僕のいつものツーリングスタイルはテント泊or野宿で、来週に控えている北海道一周も、テント泊で行うつもりだ。
もちろん、テント泊なので速さだけを求めて走ってはいない。しかし、ロングツーリングにおいて、速く遠くに行けるというのは非常に大きな強みである。
そこで、僕の中で完成されつつあるテント泊装備で、1日どのくらい走れるのかを試してみた。
<目次> 装備紹介 ルート概要 走行開始! テント泊装備の限界は?
装備紹介
まずは装備を簡単にご紹介。ウルトラライト系を駆使した、走りに重点を置いた装備だ。
・Specialized Roubaix SL4 disc
・R250 ステムポーチ
・モンベル ヘッドポーチ
・ブラックバーン サドルバック
DHバーとフロントバックが干渉するので、フロントバックの位置に輪行袋を取り付けた。積載可能量は減るけど、平坦基調のロングコースを走るなら、僕の中では今やDHバーは欠かせないものになっている。
総積載容量は、上の写真で18Lくらい。自炊もするライドなら、フォークに2L位のドライバックを左右に取り付けるといい感じだろう。今回はご飯は飲食店やコンビニを利用するので、その分軽量化。
・モンベル U.L.ドームシェルター1型
・モンベル グランドシート
・モンベル ダウンハガー800#5
・モンベル ゴアテックスシュラフカバー
・sea to summit ウルトラライトマット
ライトツーリングの肝は、やはり寝床となるテント類だろう。
3シーズン対応の、ウルトラライト装備だと、コスパや性能の面で上記装備が今のところベスト。もっと装備を削るなら、テントをツェルトに変更するくらいだろうか。
・モンベル トレントフライヤー
・モンベル サイクルレインパンツ
・着替え:モンベル ジオラインM.W. ウィンドブラストパンツ など
・オーストリッチ320
・バッテリー:アンカー20100mA、乾電池、Volt400カートリッジなど
・携帯工具一式、予備チューブ、オイル
・ワイヤー錠2本
すべてを挙げたらきりがないので、簡単に。
ウエア類もなるべく軽く、小さくなるものを選んでいる。積載容量が限られているので、なるべくコンパクトになるものでないと、バックに収まらない。
ルート概要
僕は横浜在住で、実家は宮城県仙台市。
大学に入学してロードバイクにはまってからは、帰省は基本的に自走で行っている。自宅から仙台駅までは400㎞弱で、何時間で走れるかが自分の成長の証になっていたり。
距離こそ400㎞と長めだけど、獲得標高は1800m台と平坦コース。国道4号をひたすら北上する、難易度は低めの道のりだ。
直近の最速タイムは19時間35分で、こちらの記事にまとめてある。とはいえこの時よりも明らかに装備が多く重たいから、遅くなることが予想される。
さて、今回は何時間で走れるのか…?
走行開始
何の目標もなしに400㎞走るのは苦痛なので、一応の目標ペースを決めた。
最低目標はブルべペースの27時間(グロス15㎞/h)、そこそこイケたら24時間(17㎞/h)、すごく調子が良ければ20時間(20㎞/h)。
・出発
朝ごはんを済ませ、横浜の自宅をでる。時刻は朝の06:36。
普段は都心の渋滞回避のため日の出ぬうちに出発するが、二度寝してしまった。出発直前にテンションが上がらないのはいつも通り…笑

自宅からまずは国道1号線へ走り、そのまま北上。パッキング時はそれほど感じなかったが、サドルバックが重いのか加速時にとても重量感がある。
天気は快晴。予報通りかなり良さそうだ。
・東京~春日部
都内に入ると、予想通り通勤ラッシュでかなりの混雑。バスや路上駐車も多いので注意が必要である。

こういう道は急いで加速や減速を繰り返してもグロスペースは上がらず、ただ無駄に体力を消耗するだけなので適当に流す。ロングライドでは心理状態も大きく結果に影響するから、渋滞も楽しむくらいの余裕が必要というのが僕の持論。
巡航ペースは30㎞/h+αの休憩なしだけど、グロスペースは17㎞/h。家から80㎞。
・宇都宮 新4号
春日部市を出るあたりで、パンクがあった。貫通かと思ったけど、タイヤに傷はなし。チューブの空気はすぐには抜けないから、スローパンクの類のようだ。
時刻は10:30。
ちょうどコンビニがあったので、修理のついでに立ち寄った。パンク修理含め40分ほどのゆっくり休憩。

