく見えている

特にロードバイクで走っているときには、平坦では30~40㎞/h、下りなら50~60㎞/hは速度がでる。その速度域で使用するには、やや遠くが暗いといわざるを得ない遠くの道路が明るい市街地での使用ならこの配光はむしろ良いが、真っ暗な道を走ることを想定するとNG。そしてRN1500のスペックが求められる道は、後者であろう。

RN1500のいいところの1つが「大光量で長持ち」なんだけど、光の量(光束:ルーメン)に対して、体感での「明るさ」はやや暗い。これはOLIGHTが嘘を言っているのではなく配光によるもので、たくさんの光を放っていても多方向に発散させていては、特定の地点の明るさは下がってしまうということ。もっと遠くを照らすべきなのに勿体ない。

……とはいえ、ランタイム基準でVolt800と比較して考えると、上の画像の「RN1500のミドル(750lm:4時間)vs.Volt800のハイ(800lm:2時間)」ではなく『RN1500のミドル(750lm:4時間)vs.Volt800のミドル(400lm:3.5時間)』となり、RN1500が勝っていることに違いはない。ここは次作への期待として、待っていたいと思う。

 

4-4.ダンシングで眩しい

これはポジションやフォームに寄るので何ともいえないけど、僕の場合は登りでダンシングすると、視界の下側にライトの明かりが入って眩しかった。

(↑)僕のポジションはこのくらい。

まぁ我慢できないほどじゃないんだけど……Volt800ではこれは起こらなかったし、ライトとして「真上」を照らす必要はないはずなので、あと数㎜はひさしを長く作ってほしかった。

 

 

5.まとめ

以上、長々とOLIGHTのRN1500のレビューをしてきた。全体的な話をすれば、明るさとランタイム、操作性など、ライトそのものの性能で語ると非常に良い製品だと思う。Voltシリーズよりも明るいうえバッテリーを気にしなくていいし、ボタンの操作もしやすいと、使用感としてストレスフリーだ。予想よりも感触が良く、今のところ結構気に入っている。

そのぶん、個人的にはブラケットと配光が残念。ブラケットはCATEYEのフレックスタイトが圧勝だし、配光についてもCATEYEのVoltシリーズの様に手前に漏れる光を遠くを照らす側に回してほしい。

最後に付け加えたいのが、8,895円という破格の定価である。今までの定番ライトではネット価格で1万円+αくらいは出さないと得られなかった性能が、この価格で手に入ってしまうと考えるとヤバい。

良い製品を提供し、かつ自由にレビューする機会をくださったOLIGHT様に感謝し、この記事を締めくくりたい。

<RN1500のスペック等をまとめたレビュー前編はこちら>

 

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おわり

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