バーテープは、乗り心地だけでなく見た目にも大きく影響するパーツ。グリップ力や握った感触はもちろん、ルックスにもこだわりたい部分だ。
今回は、SEIDO(セイド)のグラベル・ロングライド用バーテープ「TAB BAR TAPE」をレビューしていきたい。シリコンの滑り止めがお洒落な、個性派のバーテープだ。
<目次> 1.商品スペック 2.各部詳細 3.使用感 4.まとめ
*この商品は、代理店であるライトウェイプロダクツジャパンさんから提供を受けています。レビュー内容は全て私個人の見解であり、指示・改変を受けていません。
1.商品スペック
SEIDO(セイド)は、ドイツのグラベル系バイクブランドBOMBTRACK(ボムトラック)のプライベートブランド。日本語の「精度」から名付けられたブランドだそうで、フォーク・リム・ハンドル・サドルなど、各種バイク用パーツをラインナップする。グラベル用途にピッタリなパーツが揃う点で、貴重なブランドの1つだろう。
このTAB BAR TAPEはグリップ力を重視したバーテープで、表面にシリコンの滑り止めが配置されていることが特徴。このシリコンが個性的なルックスを演出しており、目を引くデザインのバーテープでもある。
スペック
・公称重量:100g ・実測重量:本体77.4g、エンドキャップ17.6g ・厚み:公称3.8mm/実測3.7mm ・公式ページ
TAB BAR TAPEはグラベル系を得意とする同社らしく、レースよりはグラベルorロングライド系をメインターゲットとした商品。厚みは3.8mmとバーテープのなかでは厚めの部類だ。
2.各部詳細
では、各部をもう少し細かく見ていこう。
パッケージは白のシンプルなもの。クリーンで高精度というブランドイメージらしい。
内容物はバーテープ本体・エンドキャップ・化粧テープ。エンドキャップは脱落しにくいボルト締めするタイプが付属する。押し込むタイプのエンドキャップはグラベルでしょっちゅう無くすので、ボルト締めタイプが付属するのは嬉しい。
ちなみにこのエンドキャップには、「SEIDO」の刻印がされていて、細かいところへの拘りが感じられる。
実測の厚みは3.7mm。一般的なバーテープは2.5mmくらいなので、バーテープのなかでは厚手の部類といえる。基本的にはロングライド用として売られてるやつがこの位で、ハンドルのグリップ感が太くなり過ぎない範囲ギリギリの厚みだと僕は思っている。グラベル用の超厚手タイプには5mmなんてのもあるけど、単純計算でハンドル径が1cm太くなるので人を選ぶだろう。
バーテープの裏は両面テープ。ハンドルバーにしっかり固定できることがメリットだが、まき直しがしにくくバーテープを交換する際には跡が残って面倒くさいのがデメリット。個人的には跡が残らないシリコン系の滑り止めが良かった。
重量は本体のみで約77gと、この厚みのバーテープにしては軽めだろうか。左右セットで100gは超える印象だったので、ちょっと意外だった。
マイクロファイバーの表面に、シリコンの滑り止めが付いている構造。
マイクロファイバーの布地の裏はスポンジっぽい緩衝材と接着テープ。特にゲル系の素材が入っているわけではなく、振動吸収性に特化したバーテープという訳ではないらしい。詳しくは画像2枚目をご覧いただきたい。
巻きやすさは可もなく不可もなし。
あまり伸びる素材ではないが、テンションをかけて巻くと裏側のスポンジが表地のマイクロファイバーに押されて、やや細く仕上がる印象だった。
3.使用感
続いては、SEIDO:TAB BAR TAPEの使用感をいろいろと。グラベルバイク「BOMBTRACK:HOOK EXT」に装着し、オンロード・グラベル・雪道でのバイクパッキングで主に使用した。
シリコンのグリップ感が良い
