ツーリング記

自転車での年越し宗谷岬ライドまとめ|931㎞/6日間の記録

去年の話になってしまうけど、僕は2018→2019年の年越し宗谷岬に自転車で参加した。

苫小牧港⇔宗谷岬の往復を走っているので一般的なものより距離は長くなっているが、冬の北海道ツーリングの一つの形としてまとめていきたい。この記事では、僕の行った年越し宗谷岬ライドの概要をまとめたうえで、各日の記録や装備/ノウハウなどの詳細記事リンクを集約する。気になるトピックスについては、詳細記事も併せてどうぞ。

<目次>
1.ルート
2.装備
3.費用
4.走行記録
5.年越し宗谷岬はどうだった?
6.最後に

1.ルート

年越し宗谷岬はそれ自体を目的にして走る人が多いけど、僕はその逆。年越し宗谷岬は通過点的なイベントに過ぎず、冬の北海道を走るのがメインで、その一環として年越し宗谷岬に参加した。それにより、走行距離は少々長めになっている。

走行した軌跡はこちら↓

走行データ

・走行距離:931㎞

・獲得標高:5,680m

・走行期間:約7日(12/27~1/2)

 

出発地は仙台を拠点にしていて、仙台~苫小牧は太平洋フェリーを利用。

走行ルートは、苫小牧→岩見沢→富良野→十勝岳温泉(北海道道路最高標高)→旭川→音威子府→天塩→オロロンライン→宗谷岬。帰りは、宗谷岬→天塩→留萌→滝川→岩見沢→苫小牧。

詳しくは「4.走行記録」で日ごとに紹介しているが、宗谷岬までは年越し宗谷岬までの期間で十勝岳やオロロンラインなど、行きたい場所への寄り道をたくさんした。逆に年越し宗谷岬の後からは、フェリーの時間に間に合わせるために限界帰宅ライド380㎞。早さ優先で一直線に苫小牧まで走っている。

天候はあまり優れない日が多くて、晴れ間を見たのは数時間。基本的に曇り空か雪に打たれていた。この時期の僕が通ったルート(苫小牧~宗谷岬)は基本的に雪が多いらしいので、毎年のことの様だ。晴れが良いなら道東(冬の道東は翌年走った)の方がいいだろう。

気温は0℃~-15℃くらいで、そんなに冷えたことはなかった。きちんとした装備で走ればそれほど寒さは感じないので、寒さよりも、雪道の走行抵抗と風が強に苦しんだ。

 

2.装備

バイクはこの年越し宗谷岬ライドの為、ドロハンに改造したMTB。

苫小牧港にて

シマノ油圧ディスクの1×11速。ドロハンMTBながら、ロードバイクに近いポジションとジオメトリを再現している。

タイヤはスパイクタイヤのシュワルベ:アイススパイカープロ。ドロハン化の過程はこちらの記事にまとめているので、詳しくはリンク先からどうぞ。↓

 

ウエアや持ち物については、今回はテント泊でのロングツーリングなので、年末の北海道を走れる装備+野営装備。ベースは冬山登山に使うものだちから選んだけど、ポイントはとにかく持ち過ぎないこと。バイクパッキングで挑んでいるため積載に余裕がないのもあるが、脚が速い方が結果的に安全であるという考えに基づいている。

具体的にどんな危険を想定して走ったかや、何を持って行ったかはこちらをどうぞ。↓

 

3.費用

続いては費用。かかった費用は基本食費とフェリー代だけなので、大まかには

・食費:1日3,500円×7日=24,500円

・仙台⇔苫小牧フェリー往復:約20,000円

合計約44,500円。

食事はほぼコンビニ食だけで、軽く火を使って煮炊きもしたが大した出費ではない。雑費を含めても50,000円は行っていないと思う。宿泊も道の駅にお願いしてテント泊させていただいているので何泊しても0円だ。

僕は食費にお金をかけるならその分装備を良くして長く遠くへ行きたい派なので、このようなお金の使い方になっている。

 

4.走行記録

ここからは走行記録を日ごとに簡単にまとめていく。それぞれの日の様子もブログに書いているので、気になる日はぜひチェックしてみて欲しい。

1日目:苫小牧~三笠

お昼にフェリーが苫小牧港に到着。いよいよ年越し宗谷岬ライドスタートだ!

