3日目。
雨音を聞きながら夜を明かした。天気予報では08:00ごろからは雨がやむ予定。こうして雨がやむのを待つ時間というのは、意外と長いものだ。コンビニで買ったおやつを食べながら気長に待つ。
行程的に、今日は鹿児島県の桜島=最低280kmくらいは走りたかったから、08:00になっても止まなかったら雨の中でも出発しよう。テント泊装備が濡れるのが嫌だから避けられる雨は避けたいけど、別に雨自体は嫌いなわけじゃない。
結局小雨のままやまず、痺れを切らして出発。一旦雨に打たれてみれば、これはこれで気持ちいいもんだ。笑
曇天の山道というのは特に何があるわけでもないので、写真少なめでさっさと通過。淡々と距離を稼ぐライドとなった。
途中から霧が物凄く濃くなって、視界がほとんどなくなることもあった。ただの霧世界なら雰囲気が変わって楽しいが、トラックが時折通る道となると非常に怖い。こちらから見えないということは、あちらからも見えていないということなのだから。
こういうときはフロントはVolt800を点滅させ、Volt400を点滅させながら右手で後ろ向きに持つ。ハンドルと一緒に握りこめば操作に問題はないし、後ろから迫りくる大型車にアピールできる。
この道で自転車をまったく見ないということは、ドライバーの頭に自転車の存在などないはず。このくらいしないと危ないと、僕は思う。
途中、霧がすごい側道があったので入ってみた。
なんか異世界へ行ってしまいそう、なんて思った僕は、映画の見すぎだろうか。笑
路面は舗装されているけど、気分はグラベルライド。
バイクパッキングスタイルが、この雰囲気にめちゃくちゃマッチしていると思う。完全なる自己満足。ニヤニヤしながら愛車を眺める。
霧の山々を抜けると、また相変わらずの田舎道に。
桜島はまだまだ遠い。だけど、九州最南端の「佐多岬」で日の出を見たいから、今日は出来るだけ南に行きたい。明日の朝日だけを胸に、ペダルに力をこめる。
ようやく海にたどり着いたのは、夕方になってから。時間が経つにつれ天候が回復してきたので、明日の朝日により期待が持てる。
今日の寝床は日本で南から数えて2番目に位置する道の駅。ここから最南端の佐多岬までは約45kmだから、明日は日の出まで3時間の余裕を持って出発する予定だ。
睡眠時間はあまり取れないけど、それでもせっかく行くなら日の出を見たい。いつもはかけないアラームをセットして、準備万端。
300km近く走った疲れから、僕は一瞬で眠ってしまった。
つづく