「登山用の大型ザックを送るにはどうしたらいい?」「そもそも160サイズを越えるものって送れる?」登山を趣味にする僕は、遠方への遠征の時にそんな疑問を持った。そこで、大手運送各社の対応を調べてまとめてみた。
*この記事は、記事執筆時点(2020年1月16日)の情報に基づいています。
<目次> 1.各社の「宅急便サイズ」上限 2.上限以上のサイズへの対応 3.登山ザックの養生 4.「手ぶらで登山」も可能?
1.各社の「宅急便サイズ」
そもそも普通に宅急便で送れる大きさの上限っていくつ?という話から。制限には3辺の合計と重量の2つがある。料金は発着地によって異なるので、各URLからどうぞ。
社名 | 3辺の合計 | 重量 | 料金表URL |
ヤマト運輸 | 160㎝ | 25㎏ | こちら |
佐川急便 | 160㎝ | 30㎏ | こちら |
日本郵便 | 170㎝ | 25㎏ | こちら |
こうしてみると、重量では佐川急便、3辺の和では日本郵政のゆうパックが少し有利。昨今の山でよく見る65Lくらいまでのザックなら、パッキングした状態でも殆どがこのサイズに収まると思う。
そして、発送・受け取り可能な場所も各社異なるので簡単にまとめておく。
*発送・受け取り場所
発送・受け取り先については、場合によってはコンビニでの発送や営業所/郵便局でも可能。営業所(郵便局)なら基本的にどこでもOKだが、コンビニは各社対応が異なる。
・ヤマト運輸
ヤマトの場合は、発送は「セブンイレブン/ファミリーマート/ニューデイズ/デイリーヤマザキ」から出来る。また、営業所宛てに送り営業所で受け取るのも可能。受け取り時には免許証/保険証などの本人確認書類が必要となる。
しかし、個人がコンビニを受け取り先に指定して送ることは不可能。帰りに自宅宛てに送り、不在の後コンビニ受け取りに変更することはできるが、例えば「遠征先のコンビニに送っておく」という事は出来ない。(通販から発送されたものや不在になったものなら、受け取りは「セブンイレブン/ファミリーマート/デイリーヤマザキ」から可能。)
さらに、対応しているのは3辺の合計が100cm以内、重量10kg以内に限定されている。このことも考えると、営業所を介して取引するのが現実的だろう。
・佐川急便
佐川はコンビニへの持ち込み発送・受け取りともに不可能。
・日本郵政
ゆうパックは、発送は「ローソン/ミニストップ/セイコーマート」から可能。また、郵便局宛てに送り郵便局で受け取るのも可能。受け取り時には免許証/保険証などの本人確認書類が必要となる。
受け取りは「ローソン/ミニストップ/ファミリーマートで元払いのみ可能」となってはいるが、個人がコンビニ宛てに送ってコンビニで受け取るのは残念ながら不可能。
また、コンビニ発送可能なのは3辺が100cm以内のみ。ザックを送れるかは微妙なラインなので事前にサイズを測っておいた方が良いだろう。
2.上限以上のサイズ
通常より大型のザック(90Lを超えるようなサイズ)になると3辺の和が160㎝を超えたり、パッキングすると重量が25㎏に収まらなかったりする。そんなときに使えるのが、次の上限サイズ以上の宅急便だ。普通の宅急便サイズを超えたら全く送れないのか?と思いきや、そうではない。大型荷物への対応もあるので、それをまとめていく。
①ヤマト運輸
ヤマト運輸で良さそうなサービスが「ヤマト便」。ヤマト便の制限サイズは「3辺の和が200㎝以内/30㎏以内」となっている。補足として、「1辺が170㎝を超えないこと」「上下逆さまにできないなど輸送状態に定めがあるお荷物は1辺の長さが100cmまで」等の規定もあるが、基本的な登山用品なら大丈夫だろう。
料金は少々割高になっている。詳しくはULR先へどうぞ。到着日時は「通常+1日」となるようなので、その点も注意が必要だ。
*ヤマト便はコンビニでの発送・受け取りが不可。営業所への持ち込みか集荷での対応となるので要注意。
②佐川急便
佐川急便には、大手3社の中で最強の「飛脚ラージサイズ宅配便」がある。制限は「3辺の和が250㎝以内/重量50㎏以内」。このサイズに収まらないザックは存在しないと思われるので、基本大丈夫だろう(これ以上は普通背負えない)
料金はこちらも多少割高。詳しくはURLからどいうぞ。
③郵便
残念ながら3辺の和が170㎝を超えるザックを運べるサービスはなく、スキー板用の「スキーゆうパック」やゴルフ用の「ゴルフゆうパック」のみ。また、25㎏を超える重量物も25~30㎏の「重量ゆうパック」というものしかかなった。
もともとの制限が170㎝と他社よりも大きい分、他の選択肢がかなり狭いように思う。最終的には持ち込んだor集荷依頼した先の郵便局が引き受けてくれるかどうかによるので、ギリギリのサイズなら希望はある。(経験談)
3.登山ザックの養生
で、実際に送るときはどうするの?というと、「基本的に傷が付かないように養生されていればOK」という様だった。
この時「傷が付かない」というのは、輸送中に自分のザックが傷付かないようにするだけでなく、他の荷物を傷つけないようにする必要もあるらしい。つまり、アイゼンやピッケル、ワカンなどこちらは傷つかなくても他の荷物を傷つける可能性があるものが表に出ていると断られてしまう可能性が高い。
また、きちんと各部を養生していたとしても、ピッケルなどを外付けしたままだと「途中で落ちてしまう可能性がある」「何かに引っかかる危険がある」とのこと。実際に営業所持ち込みの際には、テープで張ったり上から何かで覆ったりする必要があるといわれた。
僕が以前90Lザックを送ったときは、営業所にあるエアキャップを使わせていただいた(ヤマト運輸)。画像では分かりにくいけど、エアキャップの上からガムテープとバンドで固定してある。
実はこの時、ヤマト運輸のボストンバックカバーを購入しようと思っていたんだけど、合うサイズがないらしくこんな形になった。段ボールや大型の袋など各社何かしらの包装用具は営業所においてあるけど、サイズがザックに合うか分からないので事前に電話などで確認しておいた方がよさそうだ。
もしザックに余裕があるなら、送る際にエアキャップやラップ等で養生→そのままザックの底に入れて登山→また同じように養生して返送、もありかも知れない。
4.手ぶらで登山も可能?
車で登山に出掛ける際には関係のないことだが、電車やバス等の公共交通機関や自転車を使う場合にはなるべく荷物を減らしておいた方が何かと楽だ。重たく大きいザックを背負っての移動は疲れるし周囲に気も遣う。
例えば駅の近くや登山口に最寄りのコンビニ・営業所・郵便局を介してザックを送ってしまえば、行き帰りは自分は手ぶらでOKになる。その余裕ができれば、帰るまでの時間に観光をしたり他の遊びを楽しんだりと一気に遊びの自由度が増すはずだ。
僕の場合は自転車に乗るのが好きなので、自転車で登山に行き、用が済んだらザックを送って自転車で軽快な走りをして帰る、なんて遊びをしている。(記事はこちら↓)
いずれにせよ、ザックを送ることにより登山以外の遊びも同時に楽しめる。このアイディアが皆さんの楽しみを広げる手助けになれば幸いだ。
おわり