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本当にグラベルロードはロングライド向き?実際に1日400km走ってみた話

グラベルロードは、その特徴から「ロングライド向き!」と言われたり、逆に「ロングライドには微妙…」なんて評価を受けたりする。

僕はグラベルロードとロードバイクを持っているけど、長らく何とも言えないなぁと思っていた。そこで『じゃあ実際どうなのよ?』という検証を兼ね、1日400km・4日間で合計800km超のロングライドをしてみた。

それを通じて感じたあれこれを踏まえて、グラベルロードでのロングライドについて思うことをまとめていきたい。

<目次>
1.僕のグラベルロード
1-1.ロングライドの定義
2.とりあえず400km走ってみた
3.『ロードバイクの方が速い』は事実
3-1.車重の影響
3-2.フロントシングルの可否
3-3.舗装路で「進む」バイクか
4.グラベルロードのメリット
4-1.空力重視のポジションに◎?
4-2.太いタイヤは正義
5.「ツーリング」が好きな人向き

1.僕のグラベルロード

まず初めに、今回ロングライドに使用した僕のグラベルロードをご紹介。

「グラベルロード」といってもカーボンの軽量なモデルから、MTBのような頑丈なモデルまで様々。きっとそのバイク特性によっても、評価はかなり異なるだろう。

僕のバイクは、Bombtrack(ボムトラック)のHOOK EXT(フックEXTというバイク。

クロモリフレームにカーボンフォーク、車重だけでも11㎏ほどある。今回は冬キャンプツーリングの一環で走り、かつ撮影機材もフルで積んでいるので、全体の装備重量は17㎏ほどだ。

ロードバイクに近いスペックのバイクで比較しても面白くないと思うけど、このセットアップであれば、絵に描いたような「グラベルロード」だと思う。

 

「Bombtrack:HOOK EXT」について詳しくは、バイク紹介記事を書いているのでこちらからどうぞ。

カスタムしている主な点は足回りで、ホイールは軽量なAlexrimsのRXD2に、タイヤは舗装路で転がりやすいPanaracerのGravel King SS 40c。

 

ロングライドの定義って?

実のところ、この記事の話題は『ロングライド』という言葉の定義による。もちろん解釈は人それぞれあって良いのだけど、言葉が曖昧だと正確に伝えることが出来ないから、便宜的に意味を定めたい。

この記事のロングライドは、極端に言えば「距離の壁を越えていく走り」で、距離と時間を意識したチャレンジングなライドとしたい。最低でもブルベのペース(グロスAv.15km/h)は切らず、キャノンボールのペース(グロスAv.23km/h)も意識している。

距離や時間を気にせず、のんびり100kmくらい走るのことは、区別するために『ツーリング』と呼びたい。

 

 

2.とりあえず400km走ってみた

グラベルロードがロングライドに向いているかどうかは、実際にやってみないことには分からない。

そこで、12月に仙台~富士山麓のロングライドをし、その初日に400km超を走ってみることにした。2日目は220kmほど、3,4日目は100kmほど走っている。

初日のコースは、だいたい仙台~勝浦の400km。獲得標高は1,800mほどと平坦基調だ。

DHバーを使用し、キャンプ装備ながらも僕なりに最速のタイムを出せる仕様で臨んだ。天候等のコンディションも良く、気温は7~15℃ほど、追い風3~4m/s。追い風には本当に助けられた。

走り方も、タイムを意識して淡々と。

無駄な休憩は一切せず、両足を付いたのはコンビニ補給の5分×3回のみ。僕なりに、ロードバイクで本気でロングライドをするのと同じ走り方をしている。

結果、400kmを15時間40分もちろんグロス(休憩もすべて含むスタートからゴールまで)でのタイム。

ロードバイクで400kmTTをした時のタイムに並ぶ、好タイムでゴール出来てしまった。これは期待以上の結果である。しかも2日目、3日目…とキャンプツーリングをするため、体力の限界まで走っていた訳ではなく、終盤の追い込みもそこそこにしている。