序盤は雪が少なく肩透かしだったが、岩見沢から積雪が一気に増して面食らった。雪道での安全な走行や今後のスケジューリングなど、初日から色々考えさせられる結果となった。

◎記事はこちら↓

 

2日目:三笠~富良野~十勝岳温泉

年越し宗谷岬ライドの目玉に据えていた、北海道の道路で一番高い場所:十勝岳温泉へ。標高差1,000m以上のヒルクライムは大変だったが、大きな達成感と明日以降への自信にもなる一日だった。

◎記事はこちら↓

 

3日目:富良野~旭川~音威子府

予定よりも少々遅れ気味だったペースを取り戻すべく、音威子府までの170㎞を走行。途中晴れ間も見えて綺麗だったものの、年越し宗谷岬ライド始まって初めての吹雪も経験。体力の限り先へ先へ進んだ1日。

◎記事はこちら

 

4日目:音威子府~オロロンライン~宗谷岬

目玉の2つ目:オロロンライン。晴れていたら利尻富士も見られて最高なんだけど…あいにく暴風の向かい風。

思いがけない大きな峠がド平坦路に現れたが、宗谷岬を目指して必死に走った。そのかいあって無事稚内に入り、宗谷岬に到着することが出来た。

◎記事はこちら

 

5日目:年越し宗谷岬

すごい人数…!

いよいよタイトルの「年越し宗谷岬」。

厳冬期アメリカ横断のタマプロさんや、旧:サイクリングマンさんらとも合流し楽しく北の端っこでキャンプをした。

◎記事はこちら↓

 

6/7日目:宗谷岬~留萌~苫小牧

フェリーに間に合わせるため、ペースを一気に上げて限界帰宅ライド。長距離の雪道を、深夜から走りぬいた。疲労と闘いながらのロングライドだったが、何とか走り切ることが出来た。

◎記事はこちら

 

5.年越し宗谷岬はどうだった?

で、年越し宗谷岬ってどうだったのよ?というのを、あえて1年経った目線から書いてみたい。

まず、あれだけの数の「ちょっと変わった人」が集まる機会はあまり無いので、そういう意味で貴重な機会だと思う。僕はタマプロさんや旧サイクリングマンさんらと会う約束で行ったが、他にも自転車で来ている方はいた。年越し宗谷岬にあまり興味がなかったのと、限界帰宅ライドの為に休養したかったので殆ど交流をしないでしまったが、今になってみると少し勿体ないことをしたかなと思う。

また、「日本最北端での年越し」というワードのインパクトと伝わりやすさは、話のネタとしては面白い。僕のことや自転車をよく知らない人にも、旅系の話題として話す分にはウケやすい気がする。あくまで副次的な部分でしかないけど、1年経った今になるとそういう効果も感じる。

気づけばテントも沢山

危険度や必要となるレベル感は、その年の天候によってかなり異なるので何とも言えない。それでも、冬山登山を基準に考えればそこまで危険ではないし簡単で、人もたくさんいるので安心感があると思う。とはいえあくまで「冬山登山に比べれば」という話で、準備を怠ったり軽い気持ちで行っていいものではない。

参加者が増えるにつれて色々な問題点も出ていて、北海道の交通事情の妨げになってしまったり、テント用のペグを残したままにしたりと苦情の声も聞く。アウェーな存在である僕らは多数決で負けてしまうし、生活をしてらっしゃる方々の基盤があってこそ成り立っている遊びであることを忘れてはいけない。楽しみを守る為にも最大限の配慮と努力が必要だと思う。

 

6.最後に

近年注目を浴びて、参加者も増えている年越し宗谷岬。変態が集る面白い場所だけど、あくまで世間から見たら異端で理解を得られないもであるという認識は忘れてはならないと思う。

そのうえで、実際に人が集まるくらいだがら面白いし、気になる方は行ってみては?と思う。もちろん中途半端な想定や装備で挑むのはもっての外で、自分なりに詰められるところはとことん詰めて挑戦するべきだ。

万人にお勧めはできないが、1年たった今振り返ってもいい思い出になっている。この記事が年越し宗谷岬に挑戦する方の参考になれば幸いだ。

おわり

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