ツーリング記

エベレスティングROAM 10K達成!400㎞獲得1万mを20時間半で走ってきた

「自転車でエベレストを越える」―そんなイカれたチャレンジがエベレスティングだけれど、その派生型に『ROAM』というものがある。

距離400㎞、獲得標高1万m以上のコースを、36時間以内に走るというものだ。通常のエベレスティングに次いでグラベルでのエベレスティングを達成した僕は、次なる目標としてこのエベレスティングROAMにチャレンジし、無事達成できたのでその様子をまとめていきたい。

*装備やウェア、補給の方法などは別の記事にまとめているので、詳しくはそちらへどうぞ

<目次>
1.チャレンジの概要
2.前半戦とチェーン切れ
3.ペースを刻む
4.雨でフィニッシュ
5.まとめ

1.チャレンジの概要

冒頭でも少し書いたけど、「エベレスティングROAMって何?」というのも簡単に。

通常のエベレスティングは「1つの上り坂を、獲得標高が8,848mを越えるまで往復する」というもの。ルートは1か所だし、制限時間はないものの途中睡眠が不可というルールもある。

それに対し、ROAMは「距離400㎞、獲得標高1万m以上のコースを36時間以内に走る」というもの。ルートは自由であちこちを走っていいし、睡眠もOKだ。詳しくは本国サイトをご覧いただきたい。

 

ルートは完全に自由なんだけど、近場で400㎞で1万mも登れるルートを考えるのが大変だった。峠と峠の距離が離れている地域では、あちこちを徘徊しているとどうしても600㎞クラスになり、ちょっとチャレンジの質が変わってしまう。

結局、こんな感じに宮城県と山形県を行ったり来たり。

蔵王エコーラインと笹谷峠を基本に、周辺の細かい峠も組み込んでいる。獲得標高は測り方によって結構ズレる(特に事前のルートはトンネルと橋の影響で高くなりやすい)ものなので、ルートを引いた段階では大まかにしておき、最終的には走りながら調整をしていく作戦でいた。

バイクはスペシャライズドのRoubaix SL4 Disc。

Apiduraのレーシングシリーズのバックを基本にパッキングし、前後共に軽量な泥除けを装備している。雨に備えて装備が多くなっているのと、補給回数を減らして走行するためにバックの合計容量は多めだ。

装備の一覧はこちらにまとめているので、よろしければどうぞ。

チャレンジは7月はじめ、天候は晴れのち雨、気温は12℃~28℃。

ウェアは上が長袖インナー+半袖ジャージ、下が7分丈インナー+ハーフジャージ。防寒着として薄手のジレ、ネックウォーマー、ロンググローブ。雨用にレインジャケット上下を追加。

日中はそれなりに気温が上がる予報だったけど、夜間の山頂付近はかなり冷え込むので、その寒さにも対応できるような構成。ウェアは寒い方に合わせるのが僕の鉄則。

 

2.前半戦とチェーン切れ

さて、準備を整えたら早速スタート。朝の4時ごろ起きて、ご飯をかき込んだら出発する。

チャレンジは梅雨の真っただ中、毎日どんよりとした天気が続き、雨の降らない日は無い状態が続いた。

しかし、当日は何日ぶりかの晴天。スタートポイントに向かう途中、いつぶりかの朝日をみて気持ちよさをかみしめた。

実はこのエベレスティングROAM、一週間前にもチャレンジをしていて、通行止めにより完全に気持ちが切れてしまい獲得標高5,500mでDNFしていた。今回はそのリベンジライドでもあり、なんとしてもゴールしたいところ。

36時間という制限時間は余裕だし、最低でも24時間は切りたい。天気予報的にも22時間後くらいから雨だったので、雨に打たれる前にゴールで着ればいいなぁなんて理想も抱いていた。

序盤は林道を中心にじわじわと獲得標高を稼ぐ。昨日も雨が降っていた林道はしっとりとしていて、朝方のひんやりとした気持ちの良い空気が肺に流れ込んだ。僕はこの空気感が好きだ。

100~200mほどの短い登りを繰り返し、徐々に身体を温め調子を判断する。……うんうん、いつも通りの感触。これなら問題ない。

予定通りに蔵王エコーラインへと入り、このコース一番の標高1,600m地点まで一気に上がる。序盤で脚を使いすぎないように気を付けつつ、かといってダラダラ登ると逆に疲れるので一定に。

標高1,300mくらいまでは蔵王エコーラインも晴れ間が心地よく、遠く太平洋まで見渡せた。チャレンジ中とはいえ、こういう綺麗な景色があると楽しいし余計に頑張れるというものだ。

峠の頂上をクリアしたら、快調にダウンヒルしてまた次の峠へ……。その繰り返しをひたすら続ける。これがエベレスティングROAM(徘徊)だ。

……と、ここでトラブル発生。

登りの途中で駆動系に違和感を感じたら、途端にチェーンが切れた。今までもいろいろトラブルは経験してきたけど、チェーンが切れたのは初めて。

幸いチェーンツールとアンプルピンを持参していたので事なきを得たけど……まさかこのタイミングで切れるとは。「え、チェーンって本当に切れるんだ」とか思ったくらいだ。(笑)

いや、実際チェーンツールを持ってなかったらチャレンジ断念どころか、山中で遭難しているところだった。持ってきて本当に良かった。(実はこれ、65gと軽量でおススメ)

幸い手持ちのツールで1コマ詰める形で修正し、事なきを得た。約10分のタイムロス。

 

3.ペースを刻む

中盤は淡々とペースを刻んでいった。

グロス20㎞/hを基本に、ひたすらアップダウンをこなす。

信号の少ないルート、しかも交通量もさして多くはないので、心持はのんびりまったりと。

もちろん楽な走りではないんだけど、車のストレスなく自然を楽しみながら走れるので気分が良い。

視界が開けると青空が広がる。

う~ん最高!エベレスティング中というより、普通にロングライドを楽しんでいる感じだ。(笑)

日中の気温は、麓の電光掲示板で28℃。やっぱり冬用の長袖インナーは暑くて、登りはじめはしんどい。それでも標高を上げれば気温は下がるし、木陰も多く日差しを遮ってくれるのでまだ耐えられる。標高を100m上げるだけで大気は0.6℃下がり、森から抜ける空気は冷やされているため更に涼しく感じるのだ。

約半分……200㎞/5,000mUPが終わったところで、グロス9時間47分。うち10分がチェーントラブルなのを考えても結構いいペースだ。後半は減速することを考えても、20時間ピッタリなら狙えるかもしれない?

