雪の日って、得も言われぬ静けさがありますよね。
「あの静けさに包まれながら、一面の銀世界を走ってみたい」
2017年冬、僕の心の中にそんな危険な欲求が浮かんできた。「自転車って、雪の日は走れないんじゃないの?」と思いながらネットで検索してみると、実はやっている人は結構いるものだった。圧雪路ならマウンテンバイク、新雪ならファットバイクを用いれば、実は以外にも容易に走れるらしい。中には、「雪上ロードバイク」なるものを開発し北海道の冬をガシガシ走っている方々も。
でも、僕が持っているのはロードバイク。そんなに太いタイヤは入らない。新しいバイクを買うお金はないし、どうしたものか…?
そんな時、シクロクロスに700cのスパイクタイヤを履かせて雪道を走っている方のブログを見つけた。
「これだ…!!」
僕のルーベはロードバイクだけど、ディスクブレーキだからキャリバーのクリアランスは関係ないし、リアセンターも415㎜と長いから、多少太いタイヤも履けるはず。
実際に定規でクリアランスを測り、イケると確信した僕は秒速でスパイクタイヤをぽちっていた。因みに商品はこれ。
ルーベに搭載できるスパイクタイヤは恐らく30cまで。35cだとフォークの内側にタイヤがすりそうだ。
もし履けるなら、これ「シュワルベ マラソンウィンター35c」がベストだろう。ウィンターに比べてピンの数が倍になっているし、何よりタイヤ幅は太い方がいい。今Amazonで売っているのもこっち。
⇧Amazonでは現状35cのマラソンウィンターしか見つけられませんでした。
そしてこのタイヤ、ロードバイクに装着できること以外にもメリットがある。
空気圧を調整することで、路面にスパイクピンが当たるようにすることも、当たらないようにすることもできるのだ。つまり、雪のないアスファルト区間も自走可能ということ。
もちろん自宅から雪のある場所まで自走するつもりだから、これは非常にうれしい機能。
で、実際に到着してみた感想は、ゴツイ、重い。
それもそのはず、なんと重量はカタログ値で前後合計1610g!(もちろんタイヤのみ)
いつも使っているcontinental GP4000SⅡやパナレーサーraceDは前後460g程度。チューブも太くなって重量増加してるから、その差分を加算すると軽くホイール1セット分の重量増だ。しかも、リムよりさらに外側のタイヤが重くなっているときた。
まあ、雪道を走るためなんだから仕方ない。そもそも雪道ではそんなにスピードを出せない。
組付けてみたところ、サイズはぴったりで問題なく履くことが出来た。しかし唯一の難点、というか不満点はビードがとにかく硬いこと。硬すぎて、はめるのに30分近く要してしまった。硬いといわれているcontinental GP4000SⅡやパナレーサーraceDでもサクッとはめられるリムなのにこれだから、相性が悪い場合は本当にはまらないかもしれない。
そして2018年2月23日、関東に大雪が降った。横浜の自宅付近も15㎝以上と十分な積雪。ここぞとばかりにスパイクタイヤ:シュワルベウィンターの性能を試してみた。
雪の状況は様々で、15㎝の新雪、圧雪路、シャーベット、凸凹の凍結路とバラエティーに富んでいた。
なれるのに時間はかかったが、期待通り圧雪路と凍結路においてはきちんとグリップをし安定して走行することが出来た。しかし逆に、深い新雪やシャーベットは全くダメ。リアは滑るし、フロントは雪に埋まってハンドルはとられるしてまともに走行できなかった。
走行性能をまとめると、
・アイスバーン(凍結)⇒◎
走行可能。スリップなしで快適。
・~15㎝新雪⇒○
走行可能。ただしトラクションをかけないとスリップ。
・15㎝~新雪⇒×
走行不可。タイヤが埋まる。
・シャーベット⇒△
走行困難。タイヤが取られて危険。
・凸凹の凍結⇒△
走行困難。ツルツルのオフロードみたい。
タイヤ幅が30cとかなり細いから、新雪には埋まってしまうし凸凹にも弱い。このあたりが、MTBに取り付けられる2.5インチ前後のタイヤとの差だろう。もしフレームのクリアランス上、入るならなら35cの「マラソンウィンター」の方がいいと思う。
つまり、路面が凍っていればいい訳だ。ならば気温が常に氷点下の場所に行けば問題ない。行きたい霧ヶ峰・美ヶ原高原、白川郷は例年の気温を見ると氷点下。全く問題ないではないか!
そして、都会ながら雪夜の静けさを全身に感じつつ、雪道サイクリングを楽しむことが出来た。これは何としても行くしかない。僕の雪道ライドへの決意はより強固になっていった。
つづく(ロードバイク雪上ライドの記事一覧はこちら)
[…] そんな衝動に駆られた僕は、早速ロードバイクで雪道を走るためスパイクタイヤを導入し、雪道の走行に成功した。(前回) […]
[…] ・ロードバイク雪道ライド①スパイクタイヤ導入編(シュワルベウィンター7… […]
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[…] 上記取り付け方法で、雪道ライドの800km、紀伊半島一周の1000km、九州一周の1200kmの約3000kmを走ってみた。因みにこの間、一度もケージを外したりすることは無かった。 […]