冬に限らず、春先や秋口の冷え込み、夏場のサイクリングロードの羽虫地獄・日焼け対策など、サイクリングにおいて口元を手軽に覆えるギアは重宝する。新型コロナウィルスの蔓延する現在においては、休憩の際にサッと口元を覆えるマスク代わりとしても非常に便利だ。
今回は、僕が四季を通じて愛用している薄手のネックウォーマー『Buff L.W.メリノウール』をご紹介したい。
<目次> 1.薄手のネックウォーマーが欲しい 2.Buff L.W.メリノウールのスペック 3.いいところ 3-1.息がしやすい 3-2.程よい保温性&冷たくない 3-3.小型軽量 3-4.耐久性がある 4.残念なところ 4-1.高い 4-2.入手しにくい
1.薄手のネックウォーマーが欲しい
「ネックウォーマー」というといかにも「冬用の防寒具」というイメージが先行するが、「首や顔を手軽に覆えるもの」という認識に改めると、その活用シーンは冬に限定しない。
皆さんも春~秋のサイクリング中で、サッと顔を覆えるものが欲しくなる経験はあるのではないだろうか?
例えばこんなシーンだ。
・河川敷の羽虫が顔に当たったり口に入ったりするのが嫌
・ナイトライドやダウンヒルのちょっとした寒さを防ぎたい
・畜産地帯でちょっと匂いがキツイから口鼻を覆いたい
・コンビニ等に立ち入る際、新型コロナ対策に、マスクのように口元を覆えるものが欲しい
…etc.
そんな時に活躍するのが、今回ご紹介する「Buff L.W.メリノウール」。数年前に送料無料の為に購入してみたところ、かなり使い勝手が良く大人買いリピートしてしまった。(笑)
薄手のネックウォーマーは他にもいろいろな製品があるけれど、こいつはそれらとは少し違っていて。何がどう違って良いのか、この先語っていきたい。
2.スペックと特徴
まずは、簡単なスペック紹介と特徴から。
「Buff lightweightメリノウール」は、その名の通り『薄手のメリノウール製ネックウォーマー』。
「Buff」というブランド(商品名にもなっている)はアウトドア好きならご存知の方も多いかも知れないが、主に薄手かつ多用途のネックチューブを手掛けている。ネックウォーマー、マスク、キャップ、髪留めなど使い方は自由で、1つあると便利なヤツだ。
で、今回ご紹介する商品はその「メリノウール版」。Buffやその類似品はポリエステル製が殆どで、メリノウール製となると厚手の厳冬期用ばかりになる。そのどちらでもない、「薄手かつメリノウール製」というのがこの製品の特長だ。
生地感は所謂メリノウールのふわふわ系。肌触りは優しく柔らかい。縫い目は上下の端のみで、ゴワゴワやチクチク感は全くない。厚みはかなり薄くて、光に透かせば後ろが見えるし、顔に近づければ周りが見えるくらい。
長さは公称で66㎝あるが、洗って使っているせいか平置きで60㎝くらい。良く伸びるので、伸ばせば70㎝は越えるだろうか。薄くて柔らかいので、使用時はくしゃっとなって長さが気になることはないと思う。
3.いいところ
では、このBuff L.W.メリノウールの何が良いのかを詳しく。
3-1.息がしやすい
まずは何と言っても、「口と鼻をふさいでも息がしやすい」こと。この手の商品にありがちなポリエステル製と一線を画すポイントでもある。
ポリエステル製の方が良く伸びて顔面へのフィット感が高いのはいいけれど、汗と吐息でぐっしょり濡れてしまう走行中は、それがかえって薄い水の膜が口と鼻を覆うことになり、呼吸が辛くなってしまう。ひどいときは、まるでビニール袋を被っているかのような苦しさに襲われた。
しかし、Buff L.W.メリノウールはふわっとした素材感なので、汗と吐息で濡れても口や鼻のあたりに空間ができ、比較的楽に呼吸できる。もちろん何もつけない状態には遠く及ばないが、それでもポリエステル製のネックチューブよりも遥かに呼吸がしやすい。
フィット感がやや緩いので、頭の小さい方は口元まで上げても直ぐずり落ちてしまうかも知れない。
そんな時の一番のおススメは、サイクリングキャップを前後逆さにかぶっておき、後ろに来たツバを立ててネックウォーマーを引っかける方法(上の写真参照)。あらかじめキャップを逆に被っておかなければいけないけど、ちょうどいい感じになるので気に入っている。
他には、①鼻の上にくる部分を1~2回まくる、②首のうしろでひっくり返す、と言う方法もある。①は使いやすくて手軽なのでコンビニ入店などで、②はネックウォーマーが濡れてずり落ちやすくなってきたときに有用。
*ちなみに、ヘルメットを被ったままでも伸ばせばギリギリ着脱可能。
3-2.程よい保温性&冷たくない