春日部を過ぎると宇都宮まで国道の新4号を走る。
ここはバイパスのようになっている道。日中の車道走行は危険だが、ストレスフリーで走行できる側道があるので問題ない。
見通しが良くほかの交通が無いので、DHバーを多用しつつ落ち込んでいるグロスペースを回復させる。

宇都宮を過ぎたところで20分ほど休憩。
気温がかなり上がってきたので、店内にイートインコーナーのあるコンビニにてカップ麺を食べる。スピードだけを考えるときにはパンやおにぎりを買って走りながら食べるんだけど、今回はそこまで急いでいないからゆっくりカップ麺。
時刻は14:00。
グロスペース:19㎞/h、距離:150㎞。
・那須~郡山
天気は相変わらずよく、春日部から日差しを遮るものがないから日光が体温を上げていく。北海道の10~25℃に合わせたウエアで来ているから、30℃を超えて直射日光が当たるとかなりしんどいのだ。
那須のあたりで、走行距離が200㎞を超える。ちょうど半分だ。夕方になり疲れが出てきたので、さらにコンビニにて20分休憩。カップ麺再び。
時刻は16:30。
グロスペースは19.5㎞/h。走行距離200㎞。何気にいいペースだ。

やっと日が落ち、気持ちのいいサイクリングが楽しめるようになった。
国道4号線は交通量が多く、那須~白河は道幅が狭いので走行は要注意。反射ベストやリアライト、ヘルメットの尾灯をONにして、安全走行を心がける。
白河を過ぎるとゆったりとした下り基調の道になり、グロスペースは大幅にアップ。追い風基調のそよ風が吹いてきて、さらに楽にペースを上げられた。巡航速度は35㎞/hほど。
19:50に郡山通過。
グロスペース:20.5㎞/h、家から270㎞。
・福島~白石
白河から続く追い風のおかげか、いいペースをキープできている。これは最高目標の20時間切りを達成できるかもしれない。
せっかくだから、ここからは補給を簡易的に済ませてタイムを狙う走りをすることにした。

300㎞を過ぎて福島市街に入ると、交通量が少なくなりより走りやすくなった。仙台までの距離はすでに100㎞を切っている。
信号待ちでおにぎりを食べながら、サクサク走って宮城県、白石市へ。それほど眠くもないし、涼しくなってから体調もいい感じだ。
白石市を23:00に通過。
グロスペースは21.1㎞/h、家から350㎞。
・仙台駅:ゴール
走りながら、頭の中で計算した。グロス何キロなら、記録更新ができるのだろう…?
400㎞÷21.1㎞/h=19時間+α
つまり、今よりもう少しグロスペースを上げられれば、18時間台でゴールの仙台駅まで走り切れる。余裕で記録更新だ!どうせならできる限り早くついてやろうと、ペースを意識して踏む。
白石からのラスト50㎞は、おおむね緩やかな下りがメインの快走路。信号のタイミングを意識して、なるべくブレーキをかけずに走れるようにする。これが信号地帯で一番ロスが無く、速い走り方。
そして、ついに到着!!
時刻は00:32。
グロスペースは21.6㎞/h、走行距離は387㎞。
横浜からのタイムは17時間56分!!余裕の記録更新で、なんと18時間を切ってしまった。自分でもびっくり。笑
ガーミンの走行距離が400㎞に達していないから、実家まで走りつつ400㎞にすることに。
400㎞では18時間34分。グロスペースは21.6㎞/h。
ガーミンは休憩中も持ち歩いていたから、走行の平均速度はサイコンよりも遅く出ている。サイコンではAv.28.1㎞/h。
テント泊装備の限界は?
追い風基調で天候にも恵まれたとはいえ、テント泊装備でも通常のロードバイクに迫る走りができた。
僕の脚力はロングライダーの方々の中では下の方なので、きっともっと走れる人はたくさんいる。ポイントは「数か月前の自分の、軽装のロードバイクと同等かそれ以上のタイムを出せた」こと。
もちろん、一口に「テント泊装備」といってもいろいろな目的や形態があるから、一概に語ってはいけない。一般的なテント泊装備は、たぶんこれよりも重いし大きい。軽量化したテント泊装備の一例として、ふーんそんなことも出来るんだ、くらいに思っていただければと思います。
にしても、ここまで走れるのかと正直驚き。最近のウルトラライト系装備を駆使することで、1日の走行距離をかなり伸ばすことが出来る。『テント泊だからロングライドはできない』ではなく『テント泊もロングライドも一度に楽しむ』へ。
このギアを使ってどんなことができるのか?これから楽しみだ。
おわり