自転車に荷物を括り付けて、冒険的なライドに出かける「バイクパッキング」。そのバイクパッキングのスタイルの例を、ライドの概要と共にまとめていきたい。
今年走ったバイクパッキング・ツーリングから抜粋して、ロードバイクとグラベルロードに積載している例をずらりと並べていこう。更に詳しい情報は、各リンク先に載せているのでそちらへどうぞ。
<目次> 1.雪中キャンプツーリング 2.冬季北海道600㎞ 3.グラベルキャンプ 4.春キャンプライド 5.エベレスティングROAM(400㎞1万mUP) 6.夏の三陸ツーリング 7.白神・秋田・田沢湖ツーリング 8.栗駒山登山&キャンプツーリング 9.雨天グラベルキャンプ 10.伊豆半島キャンプツーリング 11.太平洋800㎞キャンプツーリング 12.冬キャンプライド
1.雪中キャンプツーリング
<ライド概要> ・距離:100㎞弱 ・獲得標高:?m ・期間:1泊2日 ・気温:-5~5℃ ・天候:晴れ~雪
友人と雪の宮城の林道を走行。1泊2日のゆるぽたライドだった。
<使用機材> ・バイク:Bombtrack/Audax 2021 ・ホイール:3T/Discus Team C35 ・タイヤ:Schwalbe/Marathon Winter Plus 40c ・サドルバッグ:Ortlieb/Saddle Bag ・フレームバッグ:Apidura/Expedition Full Frame Pack(12L) ・トップチューブバッグ:Apidura/Racing Long Toptube Pack(2L) ・ハンドルバッグ:Apidura/Racing Handlebar Pack(5L) ・フォーク横:Blackburn/Cargo Cage
フルフレームバックで荷重バランスを中央に集め、雪上でも取り回しを良くした構成。フレームに巻いているのはテントのポール。
タイヤは前後ともにスパイクタイヤ。
2.冬季北海道600㎞
<ライド概要> ・距離:600㎞ ・獲得標高:6,100m ・期間:4泊5日 ・気温:-23~0℃ ・天候:晴れ~雪など
3度目となる冬季北海道ライド。今回は距離を600㎞ほどと抑えての行程。マイナス20℃を下回ると寒さが応えたが、美しい世界を走ることが出来た。
<使用機材> ・バイク:Bombtrack/Audax ・ホイール:3T/Discus Team C35 ・タイヤ:Schwalbe/Marathon Winter Plus 40c ・リアキャリア:Bontrager/Light weight Rack ・フレームバッグ:Apidura/Expedition Full Frame Pack(12L) ・トップチューブバッグ:Apidura/Racing Long Toptube Pack(2L) ・ハンドルバッグ:Apidura/Racing Handlebar Pack(5L) ・ダウンチューブバッグ:Apidura/Backcountry Downtube Pack(1.8L) ・フォーク横:Blackburn/Cargo Cage ・エアロバー:Ridefarr/Carbon Aero Bolton
ハンドルにはR250のハンドルウォーマーを使用、中央には軽量なエアロバーでありRidefarrのCarbon Aero Boltonを装着。
リアはシュラフとマットが嵩張るため、400g台の超軽量キャリアを装着しBlackburnのCargo Cage用ベルトで荷物を固定。サドルバッグとそん色ない重量ながら、積載量と安定感を増している。
ウェアは冬山登山に使用するものを基本に構成。キャンプをしながらの走行なので、極寒の中でも快適に過ごせる防寒具が求められた。詳しくはまとめ記事へ。
3.グラベルキャンプ
<ライド概要> ・距離:113㎞ ・獲得標高:1,887m ・期間:1日(前泊キャンプ) ・気温:7~15℃ ・天候:曇り
友人とのグラベルキャンプツーリング。長めの担ぎ区間もありつつ、ロンググラベルを堪能した。
<使用機材> ・バイク:Bombtrack/Hook EXT ・ホイール:WTB 650b ・タイヤ:WTB/Venture(F),Byway(R) ・サドルバッグ:Blackburn/Outpost Seatbag(11L) ・フレームバッグ:Fairweather/Cornerbag ・トップチューブバッグ:Apidura/Racing Long Toptube Pack(2L) ・ハンドルバーバッグ:Sea to summit/Ultra-sil Dry Sack(10L)+Voile Strap ・エアロバー:Ridefarr/Carbon Aero Bolton ・サスペンションステム:Redshift/Shock Stop Stem
担ぎがあるため、フレーム内を広く開けたスタイルを選択。また、サスペンションステムで長距離のグラベルに対応。