もちろんネックウォーマーとしての役割もしっかりしていて、メリノウールなのでそれなりに保温性もある。
この保温性が「ちょうどいい具合」で、例えば夏場の標高の高い場所、春秋の朝夕、汗冷えが気になるダウンヒルなど、「ちょっと肌寒い」くらいのときに快適さを与えてくれる。(逆に言うと、30℃を越える夏の昼間は流石に暑い)
上の写真でも、見辛いけどこのBuffを付けている。首元に下ろしているときは、クシャっとなって厚い保温層を作り襟もとから入る冷気をシャットアウトしてくれるので、見た目以上に温かさを感じると思う。インナーを一時的にハイネックにするイメージだ。
そして「汗で濡れても、肌触りが冷たくなりにくい」というのも、メリノウール製ならではの特徴。薄手のポリエステル製だと水分を吸った状態では水分が直に肌に触れてヒヤッとするし不快だけど、メリノウール製だとその不快感がかなりマイルドになる。これは、高性能インナーで汗冷えしにくい理由にも似ている。
ヒルクライムで汗を吸ったのちダウンヒルで使いたい、雨に打たれて冷えているので暖を取りたい、といったシーンでの使用も多いはずで、その時の快適性が違うというのが、僕がこのBuff L.W.メリノウールが好きな理由の1つ。
3-3.小型軽量
もちろんライドに持って行く以上、小型軽量でなくてはならない。その点も、このBuff L.W.メリノウールは優秀だ。
重さは1つ47gなので、正直バックに入っているか分からないレベル。
畳んだサイズはΦ3×10㎝くらいの円筒形に収まるし、柔らかくて壊れないからパッキングのちょっとした隙間にねじ込むことも出来る。汗で濡れるからおすすめはしないけど、サイクルジャージのバックポケットにももちろん余裕で入る。
ライドによく持って行くセット。このお手軽感がいい。
3-4.耐久性がある
耐久性についても実用上問題ないレベル。最初に買った1つはかれこれ2年近くオールシーズン使っているけど、ロゴが消えかかって少しヨレてきたものの、ほつれや穴あきはなくまだ十分使える。
お手入れは30℃のぬるま湯で手洗い。僕の使っているものは色落ちはほぼ無いし、実は洗濯機でも何回か洗っているけどそれなりに平気そうではある(もちろん痛みは速くなるはずだけど)。それなりに速く乾いてくれるし、日常的に使うものと考えても悪くない実用性だと思う。
余談だけど、冬季北海道ライドでもBuff L.W.メリノウールを使っている。厚手のネックウォーマーを外側にして、Buffの方はインナーのような感じでライド中~テントでの就寝時まで洗濯以外つけ続けていた。メリノウールは汗臭くもなりにくいし、こういうエクストリームな使い方にもバッチリ対応している。(笑)
4.残念なところ
最後に、残念に思うところを2つ。と言っても、無理にひねり出したようなものだけど…。
4-1.高価
どこで買うかにもよるけど、Buffというブランドもあってそれなりに高価だ。国内通販だと1つ4,000~5,000円、海外通販(現状Trekkinnが品ぞろえ豊富)なら2,000円くらいからあるけど、送料を加えると結局4,000円近くなってしまったりする。
「たかがネックウォーマー1つに4,000円は高いよなあ…」というも正直な感想。
公式HPだと、本体価格で円換算がだいたい2,500~3,000円くらい。
河川敷の通学ライドからロングライドまで、しかもオールシーズン使えると考えればまぁそんなものか…と思えなくもないけど、せめて送料込み3,000円以内ならと思う。
4-2.入手しにくい
高価なのに加え、国内だと手に入りづらいというのもネック。手にとると質感が分かって買いやすいとはおもうけど、僕は今まで実店舗で見たことがない。一応海外通販ならそれなりに選択肢もあるけど、時期によってはすぐに売り切れになってしまったりもする。
カラーバリエーションも豊富で嬉しい反面、欲しいと思っていた色が売り切れで萎えることもしばしば…。それもあってつい大量に買い込んでしまった。(笑)
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以上、僕が愛用しているBuff L.W.メリノウールについてご紹介してみた。僕はもうこれ無しでツーリングは考えられないくらい気に入っていて、季節問わず使い込んでいる。競技系の方々には合うか分からないけど、ブルべやロングライド系の方々には相性がいいんじゃないかな?と思ったり。
使っている人をまず見ないから幅広く受け入れられるものなのかは分からないけど、ご興味ある方はお試しあれ。
おわり