この結果だけを見ると、十分『グラベルロードはロングライドに向いている』と言えそうだ。

走ってみた感覚としても、思っていた以上にちゃんとロングライドを走れた。普通に長距離を走行するバイクとして成り立ちそうな感触。。

 

 

3.『ロードバイクの方が速い』は事実

グラベルロードでも400kmを好タイムで走れた訳だけど、スピード勝負では間違いなく『グラベルロードよりロードバイクの方が速い』と思う。

そして、こと「ロングライド」をするなら、速さはパワーを温存し楽に走るためにも欠かせないポイントだ。400km走ってみて、ちょっとネガティブに感じたのもそういう「速さ」に関連する部分だった。

僕が乗っているロードバイクは、SpecializedのRoubaix SL4というエンデュランスロード。ロングライド性能をロードバイクと比較すると、「使えるか」と「向いているか」の違いを感じる。

「では具体的に、ロングライドにおける差異は何か?」というのを少し詳しく。

 

3-1.車重の影響

何といっても、まずは車重。

エントリー~ミドルグレードの完成車で、ロードバイクは8㎏前後のところ、グラベルロードは10㎏+αが多いだろうか。

仮にキャンプ道具を積んでいたとしても、その数㎏の差は消えない。

特に登り坂と信号峠でその差は現れ、車重のあるグラベルロードはやっぱり辛い。それは普段のライドでもそうだし、ロングライドをした時にも絶えず感じたことだ。

もちろんグラベルロードでもお金をかければロードバイク並みに軽量に出来るけど、同じ価格帯で比較すればその差は埋まることはほぼないはず。

 

3-2.フロントシングルの限界

これは車種によるけど、グラベルロードはフロントシングルで組まれているバイクも少なくない。

僕のバイクはSRAMのRival1という、グラベルロードに人気のコンポだ。もしオフロードでの走行も重視したいなら、僕もフロントシングルが有利だと思っている。

一方、舗装路でのロングライドを考えると、ロードバイクと比べて物足りなくなるのも事実…。

先の800kmライドでは、初日は平坦400km、その後の3日間では箱根等のまとまった登りも走った。ギア比はフロント40T、リア11-42Tと、登りが楽な仕様。そのため山岳区間はまだ良かったものの、平坦ではトップ側が足りないorギアの間隔が広いという問題があった。

致命的とまでは言わないものの、やっぱりロードバイク用のコンポの方が、ロングライドでは使い勝手が良いと感じている。

 

3-3.「舗装路で進む」バイクか否か?

ちょっと表現が難しく、そして「グラベルロード or ロードバイク」という切り口だけでは語りにくいけど、走っているときに気持ちよく進めるかも、結構重要だと思う。結局、走りにくいと感じるバイクは疲れるし遅い。

グラベルロードとロードバイクでは、当然ジオメトリから剛性バランスまで、車体の設計が違う

当たり前すぎることだけど、やっぱりバイクそれぞれに「気持ち良い走り方」というのが存在して、オンロードを走るならロードバイクの方が優れているのは明らか。

未舗装路に耐えるための堅牢性は、舗装路では過度な剛性となり逆に疲労の元ともなる。加速性能に劣る設計は、信号のストップ&ゴーで不利だ。

もちろんバイクごとに特徴は異なるから、一概に語るべきでない。僕の乗っているHOOK EXTは適度にしなって「進む」感触が心地良かった。でも全てのグラベルロードが良い訳でもなく、とにかく硬さと重さを感じるものもある。

総じて言うなら、グラベルロードは未舗装路を見越した設計であるが故、舗装路ではその部分がネガとなることが多いと思うのだ。

 

 

4.グラベルロードのメリット

タイムや距離を意識するロングライドでは、グラベルロードはロードバイクに劣るという話をした。

しかし、全ての点で劣るわけではなく、そういう競技志向的な考え方でも、グラベルロードがロードバイクに勝る部分もあると思う。それが400km走ってみての発見だった。

 

4-1.空力重視のポジションに◎?