そんな淡い期待を胸に抱きつつ、脚は休めず距離と獲得標高を刻んでいく。

今回の補給は、コンビニと自販機のみで行った。

補給の停車で時間を食いたくなかったのが大きな理由で、コンビニは100㎞おきに3回、自販機は必要に応じて3~4回立ち寄っただろうか。だいたい補給は1,500㎉、ドリンクは2Lを目安に携帯。

携帯量を減らして軽くしたい気もするけど、こういうファストロングライド系では、やっぱり「速く走る」よりも「止まらず走る」方が大切だと思う。買い物であれこれ考えるのも、地味にストレスだし。

1時間に300㎉を目安に、ひたすら食べて飲んで走ってを繰りかえす。

標高の高い蔵王は霧も出始め、いよいよ夜に向けて天候が悪化していく雰囲気が出てきた。雨雲から逃げ切りゴールできるか、あるいは捕まるか……。

 

4.豪雨フィニッシュ

山形→宮城の最後の越境まえ、遠くに沈みゆく夕日が見えた。

今日一日が良い天気で良かったなあと振り返りつつ、ゴールまで雨が降らない事を祈る。

獲得標高がエベレスト(8,848m)に近づく頃になっても、ペースは依然としてグロス20㎞/hくらい。徐々にペースダウンをしているものの、下りも合わせるとまだ20時間以内のゴールが見えている。流石に疲れてきたのでダラダラ走りたくなるけど、折角頑張ってきたので踏みなおす。

しかし、山間部の天候は思わしくない方向へ。。

蔵王山頂付近は凄い霧で、目の前が真っ白になり視界が効かなかった。写真で見ると距離感が掴みにくいから伝わらないけど、道路わきの反射材すら視認しにくいレベル。コーナーか直進かすら分からなくなる場所もあり、下りはブレーキ握りっぱなしでおっかなびっくり走る。

突然目の前に崖が現れるこの道は、今まで走ってきた中でもトップクラスに怖い道だったかも知れない。

獲得標高はついに9,000mを越え、いよいよラストスパート……という所で、残念ながら本降りの雨に。レインウェアを着込んでいる間にも、雨はみるみる強くなっていった。

もう一度山の中に入って本格的なヒルクライムをする予定だったけど、あの霧にこの雨が合わさる中を走るのは避けたい。下りでも相当ペースダウンしてしまうし、何より危険度が高すぎる。そんな事を考えているうち、急激な気圧変化のせいかGarminの気圧高度計までおかしくなり、標高の表示が動かなくなってしまった。

幸い、今居るのは僕の地元である宮城県。いるも走っているエリアはコースごとの獲得標高も記憶しているから、1,000mになる様にルート構成をしながら帰宅方面へと走ることにした。

後から天気予報を見ると、酷いときは13㎜って……。

レインウェアをフル装備&前後フェンダーも付けてきた甲斐があった。(笑)

シャワーみたいな雨を浴びながら、残りの1,000mをこなす。

濃霧と雨の下りでペースダウンをしたし、雨の準備やら何やらで時間を食ってしまっている。密かに目標にしていた20時間切りは無理なのが確定してしまったし、とにかく安全第一で。

そして、無事帰宅。

ひとまず記憶した獲得標高を合算して1万mを達成したのち、余裕を持って更に獲得700mくらい走っておいた。その過程で徐々にGarminの高度計もきちんと機能する様になり、サイコンの表示でも1万mを達成。

既に1万mを越えているのは分かっていたけど、やっぱり手元のサイコンで「10,000m」の表示が出ると嬉しかったりする。(笑)

雨でスマホが使えなかったので、帰宅してからTwitterで達成の報告を。

毎度ながら沢山の応援メッセージを頂けて、本当に励みになっている。ライド中は余裕がなくて返信できないんだけど、辛いときに見返すと本当に力が出るものなのだ。帰宅は午前3時を過ぎているにも関わらず、おめでとうのリプがすぐについて可笑しかったりも。(笑)

フォロワーの皆様、いつもありがとうございます。

 

5.STRAVAにアップ&申請

正確なタイムが分からないので、ログをSTRAVAにアップして確認してみた。

「恐らくここだろう」というポイントで一旦ログを切っておいたので、その地点での結果がこれだ。

距離401㎞、獲得標高10,188m、グロスタイム20時間30分。

憧れの20時間には届かなかったけど、目標としていた24時間は余裕を持って走れた。もちろん、エベレスティングROAMの制限時間である36時間もクリア。いろいろトラブルもあったけど、辛楽しいロングライドだった。

申請後、無事にHells500にも認定。

なかなか遠出が出来ないご時世だけど、近場でいろいろ楽しめるチャレンジもある。ルートも日時も自由に決められるので、スタートのハードルが低いのもエベレスティングの良いところだと思う。『エベレスティングROAM 10K』、ロングライド好きの方はいかがだろうか?

今回使用した機材やウェア、補給の方法などのまとめはこちらへ

おわり

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