ロードバイクやMTBで用いるシューズでは、インソールが果たす影響も無視できない。足の安定感向上や、ペダリングの効率化、土踏まずのアーチサポートなど、様々な効果があるからだ。
今回は、FLRの新作であるカスタムインソール『エリート パフォーマンスインソール』をレビューしていきたい。
<目次> 1.スペック 2.各部詳細 -インソールの重量 3.使用感 3-1.ミドルを選択 3-2.足裏のサポート感向上 3-3.FLRの「0.5刻み」調整が可能 4.まとめ
1.スペック
では、さっそく製品のスペックからご紹介。
・アーチ種類:ロー/ミドル/ハイ ・セット重量:50.8g(ロー)/62.0g(ミドル)/70.1g(ハイ) ・対応サイズ:EU38~45 ・価格:2,200円(税込み) ・Amazonはこちら
FLRは、昨年から日本で取り扱いが始まったイスラエルのブランド。プロの現場でも使われており、アジア人の足型に合いやすい「甲高・幅広」な設計と、コストパフォーマンスの良い価格設定が魅力だ。
この「エリート パフォーマンスインソール」は、そのFLRの新作製品。FLRのシューズにフィットし、3段階の高さでアーチサポートをする。
今回インソールを試したシューズは、FLRのF-XX Knit WT。
詳しくは当ブログでレビュー記事を書いているので、そちらをご覧いただきたい。
コストパフォーマンスに優れるFLRらしく、カスタムインソールとしては、割と安価な展開であることも嬉しい。
2.各部詳細
では、製品を詳しく見ていこう。
今回は、自分にどのアーチが合うのか分からなかったため、ライトウェイさんにお願いして3種類とも取り寄せさせて頂いた。それぞれの違いを比較しつつ、ご紹介していこう。
アーチの高さの違いは、色分けで区別されている。
黄色がロー、青がミドル、赤がハイ。パッケージも本体も分かりやすい。
エリートパフォーマンスインソールと、純正のインソール(右端)。純正のインソールは均一な厚みの素材で出来ており、アーチサポート等の機能はない。
基本的な形状は同じで、FLRのシューズにフィットするようになっている。
蛇足だけど、個人的には純正よりも見た目が好み。おかげで使うのにテンションが上がったり。笑
裏側から。かかと~土踏まずにサポート素材が入っているのが分かる。
インソールは2サイズごとに用意されている。僕のシューズは43なので、42-43用を使用。
小さいサイズで使用する際には、このラインに合わせてカットする様だ。
写真では少々分かりにくいけれど、3種類でアーチのサポート形状がかなり異なる。アーチサポートが強いものほど、持ち上がりが高くなり、かつ範囲も広い。
各インソールの、中央~右側の起伏に注目していただければ、サポート形状の違いがお分かりいただけるだろうか。
ローは、土踏まずの盛り上がりはほぼ無く、逆に中央あたりが柔らかい素材で盛り上がっている。
足を乗せてみると、普通にまっ平に感じた。かかと部分のサポート感は共通な様で、純正のインソールよりも安定感は増した。
ミドルは中間的な盛り上がりで、高さも範囲もそこそこ。
ハイでは土踏まずの持ち上がりが顕著になり、画像でインソールの中央よりもやや左側も盛り上がっている。右端の高さよりも、この中央付近の盛り上がりが合うかが、好みの分かれ目となりそうな感じがする。
インソールの重量
インソールの重量も見ていこう。純正に比べて、アーチサポートが入っている分、重量が増加している。また、アーチサポートが高いものほど重い傾向があるようだ。
サイズ42-43用の、両足での実測重量は以下の通り。
・純正:33.7g ・ロー:54.8g(+21.1g) ・ミドル:62.0g(+28.3g) ・ハイ:70.1g(+36.4g)
カスタムインソールとしては特別重たいわけではなく、まあこんなものだろうか。サポートが土踏まずだけでなく、かかと部分にも入っていることを考えると、妥当といえそうだ。
3.使用感
続いては、「エリート パフォーマンスインソール」の使用感をいろいろと。
3-1.ミドルを選択
3種類とも足を合わせて試した結果、僕には青のミドルが最も自然な使用感だった。
僕の土踏まずは、おそらく一般的~ややアーチが高い方で、3種類とも足を合わせても違和感は感じず。ただ、ハイともなると常に土踏まずにインソールが接している感じがあり、ミドルを選択した。
アーチサポートのインソールでは、実際に使用してみると痛みや違和感が出たりと、使って初めて分かる問題も多々ある。
このインソールはいろいろなシチュエーションで使用してみたけど、足との相性は良いらしくネガティブ要素は特に感じていない。
3-2.足裏のサポート感が向上
「で、インソールの効果はあるのか?」というと、全体的にシューズの使用感が向上した。
以前よりも足裏にフィットするようになったし、サポートされている感覚で足裏の安定感も増した。
正直なところ、僕は純正のインソールでも特に問題を感じていなかったので、何かが劇的に変わったとか、悩みが解決された……ということはない。
それでも、かかと~土踏まずの安定感UPは感じられて、片足約14gの重量増以上に効果はあると思っている。他に所有しているFLRのシューズ用に、追加でインソールを注文するくらいに気には入った。
3-3.FLRの「0.5刻み」調整が可能
この「エリートパフォーマンスインソール」はアーチサポートを目的とした製品だが、副次的な要素として「シューズサイズを0.5刻みで小さくする」効果がある。
というのも、純正のインソールと比べて本体の硬さが異なり、実質的に数mm底上げがされるからだ。
純正のインソール(上)とエリートパフォーマンスインソール(下)を、思い切り指でつまんでいる。インソールのつぶれ方が異なるのが、お分かりいただけるだろう。
この効果の良し悪しは人によるだろうけど、個人的にはシューズのフィット感がさらに向上し、非常にいい感じになった。
僕はFLRのシューズは43を使用していて、中厚の靴下でジャスト、厚手の靴下でギリギリ、薄手の靴下でやや緩い感じ。それがこのインソールに変更することにより、薄手のソックスでジャストフィットとなったのだ。サイズ42を試着すると純正インソールでもきつかったので、ちょうどよい中間を作れたかなと思っている。
4.まとめ
以上、FLRの『エリート パフォーマンスインソール』をレビューしてみた。
安価にシューズのフィット感を調整でき、自分好みの踏み心地にカスタムすることができる。当然ながらFLRのシューズにはピッタリはまり、相性は抜群だ。
自然と0.5サイズダウンする効果は良し悪しが分かれるところだろうけど、個人的には非常にありがたい効果だった。もしFLRのシューズに若干の緩さを感じている方がいらっしゃれば、ぜひおすすめしたい製品だ。
この記事が、皆様の参考になれば幸いだ。
おわり