僕は2018年夏、ロードバイクで北海道一周をした。この記事では、その際の装備やウエア類について、選んだ理由や使用感をご紹介。
使った装備の量も多いので長い記事になってしまったので、装備には黄色のアンダーラインを入れた。タイトルから気になるところだけ、でもいいし、黄色のラインを頼りに読み飛ばしていただいてもいい。気になる部分だけでも参考にしていただけたらと思う。
〈目次〉 0.はじめに 1.テント泊用具など ―テントなど ―快適グッズ・バッテリー ―その他 2.ウエア ―着ていたもの ―小物系 ―着替え
0.はじめに
細かい装備を紹介する前に、「どんな基準で選んだのか?」について。
僕は「ゆっくり気ままに≒自転車旅」というより「速く効率的に≒ブルベ・ロングライド」というスタイルで走った。計画では1日あたり270km×9日、実際は300km×8日というペース。(北海道一周まとめはこちら)よって荷物は僕なりに最低限まで削っていた。ものによっては快適性を犠牲にしていたりするから、そのあたりは参考程度に捉えて頂けたらと思う。
1.テント泊用具など
さて、まずはテント泊に必要なもの達から。
寝泊まりはテント泊と野宿のみだったので、軽量な簡易テントとマット・シュラフ等を持って行った。因みに食事はセイコーマートに頼り切っていたので、ガスやコッフェルなどの調理器具は全く持って行っていない。
主な持ち物はこんな感じ↑
それぞれが何かは↓を参考に。
輪行袋以外はU.L.(ウルトラライト)といわれるジャンルの道具なので、小型軽量なのがメリットな反面、厳しい環境での寝泊まりには向いていない。強風・雨天の時は道の駅の軒先などをお借りしないと、快適に眠ることはできない装備。
あくまで走ることが目的で、テント泊はその手段に過ぎないときの装備と考えていただけるといいと思う。
テントなど
使った装備の詳細を。モンベル製品はモンベルサイトのURLリンクを貼ってある。
テントはモンベル:U.L.ドームシェルター1型(僕が使っているのは旧型)
マットはシートゥーサミット:U.L.マット(リンクはレビュー記事)
シュラフはモンベル:ダウンハガー800#5
グランドシートはモンベル:グランドシート
シュラフカバーはモンベル:スリーピングバックカバー。
⇧場所は違うが、写真のテントを使った。
「夏なのにシュラフが必要なの?」という方もいるかもしれないが、夜の野宿は冷えるので絶対にあった方がいい。
特に北海道だと、8月後半だと夜は15度近くまで冷え込むこともある。僕が使っているモンベルのダウンハガー#5はコンフォート温度が9℃以上、リミット(数時間死なないギリギリ)がマイナス9℃というもの。日によっては腰まで掛けるくらいで事足りたが、寒い朝方はしっかり包まったのでそこそこ暖かいものは必要だと思う。あとは個人の寒さの感じ方と、寝るときの服装次第…。
テントはシングルウォールの簡易的なもので、耐雨性に乏しい。それを補助するためにグランドシート(テントの下に敷く防水シート)とシュラフカバー(シュラフを覆う防水シート)を持って行った。
僕の場合、許可がもらえればバス停の小屋や道の駅の軒先など、雨風がしのげることが多い場所で寝泊まりすることが多い。いわばアーバンキャンプ的な感じ。
そのため、必要に応じて防水素材のシートを組み合わせるのが使い勝手がいい。例えば、床の防水を強化したいときにグランドシートを使ったり、雨の吹き込みが不安なときや街灯が眩しいときにグランドシートをタープ代わりに使ったり。シュラフカバーは雨がひどいときや、ずぶ濡れでテントなしでビバークする緊急時に役に立つ。
もし所謂キャンプツーリングをするのが目的で、キャンプ場でのんびりしたり雨の日にテントで停滞したりするなら、普通のダブルウォールの耐雨性の高いテントを使った方がいいと思う。
テント内環境を快適にするのはものすごく大事。広いモンベルショップだとお店でテントを立てさせてもらえたりするので、購入の際はネットレビューだけじゃなく実際にテントの中に入って選ぶのを強くお勧めする。(お世話になったらちゃんとお店で買いましょうね!)
