タイトルからしていかにも炎上しそうな話題だ。笑
だけど、本当にそう思うのだから、書かせていただきたい。あらかじめ注意しておくが、すべての店員さんがそうだと言いたい訳ではないし、店員さんがまじめに仕事をしていないだとか性格が悪いとか、そういう話をしたいのではない。この記事で言いたいのは、単に「案内(=販売)スキル」である。
*ここでは販売スキルのことを言いたいので、あえて「おススメしたプロダクトが本当に客に合っているか」は無視し「客の目にどう映ったか」だけに注目していく。
まずどうしてこんな記事を書くに至った経緯だが、数日前の記事(【初めてのロードバイク】後悔しない1台目の選び方)で書いたとおり、僕自身がオフロードバイクに興味を持ち、購入を前提に多数の店員さんと話をしたのが発端だ。
都内を中心に何店舗も回り、いろいろな店員さんと話をしたが、結果的に知識の有無や経験の量とは関係なしに、ほとんど全員が販売スキルが低いと感じた。
愚痴記事にはしたくないので、ではどうすれば僕は買いたいと思ったのか?ということにも触れつつ、話を進めていきたい。どこかの店員さんの参考になれば幸いです。
1.圧倒的ヒヤリング不足
相手に何かモノやサービスを売りたいとき、まず大事なのはその相手の情報だと思う。
普段どんな生活をしていて、どんな好みをもっていて、今直面している問題は何で、何を望んで来店したのか?それが分からないうちにおススメしても、お客様にあった商品を選ぶことが出来ないのはもちろんのこと、お客様の心にまったく響かないのは至極当然のことだ。
それなのに、
店「なにかお探しですか?」
僕「オフロードバイクを探しているんです」
店「なるほど。それならうちの店だとこんなのがいいですよ」
僕「!?」
なんて会話が始まったりする。いやちょっと待て、オフロードバイクっていっても、今は種類がたくさんあるじゃないか?と。
僕がいま何を持っていて、これからどんなことをしたいのか。それを確認もせずに「これがいい」なんていわれても、客である僕の目にに魅力的に映るだろうか?信憑性が欠け過ぎだ。
低い確率だが、仮にそのバイクの見た目が凄くかっこよくて僕の好みだったとすると、その後の案内につながったかもしれない。しかしそれなら、おススメするバイクを僕の服装や持ち物から推測した上で選ぶのが妥当だろう。彼らはとてもそうとは思えないチョイスをしているのが更に残念だ。
本来であれば、
僕「オフロードバイクを探しているんです」
店「オフロードバイクといっても今はたくさんの種類があるんですよ」
店「どんな道を走りたいとか、どんなことがしたいというイメージはありますか?」
僕「バイクパッキングを用いながら、林道~里山をロングツーリングしたいです」
店「なるほど。ちなみに今は何かスポーツバイクには乗っていますか?」
店(それならうちで売れるのは○○か××だな。△△を見せつつ○○に落とすか。
・・・
といった具合に、相手の情報を調査してから作戦を立てて案内に入るのが妥当だろう。客側だって自分の好きなことについて聞かれているのだから、適度な反応を返しながら話を聞けば勝手にぺらぺらと話してくれるだろうに。非常にもったいない。
2.案内ではなく説明会
次に問題なのは、商品の案内の仕方だ。
商品の基本的なスペックや構造はネットにいくらでも情報が転がっているし、はっきり言って見ればコンポやパーツの類は大体分かるものだ。(もちろん、説明がまったく必要ないわけではないが)
しかしその「店に来るまでもない情報」をいつまでもひとりでに話している店員が非常に多い。それは案内ではなく説明で、『会話』が出来る人間が店頭に立っている価値をなくすことになる。数値的な情報提供なら、案内専用端末を店頭においてくれればそれで事足りる。
店「この商品のフレームは~~でコンポは~~。サスペンションは~~と~~についていて、価格もお手ごろです」
僕「へえ~」
こんな会話に終始していては、僕は一向に欲しい気にならない。
客が店に来る理由は、実際に商品の質感をこの目で見たかったり、あるいはその商品を使って何が出来るのかというイメージを立てたかったりするからだろう。もちろん、商品以外にも店の雰囲気を知りたいというのもある。
つまりは『この店でこの商品を買えば○○が出来て、その後も店と良い付き合いがそうだ』と客に想像させないことには始まらない。
店「この商品の特徴は~~なところで、それによりお客様が~~を走るときに△△出来る様になるんです」
僕「なるほど」
店「でもこのフレーム、メリットばかりじゃなくて××な点がメンテナンス時に厄介なんです」
僕「え、そうなんですか」
店「ただうちの店では、このフレームを買った方に向けて~~というサービスをしています」
プロダクトではなくバイシクルライフを提案する。案内としてあるべき形は、こうじゃないだろうか?
