「サイクリング中に音楽を楽しみたい」という思いは多くの方が一度は持ったはず。イヤホンの使用は危険かつ禁止事項なので、スピーカーが必要だ。
今回は、Bluetoothスピーカー「Anker Power Core2」を、主にロングライドや林道走行の観点からレビューしたい。
<目次> 1.製品スペック 2.自転車への取り付け 3.良いところ 4.悪いところ 5.まとめ
1.製品スペック
まずは製品スペックから。
スペックはご覧いただいた通りだが、僕がこのスピーカーを選んだ決め手になったのが、24時間の長時間駆動とIPX7という高い防水性。
「ちょっとその辺を走る」くらいならもっと軽量で駆動時間が短いモデルでもよいが、僕はロングライドでも心置きなく使えるように駆動時間が長いものがよかった。また、当然雨に打たれることもあるので防水性は必須。IPX7は1mの水に30分沈めても大丈夫なレベルなので、その点も安心して使えるわけだ。
購入はAmazonにて。早速開封。
カラーは黒・赤・青の3色だが、無難に黒を購入した。
付属品は取扱説明書とコールセンターの連絡先、microUSBケーブル。
AnkerはAmazonを中心に販売しているブランドだけど、良く分からない中華製品と違って、作りもサポートもしっかりしている印象。モバイルバッテリーやケーブルなど今までに結構な数を買っているが、不良品もなく満足する商品を作ってくれている。
本体は全体が堅めのラバー素材。バイクにそのまま縛り付けても傷にならなそうだし、多少の滑り止め効果も期待できる。
表面にはさりげないAnkerのペイントがある。
裏面にもAnkerの文字。
ボタンは大きく凹凸があるので、走行中の操作も容易に行えそうだ。クリック感も確かなので、操作ミスの心配も少ない。
操作は簡単で、電源ON/OFFとBluetooth接続が長押し、音量+-と再生・一時停止が1クリック、再生ダブルクリックで次の曲。電源などが長押しなので、こちらも誤ってクリックしてしまっても問題ない設計。
端子はゴムカバーで覆われている。簡単に取れる感じではないので不用意にあくことはないだろうが、長期間使いこむと蓋と本体をつなぐ部分が千切れそうな気もする。この辺りは年単位で使わないと分からないだろう。
2.自転車への取り付け
僕はトップチューブに固定する方法を取っている。
形状が直方体なので取り付け場所はあまり選ばないと思うが、なるべく顔の近くの方が音楽が聞こえやすいし、手の届きやすい位置の方が操作しやすい。スピーカーの幅が狭いので、トップチューブに括り付けてもダンシングで膝に当たることがない。
バイクパッキングスタイルにも結構似合うと思う。↓
スピーカーを取り付ける向きは好みだろうが、音の出る方向を上にした方が音楽の聞こえが良いので僕はそうしている。ボタンは操作しやすい方(僕は右手)にしておくと完璧。一応この向きだと充電端子が手前側に来るので、走行中に充電も可能になる。
ハンドル周りにも取り付けできなくはないが、サイズ的にちょっと無理があるのでトップチューブに落ち着いた。また、トップチューブでも前側と後ろ側に取り付け可能だが、音の聞こえ方・操作性的に前側の方が圧倒的によかった。
取り付けに使っているベルトは、登山・クライミングで有名なBlackDiamondのスキーストラップ(下リンク左側)。もとはバックカントリーなどでスキー板を止めるために使われる商品だが、滑らないし緩まないのでバイクパッキングでも大活躍してくれる。
同じような商品でVoileストラップが自転車界隈でも有名で、こちらはカラーバリエーションが豊富。BlackDiamondの方が素材感がゴムっぽいのでより滑りにくい感じはするが、耐久性的にはVoileの方が上かも知れない。いずれにせよ、どちらも信頼できるベルトだ。
レビュー記事を投稿しました。気になる方はどうぞ!