快適グッズ・バッテリー
お次は快適グッズや充電事情を。
北海道一周ともなると長丁場なので、いかに毎日を快適に過ごすかが重要になる。何にもない北海道って、ツーリングには凄く気持ちいい反面、ソロライドで走ることに集中すると本当に「何もない」。笑
まずはテント内ではすることがないので、音楽を聴いてリラックスすることが多かった。
スマホで垂れ流しでも聴けるけど、やっぱりイヤホンで聞いた方がいい。因みに僕はツーリングに持っていくのは有線派。つけたまま寝るとシュラフの中でイヤホンが絡まるのが難点だけど、Bluetoothだと充電が面倒だしケースが荷物になる。
そして生活の基本、(日常生活よりは汚いけど)なるべく自分を清潔に保つこと。
そりゃ誰だって、自分が汗臭いのは不快だし嫌になると思う。先ほど載せた画像には歯ブラシしか映っていないけど、ボディーシートは必ず持ち歩いていた。走っている最中もボディーシートで顔を拭いたりするとさっぱりするし、汚れたバイクを綺麗にするのにも使える。
忘れてしまって途中で買い足したものとしては、虫よけの類がある。北海道では場所によってかなり差があったけど、網走のあたりとかは蚊が多すぎて発狂しそうになった。長袖長ズボンでも、平気でウエアを貫通して吸血してくる。
虫よけなんて悠長なことも言っていられないので、コンビニでキンチョールをゲット。効果はてきめんだったけど、やっぱり嵩張るのが難点。
テント泊ツーリングでいつも使っているのは蚊が居なくなるスプレーで、これをテント内で使うと結構効果がある。小型軽量なので、荷物を増やしたくない自転車に嬉しい仕様。
モバイルバッテリーはAnkerの20100mAのものを1つ。約9日間をこれ1つで乗り切ったが、すこしギリギリだったのでもう一つ小型のバッテリーを持って行ってもよかったかもしれない。
バッテリーを気にせず、好きなだけスマホを使えた方がストレスフリーだ。笑
充電式バッテリーで駆動するものは、メイン使用のiPhoneのほかに予備スマホ1台と自転車用ライト×3。予備スマホは使わずに済み、自転車用ライトもライト専用の予備カートリッジで事足りたので、結局モバイルバッテリーで充電したのはiPhoneのみだった。
また、バッテリーのほかにも充電コードが必要になるが、僕は必ず予備を含めて持って行く。充電コードはツーリング中に切れてしまうこともあり、1度それでひどい目に遭った。確かにコンビニでも買えるものだけど、スマホが使えないと次のコンビニを調べられないどころか、何かあったとき助けすら呼べない事態になる。北海道は「次のコンビニまで100㎞」とかも平気であるので、ライフラインは確実にしておいた方がいい。
そして、コンセントがある場所で使うUSBプラグはなるべくUSBポートの多いものを。スマホ+バッテリー+ライトの3つは常に最低限充電が必要になるので、3つは確保したい。
その他
他には薄手のタオル、ワイヤー錠、防水財布、ヘッドライト、サコッシュ。
やっぱりタオルは1枚あると何かと便利で、汗拭きから防寒まで万能だ。カギは一応ワイヤー錠を持って行く。体感では北海道は盗難リスクが凄く低いように思えたけど、やっぱり市街地では怖いし、カギは絶対に必要だ。
財布は汗や雨で浸水すると所持金を失うので防水のものを。買い物は基本スマホでキャッシュレスで払うが、田舎のお店だと現金のみの場合が少なくないので現金も持ってた方がいい。ヘッドライトはテント泊には欠かせないアイテムで、そんなに明るさはいらないから小型軽量なものをチョイス。
サコッシュというのは薄手のマイバックの様なもので、キャンプ地まで買い出しを運んだり選択の時にウエアを入れて持ち運んだりと大活躍する。オシャレなものも多いので、普段のサイクリングにも使える優れものだ。
2.ウエア系
次にウエア関連を。
僕が北海道一周をしたのは8月28日~9月5日なので、真夏というより秋になる間という感じだった。気温は15℃~25℃、天候は晴れから雨まで。
こちらも速さを求めているので、いわゆるサイクルジャージ=全身ピタピタで走っていた。
着ていたもの
基本的に、下は若干裏起毛のあるロングタイツ1枚、上は長袖インナー+半袖ジャージという組み合わせ。そこに寒いときや雨の時はレインウエア上下を重ね着した。気温が上がると少々暑かったが、北海道は夏でも暑い時間は短いので問題なかった。
ロングタイツは海外通販Wiggleのプライベートブランド「dhb」のRoubaixタイツというもの(既に完売・再販なし)。品質が高いという印象はないが、値段が安くクーポンセールの対象にもよくなるので気になる方はどうぞ⇒Wiggleのdhb商品へ
