寒い冬のサイクリングには、暖かいグローブが欠かせない。その一方で、レバー操作やハンドリングといった細かな動きにも対応して欲しい。
今回は、そんな難しい注文に応えようとBBBが発売するサイクリンググローブ『コールドシールド(BWG-22)』をレビューしていきたい。
<目次>
0.今回のご提供について
1.商品スペック
2.各部詳細
3.使用感
3-1.はめ心地と操作感
3-2.暖かさについて
3-3.残念なところ
3-4.耐久性にやや不安
4.まとめ
(0.この製品の提供について)
本題に入る前に1つだけお断りを。それは、この製品はライトウェイ様よりご提供を受けているという点。
僕のブログは『いちユーザー目線で、良いこと悪いことを正直に書く』というのをモットーにしているので、この記事でも正直なレビューをしていく。ご提供を受けた品ではあるけど、記事を書くにあたってライトウェイ様にもその点を了承して頂いていることを、はじめにお断りしておきたい。
1.製品スペック
では、製品スペックからご紹介していこう。
このグローブは、BBBのラインナップの中では「ミドルグレード」の防寒性のグローブらしい。ソフトシェル素材で作られており、しなやかながらに防風性や保温性を確保している。
より暖かいグローブとしては、同社では「サブゼロ」シリーズなど、もっとふわふわなグローブも展開されている。ただし、一般的な冬用サイクリンググローブに相当するのがこの「コールドシールド」あたりではないかと思う。
2.各部詳細
早速各部を詳しく見ていこう。
カラーはブラック1色のみ。赤いラインが入っているのと、人差し指には光沢のある黒いラインが2本入っている。このラインは反射素材なのかな?と最初思ったけど、そういう訳ではなくただのデザインの様だ。
立体裁断がされているので、自然な手の形にフィットする様になっている。
手の甲側には中綿の様なものが入っていて、やや厚みがある。表面は防水性はないが、若干シャカシャカしたような感じの生地感。
手のひら側はしっかりした素材感。特別滑り止めの様なものはないが、全体が適度に滑りにくい生地だ。
パッドは薄手のもので、CLARINO素材(クラリーノ。ランドセルとかに使われる強化人工皮革)で強化されている。しっかりした素材感で、こちらも適度に滑りにくい。
裏面は短い毛足の起毛素材。手触りが良い。
手の甲、手のひら両面ともに、内側のフリース素材と外側の素材の2重構造。暖かさを確保するうえで2重構造なのはありがたい。
手首は薄手のネオプレンカフで、ベルクロで縛る仕組み。ベルクロ部分にBBBのロゴがさりげなく入っている。
スマホ対応の箇所は右手の人差し指と親指のみ。左手にはなし。タッチの反応は普通に良いけど、グローブに厚みがあるので文字を快適に打つのは難しいかも。
3.使用感
では「実際に使ってどうか?」というのを書いていきたい。
使用環境は日々のロードバイクでのライドと、冬の北海道ツーリング。現状では合計800㎞ほど。
3-1.はめ心地と操作感はGOOD
BBBのグローブにはサイズチャートがあって、僕の手のサイズは恐らく「Mに近いL」。それでも、インナーグローブを着用しても使えるように、また防寒性の観点からは多少余裕があった方が暖かいのを加味して、XLサイズを使用している。つまり、あえて多少緩めを使っている訳だ。
それでも、手にはめた感じは結構いい。立体裁断のお陰か厚みのあるグローブながらに手は自然だし、全体的に生地感が柔らかいので嫌やごわごわ感がない。
裏起毛になっているもの良さげで、適度にふわっとするので気持ちがいいのもある。
また、手のひら側は適度な厚みで握り心地がよく、レバーの感触もしっかりしているのでSTIの操作もしやすい。適度なグリップ感があるのも操作感の良さに一躍買っている。
