装備レビュー

【レビュー】『BBB:フルビュー PH MLC』調光でミラーの視界が広いレンズ

ロードバイクの必需品ともいえるサングラス。

市場には様々な製品があるが、『調光かつミラーレンズ』となると、その選択肢はぐっと狭くなる。僕はフレームレスが好きなので、尚更サングラス選びには苦労していた。

そんな僕にピッタリの製品が、BBBから発売された。その名も『フルビューPH MLC(BSG-70PH)』。早速レビューしていきたい。

*当初の名前が「フルビューHC PH」だったので、そう表記されている場合もある。

<目次>
1.スペック
1-1.調光なのにミラー
2.各部詳細
3.使用感
3-1.かけ心地が良い
3-2.視界が広く見やすい
3-3.晴れ/曇り/朝夕まで対応
3-4.夜間走行は無理
3-5.使用期限は2年ほど
4.まとめ

1.スペック

まずはフルビューPH MLCのスペックからご紹介。

スペック

・カラー:ブラック/ゴールドミラー
・UVカット率:100%
・可視光透過率:16-63%
・価格:24,200円(税込み)
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「フルビューPH MLC」は、オランダのサイクリングブランド『BBB』が手掛けるサングラス。

BBBは実に18種類ものサングラスを発売しており、レース系からカジュアル系まで幅広く対応するラインナップをもつ。

ライトウェイさんより引用

「フルビュー」シリーズは、中央のフレームを排した「フレームレス」デザイン。視界を広く保てるのが特徴だ。UCIプロチームの選手もメインで使用するほどのサングラスで、モダンなデザインもかっこいい。

人気なフルビューには複数のラインナップがある。

 

フルビューの展開

・フルビュー(BSG-63):通常モデル。レンズはブラック、イエロー、クリア

・フルビューPH(BSG-63PH):調光モデル。レンズがグレー(可視光透過率17-85%)

・フルビューHC(BSG-70):ハイコントラストモデル。レンズがミラー系

・フルビューPH MLC(BSG-70PH):調光モデル。レンズがミラー(可視光透過率16-63%)

 

今回レビューするのは、一番下の「フルビューPH MLC」。日中の強い日差しやギラつきをカットし、夕暮れ時の薄暗いときにも対応できる優れものだ。

ちなみに「MLC」は「Multi Layer Coating」の略で、9層ものコーティングが施されているらしい。まぶしい光を軽減し、ベストな鮮やかさとシャープな視界を確保してくれるんだとか。強い衝撃を受けても、破砕飛散を防止することで、安全性も高めているらしい。

 

 

2.各部詳細

では、フルビューPH MLCの細部を見ていこう。

パッケージの内容物は、説明書の他、ソフトケースとハードケース。

ソフトケースはレンズ拭きにもなるらしい。

調光が機能していない(最もクリアに近い)状態で、こんな感じ。外側から見ると結構なミラー感で、部屋や僕が映りこんでいる。

多くの調光サングラスは、色が変化していない状態では「透明」、変化すると「グレー」になる。フルビューPH MLCは調光かつミラー加工なので、変化していないとき「薄いミラー」、変化すると「通常のミラー」になるのが特徴。

レンズはゴールドミラー加工で、サングラスをかけると青っぽい視界になる。

フレームをなるべく排除した設計で、広い視界が確保されている。深い前傾姿勢をとった際にも前が見やすく、フレームが視界に入り込むこともない。

ちなみに、以前からあるフルビューシリーズ(BSG-63、BSG-63PH)よりも、新作のフルビュー(BSG-70、BSG-70PH)は、レンズの上部が5mmほど高くなっている。左右のフレームからせり上がっている部分がそれで、レンズが更に広くなり、見た目もかっこいい。

つるの部分は滑り止めの効く素材。

適度にしなるので、かけ心地の良さに貢献してくれる。

ノーズパッドは無段階で調節可能。

パッド自体は柔らかい素材だが、芯がかなり硬め。調節にちょっと力が要るけど、一度しっかり位置を決めると保持力が高い。

レンズのカーブはこんな感じ。

以前使用していたOGKの121PHと比較して、両端のカーブがややきつめになった。

 

3.使用感

では、フルビューPH MLCの使用感を。

3-1.かけ心地が良い 

まず使用して感じたのは、フィット感の良さ。

ノーズパッドが微調整出来て滑り止めが効くし、つる部分のホールド感もちょうど良い。鼻や耳といったサングラスが接する場所が柔らかいので、顔への当たり感も優しい。

自分にとってジャストな場所に収まってくれるので、ライド中のストレスがなくなった。

今まではOGKのサングラスを使用してきたけど、それよりもフィット感に優れると思う。

レンズのカーブも僕にとってはBBBの方が合っていて、今まで使ってきた色々なサングラスの中で一番合っている感じがする。

 