3.良いところ
さて、続いては実際に使ってみて感じた良いところを。
音量
走行中は風の音が大きいので、実は結構な音量を出さないと音楽がちゃんと聞こえない。今まではスマホのスピーカーで音楽を聴いたりしたけど、ヒルクライム以外では音楽として楽しむことはできなかった。
SoundCore2は予想していたよりも大音量を出すことができて、その気になればトラックの多いバイパスとかでも音楽を聴くことができた。さすがにそれだと煩すぎるから、あまりお勧めはしないけど…。(笑)
一般的な速度で走っている限り、サイクリングにおいて音量MAXを出すシーンはないんじゃないかなと思う。そのくらい音量に余裕があるので、音も変に割れないし幅広いシチュエーションで音楽を楽しめる。
先日友人と福島ヒルクライム巡りをした際も、ヒルクライム中は友人と一緒に音楽を楽しんで走ることができた。複数人でサイクリングをする際にも活躍してくれそうだし、キャンプツーリングなんかでも良さそう。
また、人気のない林道サイクリングでは熊の心配も大きく、僕はこの夏だけで2回熊に遭遇している。熊よけには鈴が一般的だけど、音量や常に鳴ってくれることを考えると、鈴よりも優秀な熊よけにもなってくれるのではないかと思う。
使うなら森の中で…
*騒音迷惑に注意
走っているときにちょうどいい音量にすると、周りから見るとかなりの大音量になってしまう可能性が高い。近隣住民の方や通行人の方の迷惑にならないように、使いどころと音量にはくれぐれもご注意を!
操作性
先にも述べたが、ボタンが大きくクリック感があるので操作しやすい。ボタンの凹凸のお陰で見なくてもボタン判別が可能だし、冬グローブを付けていても操作できる。
また、音量+-と再生・一時停止が1クリック、再生ダブルクリックで次の曲と必要な機能が簡単操作できる。対して電源ON/OFFとBluetooth接続が長押しなので、こちらは誤ってクリックしてしまっても問題ない設計なのが嬉しい。
駆動時間
24時間連続駆動は伊達じゃなくて、音楽を流しているスマホのバッテリーの方が先にやられるくらい。(笑) 1泊2日の林道ライドでは惜しみなく使ったけど、まだまだバッテリーに余裕があった。
「どうせそんなに使わないかな…」とか思っていたけど、バッテリー残量を気にせず、聞きたいときに好きなだけ聞けるというのは凄くよかった。
僕は1週間近いライドもするので、そういう状況を考えてもバッテリーに余裕があるのは嬉しい。持って行くモバイルバッテリーにも限りがあるし、ライト等ほかに充電が必要なものも多いから、途中での充電を考えなくてよいのはありがたいのだ。
それにバッテリーは使っているうちに劣化するもの。普通に日常使いもするので、長い目で見ても活躍してくれそうだ。
防水性
前述の通りIPX7(1mの水に30分沈めても大丈夫)なので、雨天ライドにも普通に使える。実際に使うまで半信半疑ではあったけど、雨の中を走った感じでは全然問題なかった。
恐らく浸水の恐れがあるとすれば端子のパッキン部分だと思うんだけど、雨のあとでもドライなままだったのである程度信用はできそうだ。
耐久性についてはまだまだ検証途中だけど、自転車サハリン縦断をしていた方も使用していて期待している。僕自身もMTBでオフロードに連れて行ったり、はねた泥をバイクごとシャワーで洗い流したりしてるけど大丈夫。
価格
5,000円前後と安い金額ではないが、このスペックのスピーカーにしてはコスパがいいのは間違いない。あまり高い製品だと壊すのが怖くて外に持って行きたくないけど、このくらいならまだ過酷なロングライドや林道ライドに持って行く気になれる。
アウトドア・キャンプでも活躍してくれるだろうし、普段使いできて活用場面は幅広い。それを考えると相当コスパいい買い物なんじゃ?
4.悪いところ
使い勝手が悪い!ということはないんだけど、やっぱり気になるのは下の2つ…。
重い
まずは重い。僕はパッキングして走ることが多いからそれほど気にならないものの、ロードバイクに414gは決して軽くはない。普通のツーリングならまぁいいけど、スピード重視のファストライドだと持って行くのをためらうかも。
また、使いたい場面が人気のない林道ヒルクライムがメインなのに、そのヒルクライムでは重量が気になるというパラドックスが…。まあ、タイムを計って登ることも基本しないからいいんだけど。
デカい
そして次にネックなのがサイズ。
形状はトップチューブに括り付けるのにピッタリだから良いんだけど、この長さだとトップチューブバックとの共存が難しいのが僕にとって玉に傷である。改善策としては、操作性が落ちるけどシートチューブ側に取り付けるか、ステムポーチを使うかだろうか。
そもそも、トップチューブバックを使わないという方には関係ない話かもしれないが…。
5.まとめ
重量とサイズがネックではあるけれど、スピーカーが欲しくなるようなライドではその重量以上に効果があると思う。サイクリング中に使うスピーカーとしての機能は十分だし、普段使いとしても僕は気に入っている。
このスペックのスピーカーにしては安価なので外で気兼ねなく使えるのもGood。僕的には寂しい峠や眠い時、音楽が聴けるのは凄くよかったので、ぜひロングライダーにお勧めしたい商品だ。
おわり
一応小さいやつもあるみたい→