3.購買意欲を高める前に価格押し
客にとって商品が高いか安いかは、『商品の価格』と『商品の価値』との相対評価できまる。極論、世界に一台のプロと同じ速度で走れる夢のバイクがあるなら100万円でも安いし、今持っているものと同じものなら1万円でだって要らない。(中古で売るとかは除いて)
つまり、予算内であれば数値的な価格に意味はなくて、客から見た商品の価値と比べて高いか安いかなのだ。
ろくな案内もせずに、とにかく「コスパが良い」といった言葉で押し切られても、そもそもその商品に20万円の価値を見出していない状態ならば僕は買うことはない。価格を提案する前にするべきことは、価値の提案だ。
TVショッピングで有名なジャパネットたかただって『この~~出来ちゃう○○が、お値段なんと××円!』って紹介をしている。それに落としどころとして、『さらに今回ご購入の方には△△をお付けしてお値段変わらず!』なんてダメ押しをする。自分の切り札であるポイント還元や値引き等を先に提示してしまうなんて、残念な案内の展開の仕方だ。
店「ちなみに予算はいくら位でお考えでしたか?」
僕「完成車で15万円前後ですかね…」
というヒヤリングをしたうえで
店「このバイクなんですが、定価だと16万円です。お客様にはぴったりだと思うんですが、若干予算オーバーですかね?」
店「ただ、車体購入で当店で使えるポイントが○○PTたまるので、必要になる~~を無料で買えちゃいますよ」
といった落としどころを探る手順が必要だろう。
最後に
以上、僕が購買意欲を持ったうえでショップを徘徊して感じた、ショップ店員の残念な案内をまとめてみました。もちろんすべての店員さんがそうだという気はないし、すべてのお客様にとって上記方法が最善だと断言することはできませんが、もうちょっと努力できるポイントがあるんじゃないかなあと思い本記事を書いてみました。
というのも、僕は自転車ライフは車体を購入するところから始まると思うんです。単なるノリで購入し(【1話】友達『チャリで北海道まで行ったら面白そうじゃねw』からロードバイクを買い旅に出た話①)、玄関に放置されていたロードバクに僕は何度も救われてきたし、たぶんこれからもそうでしょう。
眠れない夜に、玄関にあったロードバイクを駆る。(眠れない夜を、サドルの上で過ごすということ)あの感覚が、人を救うと僕は思います。
『全員がハマるかなんて分からないけど、その可能性のある第一歩を、多くの人に踏み出して欲しい』
僕はそう思っています。
だからこそ、その大事なファーストバイクの購入を後退させるような店員がいるのが悲しいのです。人の購買意欲なんて、気まぐれで簡単に変わってしまうもの。僕は経験から、そう確信しています。
だから、どこかのショップの店員さんが、この記事を何かの参考にしてくだされば幸いです。社会経験も未熟な若者が無礼甚だしい内容を書きましたが、事実は事実。自転車が人を救う世界を僕は夢見ています。
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おわり