ツーリング記

吹雪と斜里岳登山への準備ー冬北海道ライド&登山⑦

昨日の晴天とは打って変わって、今日は朝から雪が降っていた。

明日の斜里岳登山に備えて膝の痛みを少しでも回復させるため、距離は短く余裕をもって。荒天のなか、準備のための1日になりそうだ。

<目次>
1.斜里市街へ
2.ザックを受け取り買出し
3.根北峠クライム
4.積雪に絶望しつつ雪中キャンプ

1.斜里市街へ

今日はかなり余裕を持った行動予定なので、目覚めは夜明けと同時くらい。

昨晩に温泉に入って、ゆっくり休めたお陰か膝の具合は幾分マシだ。このまま今日一日安静にしておけば、明日の登山も大丈夫だろうか。今日で今までの回復分を台無しにしないよう、注意しながらのんびり走る。

まずは斜視の街へと走っていき、郵便局で羊蹄山から送ったザックを受け取る。ド平坦ルートなのでアップに丁度いい。

雪は降ったりやんだりを繰り返しているが、海に近づくにつれて風が強くなってきた。まだ時間が早く交通量が少ないので、今のうちに休める場所まで走っておかねば。

路面はアイスバーンがメインだった。

この辺りはアスファルト部分がガタガタなうえ、轍になって凍っていたので結構神経を使って走った。安易に走ってしまうとタイヤを取られて落車しかねないからだ。

程なくして斜里市街に到着。ちょうど駅前に来たときに吹雪だして、とても走れる状態じゃなくなった。写真でもこれだけ雪が映り込むときは、もうどうしようもないレベル。

郵便局はすぐそこだけど、こんな中外に出たくないので駅に併設されている観光案内センターで時間つぶし。。

幸いなことに時間はたっぷりあるので、天候が回復するまで待つ。荒天になるのが昨日じゃなくてよかったと思う。

 

2.ザックを受け取り買出し

しばらくして天候が回復したので、郵便局へ向かいザックを受け取る。このザックは3日目の朝に羊蹄山から送っていたものだ。

平日限定なのが惜しいけど、郵便局を使えば全国を必要最低限の荷物でツーリングできる。もしずっと冬登山用品を持ち運ばなきゃいけないとしたら、僕はこんな計画は立てなかっただろう。

ザックを無事受け取って、近くのコンビニで買い出し。これが明日の夜までで最後の買い出しになる予定だから、余裕をもって買い込んでおく。ザックの中身は殆どが食料(笑)

この先は携帯の電波も怪しいし、情報が入手できるのはここまでだ。明日以降の天気予報や、ダウンロードしておいた地図等を確認する。今日は見ての通り悪天候だが、明日は快晴かつほぼ無風とこの上ない登山日和になる予報だ。この予報にかけて登る。

実はこのツーリング計画の中で、僕が最も難易度が高いと感じ、緊張感を持っていたのがこれから臨む斜里岳登山だった。もちろん無事に帰ってくるつもりだけど、何があるか分はからない。僕は一つ覚悟を決めて、峠へ走り出した。

 

3.根北峠クライム

今回僕が選択した登山ルートは、冬季限定の「根北峠ルート」。マイナーではあるが、標高差も行動距離も少ないので、冬でも日帰りでの登頂が可能なルートだ。

山口となる根北峠へのヒルクライムまでが今日の最低ミッション。

根北峠は標高500m程度の小さな峠だが、悪天候で雪が多いので走行が困難だ。重たいザックを背負っているし、右膝を庇いながら走らなくてはならないので余計にしんどい。

事故に気を付けながら、ゆっくり確実に登っていく。

除雪車の往来が激しく、一般車と同じくらい除雪車を見たかも知れない。そのおかげで何とか走れているので有難いかぎりだ。除雪車のお兄さん方によく手を振っていただけて力が出た。

夕方前に、根北峠の頂上に到着。ここが登山口代わりにもなる。

 

4.絶望と雪中キャンプ

タイムスケジュール上は余裕があるし、懸念していた膝も回復してきている。明日の天気予報も文字通りの完璧だ。

しかし、尾根への道のりを見て、僕は少し絶望する。

予想よりも遥かに積雪が多い。そして雪質が重い…。

まずは除雪された高い雪壁を登りBCとなる場所を確保する。雪壁を自転車を担ぎあげて、安全な場所にデポした。その過程での積雪状況が、予測していたものよりも厳しかった。

流石にまずいと思い、暗くなるまでの1時間で行けるところまでラッセルすることに。

尾根のとりつきまでは標高差200m、距離3㎞とかなり平坦コース。尾根の手前までいけたら可能性あるかな…と思っていたが、もうそんな次元ではなかった。重たい雪に体が埋まり、太もも~腰くらいまで埋まる。登りのラッセルで太ももまで埋まっても、斜度があるから脚を抜きやすいし押しのける雪の量は意外と少なかったりする(それでも大変だけど…)。一方で、平坦でこれだと積雪がもろに負担になる。

1時間全力でラッセルして、結局500mも進まなかった。

ひとまず、雪中に整地してシェルターを設営。暖まって、冷静になって考える。

去年や一昨年の山行記録を見たが、こんな状況ではなかった。今年は本当に積雪が少ないから、その影響も受けているのだろうか?それとも、昨日と今日の天候のせいだろうか?とにかく、今の僕の装備と体力から登頂ペースを考えて、相当困難であることは明白だ。いくら明日天気が良くても、森を抜けることすらできない可能性すら十分ある…。

地図を見返し、地点ごとのタイムリミットを設定し直して頭に入れる。進んでいくにつれて歩きやすくなってくれれば、まだ可能性はなくもない。それにかけてみようじゃないか。

つづく

走行距離:47km、獲得標高:563m

冬季北海道ライド&登山の各日の記録/まとめはこちら

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