パッドが分厚すぎないのもGood。もちろん薄手のグローブと比較すれば操作性は落ちるけど、暖かさも勘案すると十分操作感は良い方だと思う。
3-2.暖かさも十分
肝心の暖かさも、期待通りでいい感じ。「暖かさ」の基準は人それぞれなので皆さんが僕と同じ感想になるかは分からないけど、僕は0℃くらいまではこれ1枚で十分に対応できる。氷点下数℃でも身体の発熱をコントロールすれば問題ないが、長時間のダウンヒルではちょっと寒いだろうか。
(↑)左:コールドシールド、右:レースシールド
特に手の甲側に保温材が入っているのが効いているらしく、見た目の厚さよりも暖かく感じる。ひょっとするとこれは、僕が大きめのサイズを選んでいるせいもあるかも知れない。
暖かさと操作性のバランスが良いので、冬の仙台で使う分にはコールドシールド1つあれば十分だと思うくらい。
ちなみに、冬の北海道(走行時最低気温は約ー23℃)では、BBBのレースシールドをインナーグローブにし、その上からこのコールドシールドを着用。さらに、R250のハンドルカバーを使用した。
ー15℃くらいならこの組み合わせで寒さを感じずに走れるし、ー5℃前後なら下り以外はハンドルカバー無しで良かった。
3-3.残念なところ2つ
ここまでは主に良いと思う部分を書いてきたけど、ちょっと注文を付けたい部分も2つあった。
まず1つ目が手首の長さ。ネオプレンのカフが付いているものの、その長さがあと1~2㎝欲しい。防寒は”首”を温めるのが大事で、手の場合は手首を冷やさないようにするのが大切。
現状でも手首をカバーは出来るものの、腕を伸ばし気味にしたときにウェアと隙間が出来たり冷気が侵入してしまったりして、ひやっと寒さを感じることが多い。これは僕の体型(ウェアをウエストで合わせると大抵袖が短い)のせいもあるとは思うものの、今まで使っていたグローブはもう少し長かったし物足りなさがある。
2つ目が反射素材がないこと。冬は日が落ちるのが早いし、ロングライドと通学ライドがメインの僕は夜間走行も多くなる。そのとき、やはり気にるのは車からの視認性だ。
手に反射素材があると割と目立つし、ハンドサインもよく認知してもらえるのでなるべく反射素材を付けておきたい。ロゴやラインの部分だけでもいいから、反射素材を取り入れてほしかった。
3-4.耐久性に不安?
最後に、耐久性について。ここはまだ1シーズンもフルで使っていないから正確な評価がまだ出来ないけど、ちょっと不安を抱いている。
僕の場合グローブで最初に壊れるのが「人差し指の側面」で、いつも縫い目から穴が開いていってしまうのだ。STI操作の時に一番負荷がかかるためだと思われる。
このコールドシールドも恐らくそこから壊れてくるんだろうけど、既に少し縫い目のほつれがみられてきた。今までのグローブも2シーズン持たずに穴が開き始めてきたものの、ちょっとこのスピードは崩壊が速いと思う。
また、右手のスマホ対応の素材は既にはがれ始めているし、レバーに当たる指の腹部分も表面がはがれている。先ほどの縫い目の問題しかり、ここの素材強度しかり、耐久性に不安を持たずにはいられない。
*ライトウェイ様の社員さんも使用しているらしく、1,000㎞でも新品状態と変わらない模様。使い方や個人差が結構あるのかも知れない。
4.まとめ
BBBのコールドシールドは、真冬でも十分使える暖かさを兼ね備えつつ、STIの操作もしやすいと、基本性能のバランスが良いサイクルグローブだ。僕の手の形にもあっているのか、使っていて心地よく気に入った。
ただし、手首の長さや反射素材といった注文点はあるし、耐久性に不安があるのがウィークポイント。今後も使用を継続しながら様子を見てくけど、ご購入の際には注意して頂きたい。
この記事が皆様の冬用グローブ選びの参考になれば幸いだ。
おわり