ツーリング記

北海道最高の峠「三国峠」と3位の「石北峠」を連続ヒルクライム!ー冬北海道ライド&登山⑤

昨日は通りすがりの方に2度も助けて頂き、何とか先へ進むことができた。

今日はこのツーリングの目玉である三国峠のヒルクライム、そして糠平湖での湖上ライドという楽しみもある。優しくはないコースだが、先行きやいかに。

<目次>
1.糠平湖で凍結湖上サイクリング!
2.三国峠
3.石北峠を越え北見へ
4.膝の激痛とネットカフェ

1.凍結湖上サイクリング!

貸して頂いた牛舎で目覚め。外は強風でかなりの轟音を立てているが、お陰で快眠することが出来た。強風のテント泊は、テントの壁を誰かにバンバン叩かれているような感じになってよく眠れない。まぁそれにも慣れたけど、やっぱりよく眠るに越したことはない。

今日は少し距離を伸ばす必要がありそうだったので、暗いうちからスタート。朝焼けを眺めながらのウォーミングアップ。

バイクパッキングの良いところって、シルエットが自転車らしくてこういう写真がカッコいいところだと思う。

やや緩い登りが続く平坦路なので、DHバーが活躍した。速度域はロードバイクよりも低いしその分効果は薄いんだけど、同じパワーでも効率よく進むことが出来るのは大きなメリットだ。

道東側に入ってからは路面がドライな場所が多くて、道を選べば普通にオンロード。これならロードバイクで走りたいなぁと、ガラガラいう重いスパイクタイヤを見て思う。

まず目指すは三国峠手前にある糠平湖(ぬかびらこ)事前情報によると凍っているらしく、今なら冬の北海道らしい「湖上サイクリング」が楽しめるからだ。去年の冬に写真で見て、自分もやってみたいという気持ちが凄く強くなった。今回のライドの隠れた目的でもあったり。

天候はばっちり。そして糠平湖に着くと…

これは…!

『 完 璧 !!』

青空に、どこまでも続く凍った湖。しっかり凍っているので、自転車で走っても大丈夫。ワカサギ釣りの方もちらほら居たので、安心して走ることが出来た。

そう…僕はこれがしたかった!!

別にどこまで走るとか走ったから何という事じゃないんだけど、「凍った湖の上を走る」ってだけでなんかロマンがあるじゃないですか。(笑)

意外と積雪もあって、雪がたまっている場所ではハンドルが取られる。思いっきり走りを楽しむならファットバイクがよさそうだなぁと思ったり。

それでも、一つ夢が叶ったので良し。晴れてくれて良かった。

 

2.三国峠

続いてはそのまま先へ進み、三国峠のヒルクライムへと移る。天気は相変わらず良いが、風がそこそこ吹いているので雪が舞う。

交通量は少なく路面も標高600mくらいまではほぼドライ。凄く気楽に走ることが出来た。

全体的にかなり斜度が緩い峠なので、Wolftoothのタンパンでわざわざ導入した46Tの出番がない(笑)。これならチェーンリングをもっと大きくするか、11-42Tくらいのスプロケにしておくんだったかなぁ…。

風で雪が舞って展望はそれほどないが、空は晴れているので遠くの稜線も見えた。スマホは圏外や3Gになってばかりで、山奥なんだなあと実感する。

嬉しいことに車は殆ど見なかったので、のびのび三国峠クライムを楽しむことが出来た。やっぱりこのくらい余裕をもって走れるといい。

標高700mくらいからアイスバーンも多くなり、スパイクタイヤが活躍。そして更に標高を上げるにつれて気温が下がり風も強くなっていく。標高800mを越えたくらいからは、雰囲気というか、空気感が冬山のそれの様だ。空や太陽がやけに近い感じがする。

標高900mからは、時折突風が吹くので乗車が難しい区間もちらほら出てきた。特に最後の橋の上はものすごい風で、走れるレベルじゃないので押し歩き…。というか、歩くのだって結構大変なくらい。まあそれでも、冬登山で経験した厳しさよりもマシだし、車も来ないので楽ちんだ。

最後の九十九折をこなして、、到着!!

北海道最高標高の峠、三国峠をクリア。一つの山場に見据えていた峠を無事に走ることが出来た。

去年の冬には北海道の道路最高標高(三国峠よりも高い)の十勝岳温泉にもヒルクライムしているから、両方の「最高標高」を制覇出来たことになる。そんなに拘ってもなかったけど、こうしてみるとなんか嬉しい。

記念撮影を済ませると、そのまま大雪湖の方向へ下っていく。路面はこちら側の方ががっつりアイスバーンで、スパイクタイヤじゃないと走行は不可能だろう。登山靴で立つのもちょっと怖いくらい。

ダウンヒルはめちゃくちゃ寒いので、ゴーグルを装着。登りはサングラスで、下りはゴーグルというのが一番良い方法な気がする。途中道路工事のお兄さん方に応援されながら、数百m分を下っていった。

