コラム

書き続けるということ

たいそうなタイトルで恐縮だが、趣味ブログをなんだかんだと続けてきて思う「書き続けるということ」にまつわるあれこれを書いてみたい。今まで書いてこられた理由や僕の身の回りで起こったこと、考えたこと等々……。

ちょっと寒い自分語りかも知れないけど、最後までお付き合いいただければ幸いだ。

<目次>
1.「書き続けられるって才能だよね」……?
2.ブログが一つの居場所になっていた
3.変わったこと・変わらないこと
4.「僕自身」の共有

1.「書き続けられるって才能だよね」……?

ブログを書いているという話題になると、よくこんなことを言われる。

「文章を書けるってすごいね」

「やっぱり書き続けられるって才能だよね~」

単に感心したり褒めたりしてくれている場合が多いと思っているし、その言葉は素直にありがたく受け止めている。

ただ、そんなありきたりの言葉で片付けられるには、あまりに実態が違うと思う。ブログが続くかどうかは、もっと気まぐれでちょっとしたタイミングと、書く以外の時間の積み重ね、そして読んでくださる方の存在があってこそだ。

 

そんないろいろな想いが渦巻いて、どうにも「いや多分、そうじゃないんだよなあ……。」という微妙な違和感が付きまとう。

果たして僕には才能があったのだろうか?これを才能と呼ぶのだろうか……?

確かに、僕自身を省みると『書く事そのものが苦痛でない(と言うか寧ろ好き?)』というのは、1つ特殊なのかも知れない。

自分に上手い文章が書けるとか文才があるとか、そんなことは思ったことがないけれど、基本的に頭に浮かんでくる言葉をそのまま文字に起こしているだけなので、好き勝手に書いている限りそれほどストレスになることもないのだ。

 

多分、ブログを続けるにあたって大変なのは「間違ったことを書かない様に調べる」とか「誤字や脱字を直していく」「必要な画像を撮影・編集・管理する」「記事のスケジューリングをする」「大量の記事ネタを管理する」といったような、一見地味で簡単そうな作業の積み重ねのほう。テレビ番組もYouTuberも、撮影以外の企画・編集・管理に時間とお金を割いているのと同じだ。

「ブログを書き続ける」というと「書くことそのもの」を意識してしまう人が多いと思うけど、実際にサイトを運営し続けることの大変さは、文章のタイピングよりも別の部分に詰まっているんじゃないだろうか。

それでも大変さを乗り越えてブログを運営しているのは読者の方がいるからで、そこに面白さを感じているからでもある。ブログというのは書き手と読み手がいて初めて成立するもので、書かれたままなら引き出しの奥の日記帳と同じ。自分以外に読み手がいないのなら、そんな面倒なことはしないで「ただ書けば」よいのだから。

 

ブログの「定期的に更新し続ける」という点も大変なんだけど、そこは予約投稿というシステムのお陰でなんとかなっている。僕は何かをひたすらに続けるのは決して得意ではない、というか苦手な部類で、恥ずかしながらそんなコンスタントに頑張れない。

それでもブログには「○月○日○○時○○分に投稿」と記事の公開を予約できるシステムがあり、極端な話1カ月先までの記事を書いて予約投稿しておけば、向こう1カ月は何もしなくても自動的にブログが更新され続ける。

僕はかなりこの予約投稿のシステムに依存していて、気が向いたときに一気に書きなぐって予約投稿しておき、気が向かなくなったときは全く何もしていない。そういう適当さが、こんな性格の僕でも趣味ブログが続いている理由なのかも知れない。

 

 

2.ブログが一つの居場所になっていた

そうして定期的な書き殴りと更新を繰り返しているうちに、いつしかこのブログは『僕の居場所の1つ』になっていた。それもまた、ブログを運営し続けた大きな理由の1つだろう。

先に書いたように、僕は頭の中の文字をそのままタイピングしているだけなので、見方によってはある種の思考のはけ口ともいえる。それでいて誰かに読んで頂けるというのは、どこか受け入れてもらえている様な、不思議な気分にもなるのだ。

誰か特定の個人に対して書いているのではない、かといって不特定多数へ発散してしまうほど広すぎない。適度な広がりと距離感で書けるこの場が、ちょうど今の僕に必要だったのかも知れない。

 

……あるいは、これを終わられせてしまったら全てが終わってしまう様な、そんな怖さもあったかも知れない。前に進むための基地なのか、はたまた自分を守るための砦か――?それは僕にも分からない。

 

いずれにせよ、そんな「居場所」を支えてくれていたのは、やはり『読んでくださる方の存在』に他ならない。

有難いことに、僕の文章は自分でも驚くような数の方々の目に触れ、その数はブログ開設以来ずっと増加傾向にある。はじめから読んでくださっている方もいらっしゃるだろうし、途中から見つけてくださった方も、あるいは読むのを辞めた方もいらっしゃるはずだ。

