自転車ツーリングでは、スペアチューブや携帯工具、輪行袋など、ちょっとした荷物をバイクに固定したいときが多い。
そんな時ツールケースやサドルバックがよく用いられるが、もっとシンプルに『フレームに直接括り付ける』という手もある。軽くて、早くて、見た目もスッキリ。そんな積載を実現してくれるのが、今回ご紹介するグラナイトデザイン(GRANITE DESIGN)のロックバンドだ。
<目次> 1.製品概要 2.各部詳細 3.使い方の向き不向き 3-1.固定できるもの 3-2.固定が難しいもの 4.こんな人におススメ
1.製品概要
グラナイトデザイン(Granite Design)は、MTB系のアイディア商品を中心に展開するブランド。ヘッド周りに収納できる携帯工具や、ペダルを保護できる「ペダルソックス」なんていう面白いものもある。
今回ご紹介する「ロックバンド」もそのアイディア商品の1つで、フレームに直接チューブや補給食など、ちょっとしたアイテムを括り付けられるバンドだ。
国内でも入手性はかなり良い方で、Amazonや楽天と言った大手サイトからAlternative Bicyclesさんでも取り扱いがある。価格もお手頃ではないだろうか。
製品の使い方については、恐らく文字で説明するよりも公式の(↓)の動画をご覧いただいた方が早いと思うのでどうぞ。
本体が2重のベルト構造になっていて、①内側のベルトで固定したいもの(予備チューブなど)をロックバンドに縛る、②ロックバンドをフレームの任意の場所に縛る、の2ステップで完了。普通のベルクロ固定なので特に難しいことはないと思う。
2.各部詳細
では、各部を細かく見ていこう。
本体は丈夫なポリプロピレン製の生地。厚みがあってしっかりしているので、耐久性はかなり高そうだ。
荷物を固定する方の内側のベルト(インナーベルト)は全面にベルクロがあり、様々なサイズの荷物に対応している。実測だと、だいたいΦ7㎝くらいまでのものなら固定できそう。オーストリッチのL-100輪行袋がちょうどMAXサイズかな?
本体のフレームに接する部分には滑り止めが縫い付けられている。結構グリップの効く素材なので、これのお陰でフレームでくるくる回ったりズレたりしない訳だ。
フレームに固定した際に外側に当たる場所には「Granite Design」のロゴが入る。カラーバリエーションはかなり豊富で、僕が使っているのはデジタルカモ。
本体のベルクロも全面に配置されているので、フレームや荷物の直径に関わらず最大の固定力を発揮できる。ベルクロの嚙み合わせ的に、Granite Designのロゴが全部見えるくらいは折り返して使った方が良い。
実測で、固定できる「荷物+フレーム」の周長がMAX30㎝ちょい。
3.使い方の向き不向き
続いては実際に使ってみて感じた、ロックバンドが得意とするシーンや、逆に不得意とするシーン等について。
3-1.得意なシーン
僕が思うロックバンドの良いところは、①フレームへの着脱が早い、②自転車のあらゆる場所に固定可能、③デザインが良い、という3点。
純粋に滑りにくい万能ベルトなら、以前ブログでご紹介した「Voilleストラップ」や「スキーストラップ」が最強だという意見は変わらないけど、これらは着脱がやや面倒で時間がかかる。キャンプツーリングにはいいけど、もっと身軽に走りたいOne Dayサイクリングにはちょと腰が重い。
その点ロックバンドはサッと着脱が出来て、自転車への固定場所も選ばない。
バックの配置やバイクの形状に応じて、『荷物のちょい足し』が出来るのだ。カラーバリエーションも豊富だから、パッキングのアクセントやワンポイントにも良いだろう。そういう気軽さとデザイン性がロックバンドは素晴らしい。
固定する荷物については、やや得意/不得意が分かれる。ロックバンドの固定に適しているものは、ある程度柔らかくて、かつ摩擦のある表面のもの。
例えば予備チューブがその最たる例で、適度に柔らかいから縛りやすく、摩擦も強いから脱落しにくい。携帯工具やCO2ボンベ等もチューブと一緒に巻いておけば摩擦が稼げて一緒に運べる。
チューブの場合は固定力が抜群なのか、オフロード60㎞程を含む170㎞をガンガン走っても全く問題なしだった。
輪行袋やウェア等の布系も固定しやすい。ベルトをきっちり縛れば走行振動でもズレないし、使いたいときにバックをごそごそするより速くてスマートだ。
3-2.不得意なシーン
逆に、グラナイトデザインのロックバンドでは上手くいかない場面もある。
まずは滑りやすいものや太さの変わるものの固定。例えば携帯工具単体や、補給食(エナジージェル・バー)は固定力が足らず、路面のギャップで脱落してしまった。相当本気で締めこんだので、滑り止めの何かを噛ませる等しないと無理だろう。
補給食の場合は滑りやすい以外にも難点があって、太さが変わってしまうこと。例えばまとめて5本くらいを束ねたとしても、1本抜くたびに内外2か所のベルトを締め直さなければならない。流石にこれは面倒なので、細かい補給食系を運ぶならトップチューブバックやステムポーチの方が都合がいいだろう。
太さに関しても、「荷物+固定パイプ径」が本体の固定可能周長(30㎝+α)を越えてしまうとNG。フレームの太いカーボンバイクなんかだと、輪行袋の様に大きな荷物を固定したくてもベルトの長さが足りないこともあるだろう。
(↑)の画像の様に、僕のバイクだとダウンチューブには輪行袋は固定できない。
4.こんな人におススメ
あれこれと書いてきたけど、ここまでの話をまとめると僕的にお勧めできる人は
・バイクパッキング系で「荷物のちょい足し」
・予備チューブを見た目スッキリに積載したい
という感じ。「バックの容量がちょっと足りないなぁ~」とか「(フルサスMTBなどで)フレームに合うバックがない」「予備チューブや工具をもっとスマートに運びたい」なんて思っている方には良いはずだ。
逆に、がっつりキャンプや旅をしたい場合など、より汎用性が求められる場合にはVoileストラップやスキーストラップ(上の画像でダウンチューブのオレンジのベルト)をおススメしたい。
個人的にはグラベルやMTBなんかのオフロード系おスタイルにピッタリだと思っている。価格も手ごろなので、気になる方は試してみてはいかがだろうか。
おわり