アイスバーンのダウンヒルはスパイクを効かせていく独特の感触があって、それが結構楽しい

たぶんこれは僕の装備との相性がいいのもあって、タイヤが太い&サスペンションがあるお陰でロードバイクよりもアバウトに走っても大丈夫。ダウンヒルを見据えて導入したフレアハンドルも使い勝手が良かった。こういう風に、装備が的確にハマっていく感じがたまらない。

大雪湖まで降りてきた。川は流石に凍っていないようだ。

 

3.石北峠を越え北見へ

大雪湖から北見方面へ向かうルートは石北峠が一般的で最短だが、その石北峠は交通量が多いという情報を前日の夜にフォロワーさんからいただいていた。

昨日の日勝峠での大失敗もあるから、同じ失敗は繰り返さないように最大限の配慮をして臨んだ。

SCW天気とライブ情報で風向きと天候を確認。天候は相変わらず良く、風はやはり強いようだ。しかし、風向きがこちらからの登りと同じ方向。そして背後に高所帯はないので、パウダースノーが舞って視界不良になる可能性は低いと考えた。仮に視界不良になったとしても、おそらく最後のほんの少しの距離だけ。そしてダウンヒルに移行してしまえば、追い風基調で早急に高所をクリアできる。さらに、雪の少ない道東側へと抜けるので、風で雪が舞う区間は登りのそれよりも圧倒的に短いはず。

事前に地吹雪で視界不良が想定される区間には、中央分離帯等の要注意区間は少ないことを確認していた。だからあとは交通量のみ。交通量は最後の分岐で確認したが、日勝峠の5分の1以下。多少の誤差はあるにせよ、これならかなり走りやすいことが予想される。それらの理由から石北峠を迂回せずにまっすぐ北見へと向かうことにした。

予想はすべて的中。風は強いものの走りやすく、危険を感じることなく石北峠のクライムを終了することが出来た。安全な走行が出来ないとなるとこの先の北海道ライドも難しくなるが、これなら自信をもってこの先を走ることが出来る。

1つ安心するとともに、読みが綺麗に当たったことが嬉しかった。ルートがあらかじめ決まっているブルべや停滞が自由な旅では味わえない、ロング・ファストツーリングの醍醐味の一つだとも思う。海外で人気なグランドコンチネンタルレースや、ジャパニーズオデッセイのような楽しみ方が、僕の遊びに一番しっくりくる気がする。

冬の北海道の走り方について僕が思うところはこの記事にまとめているので、よろしければどうぞ。↓

 

4.膝の激痛とネットカフェ

ダウンヒルも終わり、平坦区間へ。北見市街までは少々距離があったが、ルート上で唯一のネットカフェがあったので、回復の為に少し無理しても北見まで行きたいところ。DHバーをメインに使いつつのんびり流す。

…と、北見市街まで残り30㎞というところで、右膝に痛みが発生。はじめ痛みはそれほどではなかったが、なんとなく良くなさそうな感じがあった。ヒルクライムで頑張りすぎたかなと思い、緩い下り~平坦なのでパワーをセーブしながら走っていく。

しかし、どうにも痛みが増していった。クランクを1回転するたびにじわじわと悪化していくような感覚があって、5㎞おきに自転車を降りて休憩&ストレッチで何とかやり過ごそうとした。

が、それもダメ。最終的にはペダルに脚を載せているだけでも強い痛みが出るようになり、時折痛みに悶える。

頼むぜ全く、こんなところで…。

この手の痛みは以前にも経験している。山岳部の冬山で腰~胸のラッセルを1日やって、そのあと200㎞のライドに出掛けた時のことだ。原因は脚の使い過ぎ、痛みを我慢して乗ったせいで相当悪化した。その後数日は歩く事さえ辛く、1カ月は自転車に乗れなかった。

ここで無理したらこの後の予定全てが水の泡になるのが目に見えていたので、おとなしく走るのを辞めて歩道の押し歩きに切り替える。幸い快活クラブは数㎞先だ、今日はゆっくりそこで回復することにしよう。

快活クラブに到着。最近快活クラブは鍵付き個室なるタイプのブースを設けている店舗もあって、その雰囲気はもはやホテル。こんなところに泊まって良いんだろうか…?(笑)

ブース内も快適。PCもWi-Fiも電源もあって、ドリンクバーもあり、無料のシャワーとランドリーまで完備。それでいて12時間いても2,750円。正直、僕にとってはビジネスホテルよりも居心地が良かった。

温かい寝床が久しぶりで逆に調子が狂う。ついついダラけてしまうし、気が緩んで走る気がなくなってしまう。(笑)

なんだかヌル過ぎる気がしなくもないが、今は膝の回復の為に出来ることを精一杯するしかない。なるべく長時間の休息を取りたいし、それなら寒いテント内よりもこういう場所の方が圧倒的に回復できるのだ。

ここまで痛むときには、下手にストレッチしようとするよりも安静にして置いた方が良かったりする。右膝に良くなってくれよと願いを込めながら、ゆっくりと眠りについた。

つづく

走行距離:189km、獲得標高:1,887m

冬季北海道ライド&登山の各日の記録/まとめはこちら

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