Wiggleの Brand-X RD-01で通学用ロードバイクを組んで、1ヶ月程が経った。
フレームセット13,999円の激安バイクだが、その走りはどうなのか?実走してみての感想等をまとめてみた。
〈目次〉 1. はじめに 2. 加速感が残念 3. 走り自体は悪くない? 4. 乗り心地はまあまあ 5. 価格を考えれば十分アリ 6. 番外編:「安い」ことによる気楽さ
1. はじめに
本題に入る前に、まずはバイクの構成と乗り手の僕の情報を。

バイクの構成はこんな感じ。
・重量 : 8.8㎏
・フレームサイズ : 54
・コンポ : 3500系SORA
・Rホイール : Giantの鉄下駄+スペシャturbo
・Fホイール : シマノRS-21+コンチGP4000sⅡ
・その他パーツ : シートポスト以外安価なアルミ
*この先フロントシングルの写真とダブルの写真が混ざってますが、重量はシングルでの重量です。
続いて乗り手の僕について。
ロードバイクのインプレ云々はネット上に溢れかえっているけど、ハッキリ言ってそれらは科学的根拠の全くない個人の感想に過ぎない。そしてこれは本記事にも共通している。その為、重要になるのが「乗り手の情報」だと思う。普段どんなバイクに乗っているのか?=比較対象、どんな走りをしているのか?=脚力や理想像…等々。
・乗っている・いたバイク
→specialized roubaix sl4 disc
→Giant defy3 (2016)
→Totemのルック車
・自転車歴など
→スポーツバイク歴3年
→レースよりロングライド・ブルベ派
これをどう解釈するかは皆さん次第…では早速本題へ!
2. 加速感が残念
乗ってみての第1印象は『加速感が悪い』。信号からのゼロスタートとか、徐行してからの加速とか。
重量は8.8kgとそんなに重くはないし、いつも乗っているスペシャのRoubaixは8.7kg+装備なので合計ではむしろ軽いはず…。しかもタイヤはリアがスペシャのturboとフロントGP4000sⅡ。街乗りにしては良すぎるタイヤだ。もちろん空気圧もいつも通り。

なのに、なんか加速しない。
ホイール重量が問題かなと思って、そのまま同じホイールをGiantのdefy3に履かせて走ってみたけど、それでもやっぱり加速感はRD-01の方が無かった。
剛性の違いだろうか?或いはジオメトリーの違いか?

ジオメトリーを見ると、brand-X RD-01は加速に関係すると言われているチェーンステーが425mmとシクロクロスに近い長さ。もしかするとそのせいかもしれない。ちなみに他のバイクのチェーンステー長は、Giantのdefyは420mm、スペシャのRoubaixは415mm。

剛性感については、僕自身がパワーがあるタイプじゃないしスプリントもしないので何とも。
ただ、Totemのルック車は踏むとぐにゃぐにゃして気持ち悪かったが、これは「曲がる・しなる」というより「進まない」という感じ。これまた不思議な感覚だ。
グニャグニャなのと進まないの、どっちが良いかと言われればこっちの方が遥かにマシなのだが…。
3. 走り自体は悪くない?
平坦
そこそこスピードに乗って仕舞えば普通に走るし、これといって気になる点もなかった。
「気になる事がない」というのはいい事だと思う。特に変なクセを感じることもないし、全体的な乗り味は悪くない。単純なフィーリングとしても、以前街乗りで使っていたTotemのルック車と比べると格段に良かった。当然?メインバイクのRoubaixと比べると、イマイチ進まないし劣るが…。

ホイールベースは999mmと長めで、直進安定性が高い方。レースのようなキビキビした走りはない分、ポタリングでゆっくり真っ直ぐ走るには安定感があって走りやすいだろう。
裏を返すと、小回りは少々効きづらい。というか、後ろが長い。
また、BBハイトがいつも乗ってるRoubaixより6.5mmほど高い。そのせいか、荷重による左右へのフレは起こりやすい気もする。
登り
緩い上り坂でダンシングした感じもまあまあといったところ。ステアリングの切れ方も一般的な?ヘッド角(73°)なので違和感なく走れた。
重量もそこそこ軽く仕上がるので、バイクの重さがストレスになることも無いだろう。

ただしガシガシ踏むと、2.で書いたように加速感が無くて疲れるので、そこそこのペースでほどほどに走るのがいい。
激坂ではトルクをかけるのでやはりモッサリ感が否めない。繰り返しになるが、グニャグニャのルック車よりは遥かにマシだが。
下り
ちゃんとしたダウンヒルはしていないので何とも言えないが、街乗りレベルでは全然問題無し。(問題があったら困るが)