長袖のインナーはモンベル:ジオラインL.W.。高性能インナーの中では割合安く、速乾性と保温性に優れる名作だ。僕は真夏以外は常に着ているというくらい愛用している(笑)その理由は保温・速乾性はもちろん、「汗がにおわない」というのもある。他社製品だと基本性能は良くても、1日2日着ていると汗臭くなるものも多い。自転車や登山で数日着っぱなしのこともあったが、僕の経験的に、ジオラインは圧倒的に匂わない。
弱点は「ほつれやすい」点。インナーとして着ていれば大丈夫だが、僕のようにむき出して来ていると何かに引っ掛けて伝線してしまうので要注意。
半袖ジャージはカペルミュールの定番のもの。特に機能にこだわりがある訳じゃないが、ある程度速乾性は確保したかった。また、サイクルジャージ特有のバックポケットは本当に便利なので、基本的に上着はサイクルジャージ一択になる。
Amazonなんかで売っている超格安サイクルジャージも買ったことがあるが、汗が全然乾かないしすぐ壊れるしで何もいいことがなかった。サイクルジャージを買うなら、最低限ちゃんとしたメーカーのものを買った方がいい。
雨の時にはレインウエアを着る。レインウエアは上がモンベル:トレントフライヤーで、下がモンベル:スーパーストレッチサイクルレインパンツ。
トレントフライヤーは軽量性も機能も十分なので満足しているが、レインパンツ方はゴアテックスでないせいか耐水性(もしくは透湿性)に不満がある。レインウエアは高価だが、絶対にきちんとしたものを買った方がいい。
小物系
そのほかに身に着けていたものは、指切りのグローブ、ヘルメット、サングラス、反射ベスト、汗止めバンド、時計。
実は北海道で使っていたグローブ、ヘルメット、サングラス、反射ベストはどれもかなり使い古していたし、使い勝手も満足はしていなかった。
この辺は人それぞれ体に合う・合わないもあると思うので詳しくは書かないでおくけど、一応僕が今使っていてそこそこ満足している商品のリンクを貼っておく。サングラスとヘルメットはレビュー記事も出しているので、良ければそちらからどうぞ。
ただし、これらは安全のために絶対に必要なものなので、妥協せずに何かしら身に着ける必要があるのをお忘れなく。
あとは緊急連絡先の入ったドックタグ。名前や血液型など、僕がもし事故に遭って自分で意思表示できないときのためのものだ。当然財布に身分証は入っているけど、バイクや荷物が吹っ飛んだ状態で財布を見つけるのは一苦労だと思うから、別に身に着けている。
楽天市場で検索すると、自由刻印でオーダーできるドックタグが結構いろいろ出てくる。汗で金属アレルギーを起こすと大変だから、アレルギーを起こしにくいチタン製がおすすめ。チェーンも気になる人は皮ひもとかに替えても良さそうだ。↓楽天市場のリンク
着替え
気になる方も多いと思う着替え。
僕は削りに削って、着替えはインナー靴下1セット+就寝用短パンのみ。インナーは例のジオラインL.Wで、就寝用のパンツは薄手の嵩張らないものを。靴下は特にこだわりないのでユニクロの適当な奴だ。
ツーリング中は、インナー2着を着回し途中コインランドリーに寄って洗濯するという感じで使用した。
快適性を求めるなら着替えをもう1セットくらい持っていくといいと思うけど、夏の終わりで涼しかった北海道なら1セットでも何とかなった。因みに高性能素材はコインランドリーNGなものもあるけど、僕はこういう時は目をつぶってガシガシ洗っている。
⇧ランドリーで靴下までなくした図
余談だが、着替えがカツカツなときに困るのが、服を洗濯している間に着るものがないという問題だ。結局レインウエアくらいしか着れるものがないので、裸ゴアなる奥義を用いる羽目になる。自転車部や旅人界隈では割と定番?らしく、あのヒュンヒュン感=旅感だとかなんとか…(笑)
↑タイツのままだと疲れる。
就寝時は、サイクルジャージを脱いで楽な短パンに履き替えた。一日中走り通した日はもう着替えすら面倒になったりもするが、睡眠と回復の質がかなり変わるので着替えは大事。
2着目の替えのインナーを捨てても、就寝用のパンツは持っておきたかった。
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以上、ウエアや装備など、夏の北海道一周で使ったものをまとめてみた。長ーい記事になってしまったが、野宿系のロングライドに必要最低限のものを詰め込んだつもりだ。
これから北海道を走ろうという方や、テント泊ツーリングをしようという方の参考になればと思う。北海道一周のまとめや、バイクパッキング用品や装備についてはこちらに掲載しているので、併せてどうぞ!
おわり