ハンドルバーには、ドライサックを直接Voileストラップで括り付けている。
4.春キャンプライド
具体的な企画がある訳でなくとも、キャンプライドへ出かけることもしばしばある。そんなライドでのセットアップを、2つ抜粋してご紹介。
<SETUP> ・バイク:Bombtrack/Hook EXT ・ホイール:WTB 650b ・タイヤ:WTB/Venture(F),Byway(R) ・サドルバッグ:Blackburn/Outpost Seatbag(11L) ・フレームバッグ:Apidura/Expedition Frame Pack(4L) ・トップチューブバッグ:Apidura/Racing Long Toptube Pack(2L) ・フロントバッグ:Apidura/Racing Handlebar Bag(5L) ・フォーク横:Blackburn/Cargo Cage ・エアロバー:Ridefarr/Carbon Aero Bolton ・サスペンションステム:Redshift/Shock Stop Stem
ウイスキーのボトルをフォーク横にまるまる積んでの、のんびりキャンプライド。見た目的にも最高だと思う。笑
<使用機材> ・バイク:Bombtrack/Hook EXT ・ホイール:Alexrims/RXD2 ・タイヤ:Panaracer/Gravel King SS 700*40c ・サドルバッグ:Apidura/Backcountry Saddle Bag(6L) ・フレームバッグ:Apidura/Expedition Full Frame Pack(12L) ・トップチューブバッグ:Apidura/Racing Long Toptube Pack(2L) ・ハンドルバッグ:Apidura/Racing Handlebar Bag(5L) ・ダウンチューブバッグ:Apidura/Backcountry Downtube Pack(1.8L)
サドルバッグを小型化し、その分の積載量をフルフレームバックでカバー。荒れたグラベルでもコントロールし易い構成にしている。行き場を失ったボトルはフォーク横へ。
5.エベレスティングROAM(400㎞1万mUP)
<ライド概要> ・距離:401㎞ ・獲得標高:10,188m ・期間:20時間30分 ・気温:10~20℃ ・天候:曇り~雨
宿泊を伴うライドではないけど、ロードバイクにパッキングしたファスト&ロングライドの構成としてご紹介。400㎞/10,000mUPを36時間以内に走る「エベレスティングROAM」挑戦時の構成。
<SETUP> ・バイク:Specialized/Roubaix SL4 Disc(2016) ・ホイール:3T/Discus Team C35 ・サドルバッグ:Apidura/Racing Saddle Bag(5L) ・フレームバッグ:Apidura/Racing Frame Pack(2.4L) ・トップチューブバッグ:Apidura/Racing Long Toptube Pack(2L) ・ハンドルバッグ:Apidura/Backcountry Food Poach
終盤に強い雨に見舞われるため、防水ウェアフル装備かつ着替えも積載。ロードバイクで数泊するロングツーリングなんかでも、この構成は良いと思う。
6.白神・秋田・田沢湖ツーリング
<ライド概要> ・距離:600㎞ ・獲得標高:6,000m ・期間:3泊4日 ・気温:25~35℃ ・天候:快晴 ・その他:登山込み
青森、秋田、岩手を跨ぐ東北ツーリング。1日200㎞弱を基本に、登山も組み込んだツーリングだった。
<使用機材> ・バイク:Bombtrack/Hook EXT ・ホイール:Alexrims/RXD2 ・タイヤ:Panaracer/Gravel King SS 700*40c ・サドルバッグ:Apidura/Backcountry Saddle Bag(6L) ・フレームバッグ:Apidura/Expedition Full Frame Pack(12L) ・トップチューブバッグ:Apidura/Racing Long Toptube Pack(2L) ・ハンドルバッグ:Apidura/Racing Handlebar Bag(5L) ・ダウンチューブバッグ:Apidura/Backcountry Downtube Pack(1.8L)
登山用具があるのと、天気予報を信じず防寒具と着替えを大量に用意したため、かなりの重装備に。テントもダブルウォールの本格テントで快適な宿泊だった。
7.三陸ツーリング
<ライド概要> ・距離:300㎞ ・獲得標高:3,300m ・期間:1泊2日 ・気温:17~25℃ ・天候:快晴 ・その他:宿泊施設利用
「バイクパッキング」と呼ぶか微妙な線だけど、ネカフェ等を活用した国内の快走ツーリングならこれがおススメ、という意味でご紹介。