まずはジオメトリ。

この画像(↓)はHOOK EXTのジオメトリだけど、一般的なロードバイクよりもヘッドが寝てシートが立っている。この傾向はTTバイクにもあって、前乗りにしやすく直進安定性を高めてくれる

実のところ、平坦基調のロングライドなら、車体重量よりも空力の方が重要だ。重たいバイクでも400kmを15時間代で走れたのは、コースが平坦で、追い風かつDHバーを使用していたからに他ならない。

もし空力重視のポジション・思想で走るなら、TTバイクに似た特性を持つグラベルロードは、平坦のロングライドで使用しやすいと思った。前乗りしやすく、疲れてきた後半でもバイクが勝手にまっすぐ進んでくれるのは、大きなメリットだろう。

ロードバイクでロングTTをするときは、諸々のセッティングが大変だった。

そういう意味ではグラベルロードだって、攻めたロングライドにも向いている特徴は備えているかも知れない。

 

4-2.太いタイヤは正義

次に、やっぱり太いタイヤは正義だということ。

ロングライドでは走行振動による疲労も無視できず、タイヤを太くするのは有効な解決方法だ。

実際に400kmを走ってみて、40cという太いタイヤの振動吸収性に助けられたシーンは多かった。特にDHバーを使用して走行すると抜重がしにくいため、その恩恵が大きかったと思う。

まだ最適解は分からないけど、連日のロングライドで使用するなら、30~35cのチューブレスが最もバランスが良いのかも知れない。最近のエンデュランスロードなら30cくらいまで対応するけど、泥除け等のクリアランスも考えるとグラベルロードのクリアランスは魅力的だろう。

 

5.「ツーリング」が好きな人向き

世間一般に「ロングライド」といっても、その形態は様々だ。

100~200kmくらいをまったり流すのもあれば、ブルべのように制限時間を気にするもの、キャノンボールのように530km越えを1日で走りきるもの…。

初めにも書いた通り、この記事で僕は、距離と時間に挑戦するような走りを「ロングライド」と呼んでいる。

そういう「ロングライド観」から言えば、『グラベルロードはロングライドにそれほど向いていない』と思う。というか、やっぱりロードバイクに勝てない。もし僕がロングライド専用機を僕が作るなら、間違いなくロードバイクをベースに作る。

考えるまでもなく当然だ。グラベルロードは「グラベル」を走るバイクであって、舗装路だけを走るバイクじゃないんだから。正直なところ、無条件にグラベルロードを「ロングライド向き」と称するのは、いささか無理があると僕は思う

 

だからと言ってグラベルロードがダメか?と言うと、そんなことは全くなくて、普通にロングライドはこなせる。1日400kmだって余裕で走れちゃうし、実際に走っても使い辛くてストレスが溜まることもなかった。

先ほど書いた通り、むしろ平坦基調の長距離戦なら、グラベルロードの方がロードバイクより良いと思う点もあったのだから驚きだ。

もしキャンプツーリングや未舗装路にも興味があって、その延長としてロングライドにも使いたいなら、グラベルロードは最高の選択肢だろう。この懐の深さは他のジャンルにはないと思うし、なんでも満足いくレベルで楽しめる。

僕がいつも楽しんでいるのは『限界ツーリング』的な遊びなので、グラベルロードは最高に楽しい。

 

僕が「ツーリング」と呼んだまったり100km走るようなライドには、むしろグラベルロードの方がいい場面もあるだろう。

荒れた脇道に逸れたり、ちょっとしたデイキャンプをしたりと、使い方が広がるからだ。純粋な走行感ではロードバイクに劣るはずだけど、別の刺激を求めるならグラベルロードが良い。

『ロングライドで自分の限界に挑戦したいならロードバイク、その気が無いならグラベルロードも十分アリ』というのが、僕なりの結論だ。

おわり

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