3-2.視界が広く見やすい

フレームレスデザインは、深い前傾姿勢をとったときに前が見やすい。

視界のヘルメットのラインぎりぎりまでサングラスの視野が広がるし、フレームが視界に入りこまないのも好みだ。

ロングライド派の僕だけど、DHバーを使用する機会も多いため、特に上側の視界は広く確保したい。通常のポジションで乗っているときも、首を動かさなくても目線だけで見られる範囲が広いから、疲労を軽減できる。

レーシーな走りをする方はもちろん、そうでない方にも視界が広いメリットは大きいはずだ。

 

3-3.晴れ/曇り/朝夕まで対応

フルビューPH MLCは調光サングラスなので、ミラーレンズの見た目でありながら、夜間を除く時間帯はすべて、レンズ交換なしで対応できる。

可視光透過率と使用環境の目安は、次の通り(ライトウェイさんの商品説明より引用)。

可視光透過率と使用環境

・100-85%:夜間(クリア、イエローレンズなど)

・85-43%:曇り、夕方

・43-20%:晴れ、薄曇り

・20-8%:晴天(多くのサングラスは15%ほど)

 

フルビューPH MLCの可視光透過率は16-63%。晴天から曇り・夕方まで対応している。朝早く出かけるライドでも、または帰りが少し遅くなるライドでも、サングラス1つで対応できるのが楽で良い。

調光の色変化は自動で行われる(紫外線量で変化する)ので、かけているだけで常に最適な明るさに調節され続けるから最高だ。

サングラスを着用する目的として、「顔を隠したい」「ファッションアイテムの1つとして」という方もいらっしゃるだろう。

通常の調光サングラスだと、少し曇ると薄グレーになったりで、写真映りでは微妙になりやすかった。フルビューPH MLCはミラー加工がされているので、いい意味で「普通のサングラス」っぽい見た目をしてくれる。

 

3-4.夜間走行は無理

調光機能はすごく便利だけど、最大透過率が63%では夜間走行は出来ない。実際に夜にかけてみたけど、安全に走行することは難しそうだったので、テストも諦めた。

今まで使用していたOGKのサングラスは21-84%で、夜間も含めて24時間使用可能だった。その便利さに比べると、フルビューPH MLCは夜に使えないもどかしさがある。

ロングライドならナイトライドもあるし、冬場は日が落ちるのも早いので、もう少し最大透過率が高ければ…というのが惜しいポイント。結局僕は、可視光透過率が17-85%の「フルビューPH」も注文してしまった。

ちょっとした発見は『夕方の西日でも眩しくない』こと。

可視光透過率のレンジが広い調光サングラスは、夕方の西日が差し込むと眩しいのが問題だった。調光サングラスは紫外線量で色が変わるため、紫外線の少ない夕方はレンズが明るくなり、西日には対応できなかったのだ。

フルビューPH MLCは最大でも透過率が63%だから、調光機能が働きにくい西日でも、眩しさを軽減してくれた。ひょっとすると、「MLC」というコーティングの効果もあるのかも知れない。

 

3-5.使用期限は2年ほど

これは全ての調光サングラスに共通する点だけど、調光機能は2~4年ほどで劣化してしまう。

僕は今までいくつか調光サングラスを使用してきたけど、確かに2年ほどで色の変化が若干少なくなる感じがする。特に「クリアになりにくい」感じが強く、夜間使用しにくくなって交換…という感じだった。(とはいえ、2年も使えばフレームの劣化やレンズの傷が目だつから、調光機能が正常でも買い替えるタイミングだと思っている)。

あくまで想像だけど、BBBのフルビューPH MLCの場合はミラー加工が強いから、調光機能が衰えても普通のミラーサングラスとして使用できそうだと思っている。調光機能以外も劣化するから現実的かはさておき、そんな淡い期待があったりする。

 

4.まとめ

BBBのフルビューPH MLCは、調光でありながらミラー加工がされている珍しいサングラス。モダンで視野の広いフレームレスデザインを採用し、フィット感にも優れる。

朝~夕方まで、天候を問わず使用できるのは大きなメリットで、レンズ交換の手間がないため気に入っている。

夜間走行が出来ないのが最大のデメリットだけど、そのぶん日中の性能は高いので、明るい時間帯の使用がメインの方に合っているだろう。

おわり

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