 

だけど、根本的には数字じゃない『いる』/『いない』という2択が大事なんだと思う。

たとえ1人でも2人でも『自分の文章を楽しみに読んでくださる方がいる』というのは、一つ今日を頑張る意味になる。そんな方々を大切に、前に進んでいけたらいいなと思う。きっとそれは素敵なことだ。

 

 

3.変わったこと・変わらないこと

流石に年単位でブログを書き続けていると、「ブロガー」称されることも出てきたし、自分でも無意識のうちにブログ目線で思考や行動をしているのに気が付く。「あ、これブログに書こうかな」「記事用にこの写真も撮っておこう」「あー、このワード検索で強そうだな」……みたいな。

ライドから帰ってタイピングすることも、PVやエラーをチェックすることも、ネタをメモしておくことも、少しずつ日常や習慣の一部になっていった。ブログという存在が生活に組み込まれていく様は、こうして俯瞰で見ると面白い。

各種SNSを通じて頂ける「いつもブログを読んでいます」「参考にさせてもらってます」というメッセージは、当初より本当に嬉しいと思う。基本的にブログは1対多数の一方通行なので、数字を追わないとリアクションのない空に一人で呟いているかのような感覚に陥りやすい。そこに頂けるメッセージは、たぶんブログを書いていない方が想像するよりもっと大きな意味を持つ。

少し前だけど、ある方から『ブログの記事に憧れて同じバイクを買いました!』というメッセージを頂いた。自分がそんな影響を与えてしまったのかという恐れ多さと、そこまで強い想いを持ってくださったことへの感謝で胸が熱くなった。

ハナから適当なことを書くつもりはないけど、そんなこともあると余計にしゃんとしなくてはと思う次第だ。

その延長線上で、数字がもたらす効果もあった。

当然、広告収入は数字が伸びるほどに増えていくし、趣味に回せるお金が少しずつでも増えるのは嬉しいことだ。ブログを書く時間をバイトに充てた方が効率よくお金を稼げるのは間違いないけど、それでも趣味のなかでお金を回せる喜びはある。

また、有難いことに他メディアに寄稿させて頂いたり、びっくりする依頼を頂けたりもした。自分の趣味経験が同じ趣味を持つ方の助けになればと書き始めたこの僕が、そんな形で業界に関われるのはとても光栄なことだ。

 

――と、こうしてみると、なんだか変な悩みも出てくる。

「僕の与えた影響は、誰にとって良く・誰にとって悪かったのだろう?」

物事の良し悪しなんていつ・誰の視点に立つかで如何様にも語れるものだから、考えても仕方のないことだと理解はしている。それでも、何かを褒めるときは他の何かに背を向けているのだと、最近ふと思ったりした。基本的に同じ趣味を持つ方々だ、みんなにいい影響の方が嬉しいに決まっている。

未だに弱くて情けない僕である。

 

 

4.「僕自身」の共有

話はまた少し変わって、僕がこうしてタイピングしてきた時間を思う。果たしてブログ開設から何時間かけてきたのだろうか?数えていないから分からないけど、僕のこの20代の時間のなかで、そういえばそれなりの時間を費やしてきた気がする。

どうしても記事を仕上げたくて夜中もタイピングし続けたり、電車の中で1文字ずつ誤字を直していったり、事あるごとに写真を撮って保存しておいたり……。そういう時間の積み重ねがこのブログである。

 

書いてきた時間とは、すなわち僕の命の一部だ。

こんな言いかたは少し重いかも知れないけど、「命=生きている時間」という尺度で表すのなら、その命の一部分を変換したものがこのブログと言えるだろう。

その積み重ねが、こうして居場所になり、影響を与え、残り続けるのだとしたら、なんだか恥ずかしくも誇らしいことだ。それを可能にしてくれるツールである『ブログ』と、『書き続ける』という行為は、面白いものだと思う。

例によって予約投稿されるので、この記事が公開されるのは書いている今から数えて何日もあとの予定だ。それに、記事が公開されてからSNSでシェア/検索にインデックスされ皆様の目に触れるまではさらにタイムラグがある。これにはちょっとしたタイムカプセルみたいな面白さがあったり。(笑)

 

僕にもそれなりに影響を受けたクリエイターの方々がいる。まだまだ到底及ばない実力で恐れ多いけれど、僕もこんな曝け出した記事でも誰かの為になったらいいなと、公に書き残しておきたいと思う。

『僕の書きたいことを、読んでくださる方のために書く』というのが、在るべき形だと思う。まだまだ未熟ながら、そんなことを忘れずにこれからも書いていきたい。

おわり

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