コスパ系のインナーとして、ここ数年で知名度を高めている「おたふく手袋」。圧倒的な安さと機能性の高さから、僕も日常的に愛用している。
そのおたふく手袋の「夏用インナー」の決定版(?)が、このボディータフネス・デュアル3Dファーストレイヤーだ。この夏使用してみて、感触が良かったのでレビューしていきたい。
<目次> 1.スペックと概要 2.各部詳細 3.いいところ 3-1.速乾&快適 3-2.使い方いろいろ 3-3.ガシガシ使える 4.気になるところ 4-1.カッティングが微妙 4-3.ちょっと暑い? 5.まとめ
1.スペックと概要
まずは簡単なスペックなどをご紹介。
・素材:ポリプロピレン65%、ポリエステル20%、ポリウレタン15%
・展開:ノースリーブ、半袖
・サイズ:S~3L
・カラー:ブラック、ホワイト
・価格:実売1,500円前後(2020/08時点)
・リンク:Amazon、楽天市場、おたふく手袋WEBサイト
このインナーは「シャツやインナーの下に着るインナー」で、肌からいち早く汗を逃がすことを目的としたウェアだ。おたふく手袋HPによると
シャツやコンプレッションインナーの下に着用するオールシーズン用ファーストレイヤー! 3D構造の2層ファブリックが、汗冷えやべたつきなどを軽減!(おたふく手袋HPより引用) |
だそうだ。
こういうメッシュ系の「インナーのインナー」は登山用のファイントラックのアクティブスキン、ミレーのドライナミックなんかが有名だった。保水せず、肌から汗を離すことを目的とした「0枚目のインナー」で、異質な見た目から「網タイツ」やら「鎖帷子」なんて言われてた。(笑)
自転車ウェアブランドだと、クラフトからこんなもの(下リンク左)も出ていたり。構造や目的は似通っている。
で、これらと同じ役割を果たすインナーをおたふく手袋が作ったのが「デュアル3Dファーストレイヤー」という訳だ。(下リンク右)
2.各部詳細
さて、続いては各部を細かくご紹介。購入したのはノースリーブでMサイズのブラック。いちおう半袖の方も買ったけど、半袖ジャージの下に着ることを考えると、ノースリーブが一番使い勝手良いかな?と思う。
特徴は何と言ってもこのメッシュ系の生地。肌面が水分を含まないポリプロピレン製のメッシュ、外面が速乾性のあるポリエステル製になっている。この構造が肌から汗を離し、快適性を保ってくれるらしい。
こうして手を裏から出すと結構透ける。ただ実際に着てみると、裏側から光が当たらないので殆ど透ける感じはしない。
生地の伸びはそこそこで、おたふく手袋のチャート表だとコンプレッション性が「3/5」、ストレッチ性が「4/5」。サイズはピッタリかやや小さめのMを選んだが、思っていたより締め付けのない緩い着心地だった。
着てみるとこんな感じ。僕は身長177㎝、体重65㎏、胸囲89㎝、ウエスト74㎝(自分で測っているのでたぶん誤差アリ)、着用サイズはM。
他のおたふく手袋インナーはLを着ているけど、こちらはMを選んでみた。全体的に言えばちょうどいい感じだけど、ロードバイクに乗るのを考えるとウエスト周りが緩いのが気になるところ。
特殊な表面のウェアだが、お手入れは洗濯ネットに入れて普通に洗濯している。現状特に問題はない。
3.いいところ
ここからは、実際に使ってみての感想をいろいろと。まずはいいところを3つ挙げていきたい。
3-1.速乾&快適
何と言っても、この商品のウリである「速乾性」と「快適性」。1,500円で買えるインナーとは思えないくらい良い。
僕は相当な汗っかきなので、夏ロードバイクに乗ればそれはもう汗でびちゃびちゃになる。(笑) それでも外を走っていると確かに乾きがいいし、それにより快適性も高い。
ローラーをする時は、特にこの快適性を感じる。ローラーでは床に汗だまりが出来るくらいなのでウェアは何を着ようがぐっしょり濡れてしまうが、その不快感がデュアル3Dファーストレイヤーは少ないのだ。
扇風機の風にヒヤッとしたり、ウェアが肌に張り付いて気持ち悪かったりすることがかなり少ないし、ウェアの上からタオルで拭くと汗を吸い取れて「濡れてる感」を軽減できる。メッシュ構造のお陰で、よく汗を肌から離してくれるためだろう。