ただ、若干不安定さを感じるので峠の下りは少し怖いかも?とは思う。まぁそもそもスピードを出すためのバイクでないので、大きな問題ではない。(正直なところ、油圧ディスクのブレーキに慣れすぎて、低グレードのリムブレーキでは怖くてスピードが出せない)
この「不安定に感じる」というのは、先にも書いた通りRoubaixと比べてBB下りが6.5mm高く、重心が高めになっているからかも知れない。
4. 乗り心地はまあまあ?
最後に乗り心地について。
今まで乗ってきたバイクはどれもエンデュランス系の乗り心地重視バイクだったので、それと比べると劣るかな、という感じ。
とはいえ、ガッチガチで辛いとは思わないし、僕的にはロングライドでも全然OK。このまま400km走れと言われても、大して苦では無いと思う。
これは剛性感の裏返しでもあるかもしれない。

まぁ実際問題としては、乗り心地なんてタイヤの種類と幅と空気圧で割とどうにでもなるので、特別意識する必要もない気がするけど…笑
特ににこのRD-01は、普通のロードバイクよりも特にリアのタイヤクリアランスが広い。使うブレーキ次第では、フロントは30cまで、リアは35cまでなら入るはず。そのくらいのタイヤ幅にしてしまえば、乗り心地は快適な街乗り(グラベル?)バイクが出来上がる。

フレームの感じからしても、23や25cでガシガシ走らせるより、多少太めのタイヤで通勤通学〜ポタリングに使うのが良さそう。
【2020.01.14追記】
先日、このRD-01で登山帰りに200km超のライドをしてみた。10時間と少しこいつと向き合ったが、致命的にダメなところは見当たらず。
かといって「ロングライド向けか?」「長距離が気持ち良いか?」と言われればNoで、振動吸収性や登りの軽快さでは今ひとつ足りない感が拭えない。やはり本格運用には向いていないといえる。
5. 価格を考えれば十分アリ
ここまで批判的な内容が多くなってしまった気がするが、このフレームセットが13,999円という事を忘れてはならない。コンポが家に余っている人なら、トータル2万円くらいで組めてしまうだろう。

その低価格さを踏まえると、かなりお買い得で十分アリなバイクだ。そりゃ数十万円のカーボンバイクと比べて云々とインプレをすれば劣っているのは当然で、むしろその差が重要。
加速感や全体的な性能は劣ってはいるが、その差が数十万円かと言われると、RD-01は素晴らしいと思える。

レース用やメインバイクとして使う方にはお勧めできないが、街乗り・通勤通学・近所のポタリング等が主なら、買って損はしないと思う。僕がそうだが「自分でカスタムペイントしたい」「バラ完に挑戦したい」という想いがある人には、ある意味もってこいのバイクだろう。
RD-01は、有名メーカーのロードバイクには当然敵わないが、『気軽に使えるセカンドバイク』としては非常に優秀なフレームセットだ。
6. 番外編:「安い」事による気楽さ
ここで少し、RD-01本体の性能とは違う観点から感想を。バイク自体の走りの気持ち良さは当然大事だけど、「乗っている本人の心情」もそれと同じくらい大事だと思う。
例えば、ハイエンドのミリオンバイクに乗っていたとして、当然速いし気持ちがいいだろう。しかし、それが普段使いの街乗りや通勤通学、ちょっと荒れた道もある探索だったとしたら、僕はバイクが気になって気が気でない。
「飛び石で傷がついたら嫌だな」「盗まれたらどうしよう」「ここで突っ込んでコケたら最悪だ…」等々。

その点このRD-01は優秀で、「傷がついてもまぁいいか」「壊しちゃっても最悪買い直せる」という様に、非常に気楽に乗れるバイクだ。
しかもカスタムペイントに挑戦したり、バラ完メンテナンスの練習をしたり、気になるパーツを試してみたり…ひょっとするとフレームをダメにしかねない好奇心だって満たせる。

そういう、『走るだけじゃない”遊び”バイク』として、RD-01は凄く楽しませてくれる。
走りが気持ちよくてニヤニヤしちゃうバイクではないが、そもそも街乗りに走行性能なんて求めても仕方ない。このRD-01は普通のロードバイクとはちょっと違った観点から評価してみるのが良いんじゃないだろうか。
おわり
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*2020年4月現在、Wiggleは取り扱い停止のためChainReactionCycles(CRC)で購入できる⇒CRCはこちら
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