ツーリング記

とある日のMTB林道&トレイルライド

僕の好きなロングライドが制限されるいま、MTBでのオフロードライドにハマっている。家の近くで、安全な場所に限定してライドが出来るうえ、刺激に溢れた面白さが詰まっているからだ。

今日もまた、近所のちょっとした山と川へ、ダートを求めて家を出た。

<目次>
1.山へ行く準備
2.いざ林道へ
3.ちょっとした探検
4.帰宅

1.山へ行く準備

林道やトレイルライドはせいぜい1~2時間。ロードバイクで出掛けるなら何の準備もせず、いつもの携帯工具セットだけ持って出かけるレベルだ。下調べも準備もせず、ふらっと出掛けるほんの気晴らし。

だけど、山に入るとなると話は別だ。短時間であっても様々なアクシデントが起こりうるし、遭難の危険もオンロードより圧倒的に高い。個人のリスクマネジメントが一層問われる環境なのだ。

この「危ない」という部分をざっくり捉えてしまうと、漠然とした恐怖に襲われるし、事実それで山に入ると危ない。そこで、リスクを分解して考える。どんな状況が起こりうるのか、それに対処するには何が必要か、発生確率はどのくらいか…?

僕は、この準備の過程がまた好きだったりする。登山や冒険的なライドをしていると「危険な環境でヒャッハーしてるヤバい奴」みたいな印象を持たれることがあるけれど、実際はその逆だ。普通に怖いし、怪我するのも死ぬのも嫌だし、あたたかい布団でぬくぬくしていたい(笑)。だけど、自分なりに準備をして、勝負をしてみるのも物凄く楽しい。自分の読みと準備がばっちり当たると、最高に気持ちの良い走りが出来るのだ。

今日行く予定の林道はおおよそ把握しているけど、まだ行ったことの無い部分も探索してみる予定。装備にも多めに余裕を持たせてある。短時間の遊びだけど、ちょっとピリッとした気持ちで出発。

 

2.いざ林道へ

MTBで林道やトレイルに行くときは、アプローチも結構長かったり。ロードバイクと違って舗装路を走るにはイマイチだから、もどかしさを感じる。せっかくなので林道までの良いアップのつもりで、サクッと飛ばす。

林道の入口に到着。えてして林道は急坂がおおく、アプローチも同様だ。ギアをローにしながら登るが、既にジトっと汗をかく。背中のザックが蒸れるのを感じる。

それでも、気分は悪くない。いよいよ楽しみの始まりだ!

はじめは慣れたコースなので、事故に注意しつつも快調に。走りながら路面の状況を確認し、人や車の出入りをチェック。轍や足跡から、いつ頃どんな人が通ったのか分かったりする。

驚いたことに、MTBらしき轍も発見。粗目のブロックパターン、2インチ位のタイヤ幅だ。水溜まりが乾く前に付いているから、通ったのは数日前だろうか?ひょっとすると、これから僕が行こうとしている方面も走っているかも知れない。ちょっとした痕跡でも、走れる場所を探す手掛かりになる。

あぁ、緑のトンネルが綺麗だ。

この森の近さや一体感は、MTBじゃないと味わえないものだ。木々の近さも、空気感も、足元から伝わる刺激も。

時折現れる倒木や岩、木の根などの障害物、斜度の変化や細かなカーブがまた楽しい。はじめは上手く走れなくて歩いてばっかりだったけど、そのぶん上手くクリアできた時の喜びは大きい。もちろん、カッ飛ばすような走り方はしない。常に危険を想定しつつも、十分楽しい走りが出来るのだ。

ここはこのライン、こっちは荷重に気を付けて、そこはフロントを浮かせて…。ロードバイクに乗っている時は気にしなかった細かな動作が面白い。初心者でへたくそだから、より成長を感じられる。

『MTBじゃないとみられない景色』ってのが沢山あって、森の中でひとり見入ってしまう。

画像に映っている部分だけならロードでも走れるレベルだったりするけど、そこに至るまでの道のりが険しすぎてMTBじゃないと相当厳しい。そういう道の先にある景色こそ、僕の見たいものなんだ。

 

3.ちょっとした探検

いつものコースを一通り走ったら、いよいよ今日探検する部分へ。ワクワクと恐怖が入り混じる。

立ち入ってすぐ、予想以上の草木に阻まれた。道自体はちゃんとしているけど、脇の草の成長が著しい。これからの季節、こうやってどんどん走れなくなっていくんだろうなあ…。

ちょっと辛いので引き返そうかと思ったその時、うっすらとMTBのタイヤ痕を発見。多分さっき見たのと同じものだ。数日前にここを通ったということは、この先はきっと走れるはずだ。

その予測をもとに、藪漕ぎ気味に進んでいく。草木はどんどん険しくなっていくし、周りに生えている草にトゲがあってチクチク刺さる。ウエアもボロボロになるし、もう嫌だ…。

と、急に視界が開けた。どうやら別の林道に繋がっていたみたいで、さっきのMTBもここを走っていたんだろう。この林道は、ハイカーとモトクロスバイクの出入りがそれなりにあるらしい。モトクロスバイクの轍が多いし、MTBじゃ上がれない斜度と路面の坂、マークテープと複数の足跡。正直なところMTBで走って気持ちいい道ではないけど、モトクロスバイクが走っているという事は、通行可能な出入り口があるという事だ。

出口の目途もたったので、青空を眺めながら少し休憩。ふう、やっぱり青空は気持ちが良い。森の中の移動は疲れるし、虫が多いから鬱蒼とした場所ではおちおち休憩していられない。

気を取り直して移動開始。林道は途中で分岐にさしかかった。尾根を越える方向と、沢地形へ降りる方向。それなりに疲れていたからつい下りたくなるけど、ここは登る尾根方向に決定。

知らない山道では、迂闊に下らないのが鉄則だ。登り返しに使う体力は膨大だし、特にMTB有りでは「登り返せない」という最悪な結末もあり得る。その先が分からないなら、下手にくだらない方が良い。それに、下りの方角には道路や街がないはず。どのみち行き止まりか険しいアップダウンをぐるっと巻いて戻るだけだろう。いま下りたいと思っているなら尚更、下ってはいけない。

えっちらおっちら尾根を越え、ガレた下りをこなして舗装路へと出た。航空写真から見つけられなかったラインだったけど、また一つ脳内マップが埋まった。更に支線も見つかったから、今度は準備し直してそっちも行こうかな。

 

4.帰宅

舗装路に出てからは、適度に寄り道しつつ家路に付く。冬に走っていた場所もどんどん草木に覆いつくされているから、今シーズンはもう厳しいかも知れない。

山に居た時間は1~2時間でも、全身に適度な疲労感が。MTBは全身運動なのか、脚だけでなく腕や体幹にも疲れを感じる。

今日もそれなりに汚れてしまった。帰ったらバイクを洗って、自分は早くシャワーを浴びたい。MTBもかなり傷だらけになってしまったけど、道具らしさが増していい感じだ。せっかく買ったおもちゃ、もっと使い倒してやりたいところだ。

*MTBライドの装備については、こんな記事にまとめてみた。初心者目線での装備が多いけど、ご好評を頂けたので合わせてどうぞ。

おわり

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