3-2.使い方いろいろ
この手のメッシュ系インナーは、サイクルジャージや他のインナーの下に着るのが基本的な使い方。夏ライドの時、半袖ジャージの内側に着ている。
先ほど書いた通り汗を肌から離してくれるから、外側のウェアに汗を逃がしてくれて快適性が上がる。「インナーのインナー」的な使い方も出来るだろう。
他には、ちょっと邪道かもしれないけど、(↓)の様にデュアル3Dファーストレイヤー1枚で走ったりも。ジャージと2枚重ねよりこっちの方が涼しいので、真夏はこのスタイルがメインだった。
ロングライドではこういう使い方はしないけど、1~2時間近所を流すようなライドなら気楽だし涼しくていい。速乾性は上にもう1枚速乾インナーを着た方が高いらしいけど、僕の体感ではデュアル3Dファーストレイヤー1枚の方が乾くと思う。(それに、サイクルジャージの半袖日焼けを緩和できる。笑)
他社のメッシュ系はもっと透けるので1枚で外に出るのは気が引けるけど、おたふく手袋のこれなら許容範囲ではないだろうか。
3-3.ガシガシ使える
ウェアは消耗品なので、どんなに大切に使ってもいずれボロボロになるし買い替えなきゃいけない。高級なウェアだと「その辺をサクッと走りたい」という時に勿体なくて出し惜しみしちゃったりするけど、1着1,500円なら気にせずガシガシ使える。
特に高性能インナーは、どうしてもほつれやすく短命になりがちだ。
1シーズン使ってみてまだ大丈夫だから耐久性は十分だと思うものの、やっぱり引っかけ等で何カ所かほつれも出てきた。
それでも、精神的ダメージは少ないし最悪シーズンごとに買い替えてもいいと思える。コスパ最強のおたふく手袋ゆえの感覚だ。
日々のトレーンングでも、ちょっと気晴らしのサイクリングでも、日常的なシーンで気軽に使い倒せるのが嬉しい。お手入れが面倒だったり傷汚れを気にしたりするとライドが面倒になっていくので、こういう実用性も大切だと思う。
4.気になるところ
もちろん完璧な製品などなく、「もっとこうだったら良いのに……」と思う部分もある。個人的な意見なので参考程度にだけど、僕なりに気になるところを2つほど。
4-1.カッティングが微妙
サイクリング専用ウェアでないので当然かもしれないが、カッティングが普通なのでロードバイクのような前傾姿勢の強い使用には微妙な部分もある。
具体的には、「後ろ裾が短いこと」と「フィット感がやや足りないこと」。
皆さんご存知の通り、ロードバイクのように前傾姿勢が強くなると、裾の後ろ側が足りなくなって背中が出てしまう。もちろんサイズの選び方にもよるだろうけど、僕がMサイズを着ていると背中側がギリギリ足りないのが残念。フィット感についても、ロードバイクに乗るならもっとピッタリ着たいところ。僕がやや細身なせいもあるものの、身長177㎝で一番小さいSサイズだと丈的に厳しかったり……。
サイクリングウェアでないものにカッティングを求めること自体が間違っているとは思うけど、やっぱり一番惜しいと感じる部分だ。
4-2.ちょっと暑い?
速乾性があるし汗抜けも凄くいいんだけど、ウェアとしての純粋な「涼しさ」でいうとあと一歩欲しくなる感じがする。
日陰のない35℃前後を走っているといかに走行時の風で体を冷やせるかにかかってきて、ウェアの薄さというか、風抜けの良さが求められる。その点、もっと風通しが良かったら最高だな……なんて。
いや、誤解のないように書いておくと、普通に涼しい部類のウェアだと思うし、必要なレベルを満たしていて実用上の不満はない。ここで言う「もっと風通しが~」というのは、「○○なら無敵になれるよね」という様なニュアンスだ。
5.まとめ
以上、おたふく手袋のデュアル3Dファーストレイヤーをご紹介してみた。速乾性があり、汗を逃がしてくれる構造のお陰で快適な状態を保ってくれる。
総合的に言って、価格からは考えられない機能性があり、汗を大量にかく夏場には特に重宝するインナーだ。もちろん「インナーのインナー」としてオールシーズン使えるし、ガシガシ着回せる実用ウェアでもある。
日々のライドのお供に、おすすめできる商品だ。
おわり