TAB BAR TAPEを使っていて、最も良いと感じたのはグリップ感。表面にシリコンが付いているタイプを初めて使ったけれど、このシリコンが手やグローブに吸い付くので非常に高いグリップを得られる。
特にグラベルや雪道でのライディングで恩恵が大きく、握力を消耗せずとも手がハンドルから離れないので楽に走れた。以前、BBBのグラベルリボンというグラベル用バーテープをレビューしたけど、個人的にはこっちの方が好み。
エアロポジションをとるためハンドルに腕を載せた時、ウェアと摩擦が効いて安定感があるのも嬉しいポイント。これはかなり特殊な使い方なので一般的におススメするポイントではないけれど、個人的には結構気に入っているポイントだったりする。
濡れると素手は厳しい
しかし、濡れた時のグリップ感はもう一声欲しいところだった。僕は長時間の雨の場合、手のひらがふやけてダメになるので素手で走ることも多い。TAB BAR TAPEは素手との相性があまりよくないらしく?雨量があるラインを超えると滑りやすいと感じた。
滑り止めのシリコンが云々というより、ベースのマイクロファイバーが水を吸って?手が浮く感じ。一般的なゴムっぽいバーテープとは感触が異なるので、好みが分かれそうだ。もちろん、どんなバーテープでも濡れればグリップ力は落ちるものだし、グローブを使うのが一般的。グローブとの相性もいろいろ試しつつ、なにか分かれば追記したい。
振動吸収性はそれなり
振動吸収性については、「厚み相応だが特別よい訳でもない」と言った具合。3.7mmと厚手なので一般的なものに比べればクッション性があるが、振動吸収に特化したものよりは普通の感触だ。
前述した通り、このバーテープには振動吸収用のゲル状の素材は入っておらず、やや厚いスポンジが主。だからテンションをかけて巻くと3.7mmにしてはやや細めに仕上がるし、手の痛みに悩んでいる人におススメしたい商品ではない。もちろん一般的なものに比べれば太く柔らかく仕上がるんだけど、手が痛いならもっと良い商品もあるという意味だ(例えば、BBBのグラベルリボンの方がクッション性がよい)。
裏を返していえば、持ち前のグリップ力と相まって比較的コントロールしやすいハンドルに仕上がるので、使い心地はむしろ良いと言える。
見た目がカッコいい
個人的にかなり気に入っているのが、この見た目。滑り止めのシリコンの柄がカッコいいし、SEIDOというブランド名が入っているのも良い。こういう見た目のバーテープは少ないし、さりげなくお洒落で好み。
画像1枚目みたいに、夕日が反射しているときなんかとても良い…。笑 バーテープは走っているとき常に見えるし写真によく映る場所なので、見た目にこだわる意味は結構あると思う。
ちぎれにくいのがGood。一方で、長期使用すると捲れ・毛羽立ちが発生する
グラベルで使用していると、転んだりバイクを倒したりして、バーテープはすぐボロボロになるもの。弱いEVA系とかは、岩や木の枝に当たって千切れてきたりする。このTAB BAR TAPEはマイクロファイバーがベースなので、切れ目が入ってもそこから崩壊しにくいと思う。これは意外なメリットだった。
その一方で、約1年間の使用でハンドルのいつも握る辺りに捲れ・毛羽立ちが発生してきた。マイクロファイバーの布地を使っていることが影響していそうで、素材の特性上仕方がないと思う。使用上の問題はなく、ハンドルを握っても違和感はないけれど、もうちょっと捲れてくると目立ちそうだ。
4.まとめ
以上、SEIDOのTAB BAR TAPEをレビューしてみた。滑り止めのシリコンが印象的なバーテープで、オフロードでも高いグリップを発揮するバーテープだった。人目を惹くデザインであることも、個人的にかなり気に入っているポイント。
その一方で、ガッツリ雨で濡れたときのグリップ感はもう一声欲しいところ。グローブを着けていればよいが、素手派の人は滑ると感じるかも知れない。このレビューが、皆様の役に立てば幸いだ。