<使用機材> ・バイク:Bombtrack/Hook EXT ・ホイール:Alexrims/RXD2 ・タイヤ:Continental/GP5000 25c ・サドルバッグ:Ortlieb/Saddle Bag L ・フレームバッグ:Apidura/Expedition Frame Pack(4L)
フルカーボンのロードバイクと一緒にツーリングするために、極限まで軽量化。反応性能良いフレームということもあり、グラベルロードながらに良い走りが出来た。
8.栗駒山登山&キャンプツーリング
<ライド概要> ・距離:280㎞ ・獲得標高:3,500m ・期間:1泊2日 ・気温:10~20℃ ・天候:晴れ ・その他:登山込み
友人と紅葉の栗駒山へ、グラベルを巡りつつキャンプツーリング。マイナーな天馬尾根コースで栗駒山への登山も組み込んだ。
<使用機材> ・バイク:Bombtrack/Hook EXT ・ホイール:Alexrims/RXD2 ・タイヤ:Panaracer/Gravel King SS 700*40c ・サドルバッグ:Apidura/Expedition Saddle Pack(9L) ・フレームバッグ:Apidura/Racing Flame Pack(2.4L) ・トップチューブバッグ:Apidura/Racing Long Toptube Pack(2L) ・ハンドルバッグ:Sea To Summit/Ultra Sil(8L) + Black Diamond/Ski Strap ・ダウンチューブバッグ:Apidura/Backcountry Downtube Pack(1.8L) ・フォーク横:Daigo Gear/Front Fork Holder + Sea To Summit/Ultra Sil(4L)
平坦路から、グラベル・山岳・担ぎといったコースも含む今回は、オールラウンドに使いやすいパッキングを意識。バイクを担ぐためにフレーム内を空けている。ハンドルバーには、トレランシューズをドライサックに詰めてスキーストラップで固定。
また、自分はSalomonの軽量トレランベスト「Sence Pro 5」を装着している。
9.雨天グラベルキャンプ
<ライド概要> ・距離:150㎞ ・獲得標高:3,000m? ・期間:1泊2日 ・気温:5~15℃ ・天候:雨
宮城の林道巡りで、グラベル率高めのルート。荒天の他、メカトラや熊との遭遇など、環境の厳しいライドだった。
<使用機材> ・バイク:Bombtrack/Hook EXT ・ホイール:WTB 650b ・タイヤ:WTB/Venture(F),Byway(R) ・サドルバッグ:Apidura/Expedition Saddle Pack(9L) ・フレームバッグ:Apidura/Expedition Frame Pack(4L) ・トップチューブバッグ:Apidura/Racing Long Toptube Pack(2L) ・ハンドルバッグ:Apidura/Backcountry Handlebar Bag(11L),Accessory Pocket(4L) ・ダウンチューブバッグ:Apidura/Backcountry Downtube Pack(1.8L) ・フォーク横:Daigo Gear/Front Fork Holder ・フォーク横:Problem solvers/bow tie strap anchor kit ・泥除け:Ass Savers/Fendor Bendor Big
Apidura(アピデュラ)のバッグを基本に、フォーク横にはより軽量で使い勝手のいいギアをチョイス。右に付いているのがDaigo Gearといって醍醐漫さんの自作ギアを買い取らせていただいたもの。
中身はダブルウォールの山岳テントをはじめ、自炊道具も含めてフル装備。雨なので、着替えも多めに持ってきている。
10.伊豆半島キャンプツーリング
<ライド概要>
・距離:550㎞
・獲得標高:4,800m
・気温:5~20℃
・天候:晴れ
友人たちと伊豆半島へキャンプツーリングへ。1泊2日を共にしたのち、300㎞ほど帰宅路を自走した。
<SETUP> ・バイク:Specialized/Roubaix SL4 Disc(2016) ・ホイール:3T/Discus Team C35 ・サドルバッグ:Apidura/Expedition Saddle Pack(9L) ・フレームバッグ:Apidura/Expedition Flame Pack(4L) ・トップチューブバッグ:Apidura/Racing Long Toptube Pack(2L) ・ハンドルバッグ:Apidura/Backcountry Handle Pack + Accessory Pocket ...etc.
