比較的新しいBB規格「T47」。ねじ切りタイプなので、メンテナンス的にユーザーに優しいのが特徴の1つだ。
基本的にJISと同じ様に交換ができるんだけど、まだネットに情報が少ないので、実際にT47のBBを交換した様子をまとめておきたい。
<目次> 1.T47ってどんな規格? 2.必要な工具など 3.交換作業 4.まとめ
1.T47ってどんな規格?
まずは、T47について簡単にご説明。
T47は、シェルが47mmと大径な、スレッド式(ねじ切り式)のBB規格だ。フレームによってシェル幅が異なり、ベアリングの位置で「インターナル」と「エクスターナル」の2種類が存在する。
インターナル・エクスターナルに互換性はないので、購入する際はお間違いなく。また、使用するクランクに合ったモデルを選ぶ必要があるので、その点も要注意だ。
BBの選択に関してこちらの記事にまとめているので、自分のフレームの規格が分からない/合うBBが見つからないという方は、参考にしていただきたい。
2.必要な工具など
必要な工具は、基本的には「BBツール」のみ(本当は30~50Nmくらいのトルクレンチがあると良い)。
T47はネジが切ってあり、フレームにねじ込まれている。BBの突起にかみ合うBBツールで、BBを回して着脱するだけなので、作業自体は非常に簡単だ。
ただし、注意するのが「BBツールの選び方」。基本的には、各BBのメーカーが指定する、専用のツールが必要となる。
他の規格の場合、汎用の工具1つでどのブランドのBBも扱えることが多い。しかしT47は、ブランドごとに若干寸法が違うことがあるようで、僕は使用するBBのブランド毎にツールを揃える羽目になった。
きっと流用できる例もあるんだろうけど、もし違うメーカーのBBに変更するなら、新旧両方のブランドのBBツールも用意したほうが確実かなと思う。新しいBBを買う前に、BBツールの入手性も調べておいた方が無難だろう。
こちらの記事には、対応するBBツールも一緒にまとめている。BBやツールを探している方の参考になれば幸いだ。
3.交換作業
工具され揃えば、作業自体は非常に簡単。圧入式BBの様な煩わしさはなく、一般的なJIS規格のBBの様に、工具をかけて回せば着脱できる。
もちろんBBを外すにはクランクを外しておく必要があるけど、この記事では割愛。ただし、クランクシャフトにスペーサーを使用している場合も少なくないから、そこだけはご注意を。
スペーサーは、BBのベアリングシールの上にピッタリと張り付いていることもある。どちら側に何mmを何枚か、忘れない様に写真を撮ったりしておくのがおすすめだ。
今回交換するのは、シェル幅86.5mmのインターナル。
Bombtrack純正の「Seido」というブランドのBBから、Tokenのモデル「T47V386」に変更してみた。
インターナルは、BBの工具がかかるノッチが薄いため、工具の掛かりが浅くなる。力を掛けたとき、工具が外れてノッチを傷めてしまわない様に注意が必要だ。
右側は逆ネジ(左回りで締まる)、左側は正ネジ(右回りで締まる)となっている。固着していなければ、簡単に外せるはず。
T47のBBは、こんな風に中央のスリーブでつながっている。フレームのシェル幅が異なる場合(Trekの独自T47など)でも、このスリーブがうまく調節してくれるみたい。
この辺りの細かい構造は製品によるとは思うけど、基本的には別々のはず。もし左右のどちらかがスリーブと一体になっていたら、スリーブあり⇒スリーブなしの順で取り付ける(外すときは逆)のが正しいかな?と思う。
BBを外したら、フレームを掃除。固着や汚れ防止にグリスが塗られていたりするので、このタイミングで清掃⇒塗りなおしをしておくとよいだろう。
グリスにはいろいろ種類があるけど、ネットで人気そうなのはシマノのプレミアムグリス。安くて万能だし、このチューブタイプは使いやすいと思う。僕も持っているけど、本当に使い勝手の良いグリスだ。
フレームやBBによっては、グリスが指定されている(またはNGな)場合もあるので、その辺りは一応調べておくのがおすすめ。
クリーニングも済んだら、新しいBBを取り付ける。外すときと逆の手順を踏めばよいので、こちらも簡単だろう。
途中までは手で、最後はツールで締め込む。
指定のトルクで固定するのに、トルクレンチがあると安心だ。指定のトルクはBBに記載されているはずで、だいたい30~50Nmくらいの数字を良くみる気がする。
この時も、工具がノッチから外れて、BBを傷めてしまわないように注意が必要だ。
あとは、スペーサー等を忘れずに、クランクをもとに戻せば完了だ。
4.まとめ
以上、簡単ではあるけれど、T47のBBの交換方法をまとめてみた。
交換作業は簡単だし、基本的にJIS(メジャーなねじ切り規格のBB)と同じだから、初心者の方でもチャレンジしやすいメンテだろう。
難しいのは、恐らく作業ではなく「規格に合った製品を選ぶ」こと。インターナルとエクスターナルや、クランクシャフトの規格を間違えず、更に専用の工具までそろえなくてはならない。
今回僕はTokenのBBに変更したけど、T47の中では情報が多く、低価格で在庫も多かったので助かった。もし悩んでいる場合は、Tokenあたりから当たってみると分かりやすいかもしれない。
この記事が、皆様のお役に立てば幸いだ。
おわり