ロードバイクの走行性能を大きく左右するパーツ「タイヤ」。様々なブランドやグレードのタイヤが売られているが、その性能や性格もまた多様だ。
今回は、僕の一番のお気に入りタイヤである、ビットリア(Vittoria)の「コルサG+(Corsa G+)」25cクリンチャーをインプレをしていきたい。今やコルサ2.0の登場で型落ちではあるけれど、似通った性格のタイヤらしいので参考情報として残しておきたい。
<目次> 0.はじめに 1.コルサG+のスペック 2.インプレ 2-1.転がり 2-2.乗り心地 2-3.グリップ 2-4.耐パンク性 2-5.寿命 3.ちょっと一言 4.まとめ
0.はじめに
・インプレ=個人の主観的感想です
当然のことではあるけど、インプレとは「impression=感想・所感」の略。つまり、主観的な感覚に依存した情報でしかない。僕が感じたことを素直に書いているからこそ、誰もが同じことを感じるとは限らないし、表現の仕方が同じになるかも分からない。
単純な転がり抵抗やタイヤの重量、耐貫通パンク性などは、Bicycle Rolling Resistanceというサイトに実験データがまとまっている。客観的なデータはこそちらのサイトにお願いするとして、ここでは一個人の意見を重視して書いていきたい。
・乗り手について
そのインプレをしている僕が誰でどんな走りをしてるのか?についても簡単に。僕はもっぱらロングライドで、一人でブルべをしているようなライドをすることが多い。たいていは体重+車重が80㎏前後。400㎞/4,000mを20時間前後で走れる程度の脚力。
1.コルサG+のスペック
まずは簡単にスペック紹介。コルサG+は2016年発売のハイエンドタイヤで、ビットリアがグラフェンという特殊な素材を使用した最初のタイヤ。現在はこの後継に当たるコルサG2.0が発売されているので1世代前のタイヤに当たるが、その性格はかなり似通っているらしいので、参考までに。
・重量:240g(25c)
・カラー:ブラック、グレー、タン
・価格:実売価格5,000円前後
・モデルイヤー:2016年
ハイエンドタイヤには飴サイド(タンカラー)のラインナップが少なく、色合いもブランドによって様々。コルサの飴カラーはかなり優しい色合い。
コルサのトレッドパターンは縦しまで、取り付け方向の指定はない。
サイドウォールやビードがしなやかなので、取り付けは非常に楽。ホイールとの相性もあるとは思うけど、タイヤレバーが無くても素手で着脱可能だ。付けるのは割と出来るタイヤが多いけど、外すのまで素手で出来るのは凄い。
2.インプレ
では早速インプレを。転がり、乗り心地、グリップ、耐パンク性、グリップ、の5つの項目に分けてご紹介していきたい。
2-1.転がり
転がり抵抗は少なく、とてもスムーズで滑らかに転がる。特に走りの滑らかさが印象的で、コンチネンタルGP4000SⅡのようにシャキシャキと進む感じではなく、スーッとバイクを先に進ませてくれる感じ。この感覚はコルサG+独特なものだ。
加速感はそれなり。空気圧によってもかなり感覚は変わるところだが、タイヤが柔らかめなせいか鋭さはあまりない。良く転がるので決して悪くはないが、キレを求めるとやや不満が残るところ。
ヒルクライムは普通に良い。ハイエンドタイヤの中ではやや重量級ではあるが、転がり抵抗の低さと走りの滑らかさでカバーしている感じ。ガシガシ踏むような登り方だともたつきを感じるかも知れないけど、積載アリで淡々と回す登り方だと心地よい。
2-2.乗り心地
乗り心地は間違いなく良いと思う。僕が今まで乗ってきた25cタイヤの中で一番というくらい。
タイヤ全体……特にサイドウォールがしなやかで、路面の細かな凹凸を綺麗にいなしてくれる。路面への吸いつくような感じで、ロングライドの後半に効いてくる微細な振動が無くなるのだ。それでいて良く転がるので、走りの中に不快感がない。
しかし、アスファルトに空いた穴や歩道の縁石など、大きなギャップはあまり得意でないと思う。これは他の方のインプレで見ないので皆様が同じように感じるか怪しいけど、抜重やポッピングを失敗したときのガツンと来る衝撃はむしろ大きい方で、タイヤが跳ねる感じが強いと僕は思う。
古い舗装のような連続した小さい凹凸は綺麗にいなしてくれるが、吸収できるキャパを越えた大きな衝撃は苦手な印象だ。
2-3.グリップ
グリップ感は十分で、ヘアピンコーナーの連続でも安心して気持ちよく下れる。
ちょっと変な表現かも知れないけど、バイクを倒していっても「あ、ここまではちゃんとグリップが効くな」という感覚がしっかり伝わってきて、タイヤとの一体感を感じられるのが印象的。
ウェットな路面でもしっかりとしたグリップ。もちろんドライな時には劣るけれど、路面を捉えてくれる感じがあるのでしっかりと走れる。変にツルっと行きそうな感じがしない安心感が特徴だと思う。
2-4.耐パンク性
耐パンク性はやや弱いだろうか。コルサG+では累計8,000㎞くらい走っていて、5回以上はパンクしている(もっとかもしれない)。ロングツーリングに最低限の耐パンク性はあるとは思うが、それ以上でないのは確かだろう。
その全ては貫通系で、他のタイヤなら防げたのか?というのは分からない。しかし、タイヤ裏面への異物の飛び出し方やタイヤの裂け具合を見ると、シュワルベONEやコンチネンタルGP5000、4000SⅡにも劣るのでは?と思える節がある。
グラベルを走ってもサイドウォールに傷がつかないので、サイドウォールはそれなりに強そう。
2-5.寿命
寿命は長いほうで、積載が多くても前後ローテーションで4,000~5,000㎞は持つ。トレッドが劣化し薄くなるとパンクがしやすくなるから僕は5,000㎞弱で交換してしまうけど、5,000㎞を越えてもまだまだ走れそう。
価格は各社のハイエンドタイヤの中でも高い方だけど、寿命も長いのでそこまで割高ではないかな?と思う。
3.ちょっと一言
先にもちらっと書いたけど、コルサG+は現状の一番のお気に入りのタイヤだ。それは、コルサ程のしなやかな走行感が他にはないから。
僕はロングライドがメインで、「気持ちよく、どこまでも遠くへ走りたい」と思っている。その気持ちよさを支えてくれる1つがコルサの滑らかさで、必ずしも舗装が良いとは言えないコースでも、スーッと僕を前に運んでくれる。
単に転がり抵抗が低いとか軽いとか、そういう絶対的な性能値ではなく、走りのフィーリングのバランスが「気持ちよい」と思わせてくれる不思議なタイヤだ。
4.まとめ
ビットリアのコルサG+は、乗り心地やグリップの良いハイエンドタイヤ。もちろん転がりも良いので、スピードを求める場面にも使える。僕としては、特徴的な乗り味が気に入った1本だ。
加速時の掛かりが気になる方は、フロントをコルサに、リアを違うタイヤにするのも良いと思う。コルサのグリップや振動吸収性を活かしつつ、より軽い走りができるはず。
総合点は85/100点。パンクと大きな衝撃に強ければ、僕としては完璧なロングライド用タイヤ。
おわり
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