汗冷えを防止するインナーとして名高い『Millet(ミレー):ドライナミックメッシュ』。その独特な見た目から、「網タイツ」「鎖帷子(くさりかたびら)」なんて呼び名が付けられるインナーだ。
ロードバイクや登山での汗冷えには長年悩まされてきたけど、このドライナミックメッシュは解決の決定打となりうるウェアだった。
着用時のサイズ感や夏場の暑さなど、実際どうなの?と気になる部分にも触れつつ、レビューをしていきたい。
<目次> 1.スペック&サイズ感 2.各部詳細 3.使用感 3-1.意外と自然な着用感 3-2.皮膚の上に空気の層が出来る 3-3.汗冷えが激減 3-4.夏場は暑い? 3-5.身体に跡が付きそう 4.まとめ
1.スペック&サイズ感
まずは、ミレーのドライナミックメッシュのスペックとサイズ感から。
記載しているのはノースリーブ版で、ミレーの展開にはロングスリーブ版、ハーフスリーブ版もある。
・サイズ:S/M、L/XL、XXL ・カラー:ブラック、ライトグレー ・価格:4,600円+税 ・Amazonはこちら
*以下、着用画像を含みますので、お目汚しがあるかもしれません。失礼いたします。
◎サイズ感
購入したのは、ブラックのS/Mサイズ。
ミレーのサイズチャート(胸囲・ウエスト)を参考に選んだけど、きつくも緩くもないちょうどいいサイズ感だった。
参考までに、僕は身長177㎝体重67㎏、胸囲89㎝ウエスト74㎝。S/Mサイズが胸囲84~95㎝、ウエスト72~85㎝。
S/Mサイズでも長さ(着丈)に関しても全く問題はなく、腰のあたりまでしっかり覆う事ができた。ロードバイクで前傾姿勢になっても、背中が出ることはないくらい。
他のミレーのウェアだと、S(日本M)かM(日本L)サイズがちょうどくらいで、海外ブランドのアウトドアウェアは大抵SかMサイズを選ぶ。
◎試着してからの購入も可能?
もしどうしてもサイズ感が決められない方は、Amazonの「プライムワードローブ」を使用して、試着してから購入を決めることもできる。
Amazonプライム会員限定のサービスだけど、サイズや色違いなどをまとめて配送してもらい、試着し気に入ったものだけを購入できる仕組み。特に追加料金もかからないし、何も買わなくてもOK。
記事執筆時点ではプライムワードローブの対象になっていたので、届いたものをインナーの上から試着する等することは可能だ。
◎Amazonプライムに関してはこちらから、Amazon商品ページはこちらから。
2.各部詳細
では、各部を詳しく見ていこう。
目の粗いメッシュで、見た目はまさに「網タイツ」。(笑)
メッシュを構成する生地はしっかりしているけど、構造的に全方向にかなり伸びる。それもあって、身体にしっかりフィットしてくれるのかなと思う。
胸にミレーのロゴ。
裾は意外と分厚い生地。締め付け感はさほどない。
3.使用感
では、実際に使用してみてのあれこれを。使用期間は夏~秋の4か月ほどで、夏場のバイクパッキングや雨のロングライド、初冬の登山など、汗濡れや蒸れの気になるシチュエーションで使ってきた。
3-1.意外と自然な着用感
その奇抜な見た目に反して、身に着けているときの感触は至って自然だった。
例えば網目が気になるとか、走行中に擦れて痛みが出るとか、そういった違和感や問題は全く発生せず。どうしても今まで着たことのない形状のウェアだから身構えていたけど、実際は特に気になることもなく、普通にインナーとして使用出来た。(笑)
3-2.皮膚の上に空気の層が出来る
フィールドで使用してまず感じたのは、今までのウェアとは全く異なる感触だった。
網目の中に空気がたまるため、皮膚がウェアに接している感覚が軽減されている。胴体の部分だけ一枚空気の層を噛ませている様な、重ねているインナーウェアが浮いている様な……。
今まで使っていたメッシュ系インナー(おたふく手袋の3Dメッシュなど)とは一線を画す肌離れ感。
いうなれば、エアボリュームが違う。25cのロード用タイヤを、650b×47のロードプラスに変えたみたいな、そんな感じ。
3-3.汗冷えが激減
インナーウェアがドライナミックメッシュによって浮かされるから、ウェアが汗で濡れようとも肌に直接触れることがない。当然、汗冷えも相当軽減される。
今までのウェアでも十分に汗を処理してくれたため、特別不満があったわけではなかった。それでも大量に汗をかいたあとは、汗を処理しきるまでの時間は、汗が染みたウェアが身体に付いてヒヤッとすることはあった。どんなに高性能なウェアでも、大量にかいた汗が瞬時に乾くわけではないから、仕方のないことだろう。
しかしドライナミックメッシュは、その「汗を処理しきるまでの時間」さえも快適に変えてしまう優れものだった。ウェアが快適な状態に戻るまで、汗を含んだウェアを身体から離しておいてくれる。その機能が素晴らしい。
湿度の高い雨の日などは、ウェアを乾かすことさえ難しい。雨の中一日中山の中を走り回ったときも、実際ウェアはある程度濡れっぱなしだった。
それでも、皮膚に濡れたウェアが触れないため、汗冷えの感触は皆無。下りを飛ばしても、寒さは一切感じていない。
もちろん状況次第では、ドライナミックメッシュでも対応できないシーンがあるのかも知れない。
ただ、予想以上に水分が皮膚から離れるのが早く、胴体に冷たくなった液体が触れることはほぼ無いんじゃないかと思う程。適切なアウターシェルで冷たい風をブロック出来れば、相当快適なライドが出来るだろう。
3-4.夏場は暑い?
ここまで汗冷え防止効果についてべた褒めしてきたけど、オールシーズン完璧なウェアという訳ではないと思う。というのも、空気の層が出来る=保温効果もあるため、真夏に着用しているとちょっと暑いからだ。
特に自転車での使用を前提とした話をすると、ロードバイクの様に前傾姿勢をとると、網目の壁がブラインドカーテンの様に空気の流れに対して斜めになり、胴体に来る風をシャットアウトしていた。
外気が身体に触れないのは汗冷え防止の観点からはいいけれど、夏場は逆に暑いと感じやすいだろう。まあ、そんなに暑さが気になる行程では逆に汗冷えは気にならないので、実用上は特に困っていない。
3-5.身体に跡が付く
登山等でザックを背負うとすると、肩や背中に少し網目の跡が付くかもしれない。僕も跡が付いてしまって、お風呂でウェアを脱いだ時に肩に網目模様を発見した。
幸い僕は跡が付いて痒くなるとか、行動中気になってしまうということは無かったけれど、ひょっとすると気になる人もいるかも……?という感じ。ここは使い手次第なところだと思うので、肌の弱い方はひょっとすると相性が悪いのかも知れない。
4.まとめ
以上、ミレーのドライナミックメッシュをレビューしてみた。
インナーとしては高価だし、見た目が奇抜だしと、ちょっと手の出にくい商品だとは思うけど、もし汗冷えに悩んでいるなら十分投資に値する製品だと思う。
もちろん、ドライナミックメッシュの上に重ねるインナーウェアが粗悪であれば、そちらが邪魔して性能を発揮しきれないだろう。あくまでウェアは全体の構成が大事なので、その点は抜かりの無いようにして頂きたい。
このレビューが、皆様の汗冷え軽減につながれば幸いだ。
おわり