ロードバイクにキャンプ道具をフル装備で、クッカー類も含んでいる。テントポールはサドルバッグの下にVoileストラップで固定。
ツーリングのままの足で予定があったため、私服一式もパッキングしており荷物が多い。
11.太平洋800㎞キャンプツーリング
<ライド概要> ・距離:820㎞ ・獲得標高:6,200m ・期間:3泊4日 ・気温:5~20℃ ・天候:晴れ
「キャンツー集い」という富士山麓での自転車キャンパーの集まりへ、仙台から太平洋を自走。初日には400㎞をグロス15h40mで走るなど、ライド部分はスピーディーなツーリングだった。
<SETUP> ・バイク:Bombtrack/Hook EXT ・ホイール:Alexrims/RXD2 ・タイヤ:Panaracer/Gravel King SS 40c ・サドルバッグ:Apidura/Expedition Saddle Pack(9L) ・フレームバッグ:Apidura/Expedition Frame Pack(4L) ・トップチューブバッグ:Apidura/Racing Long Toptube Pack(2L) ・ポーチ:Apidura/Food Poach Puls ・ダウンチューブバッグ:Apidura/Backcountry Downtube Pack(1.8L) ・ケージ:Daigo Gear/Front Fork Holder ・DHバー:Profile Design/4525a ・ベスト:Apidura/Hydration Vest
平坦メインのため、DHバーを使用。フードポーチはDHバーの間に装着し、前方投影面積を可能な限り小さくした。
自分はApiduraのハイドレーションベストを着用している。
フレーム内にDaigo Gearさんのフォークホルダーを装備し、テントとマットを収納。結露で濡れたテント類をバッグの中に入れずに済むのが良かった。
12.冬キャンプライド
<ライド概要> ・距離:150㎞ ・獲得標高:1,800mm ・期間:1泊2日 ・気温:-3~5℃ ・天候:曇り~雪
東北の冬のキャンプライド。グラベルもなるべく取り入れ、新投入のギアのテストも兼ねて走っていた。
<使用機材> ・バイク:Bombtrack/Hook EXT ・ホイール:WTB 650b ・タイヤ:WTB/Venture(F),Byway(R) ・サドルバッグ:Apidura/Backcountry Saddle Bag(6L) ・フレームバッグ:Apidura/Expedition Full Frame Pack(4L) ・トップチューブバッグ:Apidura/Racing Long Toptube Pack(2L) ・ハンドルバッグ:Apidura/Backcountry Handlebar Bag(11L),Accessory Pocket(4L) ・ダウンチューブバッグ:Apidura/Backcountry Downtube Pack(1.8L)
焚火台や薪をフルフレームバックに搭載。焚火台のプレート等、荷物の形状に自由に対応できるフルフレームバックば使い勝手が良かった。
最後に
以上、一部ではあるけれど、僕が今年使ってきたバイクパッキングの構成をご紹介してみた。
パッキングは「ライドの目的が何か?」「どんなコース・天候か?」によって細かく変わってくるし、乗り手やバイクとの相性も大切だ。
この記事でご紹介したのは使ってきた中ではほんの一部だけど、中でも僕なりには「ライドにマッチして良かった」と思う構成を選んでご紹介している。
バイクパッキングは、宿泊も含む冒険ツーリングを、より深く楽しめる素晴らしいツールだと思う。
このブログが、皆様の『楽しい』を生み出すきっかけになれば幸いだ。
おわり